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就活前に学ぶ金融講座

①「市場」とは何か? - 株式市場・債券市場・為替市場

金融業界で用いられる「市場」という言葉は、イチバではなく「シジョウ」と読みます。たとえば、株式を売ろうとする人が、買いたい人を見つけるのは大変ですが、売買の注文が集まる「市場」に参加すると相手が見つかり、売りと買いのバランスによって価格も決まります。売りたい人が多ければ価格は下がり、買いたい人が多ければ上がります。つまり、「市場」とは資金や証券の“買い手”と“売り手”を結びつけ、それぞれの動きから妥当な価格を形成し、取引を継続的に維持する「場所」だと言えます。日本では「マーケット(market)」と置き換えて用いることも少なくありません。

「市場」には、東京証券取引所のような「取引所」を持つ市場と、電話や通信によってつながった目に見えない市場があります。そのほとんどは後者に属し、金融機関だけが参加して取引を行っています。グローバル化が進んだ今日では、同じ取引を各国のさまざまな市場で行うことができますので、取引所を持つ市場の間では取引の利便性を高めるなどして、参加者や取引を呼び込む競争が始まっています。東京証券取引所が大阪証券取引所と統合してJPX(日本取引所グループ)を発足させたのも、「アジア・ナンバーワンの取引所」を目指すためです。

金融市場では、債券市場、株式市場、為替市場などが有名ですが、先物やオプションなどのデリバティブ市場、金や原油、穀物などを扱うコモディティ市場も投資運用には欠かせない市場です。

Point of view

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市場には価格の形成を通じてさまざまな過不足やアンバランスを調整し、最適に導く機能があるとされています。制約や規制はそうした市場の機能を奪う要因となりますから、「市場の自由度をできるだけ高めて、金融の動向を市場原理に委ねるべきである」という考え方によって自由化が進められました。市場取引は大きな利益を手に入れる可能性があると同時に、大きなリスクを伴いますから、金融機関にはリスクの正確な把握と正しい管理が求められています。