【就活準備に最適】オープン・カンパニーとキャリア教育に参加しよう!

インターンシップ・キャリア

公開日:2024.04.24

2023年度からインターンシップの定義が大きく変わり、「学生のキャリア形成支援活動」が4類型に再編されました。本記事では新たな類型の中から、低学年次から就活生まで幅広く参加することのできる「タイプ1:オープン・カンパニー」と「タイプ2:キャリア教育」に焦点を当てて解説します。

「オープン・カンパニー」と「キャリア教育」って、いったい何?

2023年度から、「学生のキャリア形成支援活動」は「タイプ1:オープン・カンパニー」「タイプ2:キャリア教育」「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「タイプ4:高度専門型インターンシップ」の4類型に再編されました。

このうち、「タイプ1:オープン・カンパニー」「タイプ2:キャリア教育」については対象学年が不問ですので、低学年(学部1・2年生)のうちから参加することができます。

もちろん、学部3年生や修士1年生の皆さんがこれらに参加することは、就職活動の準備としても非常に有意義なため積極的に活用していきましょう。

では、「オープン・カンパニー」、「キャリア教育」はそれぞれどんなものなのでしょうか?

「オープン・カンパニー」は、企業が主催する業界・企業説明会やイベントのこと。学生の皆さんが業界や企業について具体的に知り、理解を深める機会を提供するプログラムとなっています。

「キャリア教育」は、学生の皆さんの社会的・職業的自立を支援するために実施されます。自己理解や職業理解の促進を目的としており、参加者が自らの職業観・就業観など今後のキャリアを考える機会を提供するプログラムとなっています。企業がCSR※の一環として実施するもの、大学が主催する授業・産学協働プログラムなどがあります。

どちらも半日のものから数日間にわたって実施されるプログラムまであるため、目的に応じて気軽に参加できるのが特徴です。

学生のキャリア形成支援活動の4類型の概要は、以下の表を参照してください。
※CSR:「Corporate Social Responsibility」の略。企業が利益を追求するだけでなく、社会や環境への配慮を行い、持続可能な社会の実現を目指す考え方

【学生のキャリア形成支援活動:4タイプ】

タイプ1オープン・カンパニー
対象学生・修士・博士課程(年次不問)
代表的ケース企業・就職情報会社や大学キャリアセンターが主催するイベント・説明会
学生にとっての目的企業・業界・仕事を具体的に知る
実施時期時間帯やオンラインの活用など、学業との両立に配慮し学士・修士・博士課程の全期間(年次不問)
実施期間何日でも可
就業体験の有無任意
フィードバックの有無任意
取得した学生情報の採用活動への活用不可
タイプ2キャリア教育
対象企業主催:学士・修士課程(年次不問)
大学主催:学士・修士・博士課程(年次不問)
代表的ケース主に、企業がCSRとして実施するプログラムや、大学が主催する授業・産学協働プログラム
学生にとっての目的自らのキャリア(職業観・就業観)を考える
実施時期学士・修士・博士課程の全期間(年次不問)
企業が行う場合は時間帯やオンラインの活用などが学業との両立に配慮
実施期間何日でも可
就業体験の有無任意
フィードバックの有無任意
取得した学生情報の採用活動への活用不可
タイプ3汎用的能力・専門活用型インターンシップ
対象学部3年・4年・修士1年・2年
代表的ケース主に、企業単独、大学が企業あるいは地域コンソーシアムと連携して実施する適性・汎用的能力ないしは専門性を重視したプログラム
学生にとっての目的その仕事に就く能力が自らに備わっているか見極める
実施時期学部3年・4年ないしは修士1年・2年の長期休暇期間
(夏休み・冬休み・入試休み・春休み)
※大学正課および博士課程の場合は長期休暇期間に限定されない
実施期間汎用能力活用型:短期(5日間以上)
専門活用型:長期(2週間以上)
就業体験の有無必須(学生の参加期間の半分を超える日数を職場で就業体験)
フィードバックの有無職場社員が学生を指導し、インターンシップ終了後にフィードバック
取得した学生情報の採用活動への活用採用活動開始以降に限り可
タイプ4高度専門型インターンシップ(試行)※今後内容が変更になる可能性あり
対象大学院生向け
代表的ケース■ジョブ型研究インターンシップ
■高度な専門性を重視した修士課程学生向けインターンシップ(仮称)
学生にとっての目的自らの専門性を実践で活かし向上させる(実践研究力の向上等)
実施時期博士:全期間
修士:検討中
実施期間ジョブ型研究:長期(2カ月以上)
就業体験の有無必須
フィードバックの有無ジョブ型研究終了後、面談評価を行い評価書・評価証明書を発行
取得した学生情報の採用活動への活用採用活動開始以降に限り可
 ※基本的に、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者も含む。

「オープン・カンパニー」と「キャリア教育」ではどんな体験ができるの?

【オープン・カンパニー】

「オープン・カンパニー」は、業界や企業の紹介、業界固有の課題や企業文化についての説明が中心になります。企業の事業内容や業績に関する情報も共有されますので、企業研究のリソースとしても大変有効です。また、オンラインでの実施も多くありますので、気軽に参加できることもメリットです。実際の「オープン・カンパニー」をイメージしていただくために、プログラム例を紹介します。

例1
【オンライン】IT業界の最前線と働き方を知ろう!
・A社(IT業界)
・実施期間:半日
・実施方法:オンライン

〈内容〉
・自社紹介動画の視聴
・IT業界の概要、動向説明
・業界内での自社の位置づけや特徴についての説明
・具体的な事業内容および職種の説明
・社員の働き方や社内行事などの紹介
・チャットによる質疑応答

例2
食品業界の業務を体験してみよう!【2days】
・B社(食品業界)
・実施期間:2日間
・実施方法:対面

〈1日目〉
・企業のビジョンとミッションの説明
・食品業界の現状、課題、成長機会についての分析
・職場見学(オフィス、製造現場、研究施設)
・社員との座談会

〈2日目〉
・新商品開発やマーケティング戦略に関するケーススタディを紹介
・参加者がチームを組み新商品のコンセプトを考案
・商品開発プレゼン&フィードバック

【キャリア教育】

「キャリア教育」は参加者がキャリアについて考えるきっかけを提供し、自己理解や職業理解を深めることを目的として行われます。

「キャリア教育」というと、大学での授業を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、「キャリア教育」は大学だけで行われているわけではありません。企業がCSR活動や社会貢献活動の一環として、あるいは大学と連携して教育プログラムを提供することもたくさんあります。

企業が主催する「キャリア教育」は「オープン・カンパニー」同様、オンラインで開催されるケースも多いため、忙しい学生の皆さんも参加しやすいプログラムとなっています。企業で行われる「キャリア教育」をイメージしていただくために、プログラム例を紹介します。


日本経済を動かす!商社業界【2days】

・C社(商社業界)
・実施期間:2日間
・実施方法:対面

〈1日目〉
・テーマは「自分自身と働く環境を理解する」
・過去を振り返って自分を紐解く「自己理解ワーク」
・「憧れ」から考える「将来やってみたいこと」
・様々な価値観を持つ人々と話して「やってみたいこと」を明確化しよう(グループワーク)
・「やってみたいこと」をどこで実現するのか考えよう(業界研究、企業研究)
・全体でシェア、講師からのコメント
・若手社員との座談会、質問タイム

〈2日目〉
・テーマは「戦略的思考プロセスの体感」
・マーケティング理論についての講義
・5名ずつグループに分かれて、新規開発する商品についてディスカッション(統計データ、既存商品概要などの情報が記載された資料を参照)
・複数の社員の前で発表、各社員からの講評

いかがでしょう。「タイプ1:オープン・カンパニー」と「タイプ2:キャリア教育」、それぞれについてご理解いただけましたか?

「オープン・カンパニー」と「インターンシップ」との違いは?

ここまで読んで、「業界や企業を知る上で役立つ『オープン・カンパニー』は選考に影響しないインターンシップってことなの?」と思った方はいませんか?

「オープン・カンパニー」と「インターンシップ」は、いずれも企業が提供する学生のキャリア形成支援プログラムで、皆さんの就職活動にも大いに役立つものです。しかし、この2つは対象や期間、企業の目的が異なるので注意が必要です。両者の違いについて、ここで整理しておきましょう。

【オープン・カンパニー】
企業や業界の情報提供およびPRを目的としたキャリア形成支援プログラムです。就業体験の有無は任意です。参加者の業界や企業の理解を深め、自らのキャリアを考えるきっかけを提供する一方で企業側の情報を広く学生に伝える機会に繋がります。オープン・カンパニーは参加学生の年次は不問です。学業に配慮した日程や形式であれば、長期休暇期間以外にも実施されます。しかし参加者情報の採用活動への活用は認められていません。

【インターンシップ】
参加者が実際の職場での業務体験を通じて、仕事に対する理解を深め、自分の適性やキャリアについて考える機会を得るプログラムです。期間が5日間以上とオープン・カンパニーに比べて長く、就業体験が必須です。インターンシップには複数のタイプがあり、一般的な業務体験のほか、特定の専門性を要求される実務体験も含まれます。

参加できる学年には制限があります(学部3・4年生、大学院生)。また、実施日程は長期休暇期間に限定されます。参加者情報の採用活動への活用は採用活動が解禁される3月以降に限り認められています。

「オープン・カンパニー」と「キャリア教育」を活用してキャリアについて考えていこう!」

「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」に参加することのメリットは、自分の職業観、強み、興味関心などを明らかにできること、つまり自己分析を深められることです。また、多様な視点から業界や企業を理解することもできますので、業界・企業研究をすることにもつながります。就活準備をはじめ卒業後の進路やキャリアパスを考える際に、大いに役立つことでしょう。

「オープン・カンパニー」・「キャリア教育」には、各企業が工夫を凝らしたプログラムがたくさんあります。年次を問わず気軽に参加が可能ですので、就活生はもちろんのこと、低学年の皆さんも積極的に参加していただきたいと思います。早期からキャリアについて考えることで、周囲から一歩リードすること間違いなしです!

\「オープン・カンパニー」の検索はこちらから/

\「キャリア教育」の検索はこちらから/

※エントリー・申し込みにはキャリタス就活へのログインが必要です。

また、同一企業の複数プログラムへの参加や、競合企業や異業種企業の「オープン・カンパニー」を受けてみることもおすすめです。複数参加することにより企業ごとの特徴の比較が容易になりますし、インターンシップに近い企業や仕事に対する理解が得られる場合もあるので率先して参加してみましょう!

選考なしの「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」も多数ありますので、フル活用して効果的に情報を収集し、上手に就活準備を進めていきましょう!

PROFILE

濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。

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