企業選びに繋がるキーワード!SDGsとは? サステナビリティ、CSR、ESG、それぞれの特徴や違いは?【第1回:基本編】

業界・職種・企業研究

公開日:2023.06.20

就活・就活準備を進める上で、多くの方が迷ったり悩んだりすることの1つに「企業選び」があります。企業選びで何を重要視するはいろいろな考え方があり、人それぞれです。そして、考え方の1つに、「SDGsへの取り組み」を企業選びの重要な指標として意識する就活生が増えています。
SDGsは、最近は大学の授業やワークショップなどでテーマとして扱うケースも増えているため、ご存じの方も多いかもしれません。一方で、SDGsについてまだあまり知らない、という方もいるのではないでしょうか。

また、SDGsと似た言葉に、サステナビリティ、ESG、CSR、といったものがあります。それぞれにどんなことを示すのか、どう違うのかを理解することは、企業のビジネスや経営の方向性の理解など、皆さんが企業研究する際に役立ちます。また、自身の志向や価値観などと照らし合わせたとき、結果的に企業選びの指標になるかもしれません。後悔しない企業選びのためには、業界への興味や職種への適性と同じくらい、自身の価値観に合うと思える企業を選ぶこともとても大事ですよね。

本掲載では数回にわたり、企業研究や企業選びに役立つSDGsに焦点を当て、ご紹介していきます。まず、今回の記事では【第1回:基本編】として、それぞれの用語と、企業がSDGsに積極的に取り組む理由を解説していきます。

そもそもSDGsとは?

「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語で「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年に国連で採択された2030年までの国際開発目標を指します。

SDGsのスローガンである「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、17の目標と目標を達成するための169のターゲットで構成されており、途上国および先進国で取り組むものです。具体的には「環境保護」「貧困」「健康・福祉」「経済活動」など、さまざまな分野の課題解決と目標達成を掲げており、私たちの身近な具体例には、プラスチック製ストローの廃止や、レジ袋の有料化などが挙げられます。

サステナビリティ、SDGs、ESG、CSR、それぞれの特徴や違いは?

SDGsと似たような言葉に、サステナビリティ、ESG、CSR、があります。以下、それぞれについて解説します。

■サステナビリティ

サステナビリティとは、日本語で「持続可能」と訳されます。経済活動と、環境や社会を保護・保全する活動を両立させながら事業や取り組みを行うことが求められます。

サステナビリティとSDGsは、どちらも「持続可能」と訳されますが、この2つの大きな違いは「時間軸」と「具体的な目標設定の有無」です。サステナビリティは「社会・環境の持続可能性と経済の成長を目指す考え方や活動」であり、期限がありません。SDGsは設定期限があり、サステナビリティ実現のために何をすべきかをより具体的に示した期限目標といえます。

■ESG

ESG(イーエスジー)とは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字をとった略称で、企業が環境・社会・企業統治に配慮する考え方です。ESGは、企業が長期的に成長するためには欠かせない考え方として世界に広がっています。

例えば、企業が、環境(気候変動、資源枯渇、廃棄、汚染、森林破壊など)、社会(人権、強制労働、労働条件など)、企業統治(多様性、役員報酬、政治献金、汚職、など)への自社の取り組みを投資家に説明することで理解や賛同を得られれば、投資家からさらに資金を集めることが可能になります。資金がより集まれば、SDGsの取り組みを強化する事業活動が推進でき、結果、持続可能な社会の実現につながります。

言い換えると、環境・社会・ガバナンスの3つの観点への取り組みや配慮が不十分な企業は、長期的に成長が見込めない企業である、ということを意味します。

■CSR

CSRとは、「Corporate(組織)」「Social(社会的な)」「Responsibility(責任)」の頭文字をとったもので、日本語では「企業が担う社会的責任」という意味になります。企業は単に利益を追求すれば良いわけではなく、社会への影響についても責任をもって行動すべき、という考え方です。

ここで言う社会的責任とは、株主や取引先だけでなく、従業員、消費者、環境課題などへの配慮から社会貢献まで、幅広い事柄に対して適切な意思決定を行う責任を指します。

SDGsが「国や企業が協力して解決すべき目標」であるのに対し、CSRは「国際社会をより良いものにするための活動」である点が異なります。企業がCSRに取り組むことは、企業イメージの向上および結果的にはSDGsの目標達成に繋がると考えられています。

上記で説明した、SDGs、ESG、CSRを図でまとめると、以下のようになります。

なぜ企業は本気でSDGsに取り組むのか?

SDGsは世界各国が取り組むことが求められています。企業も国際的な取り組みに積極的に参画することは社会的信頼を得ることにつながります。企業がSDGsに本気で取り組む理由は主に以下です。

■新たなビジネスチャンスを生み出す可能性がある

SDGsが目指すものは、世界規模で捉えられている課題の解決です。その課題に取り組むためには、新しい技術やサービスの開発が必要とされるため、企業は新しいビジネスを創出する機会になります。一方、業種の垣根を超えた協業の中では、SDGsに取り組んでいない場合、淘汰されてしまう可能性もあり得ます。

■企業のブランドイメージ向上

社会的にSDGsへの関心が高まっている中、企業がSDGsに積極的に取り組んでいるという事実は企業としての信頼獲得や消費者から選ばれる要因につながります。結果、自社製品やサービスの売り上げ向上や優秀な人材の確保につながる可能性があります。

■資金調達の幅が広がる

SDGsへの取り組みは、投資家がその企業に資金を提供するかどうかの判断材料になります。特に、上述のESGに対する投資家の関心は高いため、彼らの理解が得られれば企業は資金調達が容易になります。それにより、新規事業に取り組みビジネスチャンスを得たり、設備投資をして売り上げ拡大を目指したりといった経営上の有利な恩恵を得られるため、企業のさらなる安定性・将来性につながります。

まとめ

今回は、SDGsに関する基本用語や、企業がSDGsに積極的に取り組む理由について解説しました。

企業が社会貢献、環境問題に積極的に取り組むためには、それだけの余裕、体力がないと実現できません。そういった意味でも企業選びの指標の一つになりますね。SDGsへの取り組みを行っている企業は、「成長性が感じられる企業」や「時代に合った働き方ができそう」とも言えます。SDGsの取り組みを知ることは企業理解につながります。ぜひいろいろな企業を調べてみてください。

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PROFILE

加藤田綾子(2級キャリアコンサルティング技能士・キャリアコンサルタント)
新卒で野村證券株式会社に入社、国内リテール部門で営業に従事する。その後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(旧:東京三菱証券)に入社。投資銀行部門で、主にカバレッジバンカーとして上場企業の資金調達やアドバイザリーなど資本政策案件に携わる。現在は独立し、企業研修、大学での就職支援講座や非常勤講師として授業も行う。カウンセリング実績は9,000人以上。米Gallup社認定ストレングスコーチ、一社)アンコンシャス・バイアス研究所認定トレーナー、日本コミュニケーション能力認定協会本部トレーナー。

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