ぜひ活かしたいOB・OG訪問──先輩の知恵が、就活成功のカギとなる!

就活ノウハウ

公開日:2023.08.29

ぜひ活かしたいOB・OG訪問──先輩の知恵が、就活成功のカギとなる!

「OB・OG訪問」という言葉、聞いたことがある就活準備生は多いと思います。その企業で働く先輩たちがどんな働き方をしているか、どうやって入社したかなど、実際に会っていろいろな話を聞くというものですが、「本当に必要なの?」と思っている人もいるかもしれません。この記事では、OB・OG訪問はそもそも何のために行うか、どのように活用したらいいか、さらに、必要なマナーや礼儀についても説明していきます。

まずは、OB・OGをどうやって探すか

「OB・OG訪問とはいったい何?」をおさらいしておくと、就活生が興味を持った企業で働いている先輩を訪ね、実際の仕事内容や就活時の様子などを聞くことです。自分が入社したとしたらどんな環境でどんな働き方ができるかのイメージを抱くことができますし、採用試験や面接の傾向と対策を掴むこともできます。場合によってはそのOB・OGが選考に関して有力なパイプとなることだってあるかもしれません。

しかしまず、「どうやってそのOB・OGを探すか」という壁が立ちはだかることもあるでしょう。ここでは4つの方法をご紹介します。

■大学の「キャリアセンター」

卒業生とのつながりが多いので、さまざまな業界・企業にいるOB・OGを紹介してもらうことができます。

■大学の先輩や教授からの紹介

部活やクラブの先輩、ゼミや研究室の教授に声をかけて、その企業に卒業生がいないかどうかを聞いてみます。ゼミや研究室で企業とのつながりがあれば、推薦を受けられる可能性も出てきます。

■友人・家族からの紹介

友人のご兄弟や、親戚経由で紹介してもらえるケースもよく聞かれます。就活について家族に相談する際に、興味ある業界に繋がりがあるか、相談するのも良いでしょう。

■インターンシップ・キャリアで知り合った企業の担当者に聞く

少し勇気が必要になるかもしれませんが、インターンシップ・キャリアでお世話になった企業の担当者に訪問可能か問い合わせるのも手段のひとつです。

さらに最近では、外部のOB・OG訪問サービスも利用者が増えています。それらを利用する場合、企業公認アカウントの社会人を探してみましょう。また、あまり面識のない社会人と会う場合はオンラインでのOB・OG訪問が良いでしょう。対面で行う場合は、遅い時間帯のアポや、お酒の席は避けてください。可能であれば複数人での訪問をおすすめします。

メリットは、現場の空気がわかること

次に、OB・OG訪問で得られる5つのメリットについて説明します。

1. 「生」の企業文化やリアルな情報を得られる
会社のウェブサイトやパンフレットには書かれていない、社内の雰囲気や社風を知ることができるのが大きなメリット。働きやすい環境なのか、風通しはいいか、チームワークを大切にしているかなどを掴むことができるでしょう。リアルな仕事の内容や業務について、そこでしか話せない率直な意見を伝えてくれることも多いため、公式な情報だけではわからない仕事現場の具体的な姿を知ることができます。また、採用試験の対策はどうだったか、何が内定の決め手になったかなど、先輩の体験談から対策を探ることも可能です。

2. 自分のキャリア意識が高まる
先輩はどのように業界を絞り、今の企業に狙いを定めたのか。その理由はなんだったか──。こういった話は、WEB記事などの体験談に比べるとよりリアルに迫ってきます。さらに、企業でのキャリアストーリーや成功体験まで話してもらうことで、自分自身のキャリア意識も高まってくるでしょう。聞いた話を自分に当てはめ、入社してからのシミュレーションをしやすくなります。今まで考えたことがなかったとしても、そこで一段階成長することができるでしょう。

3. 自己分析をより深めることができる
前項で「キャリア意識」に触れましたが、それは自分自身を振り返って深掘りしてみることにもつながります。自分の関心事項はいったい何なのだろう、この業界・企業に対する適性はどうなのだろう、就職したら自分のどんな特性が活かせるのだろう。就活準備で必ず行わなければならない自己分析を、より現実的な要素を加えながら考えていくことができます。

4. 具体的な就活戦略を立てられる
先輩のガクチカを聞いたり就活の様子を教えてもらったりと、生きた情報収集ができます。まだサイトやクチコミでしか知らなかった就活のプロセスや、何から手を付けたらいいのかを、目の前の体験者から教えてもらえるわけです。就活の戦略がより具体的に見えてくるでしょう。その企業を志望先に入れるのであればなおさらです。この上ない「過去問」を実際に聞けるのですから。それに即した就活対策を立てられます。

5. 自分のモチベーションが高まる
先輩の口から聞く体験談や成功談は、自分の心を前向きにしてくれる着火剤のようなもの。そして失敗談も、キャリアストーリーにおけるアクセントです。肝心なのは、生身の言葉で語られる話とともに先輩の情熱を浴びられること。ここからの就活の道のりを見据え、「よし、やるぞ」とモチベーションを高める手段としてもOB・OG訪問を活用していってください。

知っておきたいマナー

社会人予備軍として企業人を訪ねるのですから、OB・OGといえどもそこにはマナーが存在します。それらの説明に加えて、事前準備や事後のまとめなどやっておかねばならないポイントもいくつかご紹介します。

1. 事前にアポイントを取る
訪問するOB・OGには事前に連絡し、アポイントを取るようにしましょう。忙しい仕事の合間に時間を割いてもらうため、直接メールや電話で丁寧にお願いしましょう。くれぐれも、先方のスケジュール優先を忘れずに。

2. 事前に情報を調べる
訪問先の企業や業界について、事前にしっかりと情報を調べておくことが大切です。調べたうえで気になる事を洗い出して質問リストを作成しておきましょう。

3. 訪問時間は厳守する
時間をやり繰りしてあなたと会ってもらうわけですから、遅刻は厳禁。そもそも時間を守るというのは社会人にとって最低限のルールです。それをきちんと身に付けていると相手に印象付けることは、これからの就活においても大切です。また、清潔感のある身だしなみと礼儀正しい振る舞いを意識しましょう。

4. 積極的に質問しメモを取る
訪問前、自分が知りたいことや不安に思っていることを前もって整理しておき、積極的に質問を。事前にメールでやり取りできれば、あらかじめ質問事項を送っておくと相手も準備しておけます。メモをしっかりと取り、後で振り返るときのヒントとしましょう。

5. 感謝の気持ちを忘れない
OB・OG訪問はあくまで先輩方の好意によって実現しています。訪問後は、感謝の気持ちを忘れずメールなどでお礼を伝えるようにしましょう。そして、それ以降の関係性も切らさないよう、例えば就活の進捗状況を伝えたり折りに触れ質問してみたり、コンタクトを取り続けていくことが大切です。

オンラインで行う場合の注意点

近年では、Zoom、Googlemeet、TeamsといったオンラインでのOB・OG訪問も増えています。あまり面識のない社会人に会う場合や、訪問場所が離れていたり、時間が合わせづらかったりした場合に便利です。オンラインで行うときには、以下の点に注意しましょう。

1. ネット環境と実施場所の確認
訪問の際に使うオンラインツールや通信環境を事前に確認し、不具合が起きないようにしておくことが重要です。また、カフェや公共スペースなどのフリーWi-Fiは接続が不安定な上セキュリティにも不安があるので避け、自宅や大学など安定したネット環境を確保しておきましょう。事前にテスト接続しておくことも大切です。そして互いの声が聴き取りにくいことがないよう、できるだけ静かな場所を選んでください。プライバシーや機密性にも関わる内容となるので、その点にも気を遣うようにしましょう。

2. 機材の事前チェック
通信環境のチェックと共に、使用する機材の事前テストも忘れずに。カメラはちゃんと写るか、音声はきちんと聞こえるか。使用するアプリの設定を確かめて、画面をチェックしたりマイクやスピーカーから音を出してみたりしてください。また、アプリが持っている機能、例えば「画面共有」「音声のミュート」なども使い方を事前に確認。本番で「あれ、画面が出ない」「音が出ない」とならないようにしましょう。

3. 背景と服装にも気をつかう
オンライン訪問では、カメラをオンにして顔が見える状態にしておきましょう。相手と目を合わせることができるので、コミュニケーションがスムーズになります。アプリによって背景をぼかしたり別の画像をはめ込んだりする機能がありますが、まずは実際に映り込む部分を片付けて、余計な物が画面に入らないようにしてみてください。その方がリアルなあなたを相手に伝えることができます。また、オンラインといってもリアルで訪問した場合と同じ服装で臨みましょう。カジュアルすぎる服装は避けた方が無難です。

4. 言葉の明瞭さや声の大きさを意識
皆さん、オンライン上のコミュニケーションには、既にある程度慣れていると思います。その経験も活かし、自分の表情や反応が相手にどう見えているか、聞こえているかを想像しながら臨んでください。明瞭に聞こえる言葉を選ぶ、聴き取りやすい大きさの声で喋るなど、リアルな対面とは違う場であることを常に意識しておきましょう。

■プラスで知っておきたいこと

最近は、外部のOB・OG訪問サービス(アプリなど)を利用することで、簡単に多様な先輩社員と接触できるようになりました。

一方で外部サービスを使用した際にトラブルに巻き込まれるケースもあります。外部サービスを利用する前には大学のキャリアセンターの方や、家族に相談して安全性を慎重に調べてから利用するようにしましょう。

特に自分と関わりがなく、大学や企業との繋がりもない外部サービスを利用する場合は、直接会わずに、オンラインのOB・OG訪問を活用するほうが良いでしょう。

幅広い視野を与えてくれるOB・OG訪問

このようにOB・OG訪問は、学生の皆さんにとっては新しい世界への入口です。今まであまり接点のなかった社会人と個別に話をすることで、視野を広げることができるでしょう。先輩たちの口から語られる話題は、業界のリアルなトレンド・情報に他なりません。その企業だけに留まらず、業界研究に役立ちます。また、たとえその企業に入社しない結果となっても、先輩たちの体験談などは業界や企業を問わず、幅広い就活に通じる大切な財産となります。それ以降の就活やキャリアプランを練り上げるため、大いに活用しましょう。

OB・OG訪問を通じて得られた体験は、自分自身の志向性・適性といったものを再確認させてくれます。さらに、先輩から受けたフィードバックやアドバイスが、自己啓発にまで影響を与えるかもしれませんし、あなたの就活に対する向き合い方を変えてくれる可能性もあります。単なる企業選びの手段だけではなく、人脈の構築や視野の広がり、そして自己成長するための重要な通過点です。その機会を最大限に利用して、就活のゴールを目指しましょう。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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