【職種研究】営業職とは?種類や仕事内容・向いている人の特徴を解説

業界・職種・企業研究

公開日:2025.12.03

【職種研究】営業職とは?種類や仕事内容・向いている人の特徴を解説

この記事でわかること

  • 営業職とは、商品やサービスを顧客に提案・販売する仕事
  • 営業対象や扱う商材などによってさまざまな営業の種類がある
  • ヒアリング力や高いコミュニケーション力が必要な職種である

営業職とは、企業が商品やサービスを顧客に届けるために提案・販売する職種です。仕事内容は業界や商材によって大きく異なります。この記事では、営業職の具体的な仕事内容やメリット・デメリット、求められるスキルについて詳しく解説します。営業職への就職を検討している方はぜひ参考にしてください。

営業職とは?

営業職とは、自社の商品やサービスを顧客に提案・販売する職種です。市場のニーズを的確にとらえ、顧客に寄り添いながら最適な商品やサービスを提供します。営業職はただ単に「商品を売る仕事」ではなく、「顧客の課題を発見して解決策を提案すること」が本質です。そのため、商品知識に加えて、コミュニケーション能力やプレゼンテーション力、ストレス耐性など幅広いスキルが求められます。

【営業対象別】営業の種類

法人営業と個人営業の違い

営業職は、提案する相手によって営業の種類があります。ここでは、法人・個人それぞれの営業対象別に仕事内容や特徴を解説します。

■法人営業

営業職のうち、企業や団体を顧客として商品やサービスを提案・販売するのが法人営業です。場合によっては経営者層が商談相手になるケースもあります。

法人営業は、契約に至るまでの期間が長く、取引金額が高額になりやすいのが特徴です。そのため、相手の業界や課題、ニーズを深く理解し、長期にわたる信頼関係を築くことが求められます。

■個人営業

営業職のうち、消費者一人ひとりに商品やサービスを提案・販売するのが個人営業です。

個人営業では、顧客の感情や信頼、タイミングといった要素が購買判断につながります。そのため、顧客の心情を理解する心理的アプローチが重要です。一人ひとりのライフスタイルやニーズに寄り添った提案力や、商品の魅力を的確に伝えるプレゼンテーション能力が求められます。

【扱う商材別】営業の種類

有形商材の営業と無形商材の営業の違い

営業職は、扱う商材によって求められる知識や提案方法が異なります。ここでは、扱う商材を有形・無形に分けて、それぞれの営業の特徴を解説します。

■有形商材

有形商材の営業職は、自動車や家電など目に見える形のある商品を扱う仕事です。顧客は実際の商品を手に取り体験することができます。

有形商材を営業する場合は、商品の機能性や品質、デザインなどの魅力を顧客に理解してもらうことが重要です。そのため、カタログやサンプル、デモンストレーションを活用して、商品の価値を的確に伝える力が求められます。

■無形商材

無形商材の営業は、保険や金融商品、ITやコンサルティングサービスなど形のない商品を扱う仕事です。クラウドサービスや生命保険など実物がない商品について、数字や導入事例などを用いて価値を伝えます。

無形商材を営業する場合は、商品そのものではなく「導入したらどのような効果が得られるのか」「〇〇の悩みが解決できそう」など相手の状況に合わせた提案が重要です。顧客の課題を丁寧にヒアリングし、最適なプランを提案することが求められます。

【勤務先の企業形態別】営業の種類

メーカー営業、商社営業、代理店営業の違い

営業職は、勤務する企業の形態によっても仕事内容が異なります。ここでは、勤務先の企業形態別に営業の種類の一部を紹介します。

■メーカー営業

メーカー営業は、自社で開発した商品(主に有形商材)を直接販売する仕事です。開発企業として自社製品に誇りをもって提案できるのが特徴です。商品知識を深く理解した上で、顧客のニーズを引き出しながら商品の価値をわかりやすく伝えることが求められます。

また、顧客から得たフィードバックを開発部門に共有し、商品の改良にも貢献する役割も担います。

■商社営業

商社営業は、国内外から安く商品やサービスを仕入れて販売し、価格差によって利益を得る仕事です。ただ価格差を利用して売買するだけではなく、アフターサービスや技術支援といった付加価値をつけて提供するのが特徴です。

さまざまなビジネスパートナーと関わるため、高いコミュニケーション能力や交渉力、多様な関係者の利害を調整しながら信頼関係を構築できる調整力が求められます。

■代理店営業

代理店営業は、自社の商品やサービスを販売してくれる代理店を開拓・支援する仕事です。自分たちで直接商品を販売するのではなく、代理店を通じて多くの顧客に商品を届ける仕組みをつくるのが役割です。代理店に対して商品説明会の開催や代理店スタッフの育成を行い、代理店がスムーズに商品を販売できるように関係を築き、課題を一緒に解決していくサポート力が求められます。

なお、携帯キャリア、Wi-Fi、保険、広告、教材など幅広い商品やサービスに代理店営業が用いられています。

【営業場所別】営業の種類

フィールドセールス、インサイドセールスの違い

営業職は、営業活動を行う場所によっても種類が分かれます。ここでは、フィールドセールスとインサイドセールスそれぞれの仕事内容や特徴を解説します。

■フィールドセールス

フィールドセールスは、顧客を直接訪問して対面やオンラインで商談を行う仕事です。外回り営業や訪問営業とも呼ばれています。担当顧客と直接コミュニケーションを取ることで、信頼関係を構築しやすいのが特徴です。

アポ獲得から提案、クロージング(成約)まですべて行う場合もあれば、インサイドセールスが獲得した商談を引継ぎ、クロージングまでを担う(分業する)場合もあります。表情や身振り手振りなどの非言語コミュニケーションを活用した提案力や、その場の空気を読んで柔軟に対応する能力が求められます。

■インサイドセールス

インサイドセールスは、電話やメール、WEB会議ツールなどを活用してオフィス内から営業活動を行う仕事です。近年のデジタル化やリモートワークの普及により注目が高まっています。

マーケティング部門とフィールドセールスの橋渡し的な役割を務め、見込顧客を育成してフィールドセールスによる商談につなげることが一般的です。比較的単価が安い商品や個人営業の場合は、インサイドセールスが商談・クロージングまで行うケースもあります。限られた時間内で顧客の課題を引き出すヒアリング力や、対面ではないコミュニケーションでも信頼を獲得できる話し方が求められます。

【営業方法別】営業の種類

新規開拓営業、ルート営業、反響営業、飛び込み営業の違い

営業職には、顧客にアプローチする方法によってもさまざまな種類があります。ここでは、営業方法別に特徴や役割を解説します。

■新規開拓営業

新規開拓営業は、まだ取引のない企業や顧客にアプローチし、新たなビジネスチャンスを生み出す仕事です。ターゲットを的確に見極め、積極的に相手の関心を引く提案を行うことが重要です。自社や商品・サービスの魅力を把握した上で相手に伝え、ゼロから信頼関係を築いていくことが求められます。

■ルート営業

ルート営業は、既存の顧客を定期的に訪問して、信頼関係を築きながら商品やサービスを提供する仕事です。すでに取引のある顧客との関係を維持・強化し、長期的な取引を目指します。新商品の提案やアフターフォローも重要な業務なので、顧客の課題を継続的にサポートする姿勢が求められます。

■反響営業

反響営業は、インターネットやテレビ、ダイレクトメールなどのメディアを通じて自社の商品やサービスを広告・宣伝し、それに反応した顧客からの問い合わせや資料請求などに対応する仕事です。反響営業ではすでに関心を示している顧客へのアプローチとなるため、迅速かつ適切に情報を提供することが求められます。

■飛び込み営業

飛び込み営業は、事前のアポイントを取らずに企業や個人を直接訪問し、商品やサービスを提案する仕事です。顧客に断られる場合も多いですが、試行錯誤をしながら営業力を鍛えられます。

初対面の顧客に短時間で興味をもってもらうために積極性と提案力が求められます。近年は企業のセキュリティ強化やインサイドセールスの普及により減少傾向にありますが、地域密着型ビジネスや特定の商材では効果的な手法として活用されるケースもあります。

営業職の仕事内容

営業職の仕事内容は業界や扱う商材によって異なりますが、基本的に顧客との信頼関係を築き、商品やサービスを提案するといった点が共通しています。ここでは、営業職の主な仕事内容について解説します。

■市場調査と戦略立案

営業活動を効果的に行うには市場調査や戦略立案を行うことが重要です。特に新規開拓営業を行う場合は、重点地域や業界を定めてから適切なアプローチ方法を検討するのが基本です。市場調査をするために、ターゲット市場を明確にして顧客のニーズや課題を把握するためのリサーチを行います。さらに競合他社の動向や市場トレンドを分析することで、営業対象の商品やサービスの強みを整理します。

これらの情報整理や戦略立案はチーム全体で行い、目標や行動計画を具体化します。これにより営業活動の方向性が明確になり、次のステップへつながります。

■顧客へのコンタクトと商談機会の設定

営業職の仕事内容の1つに、顧客へのコンタクトと商談機会の設定があります。新規開拓営業の場合、まず見込み客(リード)を獲得するために、電話・メール・SNS・ウェブサイトなどの問い合わせフォームを活用したインサイドセールスが主流です。また、直接訪問するようなフィールドセールスも、地域や商材によっては効果的な手法として用いられます。

商談の機会を設定できたら、顧客の課題やニーズを丁寧にヒアリングし、商品やサービスを提案するのが基本的な流れです。商品のデモンストレーションやプレゼンテーションを通じて、顧客に具体的な価値を伝えます。

■商品やサービスの調達・供給

営業職の仕事として、商品やサービスの調達・供給を管理する役割があります。商談の成立・契約の締結後に、特にルート営業が顧客に商品やサービスを確実に届けるための手配と納品を行います

商品やサービスの調達・供給では、社内の製造・物流・カスタマーサポートなど各部門と連携し、納期や品質を徹底的に管理します。たとえば、商品の在庫確認や製造スケジュールの調整、サービス提供のための人員配置なども重要な業務です。さらに、納品後も導入支援やトレーニングを実施し、顧客が安心して利用できる環境を整えるサポートも求められます。

こうした商品やサービスの調達・供給を通じて、顧客満足度を高め、継続的な信頼関係を築いていきます。

■アフターフォロー

営業職の仕事には、取引後のサポートや顧客との関係構築も欠かせません。特にルート営業の場合、納品後も定期的に接点をもち、顧客の満足度や使用状況を確認し、問題が発生した際には迅速に対応する姿勢が求められます。また、顧客から収集したフィードバックを通じて商品やサービスの改善にも生かせます。

丁寧なアフターフォローは顧客の信頼を維持できるだけでなく、リピーターの獲得や紹介による新たな取引の拡大にもつながる可能性があります。顧客ロイヤルティを高め、持続的な成長を支える役割を担っています。

営業職として働くメリット・やりがい

営業職として働くメリット・やりがい

ここでは、営業職として働くメリットとやりがいについて詳しく解説します。

■顧客への貢献を実感しやすい

営業職のメリット・やりがいとして、顧客への貢献を実感しやすい点が挙げられます。日々の営業活動を通じて顧客のニーズをしっかり把握し、最適な提案を行うことで顧客の問題解決につながります。自分の提案によって顧客の問題解決に貢献できたり、感謝の言葉を直接もらえたりすると「役に立てた」とやりがいを感じられるでしょう。

■成果が評価や給与に反映されやすい

営業職のメリット・やりがいとして、成果が評価や給与に反映されやすい点が挙げられます。営業職は、成果が評価や給与に直結しやすい職種です。

売上目標の達成や顧客から高評価が得られると、昇給やボーナス、インセンティブといった具体的な形で自分のがんばりが返ってきます。成果が正当に評価される環境はモチベーションが維持しやすいでしょう。

■人脈を広げられる

営業職のメリット・やりがいとして、多くの人と出会いながら幅広い人脈を築ける点が挙げられます。顧客や取引先との関係構築を通じて、さまざまな業界や職種の人と関わる機会が増えます。

多くの人と接する中で得られる知識や視野の広がりによって、自身の成長がうながされるでしょう。さらに、築いたつながりから新たなビジネスチャンスをつかむ可能性も高まります。

■業界を問わず生かせる汎用性の高いスキルが身につく

営業職のメリット・やりがいとして、業界を問わず応用できる汎用性の高いスキルが培われる点が挙げられます。たとえば、コミュニケーション能力やプレゼンテーション力、ロジカルシンキングなどが営業活動を通じて身につきます。

汎用性の高いスキルは、どの業界でも重宝されるため、転職やキャリアチェンジの際も役立つでしょう。将来的にキャリアの選択肢を広げる武器となります。

■裁量権が大きい

営業職のメリット・やりがいとして、ほかの職種に比べて裁量権が大きく、主体的に業務を進められる点が挙げられます。顧客へのアプローチ方法や提案内容、スケジュール管理などを自分で決められ、創意工夫ができます。

裁量権が大きいため、自分のアイデアや戦略が成果につながりやすく、達成感や成長を感じやすいのが営業職の魅力です。

営業職として働くデメリット|「きつい」「やめとけ」といわれる理由は?

営業職は魅力が多い一方で、「きつい」「やめとけ」といわれることがあります。その主な理由は、成果を重視する厳しいノルマや大きなプレッシャーにあります。営業職は売上目標を達成するために日々の試行錯誤が重要です。成果が出ない時期は、人によってはモチベーションが低下し、ストレスを感じる可能性もあるでしょう。

さらに、顧客対応でのトラブルや、冷たく断られるなど精神的に落ち込む場面も少なくありません。ほかにも、移動が多く体力的な負担も大きい点がデメリットとして考えられます。

このように営業職は努力と忍耐が求められますが、その分、目標を達成したときや顧客から感謝の言葉をもらったときの喜びは大きいでしょう

体育会系でないと営業に向いていない?

営業職は体育会系でなくても活躍できる可能性は十分あります

営業というと勢いで売り込むイメージをもたれがちですが、営業の本質は顧客の課題を丁寧に聞き取り、最適な提案を行うことです。コミュニケーション能力やロジカルシンキングのスキル、成長意欲や誠実な対応力がある方は適しているでしょう。

営業職に向いている人とは?求められるスキル

営業職に向いている人とは?求められるスキル

営業職に向いている人にはさまざまな特徴が挙げられます。ここでは、営業職で成果を上げるために求められるスキルや素質について解説します。

■コミュニケーション能力

営業職において、コミュニケーション能力は欠かせないスキルです。たとえ同じ商品でも、相手の立場や状況に応じた伝え方によって結果が大きく変わるため、コミュニケーション能力が求められます。顧客の言葉や反応からニーズを正確に読み取り、相手に合った提案を行うことが重要です。

会話を通して顧客との信頼関係を築き、長期的に良好な関係を維持することが営業活動の成果にもつながります。

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■ヒアリング力

営業職では、顧客の真のニーズを把握するためにヒアリング力が必要です。顧客の情報を多く、正確に聞き出すことで、最適なプランや商品を提案できます。ヒアリングする際は単に質問をするだけでなく、顧客の言葉に丁寧に耳を傾けて背景にある課題や悩みを引き出す姿勢が求められます。

■プレゼンテーション力

営業職では、商品やサービスの価値を顧客に伝えるプレゼンテーション力が求められます。商品やサービスの魅力をわかりやすく伝えられると、商談という限られた時間でも顧客の心をつかむことが可能です。プレゼンテーションはわかりやすい構成が重要なため、視覚的な資料やデータを活用すると提案内容の説得力も向上します。

さらに、プレゼンテーションの際は、顧客の反応を観察し、柔軟に対応する力も求められます

■ロジカルシンキング

営業職では、顧客の課題を整理し、最適な解決策を導き出すロジカルシンキングが必要です。データや事実に基づいて分析することで、説得力のある提案ができます。また商談中、顧客からの質問や反論にも冷静かつ論理的に対応することで、信頼を築きながら顧客の心を動かす営業ができるでしょう。

■成長意欲

営業職では、成長意欲をもって主体的に行動する姿勢が大切です。目標を達成するために自ら課題を見つけ、改善策を考えて実行することが求められます。

営業職は若いうちからさまざまな経験を積み、ビジネスの基礎力を磨きたい人にも最適な職種です。上司や先輩のフィードバックを素直に受け止め、次の行動へとつなげる柔軟性が成長につながります。

■ストレス耐性

営業職はプレッシャーの多い職種のため、ストレス耐性は必須のスキルです。顧客からの厳しい言葉や目標未達のプレッシャーを受ける場面もあるため、メンタルの強さが求められます。営業職として長期的に活躍するためには、ストレスとうまくつき合いながら前向きに行動する姿勢や、失敗も学びの機会ととらえ挑戦を続ける粘り強さが求められます。

■柔軟性

営業職では、状況に応じて柔軟に対応する力が求められます。顧客の要望や市場の変化に合わせて、提案内容やアプローチを臨機応変に調整する力や、計画通りに進まない場面でも、冷静に状況を分析し、最適な解決策を導く適応力が必要です。

また、競合の動きにアンテナを張り変動があれば素早く対応できると、固定観念にとらわれず新しいアイデアを取り入れられ、営業成果の向上にもつながるでしょう。

営業職のキャリアパス

営業職にはさまざまなキャリアパスがあります。それぞれの道には独自の挑戦と成長の機会があり、自分の強みや興味に合わせてキャリアの選択が可能です。ここでは、主な3つのキャリアパスについて説明します。

■部署内で昇進する

営業職のキャリアパスとして、社内で昇進するのが1つの選択肢です。最初は一般営業職として、次に営業チームのリーダーやマネージャーへとステップアップすることが一般的です。優れた営業成績を残し、リーダーシップを発揮することで、部門全体を統括する営業ディレクターや営業部長などの役職に昇進するチャンスが広がります。

社内で昇進するには、売上目標の達成や顧客との関係構築、チームの指導力などが必要です。

■他部署へ異動する

営業職のキャリアパスとして、他部署へ異動する選択肢もあります。営業職として培ったスキルは、ほかの部署でも非常に有用です。たとえば、マーケティング部門への異動では、営業で培った市場理解や顧客視点のスキルを生かせます。商品開発部門では、顧客のフィードバックを基にした商品改善や新商品の企画に貢献できるでしょう。また、カスタマーサポートやカスタマーサクセスのポジションでは、顧客との関係性をさらに深め、企業全体のサービス品質向上に寄与する人材となりえます。

こうした他部署への異動は、幅広いスキルを身につけ、ビジネスパーソンとしての価値を磨く絶好の機会です。

■他業界へ転職する

営業職のキャリアパスとして、他業界への転職も選択肢の1つです。異なる業界特有の知識を学ぶ必要はありますが、基本的な営業スキルや顧客対応能力は大いに役立ちます。たとえば、営業職の経験はコンサルティング業界や人材業界など、対人スキルが重要とされる業界でも高く評価されるでしょう。

他業界への転職は、新たな挑戦と成長の機会として自分のキャリアの多様化にもつながります。いずれの場合も、常に新しいスキルを学び続け、自分の価値を高める努力を怠らないことが重要です。

営業職の就活の進め方のポイント

営業職の就活の進め方のポイント

営業職の就活を進める際は、自己分析や企業研究などが大切です。ここでは、営業職の就活を成功させるためにおさえておきたいポイントを紹介します。

■自己分析を深める

営業職を目指す上で、まず重要なのが自己分析を深めることです。自分の強みや興味を明確にすることで、自分が本当に営業職に向いているかを見極めやすくなります。

営業職は成果主義であり、顧客と直接関わる機会が多いなど特徴があります。特にこうした点に対して適性があるかを見つめ直す自己分析によって、納得感のあるキャリア選択が可能です。

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■業界・職種・企業研究を徹底する

営業職を目指す上では、業界研究・職種研究・企業研究が必要です。仕事内容を詳しく知ることで、自分の適性や強みを生かせる役割や働き方を見極められます。

まず業界研究では、営業職としてどの業界で活躍したいかを見極めます。業界によって特有の営業職もあるため、興味のある分野を幅広く見てみましょう。

次に職種研究では、営業職に求められるスキルや資質を理解し、自分に合ったポジションを見つけるのが大切です。営業方法や扱う商材、顧客層などによって、求められるスキルや働き方が異なります。営業職の種類ごとの特徴を理解し、自分の価値観やキャリアプランに合うのかを整理しておくのがポイントです。

さらに企業研究では、企業と自分の価値観や理想のキャリアが一致しているかを判断します。公式サイトや就職情報サイト、OBOG訪問を通じて、効率的に情報収集しましょう。

■インターンシップ等に参加する

営業職を目指すなら、インターンシップに参加して実際の仕事を体験するのも有効です。営業職の仕事の流れや職場の雰囲気を肌で感じられるのが魅力です。実務を経験することで、自分の適性や興味を確かめられ、将来のキャリア選択にも役立ちます。

また、大学1・2年生からでも参加できるオープン・カンパニーは、業界や企業への理解を深める絶好の機会です。積極的に参加し、自分に合った働き方や環境を見つけましょう。

『キャリタス就活』の「インターンシップ・キャリアを探す」では、こだわり条件に絞ってインターンシップ・キャリアを検索できます。自分の希望に合った企業を効率よく探せるため、就活の第一歩として最適です。ぜひ活用してみてください。

営業職が活躍する代表的な業界

営業職はメーカーからITまで幅広い業界で活躍できます。ここでは、営業職が活躍する代表的な業界について紹介します。

■メーカー業界

メーカー業界の営業職は、主に自社で製造した機械・部品・家電・食品などの有形商材を扱います。自社製品を深く理解し、製品に関する専門知識を生かして顧客に提案・サポートするのが主な役割です。顧客のニーズに合わせたカスタマイズや技術的な質問への対応力も求められます。

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■商社業界

商社業界の営業職は、国内外の企業間取引を仲介し、原材料から完成品、サービスまで幅広い商品を取り扱うのが特徴です。仕事としては、商品を仕入れて顧客に販売するトレーディングや、海外の新規顧客開拓、市場分析・契約の取りまとめなどを含む業務を担います。

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■流通・小売業界

流通・小売業界の営業職は、店舗や小売チェーンに対して食品や日用品、アパレルなどの商材を扱います。商品の仕入・発注・検品を行い、地域の特性や顧客層を分析して売れる商品を選定します。旬の商品を見極める情報感度や、メーカーとの交渉力も営業にとって重要なスキルです。

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■金融業界

金融業界の営業職は、大きく個人営業と法人営業に分けられます。個人向けには預金・ローン・保険・証券などを提案し、顧客の資産形成を支援します。法人向けには融資・社債・事業承継支援などを通じて経営の安定や成長を支えます。高度な金融知識と信頼構築力が求められる仕事です。

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■不動産業界

不動産業界の営業職は、個人・法人向けに戸建て・マンション・土地などの不動産商品を提案し、売買や賃貸契約を通じてニーズを実現します。契約から引き渡しまでの取引を担うため、法律やローン、税金などの高い専門知識と信頼関係の構築が求められます。

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IT業界の営業職は、ソフトウェア・クラウド・セキュリティなどの無形商材をメインに扱い、顧客の業務課題を深掘りして最適な解決策を提案します。営業に必要なヒアリング力、プレゼンテーション力とともに、専門的なIT知識や社内の技術部門との連携力も求められます。

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営業職の現状と将来性

営業職の現状と将来性は、近年のデジタル化やAI技術の発展によって変動しています。営業職の現状や今後の働き方の変化に触れながら、これからの時代に求められる営業のあり方について解説します。

■【現状】営業DXと新たに求められるスキル

営業職の現状は、近年のデジタル化の進展によって変化しています。従来の対面営業に加え、インサイドセールスやデジタルマーケティングなどオンラインを活用した営業手法が広がっているのが現状です。

デジタル化による影響を受け、営業職にもITスキルやデータ分析能力などの新たなスキルが求められています。たとえば、CRM(顧客情報を一元管理するシステム)やSFA(営業活動を効率化するツール)を使った顧客管理、SNSを活用した情報発信など、デジタルツールを駆使して成果を上げる営業スタイルが増えています。

■【現状】リモートワークの普及による営業スタイルの多様化

営業職では、コロナ禍をきっかけにリモートワークが広がり、働き方も変化しています。営業スタイルが多様化し、WEB会議システムを活用したオンライン商談やバーチャル展示会など、場所を選ばない営業活動が増えているのが現状です。

働き方の変化に伴い、営業職には対面での営業スキル以外にも新たな能力が求められています。たとえば、画面越しでも相手の表情や反応を的確に読み取るコミュニケーション能力や、デジタルツールを活用したプレゼンテーション力が重要です。

■【将来性】AI技術の発展による業務効率化

営業職の将来性として、AI技術の発展によって業務効率化が一層進むと考えられます。たとえば、顧客データの分析や商談履歴の管理、見込み顧客の抽出などはAIが自動化し、営業担当者はより戦略的な業務に集中できるようになります。

一方で、顧客の感情をくみ取り、信頼関係を築くことは人間にしかできないスキルです。今後は、AIを活用しつつ専門知識を高めることが、営業職としての強みになります

■【将来性】成長産業における営業職の需要増加

今後、多くの産業分野で営業職の需要はさらに高まると考えられます。特に、IT・DX関連、再生可能エネルギー、ヘルスケア・バイオテクノロジーなどの分野は成長が見込まれています。

これらの特定業界では、扱う商材やサービスが複雑かつ高度化しているため、専門知識をもつ営業職の重要性が高まる傾向です。業界特有の知識やスキルを身につけることで、営業職としてキャリアアップのチャンスをつかめます。

営業職に関するよくある質問

営業職は休日出勤もある?

営業職は、休日出勤が発生する場合もあります

たとえば、月末の目標達成や顧客の都合に対応するために、土日や祝日の出勤を求められることがあります。しかし、完全週休2日制を導入している企業も増えており、土日休みのケースが多いです。

また、不動産業界では土日出勤で火曜・水曜のお休みが多く、法人営業は基本的に土日祝日が休みとなるケースが多いなど、業界や営業対象によって特性が見られます。

気になる企業の就業規則や働き方をあらかじめチェックしておくことをおすすめします。

営業職の年収はどのくらい?

営業職で働くすべての人の平均年収は約500~600万円と考えられます。(※)

ただし、営業職の年収は、業界や個人の成果によって幅が生じるので一概にはいえません。

企業によってはインセンティブ制度を導入しており、成果によっては年収1000万円以上を狙うことも可能です。営業職は努力と成果が正当に評価される傾向にあり、自分の実力次第で大きく収入を伸ばせるのが魅力です。

※出典:e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査

企画営業職とはどんな仕事?

企画営業職とは、顧客の抱える課題を理解し、その解決につながる商品やサービスを提案する仕事です。

顧客のニーズを丁寧にヒアリングして市場や自社製品を分析した上で、最適な企画を立てて提案します。たとえば「新商品の認知度を上げたい」という顧客ニーズに対して広告企画や販売促進イベントの提案などを行います。単に商品を販売するだけでなく、付加価値を生み出して顧客のビジネスを支援して信頼関係を長く築くことを目的としています。

海外営業とはどんな仕事?

海外営業とは、自社の商品やサービスを海外市場で展開し、グローバルに販路を広げる仕事です。

現地企業や代理店と連携して営業活動を行います。さらに市場調査や顧客開拓、パートナー企業の選定、プロモーションなども担い、国際的な視点でビジネスを拡大する役割を果たします。

セールスと営業の違いは?

セールスと営業は、基本的には同じ意味で使われる言葉ですが、日本のビジネスシーンでは使い分けられるケースもあります

使い分けられる場合は、セールスは主に「販売する行為」や「売ること」を指し、商品を顧客に販売することを目指す活動です。

一方、営業は顧客の問題を聞き取り、長期的な関係を築きながらニーズにあった商品を提案して課題解決を目指す活動を指すことがあります。

しかし、この使い分けは厳密なルールではなく、実務上は同義語として扱われることがほとんどです。

営業職はやりがいを感じやすい仕事

営業職は、お客様からの反応を直に感じられるやりがいのある仕事です。人の役に立ちたい、人と関わることが好きな人に特に向いています。営業職は、業界や企業によって扱う商品や顧客、営業方法は大きく異なります。企業研究を通して自分の強みや価値観に合う職場を見極め、納得できる就活を進めていきましょう。

『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。

キャリタス就活編集部

PROFILE

キャリタス就活編集部
『本音をきく、本気でこたえる。』をテーマに、就職活動・就活準備をがんばる皆さんに向け、インターンシップ・キャリア情報やES・面接対策など、さまざまなシーンに役立つ情報をお届けしています。
「面接がうまくいかない」、「そもそも就活って何からはじめるべき」など、皆さんの本音に寄り添った記事を配信しておりますので、ぜひこの機会にご活用ください。

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