薬学生のための職種を知ろう|研究・開発職(R&D)

業界・職種・企業研究

公開日:2023.04.03

ここでは、医薬業界のさまざまな職種・仕事の中から、代表的な4つの職種を説明します。新薬の開発を担う「R&D」、医薬情報を医療従事者に提供する「MR」、調剤や服薬指導をする「薬剤師」、新薬の治験やモニタリングをする「臨床」と、それぞれの職種の仕事内容、やりがいについて、学んでいきましょう。

製薬企業においては、いかに画期的な新薬を開発するかが企業の将来を大きく左右します。そのため、製薬会社は、Research and Development(R&D)と呼ばれる研究・開発部門には積極的に資金を投入して、新薬の開発に取り組んでいます。

研究・開発部門は、新薬の候補物質(シーズ)を見つけ出す研究部門と、薬効のありそうな化合物をもとに製剤の臨床試験をし、承認申請用のデータを収集する開発部門の2つに大別できます。

研究部門では、かつては自然界から薬理作用がありそうな候補物質を探していましたが、今ではほぼ出尽くしたと考えられることから、効果のありそうな化合物をつくり出す作業をしています。1つの新薬が誕生するまでには実に数千から1万の物質が候補になります。研究部門ではこうした候補を1つひとつ検証していくという、極めて確率の低い作業が辛抱強く続けられているのです。

一方の開発部門では、医薬品として可能性が認められた化合物について、臨床試験および治験を通じて人体への有効性と安全性を調べます。この実験において市場へ発売できると判断した場合、臨床試験(治験)データを収集し、厚生労働省へ申請します。一般的に、臨床試験は3年~7年かかり、1つの医薬品が市場に出回るまで、約10年~20年ほどかかると言われています。

R&Dは企業の業績を担う非常に重要な仕事であり、課せられた任務は極めて重いので、それだけにやりがいの大きな仕事だと言えるでしょう。

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