就活生必見!面接前後のメールで気を付けたいこと〜メール例文付き〜

就活ノウハウ

公開日:2023.09.19

普段から友人やアルバイトとメールのやり取りをしていても、こと「就活」となるとどういったマナーが必要になってくるかよくわかっていないかもしれません。特に、面接前後にやり取りするメールには、それに即した書き方も必要になってきます。単に情報を伝える手段だけでなく、自己表現ツールともなるメール。書き方一つで印象が大きく変わることもあります。今回は、日程調整・お礼・辞退といったシチュエーションごとに書き方を解説し、併せて例文を紹介します。

まずはここから──日程調整メール

面接日時の連絡メールを企業側からもらったら、いよいよ面接の始まりです。ごく初期の企業とのコンタクトですから、気持ちを引き締めて臨みましょう。いくつか注意点を挙げていきます。

■メールは寝かせず、素早い返信を心がける
企業の人事担当者は、非常に多くの学生と限られた時間の中でコンタクトを取り、スケジュールを調整し、選考日程を決めていきます。その業務を滞らせないように、メール返信はできるだけ早いタイミングで。あなたが返信を1日寝かせたとすると、それが全体に影響を及ぼして選考スケジュールの遅延につながるかもしれません。社会人として「メール返信は素早く」は、基本的なビジネスマナーでもあります。やり取りする相手が社会人であることを忘れずに。

就活生の皆さんの立場から見ても、企業からのメールに素早く返信することで面接日程を自分の希望に近い日時に設定できる可能性が高まります。返信が遅くなってしまうと、既に先方の面接スケジュール枠も埋まってしまっており、自分の希望する日時が取れなくなることも。そこで面接機会を失ってしまいかねません。できる限り「24時間以内の返信」を心がけていきましょう。

■件名は簡潔に、目的・氏名・所属ははっきりと
メールの件名はだらだらと長くしないのがマナーです。そのメールは何を目的に送られてきたかが受信者にすぐわかるよう、簡潔に短く書きましょう。そして同時に、自分の氏名・所属大学も入れておきます。メールの件名をこうしたフォーマットで整えておくことで、企業担当者には「あなたからのメール」という認識が生まれます。結果、早めに対応してもらえることにもつながるでしょう。

■面接の候補日時は複数出しておく
面接日程をやり取りしていて、こちらの都合のよい日時を1つだけ伝えたとしても、それが相手にも都合のよい日時とは限りません。「そこは都合が悪い」⇒「ではこの日ではどうでしょう」⇒「そこも予定が入っている」というやり取りを何度も繰り返すことになりかねません。はじめから複数の日時を送っておくことで、先方の選択肢を増やすことができます。こうやって調整をしやすくしておくことは基本的なビジネスマナーでもあります。「社会人の基礎ができている」「相手に配慮ができる」という好印象を与えることもできます。

■署名は必ず書いておく
皆さん、メールには署名を付けていますか?手紙の最後に名前を書いておくように、メールにとって重要なマナーです。さらにビジネスメールであれば、名前以外に所属・連絡先などの情報も必須となります。受信者が送信者の身元を確認することができるよう、必ずビジネスに即した署名を付けるようにしましょう。

メールの全体的な構成は、

1. 宛先:企業名、部署名、担当者名

2. 挨拶:挨拶、自分の氏名、所属

3. 用件:今回は面接日程の確認

4. 挨拶:締めの言葉

5. 署名

となりますので、「メールはここで終了」ということを示すのが署名の役割です。

<メール例文:企業から面接候補日を提示された場合>
 
件名:面接日程につきまして:苗字+名前 〇〇大学
 
[1.宛先]株式会社◯◯◯◯
人事部 ◆◆ ◆◆様
 
[2.挨拶]お世話になっております。〇〇大学△△△学部の(苗字+名前)と申します。
面接日程のご連絡、誠にありがとうございます。
 
[3.用件]いただいた日程候補のうち、以下の日程はいかがでしょうか?
提案日程1: 〇〇月〇〇日(曜日) 〇〇時~〇〇時
提案日程2: 〇〇月〇〇日(曜日) 〇〇時~〇〇時
提案日程3: 〇〇月〇〇日(曜日) 〇〇時~〇〇時
 
[4.挨拶]お忙しい中恐れ入りますが、ご確認のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
 
[5.署名]
—————————————————
○○大学・□□学部・○○学科 △年
苗字+名前
携帯番号:090-××××-××××
メール:〇〇〇〇@××××.ac.jp
—————————————————

面接後のお礼メールでもう一度気持ちを伝える

面接を受けた後、担当者宛にお礼メールを送ることはよく見られます。これは必ず送らなければならないというものではありませんが、感謝の気持ちを伝えることは相手への好印象につながることも。ここではお礼メールを出すことを想定して説明していきます。

■謝意を表すのはビジネスマナーの一つ
そもそもお礼メールは必要かという議論もあります。お礼メールが採用に直接影響することはほぼないためです。しかし、自分のためにスケジュールを調整して面接に臨んでもらったのですから、担当者への感謝を示すのはごく自然です。実際の仕事でも、ビジネスパートナーとの打合せ後にメールで謝意を送るケースはよくあることです。一般的に就活生は社会人経験がないので、先方に「よくマナーを知っている学生だ」と好印象を与えられるかもしれません。「入社したい」という熱い気持ちを伝えることは決してマイナスではないでしょう。また、お礼メールを送ることで自分自身の中に前向きな気持ちが生まれ、新たな可能性を引き寄せることも期待できます。

■お礼メールは面接を受けたその日に
ビジネスマナーとして、お礼のメールはミーティングしたその日に送ることが一般的です。面接のお礼メールもそれに倣い、面接当日に(やむを得ず当日に送れない場合は、翌日午前中に)送るようにしましょう。先方にとってまだ面接の記憶が新たなうちに送っておくことで印象付けもできます。時間帯はなるべく就業時間内に送るように。仕事のやり取りと考えれば、それが常識的な時間帯だからです。

<メール例文:面接のお礼を伝える場合>
 
件名:本日の面接のお礼:苗字+名前 〇〇大学
 
[1.宛先]株式会社◯◯◯◯
人事部 ◆◆ ◆◆様
 
[2.挨拶]お世話になっております。〇〇大学△△△学部の(苗字+名前)と申します。
本日は面接の機会を設けていただき、ありがとうございました。
 
[3.用件]
貴社の取り組みや文化について更に知ることができ、私の働く価値観と合致していると感じました。
 
あらためて貴社への志望度が高まりましたので、これからの選考に向けて、より一層努力してまいります。
 
[4.挨拶]
本日は誠にありがとうございました。
 
[5.署名]
—————————————————
○○大学・□□学部・○○学科 △年
苗字+名前
携帯番号:090-××××-××××
メール:〇〇〇〇@××××.ac.jp
—————————————————

面接辞退の場合はできる限り早めの連絡を

エントリーしていた企業から面接日程の連絡をもらったものの、他の企業に内定していたりどうしても予定が合わなかったりすることもあるでしょう。その場合、先方の面接スケジュールを乱さないようできる限り早く面接辞退のメールを送る必要があります。ここではそのマナーを説明します。

■内容がすぐわかる件名を
先ほどの「日程調整メール」の項でも述べましたが、企業担当者は日ごろ数多くの業務をこなしています。「どういった内容か」「誰からのメールか」がすぐ分かる件名を心がけましょう。例えば「面接辞退のご連絡:氏名 〇〇大学」など、用件がひと目でわかるように。件名を読んだだけでメールの重要性が伝わります。先方もこちらも、後々メールを検索しやすくもなります。

■感謝と謝罪の気持ちを込めて
件名と同じく、メール本文も簡潔でわかりやすくが基本です。ただ、先方に断りの連絡を入れるのですから、面接のチャンスを与えてくれた相手への敬意と感謝、そして謝罪を込めた文章でっかりと伝えましょう。長さは短めでも大丈夫です。長文だとかえって言い訳がましく取られてしまいかねません。

■辞退理由の詳細は不要
せっかくのチャンスを断るのですから、相手に悪いという気持ちから、断る理由を詳しく書きたくなるのはわかります。しかし、それは書かなくとも問題はありません。無難に「一身上の都合により」と書くのが一般的です。もし辞退の理由を返信メールで尋ねられたら、その時は誠実に答えた方がよいでしょう。仮に他企業の内定が取れていた場合は、そのことを正直に書きます。また、別の進路が見つかった場合は「業界研究の結果、他に興味深い分野が明確になったため」「自身のキャリアを再検討し、別分野で成長したいと決意したため」といった、ポジティブな書き方で伝えましょう。

■メール連絡は面接日の2日前までに
面接辞退の連絡は、面接予定日の2日前までであればメールで構いません。やむを得ない急な理由で前日・当日に連絡をしなければならないときは、先方がメールをすぐに確認できない場合もありますので、メール送付した上で念を押すため電話での連絡も入れましょう。いずれにせよ、辞退を決めたその日に連絡する、辞退することを確実に伝えるよう心がけることが大切です。

<メール例文:面接辞退を伝える場合>

件名:面接辞退のご連絡:苗字+名前 〇〇大学
[1.宛先]株式会社◯◯◯◯
人事部 ◆◆ ◆◆様

[2.挨拶]お世話になっております。〇〇大学△△△学部の(苗字+名前)と申します。

[3.用件]
大変申し訳ありませんが、一身上の都合により、
今回の面接を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。
貴重なお時間を割いて選考をしていただいたにもかかわらず、このようなお返事となり、
大変申し訳ございません。
何卒、ご容赦いただけますよう、お願い申し上げます。

[4.挨拶]
お忙しい中恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

[5.署名]
—————————————————
○○大学・□□学部・○○学科 △年
苗字+名前
携帯番号:090-××××-××××
メール:〇〇〇〇@××××.ac.jp
—————————————————

メールやり取りの肝はスピード感

就活を続けていると、ビジネスマナーを問われるメールのやり取りが必要となってきます。今回の面接に関するメールは、その入口となります。学生同士の気楽なメールとは一線を画すことをよく理解してください。面接日時の調整、辞退、お礼と3つのケースを説明してきましたが、すべてに共通して言えるのは、「返信を寝かさない」こと。時間を取って考えることも大切ですが、ビジネスメールではスピードの方が優先されます。また、企業担当者の印象が新鮮に残っているうちにメールを送ることで、あなた自身について再確認してもらえるでしょう。

また、メールの文体はビジネスを意識することが重要です。定型的であろうとも、それが広く使われているのであれば、まずはその文体に則ったメールを書くようにしましょう。基本的なところから慣れていけばいいのです。そして相手は社会人の先輩ですから、言葉づかいは丁寧に。スマートフォンでメール文を入力する場合、予測変換で絵文字が入力されてしまうこともありますので、必ず送信前に何度も読み返してチェックしてください。

面接日時やお礼のメールが選考の採否に直接影響を与えるものではないとはいえ、先方に好印象を与えてマイナスになることはありません。熱意や志望意欲はどんどん伝えましょう。採用担当者の心証がよくなる期待も込めて、今回ご紹介したメールのノウハウやポイントをうまく活かしてみてください。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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