インターンシップとは?参加する目的やメリットは?給料や時期についても解説
インターンシップ・キャリア公開日:2025.03.26

就活でよく聞く「インターンシップ」とは具体的にどのような活動なのか知らない方も多いでしょう。この記事ではインターンシップとは何か、就活にどのように役に立てられるのか解説します。参加する目的やメリット、給料の有無などについても確認していきましょう。実際に企業が行っている事例もご紹介するので、インターンシップの参加に興味がある方は参考にしてみてください。
インターンシップとは?

インターンシップとは学生の皆さんが社会に出る前に実際の仕事を経験できる制度です。インターンシップに参加することでその企業への理解が深まり、自身に向いている職種やキャリアビジョンを明確にできます。就活に向けた企業研究や自己分析に大いに役に立つでしょう。
近年は大学3年生のインターンシップやオープン・カンパニー等への参加率が高まっているというデータもあり、需要が増えていることがわかります。
こうした背景を受け、インターンシップの目的や内容をより明確にするための動きも進んでいます。
採用とインターンシップのあり方を協議する産学協議会では、2023年からキャリア形成支援活動について「オープン・カンパニー」「キャリア教育」「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「高度専門型インターンシップ」という4分類(※)を新たに設けました。分類については以降の画像で詳しく説明します。
※キャリタス就活では「インターンシップ・キャリア」として、実施期間、実施日数、対象年次、就業体験・フィードバックの有無等で3つに分類しています。
■インターンシップ・キャリアの分類

2023年からインターンシップの定義が大きく見直されました。短日程のプログラムは「オープン・カンパニー」と呼び名が変わり、インターンシップ(「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「高度専門型インターンシップ」)とは区別されています。新定義のインターンシップは大学3・4年生が参加対象で、企業は選考時の参考情報として活用することが認められています。
大学3・4年生だけでなく、社会や企業を早めに知りたい大学1・2年生もオープン・カンパニーやキャリア教育型のプログラムに参加することで、将来の方向性を見つけることができます。
本記事では主に「インターンシップ」について取り上げます。インターンシップは採用活動開始以降に限り、取得した学生情報を企業が採用活動に活用できるなど、選考シーンにも影響が出る点が特徴です。
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インターンシップ等の参加率は?
以下のグラフから、学生の皆さんのインターンシップ等(インターンシップ、オープン・カンパニー、キャリア教育)の参加率は年々上昇していることがわかります。2025年卒は9割以上の就活生が参加しており、参加率は右肩上がりに伸びています。
その中で、「キャリタス就活 学生モニター2026 調査結果」によると、5日間程度のプログラム(主にインターンシップ)への参加経験率は31.5%で、1/3程度の学生さんが参加しているという結果になりました。
企業の実施率も76.2%まで増加しており、インターンシップ等の重要性が高まっていることがうかがえます。

※大学3年生をメインターゲットとしたアンケート結果です。
出典:キャリタス就活「インターンシップ等に関する特別調査」
インターンシップの参加時期・期間は?
インターンシップは、一般的に大学3年生の夏から冬にかけて、夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して実施されます。特に参加人数が集中するのは8月と9月です。多くの企業がその時期に合わせてプログラムを実施しています。
またインターンシップは期間別に「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」の2種類に分類されます。短期インターンシップは一般的に5日から2週間未満で実施されます。集中的にプロジェクトに取り組めて、学業との両立もしやすいという特徴があります。
長期インターンシップは2週間以上のプログラムを呼ぶことが多いです。実際の業務に役割をもって関わることができたり、異なる部署を複数経験できたりするので、職場の雰囲気や企業文化への理解を一層深められる特徴があります。
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インターンシップで給料はもらえる?
インターンシップで給料がもらえるかはプログラムの種類や企業によって異なります。有給で実施されるものもあれば、無給のプログラムもあります。
長期インターンシップや専門的を要するプログラムは有給の場合がありますが、短期のプログラムは無給になることが一般的です。無給の場合でも交通費や食事代が支給されるケースもあります。
インターンシップの価値は実際の職場で得られる経験にあります。社員の生の声を聞き、仕事の現場を体験できる機会は自身のキャリア形成に役立つため、お金以上の価値があります。
インターンシップに参加する意味はある?メリットを解説

ここではインターンシップに参加することのメリットを解説します。実際の仕事を通じて職種とのマッチ度や自身の就活の軸を明確にすることができます。お金を稼ぐことをメインの目的とせず、自分のキャリアにつながるような目的をもって参加することで以下のようなメリットを得やすくなるでしょう。
■将来のビジョンが広がる
実際の業務を体験することで入社後のキャリアやビジョンを描きやすくなります。自分のやりがいや強みを生かせる仕事を知るきっかけになるため、将来の選択肢が広がる可能性もあるでしょう。
■業界・職種・企業研究を深められる
インターンシップを通じて実際の職場を体験することで、その企業や職種、さらに業界全体について理解を深めることができます。社員との交流からインターネットなどで調べただけでは知れない、リアルに触れることができる点も魅力です。
さらに、実際の業務や雰囲気を肌で感じることで、自分に合う業界や職種を見極めやすくなり、疑問や不安の解消、入社後のミスマッチ防止にもつながります。
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■本選考の予行練習になる
インターンシップは、参加に伴い選考が行われるケースが多く、本選考の予行練習としても活用できます。インターン選考に参加するとエントリーシートの作成や面接を事前に経験でき、本選考をスムーズに進めやすくなります。またインターンシップで業界・職種・企業について理解を深めることも、本選考の対策として効果的です。
実際の業務や社員と交流することは、コミュニケーション力やビジネスマナー、正しい敬語の使い方を身につける機会になり、特に面接時に面接官と話すシーンで生かされるでしょう。
さらに、就活では必ず志望動機やガクチカを回答する場面があります。実際の職場環境を体験することで、志望動機に具体性や説得力をもたせることができるため、インターンシップでの体験はガクチカのエピソードとしても魅力的です。
■就活仲間ができる
インターンシップに参加すると、同じ目標をもつ仲間と出会えます。プログラムを通してともに経験を積み重ねることで、自然と情報交換やサポートし合える関係が育まれることも多くあります。
自分主体で将来を見つめなければならない就活は、時に孤独を感じることもあるでしょう。そんなときに経験を共有し、励まし合える仲間の存在は大きな支えとなります。
インターンシップの内容は?事例をご紹介
ここでは実際に行われているインターンシップの事例をご紹介します。インターンシップを探す際の参考にしてください。
なお『キャリタス就活』の「インターン・キャリアを探す」では時期や開催地域、職種などを絞ってインターンシップを検索できます。それぞれのインターンシップで「身につく力」もチェックできるので、自分にマッチするインターンシップを見つけるためにぜひご活用ください。
■事例1: 金融業界 | 総合職 | A社のインターンシップ
実施時期 | 9月 |
---|---|
実施期間 | 5日間 |
報酬 | なし(昼食あり) |
実施内容 |
業界・企業説明 営業ロールプレイング 営業店見学 自己分析ワーク など |
身につく力 | 相手の意見を尊重しつつ、自分の考えを発信する力 |
■事例2: IT業界 | エンジニア職 | B社のインターンシップ
実施時期 | 8月~9月 |
---|---|
実施期間 | 2週間 |
報酬 | あり |
実施内容 |
プログラミング課題(開発業務を体験) 最終日にプレゼンテーション発表 など |
身につく力 | 課題に対し論理的にアプローチする思考力 |
■事例3: 商社業界 | 営業職 | C社のインターンシップ
実施時期 | 8月~9月 |
---|---|
実施期間 | 5日間 |
報酬 | なし(交通費支給あり) |
実施内容 |
グループワークで模擬営業体験 営業同行 自己分析ゲーム など |
身につく力 | さまざまなメンバーで物事を進めるチームワーク力 |
インターンシップを探す前にする準備
インターンシップ選びは、自分の将来のキャリアを描く上で欠かせないスタートラインです。業界や企業を丁寧に研究し、自分の興味と強みに合ったプログラムを見つけましょう。ここではインターンシップを探す前にする準備について解説します。
■自己分析をする
インターンシップを選ぶ前に自己分析をしましょう。自身の強みや興味、価値観を客観的に把握することでどのような業界や職種のインターンシップを選んだらよいかを見極められます。
また、実際のインターンシップでの経験を通じて、自分の適性や興味のある分野を再確認し、自己分析をさらに深めることが可能です。このプロセスを繰り返すことで、将来のキャリアビジョンがより明確になり、本選考の志望動機や自己PRの説得力も増します。
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■参加目的を明確にする
インターンシップ参加の準備をはじめる前に参加目的を明確にすることが重要です。「自分の興味を深堀りしたい」や「志望する企業の雰囲気を肌で感じたい」など自分がなんのためにインターンシップに参加したいのかはっきり決めておきましょう。
目的を明確にしておくと今の自分にあったプログラムを選ぶことができます。参加できる時期も確認しながら探していきましょう。
■業界研究をする
どんな業界のインターンシップに応募したいかを考えるために、まず興味がある業界について調べておきましょう。自分の興味や適性に合いそうな分野を見つけたら、その業界の特性や市場の状況を深掘りして調べておきます。
業界全体の特徴を知ることで視野が広がり、今まで希望に入っていなかった企業のインターンシップにも興味が湧いてくるでしょう。また、業界研究である程度の知識をもってインターンシップに参加するとより深い疑問や気づきが増え、プログラムをより充実させることができます。
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■職種研究をする
インターンシップでは職種ごとにプログラムをわけている企業もあります。興味がある職種のプログラムに参加するためにも、職種についての理解を深めておきましょう。
職種研究ではそれぞれの職種の具体的な業務内容や必要なスキル、将来性などを調べておきます。職種研究をしておくと、インターンシップでより具体的な質問ができ、貴重な機会を存分に生かせます。
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■企業研究をする
興味のある企業について基本情報や根幹の事業、新規に力を入れている事業などを調べておきましょう。複数の企業をピックアップして、業績やビジョン、社風や福利厚生などを比べるのもおすすめです。
企業理解を深めておくことで参加したい企業を絞り込めるだけではなく、実際のインターンシップでの気づきが増え、企業の特徴をより正確に把握できます。またインターンシップでの質問も具体的になり、充実した経験が得られるでしょう。
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インターンシップの探し方
インターンシップの探し方にはいくつかの方法があります。自分に合ったプログラムを見つけるために、さまざまな情報源を活用していきましょう。ここでは4つのインターンシップの探し方をご紹介します。
■企業のインターンシップページを見る
企業のウェブサイトでインターンシップの最新情報を確認できます。プログラムの詳細や応募方法、参加時の注意事項まで正確な情報が掲載されています。
公式SNSでも情報発信されることがあるので、定期的にチェックするのがおすすめです。インターンシップページに加えて採用ページも見ることで、企業の雰囲気や業務内容、社員の価値観などがわかります。
■就職情報サイトで検索する
就職情報サイトにはインターンシップを探す人のためのページが設けられています。興味のある業界や企業などで検索できることも多く一覧で見ることができるので便利です。対象卒年や選考の有無は企業によって異なるので、参加条件の確認もしておきましょう。
『キャリタス就活』では、開催月・日数、地域、内容、プログラムの種類、職種、報酬など、細かな条件でインターンシップを検索ができます。自分では気づかなかった企業との出会いもあり、興味のある業界を幅広く検索できます。
気になる企業はフォロー機能で最新情報をチェックできるので、参加機会を逃すこともありません。ぜひご活用ください。
■就活イベント(合同企業説明会)に参加する
就活イベントに参加することで、効率的に複数企業のインターンシップに関する情報を集めることができます。企業の担当者から直接話を聞けるイベントも多く、資料やウェブサイトからはわからない雰囲気を体感できます。
その場で企業を比較して自分に合った企業やプログラムを効率的に見つけられるでしょう。ほかの参加者の質問から新たな視点を得られることも魅力です。
■OBOG訪問や大学のキャリアセンターを活用する
OBOG訪問では実際にインターンシップに参加した先輩から体験談を聞くことで、自身のインターンシップ探しに役立ちます。実際の経験に基づいたアドバイスは、プログラムを選ぶ際の参考になるでしょう。OBOG訪問について以下の記事で詳しく説明しているのでご覧ください。
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また大学のキャリアセンターは多くの企業とつながりをもっているため、インターンシップ情報を幅広く得られます。専門のアドバイザーに相談しながら、自分に合ったプログラムを探してみましょう。
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インターンシップ参加時の服装・髪型・持ち物は?

インターンシップの服装や髪型は企業文化や業界によって異なりますが、基本的には清潔感が重要です。服装は企業から特に指定がない場合、落ち着いた色のスーツを選ぶのが無難でしょう。
髪型は髪が顔にかからないように整えます。おでこやまゆ毛、目がしっかり見えるようにすることで、顔全体が明るく見え活発な印象になります。髪が長い場合、後ろ髪が邪魔にならないようにヘアゴムなどで束ねましょう。髪色は自然なトーンを選び、業界や企業の雰囲気に合わせます。
持ち物は企業から指定されているケースが多いので、案内メールをよく読みましょう。特に指定がない場合でも、筆記用具とメモ帳は必ず持参します。
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インターンシップの選考形式

※2025年春に卒業した内定者に実施した調査結果「2024年内定者調査(日経HR)」を基に作成
インターンシップの選考は多くの場合、ESや適性検査、面接によって行われます。インターンシップの運営部署は人事の採用チームが兼ねていることが多く、本番の採用プロセスと似ているものの、それよりは簡略化されています。
たとえば「ES提出+面接1回」といった形式で行われることが多いです。人事担当者は、履歴書やESに書かれている自己PRや志望動機などから、インターンシップへの応募動機や取り組む姿勢、業務との相性などさまざまな視点でチェックします。
面接の形式としては、個人面接、グループ面接、グループディスカッションなどがあります。WEB面接が行われるケースもあり形式は多岐にわたるので、それぞれの対策を行いましょう。質問内容は、業界やその企業についての知識、自分自身についての掘り下げ、インターンシップに参加する理由や目的について聞かれます。
企業によって適性検査を設けていることもあるため、事前に志望するプログラムの募集要項を確認しておきましょう。
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インターンシップに関するよくある質問
■Q.どの種類のインターンシップ・キャリアに参加するのがいい?
A. プログラムの種類は、参加目的によって選びましょう。1・2年生で業界や企業のことをまず知ってみたいという目的には、オープン・カンパニーやキャリア教育が向いています。
3年生以上で就職先を具体的に考えはじめる時期には「汎用的能力活用型インターンシップ」がおすすめです。専門性を生かしたい人は「専門活用型インターンシップ」を探してみましょう。
■Q.インターンシップとアルバイトとの違いは?
A.インターンシップとアルバイトは目的や内容に大きな違いがあります。インターンシップは、実際の職場での経験を通じて業界や職種、自分の適性への理解を深めることが目的です。仕事の現場や企業の雰囲気を直接知るための内容が組まれています。
一方、アルバイトは収入を得ることが主な目的で、特定の業務を行って対価を得ることが目的です。
■Q.インターンシップ参加は「意味ない」というのは本当?
A. インターンシップはとても意味のある体験です。社会人と直接対話しながら仕事について具体的に学べます。会社や業界を知り、自分の適性を見極めるきっかけにもなります。
必ずしも選考に直結するわけではありませんが、インターンシップで得られる経験や知見は、就活において大きな力となるでしょう。
■Q.インターンに参加していないと採用選考に影響する?
A. インターンシップへの参加有無だけで、採用選考の合否が決まることはありません。大切なのは志望動機に魅力や説得力をもたせられるかどうかです。
インターンシップに参加できなかった場合は、ぜひ志望企業のオープン・カンパニーに参加しましょう。オープン・カンパニーには選考がない企業も多いです。複数企業のオープン・カンパニーに参加すると、他社比較もできるのでおすすめです。
タイミングが合わずオープン・カンパニーにも参加できなかった場合でも、企業研究をしっかり行い志望動機を明確にしましょう。インターンシップ等のプログラムに参加していなくても、ほかの方法で企業理解を深めたり、志望意欲をアピールすることは可能です。
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■Q.海外インターンシップとはどのようなもの?
海外インターンシップとは、外資系企業や日系企業の海外拠点で就業体験ができるプログラムです。参加することで異文化の中での仕事の進め方や、海外ならではの働き方を知れます。
海外経験を通じて自分の可能性を広げられますが、渡航費用や滞在費、語学力など、参加にあたっては準備が必要です。海外で働くことに興味がある方は、早めに情報収集をはじめましょう。
インターンシップとは社会と自分を知る就活の第一歩
インターンシップは実際の職場で働くことを体験できる、実践的な学びの場です。仕事のおもしろさややりがいを知り、働くことの本質に触れられます。またそこで働く人々と関わることで社会人としての考え方や立ち振る舞いを理解することができます。企業についてはもちろん、自分のキャリアについても深く考えることができ、就活への大きな第一歩へつながります。この記事を参考に、ぜひ積極的に参加を検討してみましょう。
『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。

PROFILE
キャリタス就活編集部
『本音をきく、本気でこたえる。』をテーマに、就職活動・就活準備をがんばる皆さんに向け、インターンシップ・キャリア情報やES・面接対策など、さまざまなシーンに役立つ情報をお届けしています。「面接がうまくいかない」、「そもそも就活って何からはじめるべき」など、皆さんの本音に寄り添った記事を配信しておりますので、ぜひこの機会にご活用ください。