【業界研究】不動産業界とは?仕事内容や今後の動向・向いている人の特徴を解説!

業界・職種・企業研究

公開日:2025.10.15

【業界研究】不動産業界とは?仕事内容や今後の動向・向いている人の特徴を解説!

この記事でわかること

  • 不動産業界は土地や建物の開発から流通、管理、賃貸、投資・運用まで多岐にわたる業務で成り立っている
  • 人々の暮らしに深く関わり、景気や社会の変化に影響されやすい業界である
  • 活躍するには提案力やコミュニケーション能力、精神的・体力的なタフさ、成長意欲などが求められる

不動産業界とは、マンションや戸建て、アパート、オフィスビル、商業施設、土地など、多様な「不動産」を対象に開発・流通・管理・投資・運用などを行う業界です。本記事では、不動産業界の仕事内容や業界の動向、働くメリット・デメリット、向いている人の特徴を解説します。不動産業界への就職を検討している就活生は、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事は「建設・住宅・不動産業界」を代表して不動産業界をメインに解説しております。

不動産業界とは?

不動産業界とは、土地や建物に関わる事業を行い、人々の暮らしを支える業界です。主に「開発・分譲」「流通」「管理」「賃貸」「投資・運用」の5つの業態に分けられ、それぞれが連携しながら専門的な知識と技術を用いて事業を展開しています。幅広い業務に携われるため、キャリアパスも多様で、自分の興味や適性に応じて柔軟にキャリアを形成できます。

不動産業界の仕組みとは?5つの業態を解説

不動産業界の仕組み

一般的に不動産業界は5つの業態に大別されます。それぞれの業態が独自の役割をもち、相互に連携しながら業界全体の仕組みを支えています。

■開発・分譲(ディベロッパー)

不動産開発・分譲は、土地の取得からはじまり、建物の設計・建設の発注、販売までを一貫して行う分野です。ディベロッパーと呼ばれる企業が主導し、オフィスビルやマンション、商業施設などの建設計画を立案します。

開発・分譲事業では、土地の有効活用や都市計画に沿った街づくりを担い、地域社会への貢献という重要な役割も果たします。

■流通

不動産流通は、不動産の売買や賃貸の仲介を行う分野です。「不動産仲介事業」と「不動産販売代理」の2つに分けられます。

■不動産仲介

不動産仲介は、売り手と買い手、または貸し手と借り手を結びつけ、円滑な取引を支援する分野です。仲介企業は物件情報を収集し、顧客のニーズに合った物件を提案します。さらに、契約交渉から手続きまでをサポートすることで、スムーズな取引を実現します。

■不動産販売代理

不動産販売代理は、不動産のオーナーやディベロッパーから委託を受けて、物件を顧客に販売する分野です。販売代理業者は戦略的な販売計画を立て、物件の魅力を最大限に引き出すプロモーションや広告を展開して、顧客への訴求を行います。スムーズな取引をサポートする点は、不動産仲介と共通しています。

■管理

不動産管理は、不動産のオーナーに代わって建物や設備の維持・管理を行う分野です。マンション管理会社などの不動産管理会社が中心となり、清掃や設備点検を行います。物件を良好な状態に保ち、入居者の満足度を向上させ、長期的な資産価値を維持する役割を果たします。

■賃貸

不動産賃貸は、賃貸契約や契約後の入居者対応、賃料管理、トラブル対応など、賃貸不動産の運営全般を担当する分野です。賃貸管理企業は入居者との良好な関係を維持しながら、安定した賃貸運営を行います。契約更新やクレーム対応などを通じて、オーナーの資産価値を守る役割も果たします。

■投資・運用

不動産投資・運用は、資金を投じて不動産を取得し、賃貸や売却を通じて収益を得ることを目指す分野です。不動産投資・運用企業は、投資家から集めた資金で物件を購入・運用し、賃料収入や売却益を投資家に分配します。

投資対象となる物件の調査・選定や資金調達・投資家への営業、売買契約の締結、投資物件の賃貸運用など、業務は多岐にわたります。こうした業務を通じて、投資家に安定した収益を提供するとともに、不動産の価値を最大化する役割を果たします。

企業の形態は、個人向けマンションに特化したものから、オフィスビルや商業施設など収益性の高い不動産を扱うものまでさまざまです。

不動産業界と関わりの深い「ゼネコン(総合建設企業)」とは?

ゼネコンとは、建設プロジェクトの企画から設計、施工、工程管理までを、ディベロッパーなどから一括して請け負う総合建設企業です。

マンションやオフィスビルのほか、道路・橋・トンネルなどのインフラ整備まで幅広い案件を取り扱います。また、技術革新や海外事業など大規模なプロジェクトにも関与することもあります。

不動産業界と関わりの深い「ハウスメーカー」とは?

ハウスメーカーとは、一般消費者向けに注文住宅や建売住宅の企画・設計から施工、販売までを一貫して手がける企業です。

土地を取得するディベロッパーや、土地の売買仲介を行う企業が土地から建物までを取り扱うのに対し、ハウスメーカーはその土地の上に建てる住宅の建築・販売を主な事業としています。
土地探しからサポートすることもありますが、基本的には「家を建てること」がメインです。注文住宅のほか、分譲住宅やリフォーム事業を展開している企業も多く、多様な住宅ニーズに対応しています。

不動産業界の職種と仕事内容

不動産業界の職種と仕事内容

不動産業界にはさまざまな職種が存在し、それぞれが業界全体を支える重要な役割を果たしています。同じ職種でも業態によって担当する業務や求められる知識やスキル、働き方が異なります。ここでは、代表的な職種とその特徴を詳しくみていきましょう。

■営業

営業職は、顧客のニーズを正確に把握し、最適な物件を提案する職種です。主に物件や土地の販売から契約締結、アフターフォローまでを担当します。

たとえば、「開発・分譲」の分野では新築マンションやオフィスビルの販売営業を担当し、「流通」や「賃貸」の分野では土地や建物の売買や賃貸契約を仲介します。

対象となる顧客によって、個人向け営業と法人向け営業に分かれ、それぞれ異なるアプローチを行うため、顧客ごとに適切な提案ができる高いコミュニケーション能力が求められます。

■企画・開発

企画・開発職は、住宅地やマンション、オフィスビル、商業施設などの企画や開発を手がけ、不動産の新たな価値を創出する職種です。主に土地の取得から市場調査、コンセプト策定、プロジェクト全体の進行状況を関係各所と連携しながら管理する業務までを担当します。

たとえば「開発・分譲」の分野では不動産開発をリードし、新しい街づくりや地域の活性化に貢献するプロジェクト進行を行います。市場を見極める分析力や、プロジェクトを推進するマネジメント力など幅広いスキルが求められます。

■管理

管理職は、「管理」「賃貸」の分野において、実際に物件の維持管理や入居者対応を行う職種です。主に建物の定期点検や修繕、入居者からの問い合わせ対応やトラブル対応、賃料の回収・管理などの業務を担当します。

これらの業務を円滑に進めるために、問題解決力や状況判断力、さらに入居者や関係者と適切にコミュニケーションを取る能力が求められます。

■事務

事務職は、各部署の業務がスムーズに進行するようサポートを行う職種です。主に「一般事務」と「営業事務」に分けられます。

一般事務は、主に書類作成やデータ入力、電話対応など、社内業務全般を幅広く担当します。一方、営業事務は主に営業部署のサポートを中心に、顧客対応や資料作成、契約書の準備などを行います。

また、経理・人事労務・総務などのさまざまな領域の事務を担当する場合もあります。業務を正確に進めるために、細かな作業への注意力や効率的に処理するスキルなどが求められます。

不動産業界の現状・今後の動向と課題

不動産業界は現在、市場環境の変化や社会的なニーズの多様化により、業界全体が柔軟な対応を求められています。これから不動産業界を目指す方は、業界の現状と今後の動向、課題を理解しておきましょう。

■【現状・動向】不動産価格の高騰

近年の不動産市場では、都市部を中心に価格が高騰しています。特に新築マンションは価格が高く、一般消費者にとって購入が難しい状況です。オフィスビルや物流施設など事業用の不動産価格も上昇しており、開発を行う企業や施設を借りたい企業にとって、新しい計画や契約の判断が難しくなっています。

この背景には、建築にかかる人件費や材料費の上昇があります。また、都市部に人口が集中して需要が増えたり、都市開発によって土地の価値が上がったことも影響しています。その結果、都市部と地方では不動産の価格の差が広がり、二極化が進んでいます

■【現状・動向】省エネ型住宅・オフィスへの注目の高まり

ハウスメーカーやディベロッパーが中心となり、省エネ住宅・オフィスの企画・開発が活発化しています。

省エネ住宅とは、断熱・日射遮蔽・気密の性能が高く、高効率な設備システムを備えることで、暖冷房のエネルギー消費を抑えられる住宅を指します。少ないエネルギーで快適に暮らせることを目的としており、環境意識の高まりや法律の規制強化を背景に注目されています。

同時に法人向け不動産でも、オフィスや商業施設における再生可能エネルギー活用など、環境に配慮した開発が活発化しています。

省エネ性能は、住宅やオフィスビルの大きな特徴として商品開発や営業活動に取り入れられることが多く、企業にとって重要な訴求ポイントのひとつです。

■【現状・動向】高齢者向け住宅の需要増加

近年の高齢者人口の増加に伴い、高齢者向け住宅のニーズが増えており、バリアフリー設計や介護対応の住まいが求められています。高齢者が安全に暮らせるよう、段差のない床や広い廊下、手すりの設置が施された住宅が増えています。また、緊急時に迅速に対応できるよう、見守りセンサーや介護サービスとの連携が可能なシステムの導入も進んでいます。

■【現状・動向】デジタル化の進行

これまでのアナログで行っていた不動産取引に、デジタル技術を取り入れて利便性を高める動きが見られます。たとえば、AIによる不動産査定やVRを使った物件の内見、パソコンやスマートフォンを利用した重要事項説明(IT重説)などです。

特に、コロナ禍をきっかけにデジタル化の流れが加速しました。不動産管理や営業の現場でも、AIやデータ分析を活用することで、業務の効率化や顧客対応の高度化が進んでいます。

■【課題】市場成長縮小への懸念

少子高齢化が進む日本では、若年層の人口が減少しており、不動産市場の縮小が懸念されています。特に地方では、若い世代の都市部への流出が深刻で、住宅需要の低下に加え、営業や管理など現場業務を担う人材の不足が市場成長の鈍化につながっています。人材確保のための賃上げや情勢問題により建築全体コストは上昇し、消費者の買い控えなどを引き起こすことで、市場に大きな影響を与えます。

こうした状況下で、企業は販売戦略や事業モデルを見直すほか、働き方改革や業務効率化を進め、サービス品質と人材の定着の向上を両立させる必要があります。

■【課題】増加する空き家・空室の再活用促進

人口減少と高齢化が進み、使用されなくなった住宅、いわゆる空き家が増加していることも深刻な問題です。空き家が増えると、景観の悪化や害虫・害獣の発生、治安の悪化などを招き、地域全体の不動産価値が下がる恐れがあります。
また、老朽化したオフィスや商業施設の空室も課題の1つです。特に都市部では、築年数が経過した建物において、設備の老朽化が進み空室率が上昇する傾向があります

こうした課題に対し、不動産業界ではリノベーションによる再活用やニーズに合わせた用途転換などの対策が求められています。
特に、老朽化した建物のリノベーションは、既存のインフラを活用しつつ新たな価値を創出することが可能です。

不動産業界で働くメリット

不動産業界で働くメリット

ここでは、社会的な影響力が大きい不動産業界で働く具体的なメリットをみていきましょう。

■人々の暮らしに深く関われるためやりがいを感じやすい

住まいは人生における大切な要素の1つです。不動産業界では、住宅やオフィスなど暮らしや仕事の「場」を提供することで、人々の生活の基盤を支え、街づくりにも貢献しています。顧客の人生に密接に寄り添い、よりよい住環境や地域社会の活性化に携わることができるため、やりがいを感じやすい点が大きな魅力です。

■仕事の成果が給与に反映されやすい

不動産業界では、個人の成果が給与に反映されやすい傾向があります。特に営業職では、基本給に加えて歩合給やインセンティブが支払われる仕組みが一般的で、成績次第では高収入を得ることも可能です。

こうした報酬体系により、努力や実力が直接収入に結びつくため、給与面での納得感や自分の成長を実感しやすい点がメリットといえます。

■成果次第で若いうちから昇進の可能性がある

不動産業界は実力主義の傾向が強く、成果を出せば年齢に関係なく昇進のチャンスがあります。やる気や能力が評価されやすい環境で、若手社員でもリーダーやチームの責任者など重要なポジションを任される機会があります。

特に営業職では、成果が目に見えるかたちで評価されやすく、実績を積み重ねることで社内での信頼や評価が高まり、昇進につながります。

不動産業界で働くデメリット

不動産業界にはメリットがある一方で、働く上で避けにくいデメリットもあります。業界特有の厳しさも理解し、自分に合った働き方を見極めましょう。

■景気が業績へ影響を及ぼしやすい

不動産業界は景気の変動に影響されやすいため、企業の業績や雇用状況も景気に左右されることがあります。

景気がよいときは不動産の需要が高まり、取引も活発になりますが、景気が悪化すると、取引の減少により売上や利益が落ち込み、給与や昇進に影響が出る場合もあります。

また、住宅ローンの金利変動や金融政策の影響を直接受けるため、市場の動向に敏感に反応します。どの業界でも景気リスクはありますが、特に不動産業界では影響が大きいことを理解しておくとよいでしょう。

■プレッシャーを強く感じることがある

不動産業界の営業職では売上目標が設定されることが多く、目標達成に向けたプレッシャーを感じることも少なくありません

その上で、住宅やオフィスなど人々の生活に直結するものを扱うため、業務には慎重さと正確さが求められます。高額な取引も多く、ミスが大きな損失につながることもあるため、責任感の重さを強く感じる場面があります。こうした労働環境を負担に感じる就活生もいるでしょう。

不動産業界の就活の進め方のポイント

不動産業界の就活の進め方のポイント

ここでは、不動産業界の就活の進める上でおさえておきたいポイントを詳しく紹介します。

■自己分析を深める

不動産業界を目指す際は、自己分析を深めて自分の強みや興味を明確にすることが重要です。徹底した自己分析により、業界への適性や自分がどの職種に向いているのかを見極められます。

不動産業界は「開発・分譲」「流通」「管理」「賃貸」「投資・運用」など多様な事業分野があります。職種も幅広くそれぞれ業務内容が異なり、求められるスキルや資質も大きく変わります

そのため、自己分析を通して自分をよく理解し、不動産業界の中でもどの分野に進みたいか考えておくことが大切です。

■業界・職種・企業研究を徹底する

不動産業界への就職を目指すには、業界研究・職種研究・企業研究を通じて、自分の適性や強みを生かせる役割や働き方を見極めることが重要です。不動産業界では、業務内容や職種によって求められるスキルやキャリアパスが大きく異なります。事業分野や職種の特徴を理解し、自分の価値観やキャリアプランとどう合致するかを考える必要があります

業界研究では、リノベーションや省エネ住宅など業界の最新動向を把握し、各業種の役割も理解しましょう。業界ニュースや専門誌を活用することで、ビジネスモデルや将来展望を知ることができます。

職種研究では、それぞれの職種で求められるスキルや資質を理解し、自分に適したポジションを見つけていきます。

企業研究では、志望企業の公式サイトや就職情報サイト、OBOG訪問などを活用して効率的に情報収集しましょう。企業の価値観と自分がマッチしているか、自分の理想のキャリアを実現できるかを判断します。

■インターンシップ等に参加する

インターンシップに参加することで、不動産業界の仕事の流れや職場の雰囲気を肌で感じることができます。実際の業務を体験することで、自分の適性や興味を再確認でき、将来のキャリア選択に役立てることが可能です。

また、大学1・2年生でも参加できるオープン・カンパニーも、業界や企業への理解を深めるよい機会となります。積極的に参加し、自分に合った働き方や職場を見つけましょう。

『キャリタス就活』の「インターンシップ・キャリアを探す」では、こだわり条件に絞ってインターンシップ・キャリアを検索できます。自分の希望に合った企業を効率よく探せるため、就活の第一歩として最適です。ぜひ活用してみてください。

【実例】不動産業界で働いている先輩たちの声

不動産業界で働くことのやりがいや魅力はさまざまあります。実際に不動産業界で働いている先輩たちの声を参考にしましょう。

不動産業界で働く先輩の声①

不動産業界で働く先輩の声①

新人時代は設計者や施工者などとの向き合い方に悩みましたが、コミュニケーションを取る中で信頼関係を築けました。新型コロナウイルスの影響による納期遅延などの難局も、現地工場と直接やりとりして解決へ導きました。通常は現地工場とのやりとりは行わないのですが、少しでも役に立ちたいと思い積極的に関わりました。担当した案件が開業した時は当時の苦労が報われたと思い、大きなやりがいを感じました。

不動産業界で働く先輩の声②

不動産業界で働く先輩の声②

入社当初はグループ全体の幅広い事業内容を理解することで精一杯でしたが、業務範囲が広いだけに将来のキャリアを考えるとワクワクしました。お客様の多様なニーズに応えるため、設計から運営事業者の選定まで幅広くサポートし、信頼関係を築くことにやりがいを感じています。複数の案件が同時に進むため進行管理は大変ですが、1つ1つの物件に深く関われる充実感もあります。

『キャリタス就活』の「企業を探す」では、業種や職種に絞って企業を検索できます。企業ごとの事業や仕事内容、職場環境についての情報を掲載しているので、職場の雰囲気や働き方を理解するのに役立つでしょう。ぜひご活用ください。

不動産業界に向いている人の特徴とは?

不動産業界には、どのような人が向いているのでしょうか。不動産業界に向いている人の特徴や求められる資質について紹介します。

■コミュニケーション能力が高い人

不動産業界では、顧客や取引先、社内の関係者と円滑にやりとりする力が不可欠です。交渉や調整の場面が多く、相手の意図を正確に理解して適切に対応できる能力が求められます

また、不動産業務は一人で完結することが少ないため、チームワークや信頼関係を築く姿勢も重要です。さらに、顧客のニーズに応じて最適な提案を行う提案力や営業力があれば、より活躍の幅を広げられます。

こうしたスキルを備えた人は顧客やチームから信頼されやすいでしょう。

■精神的にも体力的にもタフな人

不動産業界で働くには精神的にも体力的にもタフであることが求められます。高額取引や売上目標などプレッシャーの多い環境でストレスに耐える力や、顧客のさまざまな要望に粘り強く向き合う根気が必要です。
現場を回ることが多く体力も必要なため、健康管理を意識することも長期的な活躍には欠かせません。

■成長意欲が高い人

不動産業界は常に変化する市場環境に対応する必要があり、成長意欲の高い人が活躍しやすい業界です。新しい法律や不動産に関する知識商品知識など、学ぶべきことは多く、自己研鑽を怠らない姿勢が求められます

自己成長を楽しみながら、最新情報を積極的にキャッチアップできる人にとって、不動産業界は向いているといえるでしょう。

■柔軟に対応できる人

不動産業界では、顧客や業界内の関係者のさまざまな要望に柔軟に対応しなければならない場面が多くあります。急なスケジュール変更や予期せぬトラブル、条件の調整など、状況に応じて臨機応変に対応できる力が求められます

また、企業や職種によっては土日勤務が発生するため、プライベートの予定を家族や友人と合わせづらくなる場合もあります。一方で平日に休みが取れるため空いている時間帯にレジャーを楽しめるなどのメリットもあります。柔軟な思考と行動力を備えている人は、こうした環境にも適応しやすいでしょう。

不動産業界の大手企業

日本の不動産業界には歴史と実績を誇る大手企業が数多く存在し、それぞれ独自の強みと幅広い事業展開で業界を牽引しています。ここでは、代表的な大手企業と、各社の特徴・事業内容について紹介します。

■三井不動産

三井不動産は、住宅開発や賃貸事業を中心にオフィスビル、商業施設やリゾート施設など多岐にわたる事業を展開しています。東京ミッドタウンや日本橋リバーウォークの再開発など、大規模な都市開発プロジェクトで知られています。環境に配慮したエコビルディングやスマートシティ開発に注力し、未来志向の都市開発を推進する企業です。

■三菱地所

三菱地所は、オフィスビル、商業施設、住宅などのさまざまな不動産開発・賃貸や管理など幅広い分野で事業を展開する日本を代表する不動産開発企業です。東京丸の内の再開発プロジェクトなど、都市再生において重要な役割を果たしています。

環境に配慮した都市開発に注力し、エコシステムの創出やスマートシティの実現を目指しています。持続可能な都市づくりに貢献する姿勢が強みです。

■住友不動産

住友不動産は1949年に設立された、大手総合不動産企業です。オフィスビルの開発・賃貸、マンション・戸建住宅の開発・分譲、ビル管理・賃貸管理、ホテル運営など幅広い事業を展開しています。
オフィスビル賃貸事業を軸に、環境性能の高い物件の開発やオフィスビル事業の海外展開も推進し、高い成長性を誇っています。

■東急不動産ホールディングス

東急不動産ホールディングスは2013年に設立され、東急不動産、東急コミュニティー、東急リバブルといった主要事業企業と関連企業で構成されています。主な事業は不動産開発、売買・賃貸、管理など多岐にわたり、都市開発や分譲住宅・賃貸住宅の開発、商業施設の運営にも注力しています。

1918年に設立された田園都市株式会社を原点に、長年にわたって街づくりを進めてきました。多様な事業展開と地域密着型の取り組みで成長を続けている企業です。

■野村不動産ホールディングス

野村不動産ホールディングスは、2004年に設立された総合ディベロッパーです。住宅やオフィスビル・商業施設の開発・賃貸、資産運用など幅広い事業を展開しています。グループ全体で不動産の開発から売買、管理、投資まで全⽅位のサービスを提供し、総合的な事業活動が特徴です。持続可能な都市づくりや新たな価値創造に積極的に取り組んでいます。

■大東建託

大東建託は1974年に設立された大手不動産企業です。主な事業は土地活用を目的とした賃貸建物の企画・建築、仲介・管理業務に加え、ガス供給などの関連事業も展開しています。

中核事業である賃貸住宅分野では、「賃貸経営受託システム」を活用し、物件を一括借上げしてオーナーの収益安定とリスク軽減を図っています。入居者募集では「いい部屋ネット」という仲介ブランドを運営しており、安定した成長を続けている企業です。

■ヒューリック

ヒューリックは1957年に日本橋興業として設立され、2007年に現在の社名に変更された大手不動産企業です。不動産の所有・賃貸・売買および仲介業務を中心に展開しています。

都心・駅近など厳選した好立地の物件に重点を置いた不動産取得や開発に強みをもち、積極的に投資や開発を行っています。また、観光事業や高齢者・健康事業も展開しているのが特徴です。

不動産業界に関するよくある質問

不動産業界は土日休みはある?

不動産業界では多くの場合、顧客の物件内見や来店が多い土日は営業日となり、平日を定休日としているのが一般的です。

ただし、ディベロッパーや法人を顧客とする企業、または職種によっては土日休みが取れる場合もあります。休日は企業や職種によって異なるため、募集要項を確認しましょう。

不動産業界はきついって本当?体育会系じゃないと無理?

不動産業界はプレッシャーやノルマがあることから「きつい」といわれることもありますが、体育会系でなくても活躍できます

営業職をはじめ、多くの職種で、提案力やコミュニケーション能力といったさまざまなアプローチで成果を上げることが可能です。常に向上心をもち、自己研鑽する姿勢が必要ですが、やる気があれば誰でも挑戦できる業界といえるでしょう。

不動産業界へ就職する際にあると役立つ資格やスキルは?

不動産業界で役立つ資格は宅地建物取引士(宅建士)です。

賃貸不動産経営管理士、マンション管理士、管理業務主任者の資格も、不動産業界への意欲をアピールできます。また、FP技能検定の資格も、資金計画やライフプランに関する知識を示せるため役立ちます。資格以外にも、法律・金融・建築などの知識やコミュニケーション能力といったスキルがあると就活の際に有利に働くでしょう。

就活生におすすめ資格10選!他の学生と差をつける自己PR方法とは

就活生におすすめ資格10選!他の学生と差をつける自己PR方法とは

資格を保有していることは特定分野の知識・スキルの証明や、自身の強みのアピールにつながるため、就活を進める上で役に立つことがあります。しかし、「どの資格を取得すべきかよくわからない」という学生さんもいるのではないでしょう…

不動産業界の年収はどのくらい?

不動産業界の年収は企業や職種によって大きく異なるため一概にはいえません

たとえば、厚生労働省が満15~69歳を対象とした調査の結果を基に加工したデータによると、不動産業界の営業(※)の平均年収は約618万円(賞与は含まれておりません)です。この年収は年齢や勤続年数、勤務地などによって差があるためあくまで目安として考えましょう。自分が目指す企業の情報を調べることが大切です。

※出典:厚生労働省 就業情報提供サイト「住宅・不動産営業

不動産業界に転勤はある?

大手不動産企業や全国展開する企業では転勤が多い場合もありますが、実際の転勤頻度は企業や職種、個人のキャリアプランによって大きく異なります

総合職は一般職に比べ転勤の可能性が高い傾向にありますが、必ずしも頻繁に転勤するわけではなく、配属先や業務内容によります。

総合職と一般職って何?知っておきたいその違いと選び方を徹底解説

総合職と一般職って何?知っておきたいその違いと選び方を徹底解説

キャリアプランを考えるとき、よく出てくるのが「総合職」「一般職」という言葉。皆さんはこの違いをきちんとわかっていますか?本記事では、これらの基本的な違い、業務内容や待遇、キャリアステップについて解説します。この記事を読…

不動産業界でキャリアの第一歩を踏み出そう

不動産業界は人の暮らしに関わるやりがいや達成感の大きい魅力的な業界です。業態や職種によって求められるスキルが異なるため、自己分析により自分の適性や価値観に合うかをしっかり見極めることが大切です。不動産業界についてよく調べ、就活の第一歩を踏み出しましょう。

『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。

キャリタス就活編集部

PROFILE

キャリタス就活編集部
『本音をきく、本気でこたえる。』をテーマに、就職活動・就活準備をがんばる皆さんに向け、インターンシップ・キャリア情報やES・面接対策など、さまざまなシーンに役立つ情報をお届けしています。
「面接がうまくいかない」、「そもそも就活って何からはじめるべき」など、皆さんの本音に寄り添った記事を配信しておりますので、ぜひこの機会にご活用ください。

この記事のタグ

関連記事

最新記事

編集部のおすすめ記事

公式アカウントで最新情報を配信中!