【インターンシップを知る①】「働く」を知って、就活への一歩を踏み出そう

インターンシップ・キャリア

公開日:2024.05.22

就活準備においてインターンシップ・キャリアは社会や企業に触れる上でとても重要な機会です。特に就職活動が直前に迫った学生の皆さんにとっては、就業体験を経験できる「インターンシップ(5日間以上)」が有効です。この記事では、インターンシップのメリットや探し方、実際に参加する際の心得などインターンシップに関するあれこれを解説していきます。

そもそも「インターンシップ」とは

「インターンシップ」とは、学生が社会に出る前に実際の仕事を経験できる制度です。5日間以上の就業体験を通じて企業内部の人に実際に話を聞いたり、自分でも仕事の一端に触れてみたりする体験を通じて、「働く」とはなにかを実感できるプログラムを指します。

採用とインターンシップのあり方を協議する産学協議会では、2023年からキャリア形成支援活動について「オープン・カンパニー」「キャリア教育」「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「高度専門型インターンシップ」という4分類を新たに設けました。

※キャリタス就活では「インターンシップ・キャリア」として、実施期間、実施日数、対象年次、就業体験・フィードバックの有無等で3つに分類しています。

本記事で取り上げる「インターンシップ」は、オープン・カンパニーやキャリア教育と異なる点は、採用活動開始以降に限り、取得した学生情報を企業が採用活動に活用することが認められているなど、選考シーンにも影響が出る点が特徴です。

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インターンシップに参加する魅力

インターンシップに参加することは、将来のキャリア形成にとって有効な経験であり、就活準備や自己成長に大きな助けとなります。そのほかにどのような具体的なメリットや魅力があるか見ていきましょう。

・業務理解と企業文化を知る
ネットなどで自分で調べた情報だけではなく、実際の仕事の流れやチームの働き方、職場の雰囲気を直接体験することが可能となります。また、社員との交流からは、企業の価値観やビジョンも明確になり、自分がその環境にフィットするかどうかを判断する貴重な機会にもなります。

・業界や企業研究の深掘り
企業の内部を見ることで、その業界の仕組みやトレンド、さらに課題を深く理解することができます。

・スキル向上や新しい自己の発見
実際の業務に携わることで、コミュニケーション能力や問題解決能力、リーダーシップ力などさまざまなスキルを向上できます。専門知識を身に付けたり、業務ツールなどの使用方法を学ぶこともできるでしょう。さらに、自身の可能性や強み、興味の範囲を再発見する機会にもなります。

・就活の軸や将来のキャリアビジョン
自分にはどんな業界や仕事が合っているかを知る手掛かりとなり、就活の軸を決める上で有意義な体験となります。また実体験を通じて将来のキャリアビジョンをより具体的に描くことができます。

・ガクチカなどのエピソードにもなる
インターンシップを通じて得た経験や失敗談なども、自己成長を物語るエピソードとして活用することができます。就活で応募する企業と業界が同じもしくは近ければ、より実務に近い環境での気づきや成長をアピールできるでしょう。

事前準備を行い、万全の状態でインターンシップに臨もう

インターンシップは、単なる職場体験以上の価値を提供します。事前準備を行うことで、その経験を最大限に活かすことができます。自己分析や業界研究を始めとする準備段階を経て、適切な企業を見つけ出し、有意義なインターンシップに臨むためのステップを以下に紹介します。

■Step 1:インターンシップを探す前に必要なこと

・自己分析
自身の強みや弱み、興味や価値観を客観的に把握し、性格やスキル、将来のキャリアビジョンを明確にしておくことで自己PRや応募の動機を具体的に表現することができます。自分自身を深く理解することが、自信につながります。

・業界研究
まずは、各業界の特性や動向、市場のニーズを理解することです。自分の興味や適性に合った分野を見つけたら、その業界の特性や市場の状況を深掘りして調べておきます。

・職種研究
その業界の職種にはどんなものがあるかを確かめ、それぞれの業務内容や必要なスキル、将来性をあらかじめ理解しておきます。多様な職種の情報を収集し、キャリアの方向性を見定めましょう。

・企業研究
志望業界の企業をリストアップし、それぞれの業績やビジョン、社風や福利厚生などを比べたり、自分の価値観やキャリア目標に合っているかを確認しましょう。志望企業に対して理解を深めておくことで、選考対策に役立ちます。

■Step 2:インターンシップ先企業の探し方

・企業の採用ページ
企業のウェブサイトで直接確認できるので、最新の情報を調べておきましょう。インターンシップの詳細や応募方法、参加する際の注意事項なども掲載されており、企業の雰囲気や価値観も知ることができます。自分が興味を持つ企業に的確にアプローチできるメリットがあります。

・キャリアセンター
キャリアセンターは大学に設置されており、専門のアドバイザーが就活のサポートしてくれます。キャリアセンターは多くの企業とのパートナーシップを持っているので、自分に合ったインターンシップ情報をチェックすることができます。また、履歴書や面接対策などの支援も受けられるので、就活準備・就職活動全般に役立ちます。

・キャリタス就活
キャリタス就活内の「インターンシップ・キャリアを探す」ページでは、開催月・日数、地域、内容、プログラムの種類、職種、報酬など、きめ細かな条件で検索ができます。自分の希望条件に合わせたおすすめのプログラムが提示されるので、興味のある業界・企業の中から選択してエントリーしてください。また、気になる企業をブックマークできる「フォロー機能」も付いていますので、最新情報のチェックに活用しましょう。
※対象卒年によって参加できないプログラムもあります。また選考を伴う場合もありますので、必要に応じて参加条件をチェックしましょう。

\業種や報酬の有無、クチコミなどからあなたに合ったインターンシップを検索/

■Step 3:インターンシップに参加する前にやっておきたいこと

・その企業のことを下調べする
具体的にどんな事業内容か、どんな製品やサービスを提供しているのかを、最低限知っておくことは必須です。株式公開企業であればIR情報(株主に向けた企業情報)の中から以下の点をチェックするのもいいでしょう。

1. 経営方針と事業戦略:
企業がどのようなビジョンを持っており、将来に向けてどのような戦略を描いているのかを把握します。これにより、企業の長期的な目標や成長の可能性を理解できます。

2. 財務情報:
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書など、企業の財務状況を示すデータを見ることで、企業の経済的安定性や収益性を評価できます。

3. 事業部門の成績:
どの事業部が最も収益を上げているか、または成長しているかを確認します。これにより、企業の中核となる事業や新たな成長エンジンを理解することができます。

4. 重要なニュースリリース:
新しい事業の開始、重要な契約の獲得、組織の変更など、企業が発表したプレスリリースも有用な情報源です。

・プログラム内容を把握しておく
そのインターンシップでは何を行うか、どんな目的があるか、案内メールなどをしっかりと読んで把握しておきます。

・インターンシップ用のノートを新調
いろいろ書き込めるよう、インターンシップに特化したノートを準備しましょう。1ページ目に「インターンシップでの目標」(例えば、○○人とつながる・参加した会社の説明ができるようになるなど)を書いておくと、参加中のガイドラインになります。

・企業までの交通機関を確認
当日になって遅刻したり焦ったりしないよう、事前確認は大切です。初日は開始時間より15分ほど早く着いておくと、担当者やほかの参加者とコミュニケーションを取る時間が生まれるかもしれません。

・自己紹介のおさらい
就活が始まると、自己紹介をする機会はとても多くなります。自分という人間を知ってもらうために、経歴や力を入れていること、将来の目標などを織り込んで話せるようにしておきましょう。

インターンシップ参加中の心構えや、すべきこと

初めてインターンシップに参加する際、どこに気を付けておけばいいかわからない方も多いと思います。最大限にインターンシップを活用し、これからの就活の糧にできるよう、注意すべきポイントを紹介します。

・情報収集の場と捉える
その企業についてだけでなく、業界の知識や仕事の手順、社員の行動、ほかの参加者の様子など、あらゆることが有用な情報です。そして自分から関わろうとする心構えが大切です。

・自発的行動を積み重ねる
積極的に質問を行い意見を言う、自分から役割を申し出るなど、自発的な行動によって限られた時間を有効に使うことができます。

・自己成長を心がける
1日目に目標を立て(Plan)、日中に行動し(Do)、その日の終わりに振り返り(Check)、次の日にどう工夫すればいいか考える(Action)、PDCAサイクルを回していきましょう。学んだことや失敗から気づいたことなど忘れないうちにノートへどんどん書き込んでください。

コミュニケーションを積極的に
参加先の社員に、自分の名前を覚えてもらうことも目標のひとつ。積極的にコミュニケーションを取り、終了後も引き続きつながりを保てるくらいの関係性を築きましょう。

・参加後は振り返りをしよう
インターンシップに参加して「社会人になる大変さ」も感じますが、それと同時に成長することの大切さを実感することができます。参加して何ができて何ができなかったか、具体的に振り返りをしてください。

下記に列挙した行動特性と内容から、チェックしてみましょう。

行動特性内容
主体性物事に進んで取り組む力
働きかけ力他人に働きかけ巻き込む力
実行力目的を設定し確実に行動する力
課題発見力現状を分析し目的や課題を明らかにする力
計画力課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
創造力新しい価値を生み出す力
発信力自分の意見をわかりやすく伝える力
傾聴力相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性意見の違いや立場の違いを理解する力
情況把握力自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
※「社会人基礎力(経済産業省)」より抜粋
行動特性内容
主体性物事に進んで取り組む力
働きかけ力他人に働きかけ巻き込む力
実行力目的を設定し確実に行動する力
課題発見力現状を分析し目的や課題を明らかにする力
計画力課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
創造力新しい価値を生み出す力
発信力自分の意見をわかりやすく伝える力
傾聴力相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性意見の違いや立場の違いを理解する力
情況把握力自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
※「社会人基礎力(経済産業省)」より抜粋

この表から、自分が発揮できた力・発揮できなかった力を洗い出し、これからどういう場でどういう行動を取るべきか、考えてみてください。インターンシップに参加した後に大きく成長する方は、その後の就職活動でも満足のいく結果を残しています。しかし、同じ体験をしていても参加者によって差が付くこともあります。体験で得た「糧」をどう生かして育てるかにかかっていると言っていいでしょう。

得られた成長体験が就活の大きな力に

こういった一連の体験は、これからの就職活動において自己PRやガクチカなどのシーンにおいて魅力のあるエピソードに繋がることをご存知ですか。自分が実際に行った企業での体験とその振り返り、そしてできなかったことを克服するための行動は、自己成長の過程そのものだからです。これを系統を立ててストーリーにし、わかりやすく話せるようになれば、エントリーシートや面接での大きな武器となります。さらにそういった成長は、就職後の人生の充実にもつながります。

大切な時間を使って参加したインターンシップの経験は、決して無駄にはなりません。満足のいく就活のゴールへ到達するためインターンシップを大いに活用してください。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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