【新卒 | 事務職の志望動機】評価される書き方は?職種別の例文も紹介
ES・選考対策公開日:2025.05.21

事務職は幅広い業種に存在する職種だからこそ、志望理由を書くのに困る就活生も多いのではないでしょうか。本記事では、事務職の種類と特徴、必要なスキルやアピールできる資格、職種別の志望動機の書き方について解説します。職種別の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも事務職とは?志望動機を書く前に種類を把握しよう

事務職とは、バックオフィス業務を担い、企業活動を支える「縁の下の力持ち」的な職種です。営業職のように、会社の業績に直接的に貢献するわけではありませんが、ほかの社員がスムーズに仕事が行えるように支援をすることで、会社に貢献しています。主に、書類作成やデータ入力、来客・電話応対など企業運営に不可欠な役割を果たします。
一口に事務職といっても、一般事務、営業事務、経理事務、医療事務など、職種ごとに特徴や必要とされるスキルが異なります。事務職を志望する場合、志望動機に説得力をもたせるためには、事務職の種類とそれぞれの特徴を理解することが重要です。まずは種類についておさえていきましょう。
■一般事務
一般事務は、企業のバックオフィス業務を幅広くサポートする職種です。書類作成やデータ入力、電話応対、来客対応など、多岐にわたる業務を担当します。サポート業務を中心に幅広い業務を担当するため、柔軟な対応力や正確性が求められます。
■営業事務
営業事務は、営業職のサポートを行う職種です。見積書や請求書などの書類作成やデータ入力、顧客対応を電話やメールで行います。顧客に渡す書類を取り扱うため、正確に仕事をこなす力が求められます。
■貿易事務・国際事務
貿易事務・国際事務は、輸出入に関する業務を行う職種です。輸出入に関する書類作成や運送便の手配、来客対応やメール、電話対応も担当し、貿易で利益を生む企業にとって重要なポジションです。円滑な取引を支える役割を果たすため、一定の英語スキルが求められることも特徴です。
■秘書・受付
秘書は役職者のアシスタントとして、スケジュール管理や出張手配などの業務を担当します。受付は企業の窓口となり、来客対応や電話の取次などの業務を行います。これらの職種では、来客者の接遇において一流のビジネスマナーや社会常識が求められることも特徴です。どちらも臨機応変な対応力が求められ、企業の運営に欠かせない職種です。
■医療事務
医療事務は病院やクリニックで働く事務職です。受付・会計業務やレセプト(診療内容に基づき医療費を計算し、保険機関に請求するための書類)作成などの業務や、簡単な検査を行う場合もあります。医療事務は、医療機関の運営を支える重要な役割を担っています。
■宣伝・広報
宣伝・広報は、企業の情報を社会に発信する重要な職種です。宣伝は主に消費者に向けて行うもので、新聞・テレビ・ポスターなどで商品やサービスの魅力を広く伝える役割を担います。
一方、広報はメディア関係者や取引先、一般社会などに向けて社内報や事業方針発表を通じて情報を発信します。どちらの職種も企業の認知度向上に不可欠です。
■人事・教育・労務
人事・教育・労務は、社員の採用や教育、労務管理を通じて社員をサポートする職種です。採用から異動・退職の対応、勤怠管理や福利厚生の整備まで、業務は多岐にわたります。社員が働きやすい環境を整えるやりがいのある仕事です。
■総務・業務事務
総務・業務事務は、部署を超えて企業全体の運営を支える職種です。主に、備品の購入やオフィスの設備管理、社内イベントの企画・運営など、企業の円滑な運営に必要な業務を担当します。また、書類作成やデータ入力、来客対応なども行い、業務の幅広さが特徴です。
総務・業務事務は、会社運営に欠かせない役割を担っています。
■財務・経理・会計
財務・経理・会計事務は、企業活動に関わるお金を管理する職種です。取引に伴う伝票や請求書の作成、売掛金の管理、給与の計算などの業務を行います。お金と数字を扱うことが多く、正確かつ迅速な仕事が求められます。
■物流・在庫管理
物流・在庫管理事務は、物流企業における事務職です。主な業務には商品の入庫・出庫リスト管理や伝票作成、商品データ入力、ドライバー対応などがあります。物流業特有の事務処理があり、一般事務に比べて業務範囲が広いのが特徴です。
■法務・特権・審査
法務・特権・審査事務は、企業の法律や権利に関する業務を担う職種です。企業の取り交わす契約書の内容や、公式文書の法的問題点の確認を顧問弁護士と連携して行います。法律を専攻していなくても業務に就くことは可能です。
事務職に求められるスキルや資質

事務職に求められるスキルや資質にはどのようなものがあるのでしょうか。事務職に求められるスキルを紹介するので、志望動機でアピールできるように理解しておきましょう。
■パソコンスキル
事務職ではパソコンスキルが必須です。一般的に文書作成やデータ入力、表計算ソフトの操作、メール対応が求められます。Wordでは簡単な文章のフォーマット変更、Excelでは基本的な関数の使用、タイピングの速度は1分間に300~400文字を目安にスキルを身につけておきましょう。パソコン業務では正確さとスピードが重要です。
■コミュニケーション能力
事務職は日々多くの人と関わり、円滑に業務を進めるためにもコミュニケーション能力が不可欠です。チーム内での協調性も求められ、業務量に応じて適切に仕事を割り振って人に任せる判断力も必要です。適切なコミュニケーションが業務の効率化につながります。
■タスク管理能力
事務職は多岐にわたる業務を効率的に進めるため、タスク管理能力が求められます。一般的に事務職は、複数の業務を同時に進行させます。そのため、優先順位をつけて業務の流れを滞らせずに進行させることが不可欠です。また、突発的な依頼にも柔軟に対応し、タスクをスムーズに完遂する力も必要となります。
■サポート力
事務職は表立って活躍することは少ない一方で業務を円滑に進めるサポート力と、気配りや先回りをして対応する姿勢が求められます。
事務職でアピールできる資格
事務職でアピールできる資格には、ビジネスマナーやパソコンスキルなど、専門知識を証明するものがあります。就活を控えた学生の皆さんは、これらの資格取得を視野に入れるとよいでしょう。代表的な資格は以下のとおりです。
■事務職全般で生きる資格
・パソコン資格(MOS等)
・ビジネス文書検定
・ITパスポート・文書情報管理士
■特定の職種で生きる資格
・簿記(一般事務、営業事務など)
・秘書検定(秘書・受付など)
・社会保険労務士(人事・教育・労務、法務・特権・審査など)
・医療事務管理士(医療事務など)
・介護事務管理士(医療事務など)
事務職の志望動機の基本構成!回答する流れは?

志望動機を作成する際は、相手に伝わりやすいかを意識することが重要です。上記の流れに沿って、シンプルでわかりやすい文章構成を心がけましょう。
■1.なぜ事務職を志望するのか伝える
企業は、就活生がなぜ事務職を志望するのかを知りたいため、明確な理由を伝えることが重要です。さまざまな職種がある中でなぜ事務職を志望するのかを、具体的なエピソードを交えて書きます。
たとえば、細かい作業やデータ管理が得意であること、人をサポートすることにやりがいを感じることなどを示しましょう。また、自分のスキルや経験が事務職に生かすことができ、企業とマッチしている点を伝えると魅力的な志望動機になります。
■2.なぜその企業を志望するのか伝える
他社ではなく、その企業の事務職を志望する理由を伝えることが特に重要です。なぜその企業を選んだのかを具体的に示せないと、「事務職ならどこでもいい」と思われてしまう可能性があります。志望に至った背景や根拠とともに、なぜその企業でなくてはいかないか明確に伝えましょう。
たとえば、企業の成長戦略に魅力を感じた、提供するサービスに関心がある、社会貢献活動に共感したなどの理由を盛り込みましょう。企業の特色を理解した上で志望動機に反映させることで、説得力のある志望理由になります。

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■3.どのように企業に貢献するか伝える
企業は、入社後に貢献・活躍するイメージができる人材を求めています。事務職としての自分のスキルや経験を生かし、どのように企業で貢献できるかを具体的に伝えましょう。
また、具体的な目標を設定し、達成するためにどのように取り組むかを述べれば好印象を与えられます。たとえば、将来的には管理職や専門的なポジションを目指すといった目標を盛り込むと、成長意欲や長期的な貢献意識をアピールできるでしょう。

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【職種別】事務職の志望動機の例文
事務職の志望動機は具体的にどのように書けばよいのでしょうか。職種別の志望動機の例文を紹介しますので、ぜひ参考にして自分の志望動機を書いてみてください。
■一般事務の志望動機の例文
私は持ち前のサポート力を生かして、一般事務として社員の皆さまを支え、貴社の成長に貢献したいと考え貴社を志望いたしました。特に、貴社のクライアントに対する高いサービス品質に共感し、事務職としてその一翼を担いたいと考えております。
学生時代には部活動のマネージャーを務め、メンバーが実力を発揮できる環境づくりに努めました。コミュニケーションを大切にしながら、日々の体調管理や練習のサポートを通じて、チーム全体のパフォーマンス向上を意識して行動してきました。
貴社に入社後は、社員一人ひとりを支える事務業務を効率化し、チーム全体の生産性を向上させることにより、クライアントへのサービスの質の向上にも貢献したいと考えています。さらに、業務のサポートだけでなく、クライアントとの良好な関係を築くための橋渡し役としても積極的に努めてまいります。

キャリアアドバイザーからの一言
一般事務は人気の職種のため、ほかの応募者との差別化が重要です。アピールできるスキルや経験を具体的に伝えた上で、それを入社後どのように生かせるか志望動機に盛り込むことで好印象を与えられます。
■営業事務の志望動機の例文
私はチームを支える役割を通じて成果に貢献したいと考え、貴社の営業事務職を志望いたしました。
学生時代には文化祭の実行委員として各サークルや業者と連携を取る役割を担いました。周囲と円滑に連携を取りながら、イベントを成功に導いた経験から、裏方としてチームを支えることにやりがいを感じるようになりました。
貴社を訪問した際は、活気ある営業チームの雰囲気と、チーム全体で成果を出すという一体感に惹かれました。貴社では、チームをサポートしながら大きな課題に取り組めるのではないかと考え、このような環境で営業事務として貢献したいと強く感じました。
入社後は持ち前の対応力と調整力を生かし、営業チームを裏方から支えることで、受注数アップに貢献していきたいと考えております。

キャリアアドバイザーからの一言
営業事務では、社外とのやりとりが多いことからコミュニケーション能力や、臨機応変な対応力が求められます。具体的な自身の経験とともに、入社後に生かせる能力のアピールが重要です。
■医療事務の志望動機の例文
私は患者の不安を少しでも和らげられる存在になりたいと考え、貴院の医療事務職を志望いたしました。
貴院は地域に根ざした医療機関として、患者さん一人ひとりに丁寧かつ温かく寄り添う姿勢を大切にされており、その姿勢に深く共感しております。
私自身ケガで不安な気持ちの中で貴院を受診した際、受付の方が笑顔で丁寧に対応してくださり、心が軽くなったことを今でも覚えています。この経験を通して、医療事務は患者の安心感を支える大切な存在だと実感し、また医療事務を目指すきっかけともなりました。
学生時代には遊園地のスタッフとして来場者の対応を担当し、多くの方と接する中で、一人ひとりに寄り添う姿勢や丁寧な接遇の大切さを学びました。この経験と持ち前の対応力を生かして、貴院の窓口で患者さんに寄り添うことで、安心して医療を受けられる環境づくりに貢献したいと考えています。

キャリアアドバイザーからの一言
医療事務は資格がなくても働けますが、専門知識が必要な業務もあります。医学知識がある方は強みとしてしっかり伝えましょう。知識がない場合は、コミュニケーション能力や実務で生かせるスキルをアピールすると好印象です。
■貿易事務・国際事務の志望動機の例文
私は英語力を生かし、世界中の人と関われる貿易事務に魅力を感じ、貴社を志望いたしました。
留学経験を通じて日本製品が高品質で多くの国から求められていることを知り、製品を届ける仕事に関心をもちました。また、ゼミの活動では国際学会において英語での発表や質疑応答を経験し、英語を用いた円滑なコミュニケーション力とその中での柔軟な対応力を培いました。
貴社は多くの国へ製品を展開しており、世界中の人と人をつなげる役割を果たしていると考えます。そのため、貴社では英語力を生かして貴社の国際的な業務を支えられると考え、強い魅力を感じました。
入社後は語学力を生かした正確な書類作成やスムーズな調整を行い、貴社の海外展開を事務面から支えたいと考えています。

キャリアアドバイザーからの一言
貿易事務・国際事務は、書類が外国語で書かれているため、英語力や他言語スキルが重要です。また多くの関係者と取引するため、スケジュール管理能力やコミュニケーション能力を具体的にアピールすることも効果的です。
■財務・経理・会計の志望動機の例文
私は、経理事務を通して上場後のベンチャー企業の成長を支えたいと考え、貴社を志望いたしました。
経理は企業経営の判断材料を提供する重要な業務であり、企業の安定した成長を支える役割に魅力を感じています。貴社は急成長を遂げている企業であり、新しいビジネスチャンスに挑戦する柔軟さとスピード感に魅力を感じました。急成長を続ける貴社の経理部門に携わることで、企業の発展に貢献していきたいと考えています。
学生時代にはデータ入力のアルバイトに従事し、限られた時間の中で正確さとスピードの両立を意識しながら作業を行ってきました。日々の作業を丁寧にこなし、細部にまで気を配る姿勢を大切にしてきたことが、正確な数値管理や責任ある対応につながっていると感じています。
入社後は、これまでの経験と強い責任感を生かし、正確な数値管理と丁寧な対応で企業利益の算出やコスト管理を通して、貴社の成長に貢献したいです。

キャリアアドバイザーからの一言
財務・経理・会計事務では企業のお金を扱うことから、責任感とモラルの高さが重要視されます。また数値計算を行うため、業務に生かせるスキルや資格、正確かつ迅速な処理能力をアピールすれば好印象を与えることができます。
事務職の志望動機で避けるべき内容
志望動機でマイナスな印象を与えてしまう内容にはどのようなものがあるのでしょうか。事務職の志望動機で避けるべきNGポイントを紹介します。
■給与や待遇を重視している内容
給与や待遇を重視する内容は志望動機としては避けるべきです。給与や待遇は重要な要素ではありますが、前面に出すと仕事への意欲や企業への熱意が伝わりにくくなります。企業は熱意があり、やりがいをもって働く人材を求めています。だからこそ、本当にその企業で働きたいという熱意を具体的にアピールすることが大切です。
とはいえ、給与や待遇は実際に働く上で大切な要素で、気になる内容です。詳細について聞きたい場合は、内定後のタイミングがよいでしょう。
また、企業の公式サイトや就職情報サイト、社員のクチコミが掲載されているサイトなど活用して給与や待遇に関する情報を集めることもできます。
■後ろ向きな印象を与える内容
後ろ向きな印象を与える内容も志望動機では避けるべきです。たとえば「ほかの職種が合わなそうだと思ったので事務職を選びました」という理由では、採用担当者にネガティブな印象を与えてしまいます。志望動機では、自分の経験やスキルをどう生かせるかを伝えることで、前向きで意欲的な姿勢をアピールしましょう。
事務職の志望動機に関するよくある質問
■Q.事務職の志望動機で長く働きたいことをアピールするには?
A.志望動機で長く働きたいことをアピールするためには、志望理由や意欲をしっかりと理解してもらうことがポイントです。長く働きたいという思いに加えて、「なぜその企業なのか」「入社後にどのように活躍したいのか」を伝え、相手に納得してもらう必要があります。長く働きたい理由や自分自身のバックグラウンドを具体的に伝えるとよいでしょう。
■Q.事務職の志望動機が書けないときはどうする?
A.事務職の志望動機が書けないときは、企業研究や自己分析をしましょう。徹底的に企業研究を行うことで、企業の魅力を感じた部分について具体的に説明することが可能です。また、企業の求めている人物像についても理解が深まります。さらに、自己分析を通して強みやアピールポイントを整理すれば、企業にマッチする部分を見つけることができ、志望動機が書きやすくなります。

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志望動機の作成は、就活全体を通して重要なプロセスです。まずは自分の希望する事務職の仕事内容や特性、求められるスキルや資質をおさえましょう。その上で、本記事で紹介したステップに沿って、効果的な志望動機を書いてみてください。志望動機がまとまらない場合は、自己分析と企業研究を徹底することが大切です。
『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。

PROFILE
キャリタス就活編集部
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