オープン・カンパニーとインターンシップって何が違うの?使い分けて就活準備をスムーズに進めよう!

インターンシップ・キャリア

公開日:2023.10.03

就活準備を進めていく中で、インターンシップ、オープン・カンパニー、キャリア教育などさまざまなプログラムがありますが、それぞれの実施内容や違いがわからない学生の皆さんも多いのではないでしょうか? 短期間で多くの企業の雰囲気を感じ取れるオープン・カンパニーは、効率的な企業研究の新たな選択肢。しかし、その活用法やメリットは十分に知られていないかもしれません。この記事では、オープン・カンパニーの魅力とその上手な活用法を解説。オープン・カンパニーは業界・企業研究の第一歩です。ぜひここから始めてみましょう!

オープン・カンパニーとは?

産学協議会が定義する学生のキャリア形成支援活動には4つの類型があり、それぞれでできること・できないことが定められています(表参照)。

この中でオープン・カンパニーは「タイプ1」に分類されていて、「個社・業界の情報提供・PR」を目的とした説明会・イベントといったキャリア形成支援プログラムとなっています。主催は企業・就職情報会社や大学のキャリアセンター。あくまで企業の文化や環境を体感する場であり、実際の業務経験は目的としていません。就業体験は伴わず、大人数の学生を対象に単日で実施します。そのため学生が企業の文化やビジョンを知るきっかけとなることが多く、早期からのキャリア形成を助けるプログラムと言えます。オープン・カンパニーを体験することで、就活に対するスイッチも入れることができます。

【学生のキャリア形成支援活動:4タイプ】

タイプ1オープン・カンパニー
対象学生・修士・博士課程(年次不問)
代表的ケース企業・就職情報会社や大学キャリアセンターが主催するイベント・説明会
学生にとっての目的企業・業界・仕事を具体的に知る
実施時期時間帯やオンラインの活用など、学業との両立に配慮し学士・修士・博士課程の全期間(年次不問)
実施期間何日でも可
就業体験の有無任意
フィードバックの有無任意
取得した学生情報の採用活動への活用不可
タイプ2キャリア教育
対象企業主催:学士・修士課程(年次不問)
大学主催:学士・修士・博士課程(年次不問)
代表的ケース主に、企業がCSRとして実施するプログラムや、大学が主催する授業・産学協働プログラム
学生にとっての目的自らのキャリア(職業観・就業観)を考える
実施時期学士・修士・博士課程の全期間(年次不問)
企業が行う場合は時間帯やオンラインの活用などが学業との両立に配慮
実施期間何日でも可
就業体験の有無任意
フィードバックの有無任意
取得した学生情報の採用活動への活用不可
タイプ3汎用的能力・専門活用型インターンシップ
対象学部3年・4年・修士1年・2年
代表的ケース主に、企業単独、大学が企業あるいは地域コンソーシアムと連携して実施する適性・汎用的能力ないしは専門性を重視したプログラム
学生にとっての目的その仕事に就く能力が自らに備わっているか見極める
実施時期学部3年・4年ないしは修士1年・2年の長期休暇期間
(夏休み・冬休み・入試休み・春休み)
※大学正課および博士課程の場合は長期休暇期間に限定されない
実施期間汎用能力活用型:短期(5日間以上)
専門活用型:長期(2週間以上)
就業体験の有無必須(学生の参加期間の半分を超える日数を職場で就業体験)
フィードバックの有無職場社員が学生を指導し、インターンシップ終了後にフィードバック
取得した学生情報の採用活動への活用採用活動開始以降に限り可
タイプ4高度専門型インターンシップ(試行)※今後内容が変更になる可能性あり
対象大学院生向け
代表的ケース■ジョブ型研究インターンシップ
■高度な専門性を重視した修士課程学生向けインターンシップ(仮称)
学生にとっての目的自らの専門性を実践で活かし向上させる(実践研究力の向上等)
実施時期博士:全期間
修士:検討中
実施期間ジョブ型研究:長期(2カ月以上)
就業体験の有無必須
フィードバックの有無ジョブ型研究終了後、面談評価を行い評価書・評価証明書を発行
取得した学生情報の採用活動への活用採用活動開始以降に限り可
 ※基本的に、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者も含む。

まとめると、インターンシップとの違いは以下の通りです。

■実務体験は行われない
実務体験を伴う5日間以上のプログラムを「インターンシップ」と呼びますが、オープン・カンパニーは実務体験を含まないプログラムとなっています。

■採用評価への影響は低い
採用の評価に直接関連するのは、実務体験を伴うインターンシップのみ。オープン・カンパニーでの参加情報は、採用の際の評価材料としては使用できないことになっています。

【詳しくはこちらの記事もチェック】
インターンシップの定義変更――4タイプのキャリア形成支援と就活への影響は?

オープン・カンパニーの活用法

オープン・カンパニーは単日開催のため、短期間で多くの企業の文化や特色を知ることができます。複数の企業を効率的にリサーチしたい場合や、自分の興味を絞り込むための第一歩として、とても有効です。具体的な特徴としては──

■企業や業界への理解を深めることができる
会社説明会などでは、企業の背景や業務内容、業界の動向について知ることができます。また先輩社員からの就業時のリアルな話を聞くチャンスもあるでしょう。さらに職場見学に参加することで、実際に働く環境を確認して、働くことのイメージをより具現化できるようになります。

■手軽に参加でき、学業などの時間を確保できる
プログラムは短期(単日)がほとんどです。複数回開催されることも多いので、学業・サークルなどとのスケジュール調整も楽に行えます。また、企業も学生が参加しやすいように、平日の夕方や週末、長期休暇期間中に実施したり、オンラインを活用して動画配信を行ったり、自社の情報を伝える機会・接点を増やすよう配慮をしています。

■学年を問わず参加可能
インターンシップは学部3年の夏休み以降にしか参加できませんが、オープン・カンパニーは学士・修士・博士課程(年次不問)で参加可能です。早い段階からオープン・カンパニーを活用することで、自分のキャリアについて考える時間をじっくりと検討できます。そうすることで本格的に就活準備を始める段階になった時に、自分の仕事に対する価値観・興味がある業界がみつかりやすくなります。

就活準備のドアを叩いてみよう

就活準備生の皆さんが最適なキャリアを築くためには、多くの選択肢を知ることが大切です。短期間での開催で、さまざまな企業や業界の雰囲気を手軽に感じることができる「オープン・カンパニー」は就活準備のファーストステップとして最適です。さまざまなオープン・カンパニーに参加することを通じて、ネット情報では触れることのできない業界・企業の「リアル」を知ることができます。

また、今まであまり知らなかった企業、興味がある業界に関連している企業のオープン・カンパニーに参加することで、幅広く業界の知識や自分のキャリアも検討できます。その結果、自身の考えるキャリアとマッチングする業界・企業に巡り合う確率も高まり、実際に「インターンシップに参加したい」と思う企業も見つけることができるでしょう。

一方、具体的な仕事の内容や職場の雰囲気を深く知りたいなら、「インターンシップ」の参加になります。実際に業務を体験して自分の興味や適性を確かめることができるでしょう。

プログラムに参加する目的やタイミングに合わせて、これらの活動を上手に組み合わせてみましょう。効率的な就活準備を進め、理想のキャリアを築くための手助けとしてください。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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