金融を目指すすべての学生へ キャリタスファイナンス 金融ビジネスの価値・魅力が見つかる!就活生のためのサイト

金融ビジネスの価値・魅力が見つかる!就活生のためのサイト

  • articles 注目記事
  • Column 識者によるコラム
  • Guide 就活ノウハウ
  • Event イベント
  • Event イベント

会員登録

Login

Ranking

プロの視点

榊原 英資青山学院大学特別招聘教授

就活生向け!
榊原英資の“グローバル視点”経済展望

<第6回>2016.09.21
アフリカの高い成長ポテンシャル

第6回アフリカ開発会議が去る8月27日・28日ケニア・ナイロビで開催され、安倍晋三総理大臣が出席、ケニヤッタ・ケニア首相、デビー・イトゥノ・チャド共和国大統領とともに共同議長を務めた。安倍総理は26カ国のアフリカ首脳級参加者との間で個別に、またはグループで会議を行った。一方、岸田文雄外務大臣は10カ国のアフリカの閣僚級の参加者および7つの国際機関の長との間で個別、またはグループで会議を行った。そして日本はこの会議で2018年までに300億米ドル規模の投資をすると発表したのだった。


アフリカ開発会議は、日本が主催し国連・世界銀行などが共催するアフリカ開発をテーマとする国際会議で、1993年に東京で開催されて以来、今回を含めて6回開かれている。中国もアフリカ開発には力を入れており、アフリカ開発会議はこれに対抗する側面も持っている。当然、中国はアフリカ開発会議に批判的で、今回も日本の「軍事拡張の野心」の表れだと批判している。


アフリカ諸国は世界で最も成長率の高いグループで、2001年から2010年の10年間、世界で成長率の最も高かったアンゴラ(11.1%)を筆頭に、トップ10のうち6カ国をアフリカ諸国が占める(ナイジェリア8.9%、エチオピア8.4%、チャド7.9%、モザンビーク7.9%、ルワンダ7.6%)。アンゴラの成長率は、ナンバー2の中国(10.5%)を0.6%超えている。

2011年から2015年でも、トップ10のうち7カ国がアフリカ諸国。中国(9.5%)、インド(8.2%)に次いでナンバー3がエチオピア(8.1%)、モザンビーク(7.7%)、タンザニア(7.2%)、コンゴ(7.0%)、ガーナ(7.0%)、ザンビア(6.9%)、ナイジェリア(6.8%)と続いている。


プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)は、2015年2月に調査レポート「2050年の世界」を発表しているが、2015年~2050年の平均成長率が最も高いのがナイジェリア(5.4%)、南アフリカ共和国(4.2%)、エジプト(4.1%)などだ。これらの国がベトナム(5.3%)、バングラデシュ(5.1%)、インド(4.9%)などのアジアの国々とともに高成長を達成すると予測している。


ナイジェリアは人口1億5,842万人のアフリカ1の大国、アフリカ経済の1/4を占める規模を持っている。人口では世界第7位で、ロシア(1億4,296万人)、日本(1億2,654万人―2010年の統計)、メキシコ(1億1,342万人)などを上回っている。GDPでは、4902.1億米ドル(2015年)と世界第24位、このところ大きくGDPを伸ばしてきている。また、2007年からの10年間で米ドル建てのGDPは2倍以上になっている(2007年GDPは2574.7億米ドル)。 国連の統計(2015年)によると、2015年~2100年の間に最も人口増加が大きいと予測されているのはニジェール(952%)、それにザンビア(547%)、タンザニア(459%)と続く。別表に示されているように、人口増加の予測トップ11はすべてアフリカ諸国なのだ。世界全体の増加率は52.6%、アフリカ諸国に次いでパキスタン(92.8%)、フィリピン(67.4%)、インド(26.6%)、インドネシア(21.8%)とアジアの国々の人口増加率も大きい。先進国で人口が増加すると予測されているのは米国と英国。いずれもアフリカ系・スペイン系などの人口が増加するためだ。ドイツ、日本、ロシア、イタリア、中国などは人口減少局面に入っていく。



人口の増加は通常GDPの増加につながる。前述したように、PwCの予測では2015年~2050年の平均成長率が最も高いのがナイジェリア。南アフリカ、エジプトなども平均成長率が4%を上回っている。アフリカの面積はヨーロッパの3倍、そして2050年までには現在の人口約10億人が倍の20億人になると予測されている。しかも世界の未開墾地の60%がアフリカにある。政策のマネジメントがそこそこうまくいけば、アフリカは世界の地域の中で最も成長率の高いところになっていくのだろう。

アフリカ52カ国のGDPの合計は1兆1,848億米ドル(2009年)と、世界の2%に過ぎない。豊富な天然資源を持ちながら、現在は世界で最も貧しい発展途上の状態にあるのだ。逆に、政策さえ適切であれば、成長のポテンシャルは最も高い。中国や日本がそこに注目して、開発に力を入れているのは当然のことだと言えよう。

Column
2017.6.1
榊原 英資 <第20回>アフリカ経済の現状と今後

Column
2017.5.17
榊原 英資 <第19回>オバマ大統領の経済政策と世界へのインパクト

Column
2017.5.2
榊原 英資 <第18回>トランプ大統領の経済・外交政策

Column
2017.4.5
榊原 英資 <第17回>日銀金融緩和のインパクト

Column
2017.3.22
榊原 英資 <第16回>なぜ、他国の不安要素が円相場に影響を与えるか

Column
2017.3.8
榊原 英資 <第15回>高成長を続けるインド経済

Column
2017.2.8
榊原 英資 <第14回>韓国政治混乱、日本への影響は

Column
2017.1.25
榊原 英資 <第13回>ポスト資本主義の時代へ

Column
2017.1.11
榊原 英資 <第12回>トランプ相場はいつまで続くのか

Column
2016.12.21
榊原 英資 <第11回>トランプ政策によるアジア情勢の行方

Column
2016.11.24
榊原 英資 <第10回>アメリカ大統領選挙 ―噴き出す挫折感―

Column
2016.11.02
榊原 英資 <第9回>資源輸出価格の下落と世界経済

Column
2016.10.19
榊原 英資 <第8回>アジア市場の展望

Column
2016.10.05
榊原 英資 <第7回>変調を来す中国経済

Column
2016.09.21
榊原 英資 <第6回>アフリカの高い成長ポテンシャル

Column
2016.08.10
榊原 英資 <第5回>マーケット感覚を磨く必要性

Column
2016.07.27
榊原 英資 <第4回>英国のEU離脱で急激な円高に。どうなる今後の為替市場

Column
2016.07.06
榊原 英資 <第3回>BRICS諸国の停滞

Column
2016.06.15
榊原 英資 <第2回>ヨーロッパの統合は道半ば

Column
2016.06.01
榊原 英資 <第1回>アメリカ経済も減速局面に

Articles
【編集部おすすめ】
金融業界の人気インターンシップ

Articles
【編集部おすすめ】
エントリ―受付中の金融業界のインターンシップ

Articles
【編集部おすすめ】
金融系職種を体験できるインターンシップ

Articles
【編集部おすすめ】
先輩たちがエントリーした金融企業TOP100

Articles
【編集部おすすめ】
エントリ―受付中の金融企業

Articles
【編集部おすすめ】
金融系の職種を募集中の企業

Profile

榊原 英資
Eisuke Sakakibara

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶應義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学特別招聘教授。近著に「資本主義の終焉、その先の世界」、「中流崩壊 日本のサラリーマンが下層化していく」、「仕事に活きる教養としての『日本論』」、「日本経済『成長』の正体」、「榊原英資の成熟戦略」など。