「業界・職種研究は何から始めればいい?」就活のプロがお答えします!【あんしん相談Q&A第4回】

就活ノウハウ

公開日:2024.08.28

就活準備のファーストステップとして業界研究や職種研究は欠かせません。しかし、実際は何から始めればいいのか、またどうやって情報を集めればよいのか、悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。本記事では、企業の人事担当者やキャリアコンサルタントといった「就活のプロ」たちが、就活生・就活準備生の相談に回答する「キャリタス就活あんしん相談」の中から、「業界・職種研究」についての相談をピックアップしました。ぜひ参考にしてくださいね!

お悩みその1:業界を絞らずに就活を進めるとどうなる?

質問:志望業界がまだ絞り切れていないのですが、このままさまざまな業界の企業の本選考にエントリーしてもよいのでしょうか?

回答:
今まさにいろんな業界を見ながら悩んでいるところでしょうか。興味をもてる仕事がいくつもあるのは素晴らしいと思います。

【さまざまな業界の企業の本選考にエントリーしてもよいか】という質問ですが、もちろんエントリーして問題ありません。可能性を広くつかんでいくためにも重要なことです。

ただし複数の業界を受けるにあたっては、おそらく企業から「ほかにどんな業界・企業を受けていますか?」と聞かれることが想定されます。その際それぞれの業界を受ける理由がバラバラだったり不明瞭だと、「この学生さんは何がやりたいのかわからない」「なぜこれらの業界を選んでいるのか軸が定まっていない」とマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。ですので、仕事を通じて取り組みたいことや成し遂げたいことなど、仕事で大事にしたいことはどの業界を受けるにしても共通であるべきで、軸としてゆるぎないものをもつことが大切です。

たとえばわたしは通信会社、航空業界、電力会社等を受けましたが、どの業界でも「人々の【当たり前】を守る仕事」「なくてはならない仕事」をしたいという思い(=就職活動の軸)が根底にありました。その手段が通信、航空、電力と違うだけです。こうした就職活動の軸はどうやって見つけたらよいのかというと、やはり「自己分析」が欠かせません。

もしかしたらすでに実施されているかもしれませんが、これまでの経験であなたの中に形成されたり発揮してきた、強みや弱み、好きなこと・嫌いなこと、熱意を注げること・避けたいこと、どんな仕事にあこがれるか・わくわくする仕事とは何か、大学生活を振り返りがら深掘りをして書き出してみましょう。書き出していくなかで徐々に自分を表すキーワードが見えてきます。
そしてそのキーワード、あなたの強み、価値観などのあなたらしさを実際の仕事に照らして、具体的に働くイメージをもって改めて業界・企業と向き合っていきましょう。

どんな仕事に携わりたいか、どんな業界や会社であれば強みを生かすことできそうか、どんな会社で働きたいのかなどを考えて、その条件に当てはめて業界・企業を調べていくとよいと思います。そうすると興味がある業界や企業の共通点がわかってきたり、一方でエントリーの対象外となる業界・企業がでてくるでしょう。調べていくなかで目指す方向の優先順位が自然と決まってくるかもしれません。最終的には、わたしのように2つ以上の業界になることもあるかと思いますが、就職するにあたって大切にしたいことや絶対に譲れないものを突き詰めた就職活動の軸をもてるよう、ぜひしっかり取り組んでくださいね。

結論、業界を絞り切れなくても就活はできますが、どのテーマ(業界)を志望するにしても、芯のあるぶれない軸があなたの就活を支えます。自分の思いを明確にして、自分らしい就活の実現を目指していきましょう。

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「就活の軸」とは?自己分析だけで見つかるの?考え方のコツを解説

お悩みその2:業界・職種研究のポイントを教えてください

質問:業界や職種の調べ方を教えてほしいです。

回答:
初めての経験なので、業界や職種をどのように調べればいいのか悩みますよね。
探し方やポイントについて順番に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.業界の調べ方について:
まずは代表的な業界を知ることから始めましょう!キャリタス就活などの就職情報サイトでは複数の業界について紹介しているので効率的に情報収集ができます。
※キャリタス就活には主要業界について解説している「業界MAP 」というコンテンツがあるので要チェック。広く知っていく中で、興味をもった業界をいくつかピックアップしながら強く関心をもった業界について詳しく調べていきましょう。取っ掛かりとして「好きな商品やサービスを取り扱う企業が属する業界」に注目するのもよいですよ!

そして、それぞれの業界について以下のポイントを調べていくと理解が深まります。

・ビジネスモデル(誰に、何を、どのように提供しているか)
・特徴と課題
・動向と展望

詳しく調べる際には業界団体のホームページ、業界誌などを活用してみてください。

業界研究がある程度進んだら、その業界と関連する業界(サービス・製品を提供するまでの流れや取引相手など)へ研究対象を広げていくと、業界同士の関係・社会構造を知ることにも役立ちます。
また、業界ごとに見る視点や項目などを統一して研究していけば、業界の特徴の比較や共通点が把握しやすくなりますので参考にしてみてください!

2.職種の調べ方について:
まずは一般的に知られている職種について、どんな仕事をするのか調べていきましょう!次に、関心度の高い業界・企業での具体的な業務について職種で分解して詳しくチェックしてみてください。同じ職種名でも業界・企業によって仕事内容やキャリアステップが違うことがあるので比較してみるのがおすすめです。

キャリタス就活など就職情報サイトには多くの企業が載っているので、検索し、じっくりチェックを繰り返しながら理解を深めていきましょう。ほかにも企業ホームページ、各種メディア、社員から直接話を聞く(企業セミナーやOBOG訪問)、インターンシップ等に参加して体験するといった手段で職種研究が行えますので、できることから取り組んでみてください!

■職種研究をする際の確認ポイント

・具体的な業務内容(1日の仕事の流れも含めて)
・求められるスキルや経験
・キャリアパス(3/5/10年後はどのような仕事をしているのか)
・(同じ職種名の場合)同業他社でも同じ業務内容かどうか
・自分の性格に合っているか
・自分のどのような能力やスキルが生かせるか

お悩みその3:業界を絞り込む際は何を優先したらいい?

質問:業界や企業を絞る上で、自分の好きなこと・興味のあることを優先すべきか、向いている職種を優先すべきか迷っています。どちらを優先にしたらよいでしょうか。

回答:
志望先を絞っていくなかで、好きなことや興味のあることを優先すべきか向いている職種を優先すべきか、とても迷いますよね。誰しも迷って当然のことですし、わたしもそうでした。

キャリアについて考えるとき、WILL(やりたいこと)、CAN(できること)、MUST(社会・企業から求められていること)の3つの円を描くと整理ができます。CANとMUST、MUSTとWILLといったようにそれぞれの円が互いに重なるところには、あなたの選択肢の中にある仕事としてどんなものが見えるでしょうか。3つの円が重なる真ん中の部分の仕事をすることができたら理想的ですが、WILLとCANが重なる部分にある仕事に注目すると、より前向きな気持ちで方向性を考えることができるかもしれません。「好きこそものの上手なれ」と言うように、興味・関心のある分野でしたら多少ハードでもモチベーションを高く保つことができるからです。

わたしの好きな言葉に「努力より夢中」という言葉があるのですが、夢中になっていると苦労を苦労とも思わなくなります。そういう意味では、好きなこと・興味のあることは仕事選びの軸として大切にしていきたいですね。

反対に、向いていると思う職種の具体的な仕事内容を突き詰めてみて、その中で関心をもてそうな分野を目指すのも一考の価値があります。ただその仕事に向いているか向いていないかは、実際に業務についてみないとわからない部分が大きいということも理解して向き合ってほしいです。たとえば「営業は不向きだと思い込んでいたけれども、実際に担当してみたらお客様とのコミュニケーションを大切にしていることが高く評価されやりがいを感じてきた」というように、向いていないと思っていたことが実は合っていたというケースは多々あり、当然その逆もあり得ます。

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お悩みその4:どれくらい業界研究に時間を割けばいい?

質問:業界研究についてなのですが、どれくらいの量の知識を得ておくべきなのでしょうか。業界研究については、自身が進めることのできた量が目に見えにくいため、どこまで取り組めば「業界研究をした」と言えるのかがわからず悩んでいます。


回答:
業界研究はキリがないようにも見え、どのくらい調べたらよいものなのか難しいですよね。あくまでも目安となりますが、志望群としている業界は「何をしている業界なのか」「具体的にどんな仕事をしているのか」「属する代表的な企業の特徴(数社)」は知っている状態までもっていきましょう。特に志望度が高い業界は、現状の課題と未来の展望についてもある程度説明できるぐらいに理解しているのが理想です。

また「研究」と言うとハードルが高く感じますが、シンプルに言うと業界を「詳しく知る・理解を深める・自分に合うか検討する」ということです。 どれだけの「量」を調べれば正解というものがあるわけではないので、インプットにこだわりすぎずに調べていきましょう。情報を目に見える形にすることで成果を感じやすくなりますので、業界研究シートなどに情報をまとめるのも効果的です。

業界研究をする際は「業界・企業・職種研究をやってみよう! 業界研究編 」記事を参考にしてみましょう。

業界を調べていく上では、キャリタス就活の「業界MAP 」のほか、東洋経済新報社・日本経済新聞社から出版されている「業界地図」が役立ちます。さまざまな分野の現況が整理され、各業界の将来性や課題、業界内の企業規模や企業間のつながり、現在注目されているトピックもつかむことができ、幅広く情報が得られます。
また業界特集本では業界の歴史や最新情報に触れることができたり、業界誌(新聞・雑誌)やビジネス誌からも具体的な情報が得られますのでぜひ手に取ってみてください。規模が大きめの図書館にはこうした媒体のバックナンバーを置いていることがあります。時間を見つけて足を運んでみるのもよいでしょう。
また企業合同のイベントや単独セミナー、インターンシップなどからも情報が得られます。身をもって経験すると、想像していたことを具体化できるためおすすめです。
日々のビジネスニュースからも各種業界に関する情報が得られることがありますので、敏感に情報をキャッチしていってくださいね。

業界情報をあらゆる面から知っていくことが重要ですが、自分との関連付けもしっかりやっていきましょう。多様に存在する仕事のなかでどのように強みを発揮できそうか・どんな環境で働きたいかの視点をもち、「もし働くとしたら」と想像しながら詳しく調べていくと理解が深まりますよ。

他者にその業界の良い面・悪い面、どんな人が向いていそうかを自分の言葉で説明できるぐらいの状態を目指して、取り組んでもらえたらと思います。悩みながらもがんばるあなたの活動に、今回のアドバイスが少しでも役に立ったら幸いです。

CAN(できること)はこれからの人生で自己研鑽により広げていく・身につけることができますので、WILL(やりたいこと)を大切にしながらスキルを高められる仕事を探してみてはいかがでしょうか。

どちらを優先すべき、という回答があるわけではありません。目の前にある仕事に全力投球していけばスキルはついてきます。まだ知らない業界や企業もあるかと思いますので、偶然の出会いも大切にしながら志望先を決めていってくださいね。わたしの経験を踏まえた一つの考え方としてアドバイスさせていただきましたが、参考になれば幸いです。

まとめ

就活は、時に人には言いづらい悩みや不安がつきものです。そのような時、本記事で紹介した学生たちのようにひとりで抱え込まず、キャリタス就活の「キャリタス就活あんしん相談」に気軽にご相談ください。個々の悩みに合わせて、さまざまなプロフェッショナルが丁寧にアドバイスを提供いたします。経験豊かな就活アドバイザーの知恵やノウハウが、あなたの疑問や不安の解消に役立つでしょう。

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PROFILE

外資系化粧品会社、大手通信会社、大手テーマパーク、教育事業の経営者など全員が経験豊富な現役キャリアコンサルタントです!これまで1,500名以上の採用を行い、累計200名のマネジメント経験をもつプロのアドバイザー陣があなたの相談にお答えします。

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