データで見る外国人留学生の就職活動の実態

就活ノウハウ

公開日:2023.04.03

「希望業界の募集はどれくらいあるの?」「イメージした働き方はできるの?」「就職活動をどう進めたらいいの?」これから新卒での就職を目指す皆さんにとって、日本国内での就職活動は未知の部分が数多くあります。ここでは、調査データを基に外国人留学生を取り巻く就職環境を解説していきます。

日本の企業で働きたいなら、新卒採用が最大のチャンス


外国人社員全体の半数以上が新卒採用

外国人社員の採用ルート(企業調査)

出典:経済産業省 平成26年度 外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査(2015年3月)

日本の企業で働く外国人社員のうち、新卒採用の割合はどの程度を占めるのでしょうか。企業に外国人社員の採用ルートを聞いた調査では、「国内の留学生の新卒採用」が42.0%でトップ。「海外の外国人学生の新卒採用」の11.5%と合わせると、半数以上が新卒採用で占められています。一方キャリア採用を見てみると、「国内における外国人のキャリア採用」が18.1%、「海外における外国人のキャリア採用」が5.9%と、4分の1以下にとどまっています。日本国内の企業への就職を目指すなら、新卒としてチャレンジするほうが、間口が広いと言えそうです。

気になる採用の仕方は?


外国人留学生を採用している企業の募集方法を知ろう

2022年度の外国人留学生の募集・採用方法(企業調査)

出典:ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」(2021年12月)

2022年度の外国人留学生の募集形式(企業調査)

出典:ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」(2021年12月)

企業はどのような形式で外国人留学生を採用しているのでしょうか。

実際に外国人留学生を採用している企業の調査データを確認してみましょう。2022年度の外国人留学生の採用では、「国内の日本人学生と同じ枠で募集・採用」が80.0%トップ、「外国人留学生は全員、国内の日本人学生とは別枠で募集・採用」が8.4%となっております。

同じ枠での募集・採用が8割を超えるところを見ると、特に区別せずに採用する形が一般的だと受け取れます。

区別せずに採用を行っているということは、必ずしも外国人留学生募集と銘打って採用活動をしていないことがわかるため、大々的に外国人留学生採用と提示されていなくても自ら確認してみる姿勢も重要です。

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また、募集形式に関する調査データを見てみると「配属先を限定せず募集」が61.1%とトップとなり、ここでも国内学生と同じ枠で採用している様子が受け取れます。

外国人留学生が希望する職種と配属先との差異とは?


外国人留学生の配属先職種の実態を知ろう

2020年度に新卒採用した外国人留学生が就いた職種(複数回答)(企業調査)

出典:ディスコ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」(2021年12月)

外国人留学生の就職活動当初の志望職種(3つまで選択)(外国人留学生調査)

出典:ディスコ「外国人留学生の就職活動に関する調査結果」(2022年8月)

日本の企業の多くは、数年おきに部署や仕事内容が変わる「ジョブローテーション」制度を採用しています。希望通りの企業に入社できたとしても、入社前にイメージしていた働き方ができるとは限りません。日本の企業に就職した外国人留学生の現実はどうなのでしょうか。

企業に、採用した外国人留学生の配属先職種を聞いた調査では、「IT・ソフトウェア関連」「研究・開発・設計関連」が最も多く、以降「海外営業関連」「生産・製造・品質管理関連」と続きます。

一方、外国人留学生に希望職種を聞いた調査は「企画・マーケティング職」がトップ。続いて「営業職」「IT職種」「事務・管理系職種」となっています。

この結果から、「企画・マーケティング職」に関して、学生の希望職種と企業で配属される職種のギャップが大きく、「営業職」や「IT職種」では学生の希望職種と企業で配属される職種のギャップが小さいと考えられます。

やりたいことは本当に今希望している業種や職種でしかできないのか、どのような役割や働き方を期待しているのかをよく考え、中長期的なキャリア構築を前提に何を成し遂げていきたいのかを考えて就職先を選ぶ必要があると言えます。

対策方法も併せてご紹介!


先輩外国人留学生が就職活動中に困ったことランキング

就職活動中に困ったこと(外国人留学生調査)

出典:経済産業省 平成26年度 外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査(2015年3月)

外国人留学生が実際に直面した「就職活動中に困ったこと」には、就職活動をうまく進めるためのヒントが隠されています。先輩の調査結果からベスト5を見ていきましょう。

最も回答が多かったのが、「外国人留学生向けの求人が少ない」38.5%。以降、「日本の就職活動の仕組みがわからない」33.8%、「日本語による適性試験や能力試験が難しい」32.2%、「業界研究や企業研究の仕方がわからない」 29.0%、「日本語での面接への対応が難しい」25.5%と続きます。

外国人留学生が就職活動中に困ったこととして回答の多かった項目については、すべて「キャリタス就活2024」で事前対策することができます。ぜひご活用ください。

1.日本の就職活動の仕組みを知る

【就活準備「きほん」と「心がまえ」】では、外国人留学生が日本で就職活動するにあたり、知っておきたいことを解説しています。まだ読んでいない人は、必ずチェックするようにしましょう。

2.日本語による適性試験や能力試験を知る

【キャリタス模試】では、日本の企業の多くが筆記試験で使用している「SPI」「玉手箱」に加え「一般常識」各形式の問題を模擬テストとして無料で受検することができます。適性試験や能力試験に慣れるのに最適なのでぜひ挑戦してみましょう。

外国人留学生に期待されていることを知ろう


求められるのは、「日本語能力」と志望企業の理解

自社の選考を受験した外国人留学生に対して感じること(複数回答)

(外国人留学生調査)

日本の企業が、外国人留学生に期待していることを知ることは、就職活動を進めるにあたり大きなアドバンテージになります。外国人留学生の就職活動で改善すべき点を、日本の企業に聞いた調査によると、「コミュニケーション力(日本語力)が不足している」が51.5%、続いて企業研究に関する項目である「企業研究が不足している」35.0%と「志望動機があいまい」が32.0%、この3つが特に多くの回答を集めました。

裏を返せば、この3点を押さえておくことが、就職活動を進めるにあたり有利に働くポイントと言えるでしょう。

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