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榊原 英資青山学院大学特別招聘教授

就活生向け!
榊原英資の“グローバル視点”経済展望

<第20回>2017.6.1
アフリカ経済の現状と今後

現在アフリカ大陸は世界の最貧地域。GDPでもアジアの国々が大きく成長率を上げ、先進国に迫っているのに対し、アフリカ諸国はまだまだ低いレベルに甘んじている。2016年のGDPトップは米国、2位は中国で3位は日本、インドが7位、韓国が11位とアジアの国々が高いGDPを達成しているのに比べ、アフリカのトップのナイジェリアは27位でその名目GDPは4060億米ドルと中国の1/20以下だ(中国は11兆2183億米ドル)。エジプトは3323億米ドル、南アフリカは2941億米ドルにとどまっている。



プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が2050年の世界のGDPを予測しているがトップは中国の58兆4990億米ドル(PPPベース)、2位はインドの44兆1280億ドルになっている。PwCの予測によると2040年代にはインドが米国を抜いてナンバー2になるということなのだ。2050年にナイジェリアは14位、4兆3480億米ドルに達しているが、それでもインドの1/10だ。



ただ、2015~2050年の平均実質GDPの成長率(年率)ではナイジェリアがトップで実質GDPの年平均成長率は5.4%とインドの4.9%、中国の3.4%を上回っている。トップ10のうち7か国はアジアだが(ベトナム・バングラディシュ・インド・フィリピン・インドネシア・パキスタン・マレーシア)アフリカもナイジェリアの他南アフリカ共和国もナンバー8、エジプトがナンバー9につけている(いずれもPwCの予測)。



2050年までに世界の人口は23億8000万人増加すると予測されているが(国連予測)、最も増加数が多いのがインドで3億9428万人、ナイジェリア・パキスタン・コンゴ民主共和国・エチオピア・タンザニアと続く。増加数の25%はインド・パキスタン・インドネシアとアジアの国々だが24%はナイジェリア・ウガンダ・アフリカの国々だ。2050年の時点ではアジアとアフリカの人口増加はほぼ拮抗しているが、2050年以降急速に人口が増加するのはアフリカ諸国。2015年現在での世界の人口の16.1%を占めているアフリカの人口は、2100年には39.1%とアジアの人口にせまるとされている。逆にアジアは中国の人口が大きく減少することから、2100年には2015年の59.8%から43.6%に減少するとされている。アフリカはこの間32億人増加し、アジアはインド等の増加があって5億人増加すると予測され、2100年アフリカの人口は40億人、アジアの人口は47億人とほぼ同レベルの人口になる訳だ。そして、アジアとアフリカで世界の総人口のなんと約90%を占めることになる。



人口増加がそのまま経済成長率に繋がるわけではないが、経済運営がそこそこ順調に行われれば、アフリカは今後とも高い成長率を維持できると思われる。2016年アフリカ諸国の成長率にはばらつきがあるもののアジアと並んで高く、エチオピアは7.96%、コートジボワールは7.52%、タンザニアは6.58%、セネガルは6.57%の成長率を達成している。



GDPのレベルそのものが低いのだから(前述したようにトップのナイジェリアでも中国の1/20、インドネシアやタイよりも低い)、経済運営をしっかりやれば今後とも高い成長率を維持することは充分可能だ。前述したように2015~50年の平均成長率はナイジェリアが世界ナンバー1の5.4%、2016は資源価格の下落でアフリカ経済の成長率は大きく鈍化したが(ナイジェリアはマイナス1.54%)、2017年は回復基調に入り、IMFの2017年4月の予測ではプラス成長に転ずるとされている。そう遅くない時点で2006~2015年の年平均成長率6.4%まで回復することが可能だろう。資源輸出国が多く資源価格等に成長率が左右されるが、世界経済全体が順調に推移すれば、成長ポテンシャルは極めて高い。今後、50~100年を見通せば、アジアに次いで世界の成長センターになっていくのだろう。世界経済の成長エンジンは中国からインドへ、そして中東からアフリカへと次第に西へ移行していくことになり、21世紀はアジアとアフリカの世紀になっていくのだろう。

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Profile

榊原 英資
Eisuke Sakakibara

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶應義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学特別招聘教授。近著に「資本主義の終焉、その先の世界」、「中流崩壊 日本のサラリーマンが下層化していく」、「仕事に活きる教養としての『日本論』」、「日本経済『成長』の正体」、「榊原英資の成熟戦略」など。