新卒就活生の履歴書の書き方!基本とNG例8選【見本付き】

就活ノウハウ

公開日:2023.11.07

こんにちは!キャリアコンサルタント桜川りえです。履歴書は単なる経歴の一覧ではありません。それはあなたの"物語"であり、採用担当者に向けたメッセージとなります。初めての出会いで、自分のこれまでの経験や価値観、そして将来のビジョンをどのように伝えるかは、選考の結果に大きな影響を与えるポイントです。本記事では、就活準備生の皆さん向けに、履歴書の書き方について基礎からわかりやすく解説します。

履歴書のキホンをおさらいしよう!

【履歴書見本】

【書き方のポイント】

①日付は提出日かその前日を記入
②写真の裏面に氏名と学校名を記入(書き損じることもあるので最後に貼るのがおすすめ)
③「ふりがな」のときはひらがなで、「フリガナ」のときはカタカナで記入
④都道府県名から、マンション名までを省略せずに書く
⑤日常的に確認するメールアドレスを記載(大学指定のメールアドレスがおすすめ)
⑥中学校卒業から記入、学校名は省略せず正式名称で記入「高校」→「高等学校」
⑦西暦か元号のどちらかに統一
⑧職歴にアルバイトは含まない

【書き方のポイント】

⑨資格名称は正式名称で記入する(勉強中の資格を書いてもOK!その場合は(取得予定)と記載)

⑩志望動機
・書き言葉では「貴社」に統一する(「御社」は話し言葉)
・どこに魅力を感じたのか?冒頭に「結論」を書く
・自分の価値観(就活の軸)とどうマッチするのか述べる
・説明会やインターンシップ等で実際に体験したことを盛り込むと熱意が伝わりやすい
・入社後にどんなことをやってみたいのか等「意気込み」を書いてまとめる
・志望企業の業務に関連する事柄について努力する姿勢を伝えて、就業意識が高いことを示すのもおすすめ

⑪自己PR
・冒頭で「結論」を述べる「私の強みは〇〇です」と書き出してOK!
・結論を裏付ける「根拠」となるエピソードを盛り込む
・困難な状況をどう乗り越えたか、具体的に記入(〇人達成、〇%アップなど数字を盛り込むとなお良し!)
・再度「結論」を述べ、経験から得た学びを入社後どう活かせるのか記載
・あれこれ盛り込まず、ひとつのエピソードを掘り下げるのがおすすめ(企業の「求める人材像」に合わせて、複数パターン作成しておくと良い)

⑫趣味・特技
・自分の趣味や特技がどのようなスキルや価値観をもたらしているのかを具体的に記述

⑬その他のポイント
・1行の目安は50~60文字程度に(詰め込みすぎない)
・消えるボールペン・修正テープ等はNG!(鉛筆で下書き→完全に乾いてから消しゴムで消すのもおすすめ)
・空欄をつくらない
・該当事項がない時は「特になし」と記入

おしえて!履歴書の素朴なギモン

■学歴はどこから書く?

履歴書に学歴を記載する際、どこから書くのか明確な決まりはありませんが、新卒者の場合は、義務教育の卒業時、中学校卒業から書くのが一般的です。学校名は省略せず、正式名称で書きましょう。

ただし、企業や業種によっては、指定のフォーマットで記載を求められる場合があるため、必ず志望する企業の指示に則って記載をしましょう。

■趣味・特技って何を書けばいい?

「趣味・特技」の項目は、採用担当者にあなたの人となりや興味を伝えるための一つの手段です。ただし、単に趣味や特技を書くのではなく、その趣味や特技から何を学び、どのような価値観やスキルを持っているのかをうまく伝えることが鍵となります。

【趣味・特技から自分の価値観・魅力に触れる例】
・マラソンやサイクリング:
継続的な努力や目標達成への意欲を示す。

・読書:
興味があるジャンルを具体的に記載し、知識欲や幅広い興味を持っていることを示す。

・楽器演奏(例:ピアノ、バイオリン):
長期的な取り組みや集中力、細やかな技術を持っていることを示す。

・旅行(特に一人旅や異文化体験):
独立性や外部志向力、新しい文化への適応力を持っていることをアピール。

・語学(例:英語、中国語の会話が得意):
多様な背景を持つ人々とのコミュニケーション能力や、グローバルな視点を示す。

・動画制作、DIY、漫画制作:
創造力や緻密な作業を好む性格をアピール。

・ボランティア活動:
社会への貢献意識や協力的な性格を示す。

・スポーツ(特にチームスポーツ):
チームでの協力や、自分の役割と何を学んだか、健康的な生活習慣をアピール。

また、「YouTubeやショート動画の公開、SNSでの活動など履歴書に書いていいですか?」といった質問をもらうことがあります。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、在宅で過ごす時間が多かった学生にとって増加した趣味・特技になりました。

結論から言いますと、全くNGではありませんが、「目的意識」を持っていることが望ましいです。

私が過去に話した就活生・就活準備生の事例では、

・SNSを通じて世界中の人たちと共通の趣味で意気投合、コミュニティーづくりを行った
・動画配信のスキルアップを図った等

SNS発信や動画コンテンツは、企業や自治体も注力している分野ですから、社会に出てからも重要なスキルになります。普段から慣れ親しんでいる方は立派なアピール材料になることもあります。この経験から得た学びは?覚えたスキルを社会でどう活かせそうか?について整理しておくとよいでしょう。

「履歴書だから立派なことを書かなければいけない」と気負わなくても大丈夫です。まずは、身近な経験から丁寧に振り返っていきましょう。

■資格・免許は何を書くの?

基本的には、取得したすべての資格や免許を記載することが可能です。車やバイクの運転免許は、特に業務に直接関連しない場合でも、記載して問題ありません。

資格・免許は、それが職務に関連しているかどうかに関わらず、採用担当者に自分のスキルや学びの意欲を示すために役立ちます。

特に需要のある資格や、業界固有のものは、該当欄の上段に記載して目に留まりやすいようにしましょう。

【好印象をもたらす資格・免許の例】
・言語資格:TOEICのスコア(業界による)「実用英語技能検定」(英検2級以上)
・ビジネス関連資格:簿記検定(特に2級以上)
・マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)等

【間違えやすい書き方】
・資格は省略せず正式名称を記載しましょう。
NG例:「普通免許」「自動車免許」
正しい例:「普通自動車第一種運転免許」もしくは「普通自動車第一種運転免許(AT限定)」

■履歴書に「志望動機」や「自己PR」の欄がある場合は、エントリーシート(ES)と同じ内容でもいいの?

ESと履歴書の2つの書類に「自己PR」「志望動機」の欄がある場合、重複した内容でも問題ありません。大切なのは「一貫性」です。志望動機や自己PRをしっかり表現して、自分の魅力をアピールしましょう。

よくある履歴書のNG例「8選」

情熱溢れる自己アピールをすることは重要ですが、まとまりのない履歴書は忙しい採用担当者のことを考えると避けたいもの。

自分の熱い思いをアピールするのも大事ですが、相手を思う気持ちを忘れず、マナーも大事にしたいですね。ここからは、意外とやりがちな「NG例」を見ていきましょう。

■履歴書のNG例「8選」

1.不適切な写真:
普段着での撮影、背景が乱雑、ライティング、カメラアングルが不自然、不機嫌な印象を受ける表情。スピード写真より、プロのアドバイスが受けられるスタジオ撮影がおすすめです。

2.文字の乱れ、誤字・脱字:
手書きの場合に文字がゆがんでいる、インクの滲みや汚れがある。書き間違えや、必要な情報の欠落。消せるボールペン、修正液(テープ)の使用はNG!

3.情報の欠落:
連絡先や学歴など、必要な情報を書き忘れている。
例:住んでいる集合住宅の部屋番号を記載していない。正式名称は「高等学校」なのに「高校」と記載。

4.抽象的な表現:
抽象的な表現やあいまいな記載は、受け取る側の解釈に左右されやすくなります。具体的に書くことで、誤解や勘違いを避け、自分の個性や特長をはっきりと伝えることができます。
例:「読書が好き」、「スポーツ観戦」など漠然としている。書くならば「19世紀のフランス文学を読むこと」、「週末にトライアスロンのトレーニングをしている」と書く方が印象に残りやすくなる。

5.抽象的な自己PR:
自分の強みや経験を具体的に示さず、一般的なフレーズのみの記述。
例:「明るい人間です」「大学の勉強が好きです」「昔から野球をがんばっています」

6.不適切な言葉の使用:
ビジネスの場で不適切な言葉を使用。
例:「めっちゃ」「なんか」などカジュアルな表現。

7.日付や年号の誤り:
学歴や資格の取得年など、時系列が誤っている。

下記「入学・卒業年度早見表」で必ずチェック!

8.不適切な余白:
情報を詰め込みすぎて読みづらい、または情報が少なすぎて記載欄の余白が多い。本記事の「履歴書のキホンをおさらいしよう!」の「履歴書見本」を見て、ボリュームやバランスを意識しましょう!

【入学・卒業年度早見表】

思わず目が留まる!「魅力的な履歴書」とは?

採用担当者は日常的に多くの履歴書に目を通します。その中で一際目を引く履歴書を書くためには、「自己PR」や「志望動機」の部分で、具体的な経験や取り組みを通して学んだスキルや考え方を明確に伝え、志望する企業でなければならない理由をESから履歴書まで一貫性を持たせていることが重要です。この部分が魅力的であれば、他の多くの履歴書との差別化が図れます。

【書き方のコツ】
■面接の時の会話をイメージしながら作成しよう!

履歴書はあなたの「物語」のほんの一部です。そのため、面接時にその物語をどのように膨らませるのかをイメージしながら作成することをおすすめします。

面接官からどのような質問が出るのかを予測・準備しながら情報を整理することで、質問にあたふたせず、自分の魅力や経験を自信を持って伝えやすくなるでしょう。

例えば、特定の経験や実績を強調すると、その話題が面接で取り上げられる可能性が高まります。「大学時代に〇〇のリーダーとしてチームをまとめ、前年から利益(もしくは参加数、いいね数など)が〇%増加した」と書くと、面接官はその経験について詳しく尋ねるでしょう。これにより、リーダーシップやコミュニケーション能力といったスキルについて深く掘り下げることが可能になります。

まとめ

履歴書は学歴・経歴一覧表の役割だけではなく、実際の面接を効果的、スムーズに進めるためのコミュニケーションツールとしての役割もあります。

そして重要なのは、履歴書に記載する内容は真実であること。誇張やうそがあると、面接での信頼を失う原因となります。

また、記載した内容に対する深い理解や背景知識を持っていることが求められます。例えば、ある資格を取得している場合、その資格の意義や取得の背景、それを活かす計画などについて語れる準備をしておくとよいでしょう。資格取得して終わりではなく、日々の勉強・情報更新は継続的に行いましょう。

上記のポイントを踏まえながら、自分を最も魅力的に伝える履歴書を作成しましょう。

PROFILE

桜川りえ
国家資格キャリアコンサルタント
短大卒業後、10回転職を経験。ライフステージに合わせた“柔軟な働き方”をいち早く実践。コンプレックスだった転職回数の多さを「強み」に変えてキャリア支援の道へ。2019年より都内私立大学にてキャリアカウンセラーとして従事し、現在はオンラインによるキャリア相談を実施。学生・女性支援を専門領域として活動中。正規・非正規雇用、業務委託などあらゆる働き方を経て、2021年5月個人事業主となる。同年11月、「HSP×転職」をテーマにKindle書籍を出版し好評を得る。2023年3月オンラインコミュニティ「就活サードプレイス」開設。「就活×保護者」をテーマにセミナー開催。「就活」を切り口に親子関係の問題に取り組んでいる。現役就活生の母。オンラインコミュニティ「就活サードプレイス」運営

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