【インターンシップを知る②】「選考」を理解し、インターンシップの参加権を獲得しよう

インターンシップ・キャリア

公開日:2024.06.05

企業が実施するインターンシップ(5日間以上)に参加するためには、企業が行うさまざまな選考を突破する必要があります。それらの選考を通過するには、事前に志望する企業が実施する選考の種類を知っておくことが必要です。またそれらの選考で何を見られるか、エントリーシート(ES)はどう書いたらよいか、面接で何を話せばよいかを事前に理解しておくことで、本選考の予行演習にもなります。この記事では、インターンシップに参加するための選考対策について解説します。

インターンシップの選考はどうやって行われるか

インターンシップ(5日間以上)の選考は多くの場合、ESや面接によって行われます。インターンシップの運営部署は人事の採用チームが兼ねていることが多く、本番の採用プロセスと似ているものの、それよりは簡略化されています。たとえば「ES提出+面接1回」といった形式で行われることが多いです。

人事担当者は、履歴書のほかESに書かれている自己PRや志望動機などから、インターンシップへの応募動機や取り組む姿勢、業務との相性などさまざまな視点でチェックします。

面接の形式としては、個人面接、グループ面接、グループディスカッションなどがあります。質問内容は、業界やその企業についての知識、自分自身についての掘り下げ、インターンシップに参加する理由や目的について聞かれます。そのほか、時事問題や経済動向、一般常識についても予習をしておくとよいでしょう。企業によって適性検査や筆記試験を設けていることもあるため、事前に志望するプログラムの募集要項を確認しておきましょう。

インターンシップ参加への鍵!ESを攻略しよう

ESに記入する項目や内容は、企業によって異なります。履歴書のような内容のほか、小論文を書かせる場合もあります。しかしどの企業でも共通して、「応募の動機」と「ガクチカ」についての記述を求められるケースが多いです。ESを読む相手は、企業の人事部です。従って、誤字や脱字がなく文法的に間違っていなければ、作文とは違い、文章の上手い下手はあまり影響を与えません。担当者が見たいのは、「募集プログラムに興味をもった理由」「学生生活で取り組んでいること」「インターンシップを通じて得たいもの」の3点です。ひとつずつ解説していきます。

●募集プログラムに興味をもった理由
応募の動機は、「なぜこの企業のインターンシップに参加しようと思ったか」理由を明確に記載しましょう。実際に就く職業を考えたい、他大学の学生とコミュニケーションを取りたいなど、自分なりのきっかけをわかりやすく記載するとよいでしょう。

●学生生活で取り組んでいること(具体的なエピソード)
いわゆる「ガクチカ」です。何に取り組んだのか、その目的、始めた時期、メンバー、自分の役割を説明し、取り組む中で感じた課題や解決策・努力を書き、自分はどう貢献して何が変わったか、それらの経験を今後どのように生かしていきたいかを書いて締めくくります。本選考でもガクチカにおけるエピソードは有力な武器となりますので、今のうちから伝わりやすいようまとめておくとよいでしょう。

また、書くときの注意として「大変だったが、がんばった」のように具体例のない文章は単なる自慢に捉えられてしまうのでNGです。ほかに「うまくいった」「成功した」「感動した」などの抽象的な単語を使う時は、そこに至るまでの経過や行動を具体的に書いておくことが大切です。

●インターンシップを通じて得たいもの
インターンシップを通じて得たいものを考える際に、まずそのインターンシップの内容をしっかりと把握してから考えることが重要です。どんな体験ができそうか、自分が身につけたい知識・スキルは何か、参加後に得られそうな学びは何かを、期待とともに書き出します。

インターンシップ選考の面接で押さえておきたいポイント

一般的にインターンシップ選考の面接ではES同様に「応募動機」「自分自身のこと」「インターンシップへ参加する目的」が聞かれます。また自己PRや普段の学生生活に関する質問も多い傾向にあります。ESに書いた内容と重なりますし、あらかじめ答えを想定できるので、事前にしっかり用意をしておくことがインターンシップ選考の面接を突破する上での鍵となります。面接官は面接を通じて、あなたのインターンシップ参加に対する志望度やコミュニケーション能力、どんな価値観をもっているかを見極め、判断しています。

●志望動機
・ESに書いた内容と矛盾しないように注意してください。ただ、アップデートした答えであれば、面接までの間の成長として説明できます。

●自分自身のこと
・自分の強みをひと言で言えるようにしましょう。どんな根拠や理由なのか、具体的なエピソードを挙げて伝えましょう。また短所も挙げ、改善に向け努力していることも話すことができれば課題発見力の訴求にもつながります。

・ガクチカは内容、きっかけから今に至るまでのストーリーを組み立てて伝えます。ここでのポイントはわかりやすくエピソードを交えて伝えることと、ESに書いた内容との齟齬がないようにすることです。面接はESには書き切れなかったことを補足説明するチャンスでもあるため、伝えたいことがある場合は面接の際にアピールしましょう。

・プログラムに参加したことを「今後のキャリアにどう生かしたいか」という観点を強調することが大切です。プログラムを通じて得たいスキルや経験が将来の職業目標にどのように寄与するかをイメージした上で、面接の際にプログラムに参加する意欲をアピールできるとよいでしょう。

●インターンシップへ参加する目的
・インターンシップのプログラム内容に応じた目的を事前に固めておきましょう。インターンシップは就業体験を通じてその職業に付く能力が自分に備わっているか、そして自分の専門性を発揮し、伸ばすことができるかを確かめる機会です。「インターンシップで得たいもの」の一環としてESとの連続性を保ちつつ、より具体的に目的を言語化しておきましょう。

●本選考でも聞かれる!よくある質問
趣味:
なぜその趣味をもつに至ったか、ハマっている理由、趣味仲間とのコミュニケーションなどから、あなた自身のことを知る手掛かりとして聞かれます。

アルバイトや課外活動:
ガクチカにも通じますが、アルバイトや課外活動を通じて得たものや体験など、あなただけのエピソードを話せるようまとめておきましょう。

大学への志望動機:
どのような経緯で今通っている大学・学部を選んだか、そこで何を勉強したかったかを聞かれることも。高校時代に話がさかのぼる可能性があるので、この機会に思い出しておいてください。

就職に対する価値観:
その人の仕事に対する考えを知っておきたいという意図で聞かれます。キャリアデザインを行った上で将来の計画を立て、仕事においてどんなことを成し遂げたいか、大事にしていきたいか考えをもっておくとよいでしょう。

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ほかに参加したインターンシップなどの経験:
これまでにインターンシップなどの参加経験(オープン・カンパニー、キャリア教育を含む)があれば、そこでの体験や気づきを話せる範囲で答えることであなたの興味や指向性を知ってもらう上での参考となります。

また、「最後に何か聞きたいことは?」という逆質問をされることもあります。これは、学生の疑問に答えると共に、その企業や業務にどれくらい関心をもっているかを推し量る目的もあります。WEBサイトに載っているような、誰もが事前に収集できる情報ではなく、その場でしか聞けない質問が望ましいです。たとえば、「キャリアパスの事例」「入社1年目の苦労」「仕事のやりがい」などです。逆質問は本選考の面接でもよく行われますので、その予行演習としても有効です。

インターンシップにおける面接の流れを紹介

面接そのものにまだ慣れていない人も多いと思いますので、当日の流れを簡単に説明します。

①服装選び
一般的には、男性は無地のシャツにジャケット、ネクタイ、スラックス。女性はブラウスにジャケット、スカートまたはパンツを組み合わせます。色は落ち着いた色調を選びましょう。服装指定がない場合はスーツ、私服と指定された場合はオフィスカジュアル程度の服装で望むのが無難です。

その際はしわや汚れがないか事前にチェックしておきましょう。

②受付
当日は余裕をもって会場へ。電車などの経路を下調べし、当日の運行状況もアプリで確認しておきましょう。5分前には着き、受付を済ませて入館します。

また待機する際は指定された場所で静かに待ちます。スマートフォンは電源をオフにするか、振動音がしないように消音モードにすると安心です。呼ばれたらしっかり返事をして面接会場へ向かいます。

④入室
ドアが閉まっている場合はノックをして、返事を聞いてから入室。大学名と名前を大きな声で伝え、椅子に座るよう指示されたら「失礼いたします」と一言添えた上で、着席します。

⑤面接中
面接では背筋を伸ばすことを意識し、よい姿勢を保つことが大切です。手は両膝の上に軽く置き、軽く握るか指を揃えると見映えがよくなります。視線は面接官の目に向け、自然な笑顔を心がけましょう。大げさでない程度の身振り手振りを交えて、自分の熱意をアピールすることも効果的です。

⑥退室
終了したらしっかりとした声でお礼を言い、ドアの前で一礼し、再びお礼を言ってから静かに退室します。

面接当日は誰しもが緊張すると思います。事前に応募する企業の選考を体験した先輩たちの体験談を前もって読んでおくと、どんな選考があってどんな質問がされそうか予習することができるので、これから面接を控える人に特におすすめです。

\実際に面接で聞かれたことや、先輩のES・選考対策を参考にしてみよう!/

就活本番への助走として

インターンシップにおける選考を通じて業界・企業理解や自己分析の精度を高めることができるほか、就業体験は自分のキャリアを主体的に考える上で貴重な機会となります。企業に勤める方や、他大学の学生とのネットワークができるインターンシップの選考体験はあなたの就活においても糧になるでしょう。企業によってインターンシップの内容はさまざまなので、情報を集め分析し、しっかりと準備をして、目的意識をはっきりともって臨んでください。そしてインターンシップ参加後は振り返りを行いPDCAを回していけば、実りのある就活を迎えられるでしょう。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を生かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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