テレワークのメリット・デメリットとは?実際に実施している先輩社員に聞いてみた
就活ノウハウ公開日:2023.07.18
本記事では、就活準備中の皆さん向けに、変化の激しいこの時代に知っておきたい「テレワークのメリット・デメリット」についてお伝えします!意外と知らない、テレワークの実態、メリット・デメリットまとめ、実際にやっている社会人の「生の声」、また、「新卒入社でのテレワークの心構え、多様な働き方の理解度を高める」ことも解説していますので、ぜひご覧ください。
わざわざ出社しなくていいテレワークは、「メリットしかない!」と思われるかもしれませんが、意外な落とし穴も…。テレワークの「実態」をおさえて、理想の働き方について考えてみましょう!
日本企業のテレワークの実態
●「テレワーク」「在宅勤務」「リモートワーク」の違いとは?
「テレワーク」とは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。
※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語
(出典:一般社団法人日本テレワーク協会 /関係省庁:総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省 )
また、日本テレワーク協会 によると、テレワークは、以下の4つに分類されています。
【在宅勤務】
■自宅を就業場所として働くこと
通勤時間の削減、移動による身体的負担の軽減が図れ、時間の有効活用ができる。
【モバイルワーク】
■電車や新幹線、飛行機などでの移動中に業務を行うこと
移動の合間に喫茶店などで行うものも含み、業務の効率化に繋がる。
【サテライト/コワーキング】
■企業のサテライトオフィスや有料・無料のコワーキングスペースで行うこと
企業が就業場所を規定する場合も、個人で選択する場合も含む。
【ワーケーション】
■リゾートなどバケーションも楽しめる地域でテレワークを行うこと
ビジネスの前後に出張先などで休暇・観光を楽しむ。
つまり、「在宅勤務」は、テレワークの中のひとつの働き方を指しています。
なお「リモートワーク」は、「遠隔」という意味を表す「remote」と、「働く」という意味を表す「work」を組み合わせた言葉で、オフィスなどの勤務地以外で働くことで、テレワークとほとんど同じ意味で使われていることが多いようです。
※国や自治体は「テレワーク」という呼び方で統一しています。
●テレワークを採用している傾向がある業種・職種
それでは、テレワークに向いている業界・職種についてはどうでしょうか? 導入状況が高いのがIT・Web業界を始めとした「情報通信業」で、97.7%とほとんどの企業がテレワークを導入しています。続いて「金融・保険業」が82.4%、「不動産業」が75.1%といずれも前年以上に導入割合が伸びています。
これらの業界は業務内容的に、個人で業務を進められるケースが多いため、テレワークがしやすく、そのため導入割合が増加していると考えられます。また、近年のテクノロジーの進歩により、高速なインターネット接続やセキュリティの安全が確保されたオンラインコミュニケーションツールの普及も、テレワークが定着する理由となっているようです。
●最新テレワークの実施率
内閣府の調査によると、2023年3月時点でのテレワークの実施率は、
全国平均:30.0%
東京都23区:51.6%
という結果になっています。
2023年5月8日、新型コロナウイルスが「第5類」に分類されたことにより様々な「自粛要請」が外れたことで、テレワークを一部残しながら従来の出勤スタイルへ戻す企業が増えている状況になっています。
参考:第6回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査
それでは、テレワークには、どのようなメリットがあるのでしょうか?どのような点が支持されているか、詳しく見ていきましょう。
●メリット
時間と場所の柔軟性
テレワークでは、通勤時間が不要であり、場所に縛られずに仕事ができるため、地理的な制約がなくなる。
生産性の向上
集中力が高まる、オフィスの騒音や会議の中断が少ないなどの理由から、テレワークは生産性の向上につながる場合も。自分の作業スタイルに合わせて、効率的に仕事を進めることができる。
交通費や食事費の削減
通勤が不要なため、交通費や外食費を節約することができる。
多様性と包括性の促進
テレワークは場所にとらわれずに働けるため、企業はより幅広い人材にアプローチが可能に。障害を持つ人や子育て中の人など、多様なバックグラウンドを持つ人にとっても働きやすい環境を提供できる。
・時間や場所にとらわれない「多様な働き方」が一気に浸透
・職業選択の幅が広がっている
このような背景が、多くの社会人から支持される理由になっているようです。しかしテレワークは、良いことだけではありません。どのような「課題」があるのか見ていきましょう。
●デメリット
コミュニケーションの課題
リモート環境では直接的な対面コミュニケーションが制限されるため、情報共有や意思決定が円滑に行われない場合がある。コミュニケーションツール(スラック、チャットワークなど)やオンライン会議ツールを使用する必要があるが、それでも意思疎通に誤解や遅延が生じることがある。
孤立感や社交性の課題
チームの一体感が欠けるため、孤独感や社交性の欠如を感じることがある。他のチームメンバーや上司との関係構築やチームビルディングが難しくなる場合もある。
ワークライフバランスの課題
仕事とプライベートの境界が曖昧になり、働きすぎや仕事に対するプレッシャーが増えることがある。常に仕事ができる状態になるため、休息やリラックスの時間を確保することが難しくなる場合がある。
管理とモチベーションの課題
会社・上司が部下の業績や進捗を把握しにくくなり、適切なフィードバックやサポートを受けるこが難しくなる場合がある。業務評価の判断が難しくなり、個人の昇進に影響する懸念もある。
インフラ・就業環境の課題
テレワークには安定したインターネット接続が必要であり、自宅の環境や設備によっては、快適な作業環境を整えるのが難しい場合もある。
このように、テレワークには、良い面もあれば様々な「課題」があることもおわかりいただけたと思います。
実際にテレワークをしている社会人に聞いてみた!
続いて、テレワークをしている、社会人の「生の声」をご紹介します!
●社会人Aさん(28歳)のケース
中途採用、人材紹介企業の方
企業規模:6,000名
部署:企画部
【在宅ワーク(テレワーク)の頻度】
・週2日は在宅にて就業
グループウェアにて勤怠・スケジュールの共有を上司としています。
【出社する時の主な理由は?】
・部会、課会出席のため
オンライン参加でも可だが、部下や上司とのコミュニケーションのために直接会うことにしています。
・各部門との打ち合わせ
普段あまり打ち合わせをしないメンバーとは直接会って話すようにしています。
・集中して仕事をしたい場合は、早朝よりオフィスに行きクライアント向けの資料作成をしています。(自宅だと誘惑が多いので!)
[テレワークのメリット]
オフィスから片道1時間程10分程度のところに住んでいるので、その時間を仕事の時間や、プライベートの時間に使えるのが嬉しい。時間節約だけではなく、通勤時の疲労・ストレスから解放されるのは良いですね。
[テレワークのデメリット]
仕事上、いろんな部門と打ち合わせなどを行うが、オンラインではいまひとつコミュケーション不足になってしまう。あと部下の仕事のフォローなども一緒にオフィスにいるとすぐに確認・回答できるのだが、オンラインだとどうしても細かなフォローや相談のタイミングが少し遅れてしまう。
●社会人Bさん(35歳)のケース
設計施工会社勤務の方
企業規模:900名
部署:設計部
【在宅ワーク(テレワーク)の頻度】
・週3日は在宅にて就業
Googleカレンダーでスケジュールを共有。出勤する曜日は打ち合わせなどにより変動あり
【出社する時の主な理由は?】
・プレゼン準備や、数人と作業を進める場合には予定を合わせて出社することが多いです。
・クライアントや業者さんとの打ち合わせが対面の時は会社の会議室を利用します。
・建材のサンプルや見本帳など、資料確認が必要な時。
[テレワークのメリット]
PCで図面を書く仕事なので、移動時間を作業時間にあてられるのが嬉しい。
業務中は基本的にチャットをずっとオープンにしているので、上司や同僚とのやりとりは、わりとスムーズにおこなっていると思う。子どもの保育園のお迎えが頻繁に行けるようになって嬉しい!
[テレワークのデメリット]
業務上はとくに感じてはないが、運動不足になりました。(体重増加)
●社会人Cさん(39歳)のケース
・外資系 食品輸入業者の方
従業員数 300名
部署:営業部
【在宅ワーク(テレワーク)の頻度】
・週0~1日は在宅にて就業。(ただしコワーキングスペースの利用は週3~4日)
上司の許可と申請すれば週3までテレワーク可だが、出社が多いです。
【出社する時の主な理由は?】
・自分は集中力がないので、ほぼ出社しています。あとはコワーキングスペースを頻繁に利用しています。
[テレワークのメリット]
コワーキングスペースが都内にたくさん増えたのはとても嬉しいです。営業先や展示会の周辺のコワーキングスペースを利用することで、ネット回線、バッテリー問題、騒音問題が解消されて、わざわざ会社に戻らず仕事ができるので良いですね。
[テレワークのデメリット]
クライアントがリモートになってしまったので、今までの営業手法(コミュニケーション方法)を変えていくことが必要になったこと。
●おさえておきたいポイント
上記の事例のように、
・集中して仕事をしたい場合、
・スタッフとのコミュニケーションを密に、気軽に取りたいとき
→出社が便利という声が多い。
ただし、役職や仕事内容により、フルリモートで業務を行った方が、業務効率が上がる場合も。
総じて、各業界でリモートワークと出社の「バランス」に苦労している様子がうかがえます。
一方で、皆さんも授業やゼミなどで経験があるように、対面で話すことで得られる、「偶然」のコミュニケーションによるアイデアや業務の発展などがあるのも、出社ならではのメリットと言えそうです。
テレワークは定着するのか?
新型コロナウイルスの影響により、多くの日本企業がテレワークを導入し、その効果を実感してきました。この経験から、柔軟な働き方やオフィス以外での業務が認められる可能性が高まりました。
一方で、日本のビジネス文化や労働習慣にはオフィスでの直接的なコミュニケーションや組織の一体感が重視される傾向があります。そのため、テレワークが完全に主流になるまでには時間がかかる可能性もあります。
ただし、テレワークの利点や労働者のワークライフバランスの重要性が認識されてきているのは事実ですので、一部の企業では既にテレワークを長期的な選択肢として提供しているところもあります。
今後は、業種や企業の価値観によってさまざまなテレワーク・勤務形態が出現する可能性が高いと言えるでしょう。
就活生の皆さんは実際に働く企業が(入社時点で)テレワークを取り入れているか否か、予測が難しい状況になっています。大切なことは色々な働き方があることを理解し、自分ならどのような振る舞いができるかイメージしておくことをおすすめします。
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