金融を目指すすべての学生へ キャリタスファイナンス 金融ビジネスの価値・魅力が見つかる!就活生のためのサイト

金融ビジネスの価値・魅力が見つかる!就活生のためのサイト

協力:日本経済新聞 電子版

  • articles 注目記事
  • Column 識者によるコラム
  • Guide 就活ノウハウ
  • Special 特集
  • Event イベント

会員登録

Login

Ranking

プロの視点

榊原 英資青山学院大学特別招聘教授

就活生向け!
榊原英資の“グローバル視点”経済展望

<第8回>2016.10.19
アジア市場の展望

去る9月7日、ラオス・ビエンチャンにおいて、日・ASEAN首脳会議が開かれ、日本からは安倍晋三総理が出席した。ASEANは1967年に設立され、原加盟国はタイ・インドネシア・シンガポール・フィリピン・マレーシアの5ヶ国。1984年にブルネイ・その後ベトナム・カンボジア・ミャンマー・ラオスが参加し、現在10ヶ国で構成されている。

ASEAN諸国は経済成長率が高く、1979~2008年の30年間の平均で世界のトップテンのうち6ヶ国がASEAN諸国だった。(トップは中国の9.8%、2位シンガポール7.0%、3位ベトナム6.6%、4位ミャンマー6.4%、5位マレーシア6.3%、8位ラオス6.1%、9位タイ5.8%)2015年の時点でミャンマーが7.0%、ラオスが7.0%、カンボジアが6.9%、ベトナム6.7%、フィリピンが5.8%、マレーシアが5.0%、インドネシアが4.8%、タイが2.8%、シンガポールが2.0%の成長率を維持している。



人口はASEAN全体で約6億人、NAFTA4.53億人、EUの4.99億人を上回っている。GDPは1兆8650億ドルとNAFTA17兆1380億ドル、EUの16兆2420億ドルを大きく下回っているが、それだけに今後とも高い成長率を続けていく可能性が高い。

アジア全体の人口は約38億人、世界の総人口の55%を占めている。人口ナンバーワンは中国で13億7462万人(2015年)、次はインドで12億9271万人、ナンバーフォーがインドネシアで2億5546万人(いずれも2015年)になっている。パキスタンが6位、バングラデシュが8位だからトップテンのうち5ヶ国までがアジアの国だ。ちなみに日本は11位、12位、13位にはフィリピン、ベトナムとアジアの国々が続いている。世界の人口は今後とも増加し続け、国連の推計によると、2050年には全体で91億人、インドが中国を抜きナンバーワンになり16.14億人、中国はナンバーツーで14.17億人と予測されている。当然、GDPも中国・インドが大きくなる。プライスウォーターハウスクーパー(PwC)の予測によるとGDPナンバーワンは中国で61兆790億ドル(PPPベース)、ナンバーツーがインドで42兆2050億ドルとなっている。インドネシアが第4位で12兆2100億ドル(第3位は米国の41兆3840億ドル)、日本は第7位で7兆9140億ドルとなっている。GDPトップテンのうち日本を含めてアジアが4ヶ国だ。



2015~50年度の実質GDPの平均成長率でもトップテンをうち7ヶ国がアジア。ベトナムが5.3%でナンバーツー(トップはナイジェリアの5.4%)、バングラデシュ(5.1%)、インド(4.9%)、フィリピン(4.5%)、インドネシア(4.3%)、パキスタン(4.3%)、マレーシア(4.1%)と続く。【国連人口予測に基づくPwCの分析】



少なくとも2050年まではアジアが世界の成長センターになっていくという訳なのだ。しかしアジアも2050年の50億人強をピークに人口が減少に転ずると予測されている。インドも2100年には15億4700万人に、中国は10億8600万人まで減少するとされている。逆に、人口が増加するのはアフリカ。現在の10億人が4倍の40億人に達する見込みなのだ。2100年の世界の総人口の90%がアジアとアフリカで占められるとの予測だ。当然、GDPも次第にアフリカが増加し、アジアの時代からアフリカの時代に入っていくということなのだ。ただこれはいくつかの前提を置いた未来予測。はたしてアフリカの時代がくるかどうかは必ずしも定かではない。

しかし、2050年にかけてのアジアの時代の到来はより現実性があるように思える。というのは、これは新たな到来ではなく再来だからだ。過去2000~3000年の間のほとんどの時期アジアは世界の中心だった。1820年の時点でもアンガス・マディソンの試算によれば世界のGDPの29%は中国、16%はインドだった。時代を遡ると両国のシェアーはさらに増加する。過去の繁栄を背景に世界ナンバーワン・ナンバーツーの人口を持つ両国が再びGDPでも飛躍するのはごく自然なように思える。又、前述したようにベトナム・フィリピン・インドネシア等に東南アジア諸国も台頭してくるだろう。

Column
2017.5.17
榊原 英資 <第19回>オバマ大統領の経済政策と世界へのインパクト

Column
2017.5.2
榊原 英資 <第18回>トランプ大統領の経済・外交政策

Column
2017.4.5
榊原 英資 <第17回>日銀金融緩和のインパクト

Column
2017.3.22
榊原 英資 <第16回>なぜ、他国の不安要素が円相場に影響を与えるか

Column
2017.3.8
榊原 英資 <第15回>高成長を続けるインド経済

Column
2017.2.8
榊原 英資 <第14回>韓国政治混乱、日本への影響は

Column
2017.1.25
榊原 英資 <第13回>ポスト資本主義の時代へ

Column
2017.1.11
榊原 英資 <第12回>トランプ相場はいつまで続くのか

Column
2016.12.21
榊原 英資 <第11回>トランプ政策によるアジア情勢の行方

Column
2016.11.24
榊原 英資 <第10回>アメリカ大統領選挙 ―噴き出す挫折感―

Column
2016.11.02
榊原 英資 <第9回>資源輸出価格の下落と世界経済

Column
2016.10.19
榊原 英資 <第8回>アジア市場の展望

Column
2016.10.05
榊原 英資 <第7回>変調を来す中国経済

Column
2016.09.21
榊原 英資 <第6回>アフリカの高い成長ポテンシャル

Column
2016.08.10
榊原 英資 <第5回>マーケット感覚を磨く必要性

Column
2016.07.27
榊原 英資 <第4回>英国のEU離脱で急激な円高に。どうなる今後の為替市場

Column
2016.07.06
榊原 英資 <第3回>BRICS諸国の停滞

Column
2016.06.15
榊原 英資 <第2回>ヨーロッパの統合は道半ば

Column
2016.06.01
榊原 英資 <第1回>アメリカ経済も減速局面に

Articles
【編集部おすすめ】
先輩たちがエントリーした金融企業TOP100

Articles
【編集部おすすめ】
エントリー受付中の金融企業

Articles
【編集部おすすめ】
金融系の職種を募集中の企業

Profile

榊原 英資
Eisuke Sakakibara

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶應義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学特別招聘教授。近著に「資本主義の終焉、その先の世界」、「中流崩壊 日本のサラリーマンが下層化していく」、「仕事に活きる教養としての『日本論』」、「日本経済『成長』の正体」、「榊原英資の成熟戦略」など。