将来を予測!40代の平均年収を知って、業界や企業選びの参考にしよう

業界・職種・企業研究

公開日:2024.04.17

業界や企業選びをするうえで、収入は重要なポイントのひとつですよね。新卒の募集要項には初任給が載っていますが、それだけではその後の収入額はわかりません。22歳~65歳まで働くとすると、中間地点である40代の年収は、生涯を通した収入を推測するための一つの指標と考えられます。本記事で紹介する業界別40代の平均年収の傾向を知り、今後の業界や企業選びに活用いただけたらと思います。また、さらなる収入アップのヒントもお伝えします。

将来が少し見える?各業界の40代の平均年収を知ろう!

実は、平均年収は業界によって違いがあります。令和4年の厚生労働省『賃金構造基本統計調査』を踏まえた試算では、主な業界別の40代平均年収はおおよそ以下のような状況となっています。

【男性の場合】
最も年収が高いのは「金融業・保険業」(40代前半で799万円、後半では851万円)。
・2位は「電気・ガス・熱供給・水道業」(40代前半で637万円、後半では675万円)。
・3位は「学術研究・専門・技術サービス業」(40代前半で636万円、後半では670万円)。
・4位は「情報通信業」(40代前半で626万円、後半では657万円)。
・5位は「教育・学習支援業」(40代前半で624万円、後半では679万円)。

【女性の場合】
最も年収が高いのは「情報通信業」(40代前半で494万円、後半では527万円)。
・2位は「電気・ガス・熱供給・水道業」(40代前半で482万円、後半では522万円)。
・3位は「学術研究・専門・技術サービス業」(40代前半、後半ともに481万円)。
・4位は「教育・学習支援業」(40代前半で460万円、後半では486万円)。
・5位は「金融業・保険業」(40代前半で434万円、後半では442万円)。

※その他の業界の状況は、以下の表を参考にしてください。

年収のランキング上位に位置する金融業界や、大学・研究所などの学術研究業界、情報通信業界(IT業界)などでは、日々刻々と変化する市況の変化や最新技術等をキャッチアップし、高度な業務を行うために専門的な知識やスキルが求められます。それらを持っている人材が高く評価され、結果的に高い年収につながっていると考えられます。

また、情報通信業界(IT業界)が女性の1位になっている理由のひとつには、テレワークやフレックスタイム制を推進するなど働きやすい環境が整っている企業が多いことが挙げられます。働きやすい環境でIT技術者として活躍し、高年収を得ている女性も多いのではないでしょうか。

一方、年収の男女間格差に関しては、両者の格差は徐々に縮まりつつあるとの見方もありますが、未だ課題が残されているのが現状です。その背景には、男性に比べて女性の方がパートやアルバイト、時短勤務などの働き方を選ぶ割合が高いという事情があります。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ビジネス・レーバー・トレンド」2023年5月号

しかし年収をはじめとした男女間の格差を是正するために、政府も企業における女性活躍推進に力を注いでいます。

例えば、男女共同参画の推進に向けた重点方針「女性版骨太の方針2023」(2023年5月)。この中では、東京証券取引所の最上位「プライム市場」に上場する企業の役員について、2025年をめどに女性を1人以上選ぶよう努め、2030年までに女性の比率を30%以上にすることを目指すとしています。

自分の能力を十分に生かし責任ある立場で活躍したい女性の皆さんは、女性管理職の登用に積極的な企業にチャレンジしてみてはいかがですか?

また、厚生労働省が子育てを積極的にサポートする企業に対して与える「くるみん認定・プラチナくるみん認定」、同じく厚生労働省が女性の活躍を推進している企業に対して与える「えるぼし認定」などの取り組みも注目です。

厚生労働省のサイトに認定企業の一覧が載っていますので、興味のある方はチェックしてみてください。

くるみん認定・プラチナくるみん認定企業一覧

えるぼし認定企業一覧

企業規模による年収の差は?

では、企業規模によって平均年収の違いはあるのでしょうか?
令和4年の厚生労働省『賃金構造基本統計調査』を踏まえた試算では、大企業、中企業、小企業それぞれの40代平均年収はおおよそ以下のような状況となっています。

■「平均年収が高い企業を選ぶ」コツはあるの?

年収が高い企業を探す上で、最初に取り組むことは「企業情報」を集めることです。企業のホームページ、就職情報サイト、会社四季報などに掲載されている年収情報をチェックしましょう。また、業界内での企業の立ち位置や市場の成長性も考慮に入れることが大切です。平均より年収が高い企業は技術革新や市場拡大に成功していることが多いため、安定した将来が期待できます。

しかし、経済状況や社会情勢の変化は企業の業績に直接影響を及ぼすため、現時点でのデータだけでなく、過去数年のトレンドも確認することが重要です。そして、高い年収が提供されている背景には業務の難易度や、高いスキルセット・資質が求められているので、働き方や企業文化についてもリサーチし、自分に合った企業選びを心がけましょう。

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将来の収入を増やすためにできること

40代の平均年収の概況を知った上で、将来「平均よりもっと高い収入を得たいな」と思った方もいるかもしれませんね。

そこで大切なのは、「収入を増やすこと」はすなわち、「あなたの市場価値を上げること」であると肝に銘じることです。所属する企業やお客様への貢献度を高めることなしに、あなたの市場価値は上がりません。努力をせずに収入だけを上げることはできないのです。

将来所属する企業やお客様に対して有益な人材になり、自分の市場価値を上げて収入アップも実現するために、学生時代から以下のようなことを実践していきましょう。

■学生時代にできること

・大学の授業を最大限活用し、専門分野の知識を深める。
・自分の専門分野に関連する資格に積極的にチャレンジする。
・自分の専門外の分野についても積極的に学び、視野を広げる。
・ゼミや卒業研究の活動を通して、論理的思考や情報収集の能力を鍛える。
・アルバイトやインターンシップ等では、必ず自分なりの工夫をして仕事に臨む。
・語学の学習に力を入れる(TOEICなど)。
・経済の動向を学ぶために、経済新聞を毎日読む。
・コンペティションや起業にチャレンジしてみる。

■社会人になってからできること

・所属する企業の新規事業プロジェクト等に参加し、成果を上げる。これにより昇級や昇格が叶えば、より高い給与を得ることができる。また、臨時賞与などを得られる場合もある。
・専門性を高め、高度な資格を取得する。これにより資格手当が得られたり、より高いポジションに就いたりすることができる。
・副業が許されている企業であれば、休日などを活用して自分のスキルや趣味に関連する事業を展開し、追加収入を得る。(勤務時間内に副業に従事することはNGなど、就業規則をよく確認しましょう)    
・投資をすることで、短期・中長期的に収入源を増やす。(多様な商品があるので、しっかり勉強し自己責任でリスク管理をする必要がある)    
・転職をする。(転職は給料の高い職場を求める有効な手段だが、市場の需要や自己のスキルに合った職を見極める必要がある)    

収入アップのためには、学生時代・入社後問わず、日々の努力と向上心、チャレンジ精神が重要ですね。

まとめ

いかがでしたか?今回の記事を皆さんの就職活動の参考にしていただけたら幸いです。なお、今回もとにしたのは令和4年時点の統計データです。個々の企業によって状況が違うことや業界の市場規模、企業の成長性などさまざまな要因によって状況が変化していくことを念頭に置いておきましょう。

そのため常に経済や世界情勢を含めた社会の動きを注視していくことが重要ですね。実際に就職活動を進める際には、志望企業としっかりコミュニケーションを取り、情報収集をしていってくださいね。その上でご自身が望む働き方ができるのか、満足のいく収入を得られる企業かなど自分の軸を大事にして就職活動を行っていきましょう。

PROFILE

濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。

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