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プロの視点

岸 博幸慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授

国を動かし、世界を舞台に活躍する仕事
元経産官僚・岸博幸がその本質を語る

<第5回>2016.09.28
トップレベルの人材が集まる外資系コンサルティングファーム

近年、就職先としての人気の高まりとともに、多くの学生さんが外資系のコンサルティングファームへ就職しています。その背景には、外資コンサルのスキーム解説書がベストセラーになったり、実力に見合った対価が得られる、若くして大きな案件にチャレンジできるといったさまざまなメリットがあると思われます。業界として大きな注目を集める外資系コンサルティングファームについて、僕ならではの視点でアドバイスしたいと思います。

魅力はやはり、実力を存分に発揮できる点と給与

外資系コンサルティングファームの人気を下支えしている理由は何でしょう。ひとつは、日本企業と外資の雇用環境と比較したうえで「日本の企業に就職してもなかなか活躍できない」「上から言われたことをやるだけ」「下積み期間が長い」などという、旧来の日本企業に対するネガティブな印象が学生の皆さんに浸透していることが挙げられます。もうひとつは「若いうちから実力を存分に発揮できる」「高水準の給与・年収面」という外資系コンサルティングファームならではの特徴もメリットそのものと言えるでしょう。

例えば、「若いうちから実力を存分に発揮できる」については、外資系コンサルティングファームで培ったスキルをもとに、若いうちから能動的にレコメンデーションできますし、さまざまな企業の重役クラスと対等に折衝していく醍醐味もあります。これらは従来型の日本企業とは大きく異なる点です。

そして、さらに人気を押し上げている理由は「高水準の給与・年収面」でしょう。具体的にその差を見てみると、日本企業の総合商社やメガバンクでも外資コンサルティングファームでも、入社1年目の年収はさほど差はないものの、コンサルティングファームへ入社後、アナリスト→コンサルタント→マネジャーと昇格するにしたがって、メガバンクや総合商社より10年早く年収1,500万円に到達するという報告もあります。

ただし、給与は企業や役職、仕事内容によっても異なりますので、一概に比較することはできません。何より、年収が高い半面、解雇リスクや離職率が高い点もしっかり認識しておかなければならない点でしょう。

「その気持ちは分かる。でも焦るな」

最初に、外資系コンサルティングファームに高い人気が集まっている理由を述べましたが、僕個人としては、もし目の前にコンサルティングファームに絞って企業選択をしている学生さんがいたら、おそらく「その気持ちは分かる。でも、もう少しじっくり考えたほうがいい」と進言するでしょう。

なぜかと言うと、「経験を積む」観点から見ると、「最初から外資に行ってしまうのは、とてももったいない」という考えに根ざします。具体的には、外資系の投資銀行でもコンサルティングファームでもいいのですが、外資系企業は基本的に最初からグローバルが対象であって、日本企業はあくまでその一角でしかありません。

「グローバル」の一語は魅力があって、優秀な学生さんほどそそられる表現だと思いますが、裏を返せば「グローバル」とはアメリカン・スタンダードのこと。もちろん、最初からアメリカン・スタンダードのビジネススキルを身につけ、ずっと頑張っていくという手もありますが、そこで忘れてほしくないのが、日本固有のビジネススタイルの重要性です。

日本固有+グローバルの2層のスキルを養う強み

「和を重んじる」「調整・根まわしをしっかり行う」「相手を尊重し、しっかり話を聴いて協働する」「時間に正確である」。これらは世界的に見ても高く評価されている日本のローカルスキルです。

つまり、日本固有の優れたビジネススキルをきちんと身につけたうえで、グローバルスタイルのビジネススキルを加味することで、人間としての深み、奥行きは格段に違ってくるということを知ってほしいのです。この手順を少し遠まわりのように感じる学生さんもいるでしょうが、真のグローバルとは言葉だけでなく、ものごとのとらえ方といった価値基準で評価される部分が多々あり、これから「いざ社会へ」という学生さんであれば、なおのこと人間として幅を広げるためにローカル+グローバルの2層のスキルを養う強みを理解してほしいと思います。実際に国際会議やカンファレンスの場では、日本式のビジネススタイルは高く評価されており、せっかく日本人に生まれたのであれば、そうしたスキルを身につけないことは非常にもったいないことでもあるのです。

はやりに踊らされず、チャンスを確実に手中に

最後に個人的エピソードになりますが、大学卒業後に外資コンサルファームに就職、数年後に起業した人はわりと高い確率で失敗しています。そうした現実を間近で見てきた僕だからこそ、学生の皆さんに「焦るな!」の一語を投げかけたい。要は人生をトータルで考え、どのような順序で経験を積んでいくか、いかにして引き出しをたくさんもつかという戦略を練ることが、失敗回避の手段になるということなのです。人生はとても長いです。だからこそ「はやり」に踊らされず、実力を遺憾なく発揮できるチャンスを、確実に手中にしてほしいと願っています。

もちろん、「人生は短いのだから、遠回りせずに実力を最短距離で最大限に発揮したい」という意欲に満ちた学生の皆さんにとって、外資系コンサルティングファームはこれ以上にない活躍が見込めるステージとなるはずです。ですから、猪突猛進に己の実力と可能性を追求したい人にとって、これ以上の成長の機会が得られる場はないと言えるでしょう。

いずれにせよ、社会への入り口に立った今こそ、社内競争が厳しいプロフェッショナル集団であるだけに、自分はどのようなキャリアパスを描いていくのかといった人生の青写真をしっかり描くことはもちろん、対人関係の構築が得意か否か、頭脳&体力的にタフであるか、アドバイザリータイプか、リーダータイプか……といった適性を見極めることも大切です。何より、外資系コンサルティングファームは採用門戸が狭く、少ない採用枠にトップレベルの学生が集まってくるうえ、5年以上働いている人は「キャリアとして長いほう」というとらえ方が一般的ですので、そうした厳しい現実も事前にきちんと把握しておきましょう。

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Profile

岸 博幸
Kishi Hiroyuki

1962年9月1日生まれ。一橋大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。産業政策局、通商産業研究所を経てコロンビア大学ビジネススクールに留学し、MBA取得。復職後、通商産業省資源エネルギー庁など経て、2001年、第一次小泉純一郎内閣の経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵氏の大臣補佐官に就任。2006年に同省退官。現在は、日本テレビ「有吉反省会」、テレビ朝日「グッド!モーニング」などの多数のTV番組に出演する一方、ビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」でのコラム連載、『アマゾン、アップルが日本を蝕む』(PHP出版)、『ネット帝国主義と日本の敗北』(幻冬舎)など、著書も多数。