就活最前線!効率的なChatGPTの使い方と就活生の活用事例紹介

就活ノウハウ

公開日:2024.03.06

最近、就活生の間では、生成AI「ChatGPT」を活用して選考対策を進めている学生さんが増えています。2022年の登場からさらに進化し、単なるブームではなく実践的なツールとして浸透してきました。本記事では、ChatGPTを活用して就活に臨む際のノウハウや注意点を解説します。また、実際に就活中の学生さんたちがChatGPTを使って自己分析やES添削などを行ったグループワークの様子も紹介します。

実際にどれくらいの就活生がChatGPTを活用している?

キャリタス就活が行った調査ではChatGPTを就活で使ったことがある人は約3割、使ったことはないが今後使いたい人は約4割と、全体に対し7割近くの人が活用についてポジティブに捉えています。

就活を有利に進めていく上でもChatGPTを使いこなすことで、精度の高いエントリーシート作成や面接対策にも活用いただけます。またこのような最新技術を理解し利用することにより、社会人になった際の情報収集や企画立案などの補助に利用でき、アドバンテージを持って仕事に臨める可能性が高くなります。

出典:2024年卒採用 内定動向調査/2025年卒採用計画

※ChatGPTには無料版のGPT-3.5と有料版のGPT-4があります。ここではGPT-3.5の使用を前提として解説していきます。

ChatGPTを使いこなすには「プロンプト」が命

ChatGPTは対話型のAIのため、こちらから話しかけるようにして指示を出し、それにAIが答える形で進んでいきます。この指示や質問のことを「プロンプト」と言い、質の高いプロンプトを設定することでChatGPTを効果的に使うことができます。人間との会話と同じで、漠然とした質問に対しては漠然とした答えしか返ってきません。質問の目的、具体的な要望や多くの情報、キーワードを質問に盛り込むことが大切です。例えば、「履歴書の書き方」と送るより、「私は新卒の就活生です。IT業界向けの履歴書を書く上で、注意すべき点は何ですか?」と疑問形で尋ねた方が、さらに精度の高い回答が得られます。下記の画像は、試しに同じ質問を送ってみた結果です。数秒のうちに8項目の注意点を返してくれました。漠然と投げかけた質問への答えを徐々にシェイプアップし、核心に近付けていく方法もありますが、こうしてずばりと質問した方が時間の節約にもなります。

■「履歴書の書き方」をChatGPTに質問した場合

■「私は新卒の就活生です。IT業界向けの履歴書を書く上で、注意すべき点は何ですか?」をChatGPTに質問した場合

初級編──まずはChatGPTを使ってみよう

ChatGPTを使うのが初めてという人は、まずアカウントを作成しましょう。

・公式サイトのログイン 画面に移動
・「Sign up」でアカウントを作成。

メールアドレスのほか、Google、Microsoft、Appleのいずれかのアカウントを持っていれば、それらを使用して登録ができます。

・氏名、誕生日、電話番号を入力します。
・電話番号に送られた認証コードを入力し、トップ画面に移れば完了です。

スマートフォン版のアプリからも同様にサインアップして利用することができます。

使い方の基本は、テキストボックス(「Message ChatGPT」と書かれている入力欄)に日本語で入力し、送信ボタンまたはパソコンなら「Enter」キーを押すと何秒か後には回答が返ってきます。また、PC版では改行をするときは「Shift」キーを押しながらEnterキーを押してください。

では慣れるために、「大学の授業に持っていくべきものは?」「就活準備は何から始めたら良い?」など、いくつか他愛のない質問をしてみましょう。ChatGPTは箇条書きで答えを返してくれるので、内容が整理されておりわかりやすい文章になっています。慣れてきたら、徐々に複雑な質問を投げかけるようにしましょう。「自分はどんな立場で・どんな目的で・どんな解決方法を・いくつ求めているか」といった具合に、より具体性を持たせた質問をしてみてください。また、「こういう経験・事実がある」という情報をプロンプトに加えてみると、さらに回答の精度が上がっていきます。

下記はプロンプトの質を上げるための、ChatGPTへの質問例のポイントです。

■ChatGPTを使って自己分析を行う場合
1.自己紹介をする:
・自分の基本情報(学部、専攻、興味がある業界や職種など)を簡潔に説明する。

2.自己分析の目的を明確にする:
・自己分析を行いたい理由や目的(例:強みや弱みを知りたい、キャリアプランを考えたいなど)を伝える。

3.具体的な質問をする:
・「私の強みは何だと思いますか?」といった抽象的な質問ではなく、「過去の経験から見て、チームプロジェクトを成功に導く能力が私の強みだと思いますか?」など具体的に質問する。

4.経験や実績を共有する:
・学業、部活動、アルバイト、ボランティア、インターンシップなど、自己分析に役立つと思われる具体的な経験や実績を共有し、どのような自己PRに繋がるか質問する。

5.フィードバックを求める:
・特定の経験について、どのようなスキルが身についたと考えているか伝え、それに対するフィードバックを求めてみる。

6.改善点や発展途上のスキルについて尋ねる:
・「どのようにしてコミュニケーションスキルを向上させることができますか?」など、自己改善につながる質問をする。

できるだけ簡潔で理解しやすい言葉を使うと、ChatGPTから適切な回答を得られやすくなります。

基本的な質問や指示を作成する際の参考にしてみてください。

応用編──深津式プロンプト・システムを活用してみよう

すでにChatGPTを使いこなしている方におすすめなのが「深津式プロンプト・システム」です。これは、メディアのプラットフォームであるnoteのCXO深津貴之氏によって考案されたフレームワークで、ChatGPTへの指示をより明確にし、回答出力の精度を上げることができるというものです。

その主な特徴は、以下の6つのポイントに集約されます。

1.役割の明確化:ChatGPTに特定の役割を与え、どのような視点から指示を処理するかを明確にします。

2.入力文から出力文の生成の明確化:入力文をもとに出力文を生成するプロセスを明示化します。

3.出力内容の明確化:具体的に何を出力するかを定義し、出力内容の具体性を高めます。

4.マークアップ言語の使用:命令や条件を#などで区切り、ChatGPTが正確に理解できるよう促します。

5.命令の箇条書き:命令を箇条書きにし、各案件を明確に伝えます。

6.条件の追加による出力のコントロール:文字数や表現方法などの条件を指定して、出力を限定します。

■実例
それでは、実際に深津式プロンプト・システムを使う時のテンプレートをご紹介します。

#命令書:
あなたは{text}です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。

#制約条件:
・文字数は{text}
・{text}※その他の条件を記載する

#入力文:
{text}

#出力文:



上記の{text}部分に具体的な内容や指示を入れていくのですが、ここで前提条件を与えることで出力範囲を狭めることができます。「役割」を与えて限定することも大切です。例えば、下記のような質問をしてみてください。

#命令書: あなたはボブスレーのコーチです。 以下の制約条件と入力文をもとに、最高の結果を出力してください。

#制約条件:
・文字数は500文字
・高校生にもわかりやすい言葉で

#入力文:
・わが高校のボブスレー部は創部10年で、インターハイには未出場
・部員は出場できる最小限しかいない
・経験者はわずか3人だが、他の部員の体格は平均以上
・練習場所は良い設備がありいつでも使用できる
・来年のインターハイ出場を目指すためのトレーニングメソッドを5つ挙げてください

#出力文:



これに対して、ChatGPTは「頑張りましょう」のエールと共に5つのトレーニングメソッドを返してくれました。さらに質問を狭めていくことで、よりピンポイントな答えを得ることができるでしょう。この質問内容を自分の好きなように書き換えて試してみてください。

■ポイント
深津式プロンプト・システムの応用編として、「逆質問」をChatGPTに促す方法もあります。これは、ChatGPTに足りない情報を向こうから聞き返させることで、より精度の高い結果を得るために有効です。逆質問をしてもらうには、命令の最後に「このタスクで最高の結果を出すために、追加情報が必要な場合は私に質問してください」という一文を添えておきます。

就活生が実際にプロンプト作成に挑戦!

就職活動中の学生の皆さんに、就活に活用できるプロンプト開発ワークを行ってもらいました。若干、苦戦している様子でしたが、エントリーシート作成や添削について、挑戦を繰り返す中で、的確な質問を行うことができ、質の高い返答をChatGPTから引き出せました。

■ワークショップに参加した学生さんの感想
・ChatGPTに対し、ESチェック者の役割を「就活アドバイザー」「採用担当」「キャリアコンサルタント」目線で見てもらえるように指示したのが良かった。

・「新卒者」なのか「転職者」なのかを明確にした方が良い気がした(フレッシュさを演出できる)。

・ESなどを「新規作成」するには自分の細かい情報を入力する必要がある。一方で「添削」については条件設定に少しずつ変化をつけて繰り返し行うなどすれば、ブラッシュアップにとても有効だと感じた。

ChatGPTで効率的な就職活動を

就活には、さまざまなフェーズがあります。それぞれのフェーズでChatGPTを活用していくことが可能です。業界研究・企業選び、自己分析、ガクチカ、エントリーシート作成──。いずれもポイントは、自分の経験や考えを明確に言語化し、それをChatGPTにフィードバックさせることです。より具体性を持った質問や改善点をAIに投げかけ、答えを引き出し、さらに内容を深掘ることにより精度の高い返答を得ることができます。

以下に、今まで先輩たちがどのように以下に、今まで先輩たちがどのようにChatGPTを生かしてきたかの声を挙げます。

【活用事例】
●商社志望の就活生:「商社業界で成功するための重要なスキルは?」という質問の中に、自分の学部と専攻分野、ゼミのテーマを織り込み、より具体的なアドバイスを返してもらった。

●自分がリーダーとなって実施したプロジェクトの経験を入力し、「この経験をどのように表現すればリーダーシップ能力を際立たせられるか」と尋ね、自分では文章化できなかった回答を得た。

●自分の強みは「問題解決能力」であると考え、「問題解決能力が高いことを示す具体例として何を挙げるべきか」と尋ね、いくつもの回答の中から絞っていった。

●アルバイトでの複雑な顧客対応経験を、問題解決能力の例としてエントリーシートにどのように書いたら効果的かを示してもらえた。

●留学経験があるので、それを自己分析にどう生かしたらいいかを質問した。特に「留学経験が自己成長にどのように影響を与えたか」を聞くと「文化的適応力」「新しい視点を学んだ事例」を引き出すためのアドバイスをもらうことができた。

●学生団体のリーダーとして行ったプロジェクトについて具体的な成果と挑戦をプロンプトに入れ、それをどう自己分析に生かすかを引き出すことができた。

●学生団体で多様なチームメンバーとのコミュニケーションを円滑に行った経験を、自己分析にどう生かすかの具体的な提案を得られた。

●「将来のキャリア目標をエントリーシートにどう書けば説得力を持つか」と質問し、改めて自分のキャリア目標を明確にできた。

上記を参考に自分のことに置き換えてプロンプトを作り、ChatGPTを就職活動に生かしてみましょう。

「的確・具体的」な指示を出すことが効果を最大化するコツ

今まで解説してきたように、ChatGPTの効果を最大化させるコツは「的確で具体的」なプロンプトで指示することです。そのためには、自身の語彙力、課題の見極め、知りたいことの明確化、課題そのものの客観的な分析が重要です。物事の要点をまとめ、簡潔に具体的に伝える力は就活全般にわたって大きな価値を持ってくるでしょう。

■キャリタス就活公式LINEでは、気軽にAI相談もできます。
ChatGPT-4を搭載したキャリタス就活公式LINEの「AI相談」機能が、あなたの質問に瞬時に回答します。しかも全ての回答内容は「キャリタス就活アドバイザー」が監修していますので、就活時期もふまえて、あなたの就活をトータルでサポートします。

また、AIによる「ES作成・添削」機能が、インターンシップ等の選考や本選考でのES作成に役立ちます。専用フォームに情報を入力することで、あなたのES作成をお手伝いします。ぜひこの機会にキャリタス就活公式LINEを友だち登録して、就活の疑問や不安を解消してください。
※「ES作成・添削」の利用には、キャリタス就活への会員登録が必要です(無料)。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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