あなたが見つけたガクチカをさらに魅力的に!良い表現・残念な表現とは?【発展編】

自己分析

公開日:2023.08.08

前回の記事【見つけ方編】で導き出した自分だけの「ガクチカ」のタネ。 【発展編】では各々で見つけ出した「ガクチカ」の芽に対して、
・その内容をどう膨らませるのか?(深掘り方法のアドバイスや事例の紹介)
・ガクチカをどう仕上げてエントリーシートに記載するか?
を解説します。

また、「良い表現」と「残念な表現」についても説明をしていきます。 最後まで確認して、自分らしさが詰まったオリジナルのガクチカを仕上げていきましょう。

「ガクチカ」からみえるあなたの「特性」を深掘りしよう

前回の「見つけ方編」 で導き出した「ガクチカ」のタネに対して、下記の項目を自分で深掘りしていきましょう。

導き出した「ガクチカ」のタネは、

1:具体的にどんなことをしたのか?
2:なぜ取り組んだのか?
3:どんな課題や苦労があったのか?
4:どのような工夫をしたのか?
5:どのような改善や結果を出せたのか?
6:この経験から何を学んだのか?
7:今後どのように生かせるのか?

出てきた答えをまとめれば400文字程度のガクチカに仕上がります。
それぞれの質問のポイントや注意点は以下の通りです。

1:その「ガクチカ」で具体的にどんなことをしたのか
初めて読んだ人でも頭の中にイメージが湧くくらい、具体的に書きます。(数字などを用いるとわかりやすいです)

2:なぜ取り組んだのか
理由や動機を書きます。「なんとなく」始めたことにもきっと理由はあるはずです。

3:どんな課題や苦労があったのか
いきなり上手くいったことを求めているわけではありません。困難や大変だったことを思い出してください。

4:どのような工夫をしたのか
前問3で出た困難を乗り越えるためにどんなことをしたのか、ちょっとしたことでも構わないので見つけてください。

5:どのような改善や結果を出せたのか
こちらもすごい改善や結果でなくても大丈夫です。自分で感じたことに加えて、周囲から言われたことなどもあるとよいでしょう。

6:この経験から何を学んだのか
自分なりの「教訓」をここで書きましょう。正解はありませんので、感じたこと、思ったことで大丈夫です。

7:今後どのように生かせるのか
仕事の場面や、人とかかわる際などにどう生かせるのか、想像してみましょう。

下の図は実際にこれらの質問に答えた(ガクチカのタネを深掘りする)例をご紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください。

「盛る」のはNG!自己成長をアピールしよう。

企業はガクチカを通して、「結果」だけを見ているのではなく、ガクチカを通じてあなたの「行動」や「プロセス」と企業での「再現性」(入社したら同じような行動をしてくれるだろう)をチェックしています。

そのため、ガクチカで自分の成果を盛ってもあまり意味がありません。

当然ウソを書くことはやってはいけないことです。また、面接で深掘りの質問をされた時に困るのは自分です。

正直に自分ががんばってきたことを表現しましょう。

【盛ったガクチカ例】

・バイトで実際は役割はなかったが、「リーダーをしていた」と記載
企業はリーダーをしていた人を採用したいわけではありません。リーダーとしてどんな考えを持ってどんなことをしたのかを聞き出し、そこからその人の人柄や考え方、価値観が自社の社風や求める人物像にあっているのかを判断します。

・部活で順位を盛って書く(例えば5位だったのを1位と記載)
企業は結果だけでその人の努力を判断することはありません。結果よりも目標に向かうプロセスや仲間とのかかわりなどを知りたいと思っています。ウソがバレたら、と面接で緊張してしまい結果としてデメリットとなるでしょう。

印象に残る「良い表現」とマイナスイメージを与えてしまう「残念な表現」

ここではガクチカだけでなく、エントリーシート全般において「良い表現」と「残念な表現」のそれぞれのポイントをお伝えします。

【良い表現】

三大質問である「自己PR」「ガクチカ」「志望動機」に一貫性があることが、読み手に納得感を与えることに繋がります。

「自己PRで伝えている自分の特徴」と「志望動機にある、その企業で働きたい理由」と「ガクチカで伝えている自分の特徴」の3つに繋がりを持たせられているとわかりやすく、また印象に残ります。

例えば、自己PRでは「行動力」を強みとしてアピールしているとします。応募先の企業では、求める人物像に「主体性がある人」と書いてあります。その際、ガクチカでアピールするには、やはり「行動力」や「主体性」が伝わる経験を書くと一貫性を持たせられます。見つけたガクチカのタネの中から探して、それを文章にしていくとよいでしょう。

【残念な表現】

せっかく良いガクチカのタネを持っていても、以下のようなケースでは良い印象を相手に与えることは難しいでしょう。

・言葉使いが良くない
話し口調が混じったり、表現が統一されていないと読みづらさを感じます。また雑な言葉使いはその人の人柄も表していると懸念されてしまう可能性があります。

・企業ホームページに書いてある内容のコピペや浅い知識の情報
応募先の業界分析や勉強が中途半端なのにその知識を入れ込んでも読み手には響きません。むしろマイナスになってしまうので気を付けましょう。

・成果だけが書かれていて、達成するまでのプロセスや具体的なエピソードがない
企業側は成果を求めているわけではなく、具体的なエピソードを通じてそのプロセスからあなたの人柄や考え方、価値観を見抜こうとしています。

・自分の強みとしていることを証明できるエピソードがない
エピソードがないと、抽象的な表現に留まり相手にわかりやすく伝えることはできません。

自分だけのガクチカを作り上げていこう

「学生時代に力を入れたこと」であるガクチカを書く際に、どうしても「すごい経験」「目立った経歴」「誰にでも自慢できる内容」などを書かなければ、と思ってしまうかもしれません。

しかし、今回の内容で何度かお伝えしましたが、結果や順位(成績)など目に見えるものにこだわる必要はありません。それよりも、実際にやってきたこと、がんばってきたことが具体的なエピソードをふまえて書かれていることが、その人らしさを表現し、相手に伝わっていくのです。他の人と比べる必要はありません。自分なりの内容を見つけていきましょう。そして、結果ではなくプロセスの中で自分がどのように変化、成長したのかを書いていきましょう。

自分で自分のことを客観的に見つめたり、表現することは簡単ではありません。自分1人で何とかしようとせず、ぜひ周囲の力も借りて仕上げていってください。応援しています。

PROFILE

中尾 あずさ
大学卒業後、新卒で旅行会社にて営業・海外添乗員を経験後、大手人材会社へ転職。営業・人材育成・研修講師を行う。その間、アルバイト→契約社員→正社員→時短勤務と様々な勤務形態を経験。在籍中に3人の子供の出産・育児休暇を経て仕事と子育てを両立。2011年にキャリアカウンセラー(CDA)資格を取得。副業にてトータル3500人の相談業務に従事し独立。高校、大学でエントリーシートの添削や面接対策、進路相談など就職活動支援や就業中の方へのキャリアコンサルティングを実施。

【主な資格】
・キャリアカウンセラー CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
・国家資格キャリアコンサルタント
・青山学院大学社会情報学部ワークショップデザイナー
・育休後アドバイザー

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