「企業研究」と「企業比較」の重要性と、その効果的な方法とは?

業界・職種・企業研究

公開日:2023.07.25

こんにちは!キャリアコンサルタント桜川りえです。 本記事では、企業研究のやり方がわからない就活生や就活準備中の皆さん向けに、「企業研究」と「企業比較」のやり方についてわかりやすく解説します!

前半では、「企業研究」の重要性、後半では、「企業比較」におけるチェックするポイントをご紹介します。比較的時間がある今のうちに整理しておくと、後々スムーズに就活準備を進められるので、ぜひご活用ください。

就活ピークになると、エントリーシート(ES)提出や面接などで忙しくなり、じっくり調べる余裕がなくなっていきます。せっかく選考に進んでも、「知っているはずなのに、全然アピールできなかった」と後悔する先輩の声も…。

やることが多く大変に思う方も多いですが、全て一気にやらなくても大丈夫です。 ポイントをおさえて、着実に取り組みましょう!

「企業研究」はあなたが活躍できる企業を探すため!

企業研究の重要性

なぜ「企業研究」が必要なのでしょうか?手間がかかってもやるべき理由とは?
企業研究の重要性と進め方についてみていきましょう。

1:自身の適性と企業のマッチング
企業研究を行うことで、「自分の適性」と「企業の文化や価値観」がマッチするかどうかを判断できるようになります。

企業の「求める人材像」や「企業理念」を見て、自分との繋がりや魅力に感じるところを探してみてください。

自分の考え方や価値観、理想の働き方にマッチした企業を見つけることで、将来的なモチベーションや成長につながる環境を選べるようになっていきます。

2:自身のキャリアプランの明確化
「あなたの5年後・10年後のキャリアプランは?」
面接でよく聞かれる質問ですが、まだ思い浮かばなくても安心してください!企業研究を進めることで、企業のビジョンや成長戦略、その会社でのキャリアパス(成長機会)が明確になっていきます。

これにより、自分がその会社の中で、どのようなスキルを得て、どのように発展させていくのか、今後の自分のキャリアプランのイメージがつきやすくなります。

3:選考・面接対策と自己アピールの深化
企業研究を通じて、企業のビジネスモデルや業績などを理解することで、その企業に対する興味関心が高まります。自分の「就活軸」との深い関わりを見つけ出すことにより、選考で企業側からの質問に対して的確な回答ができるようになるので、より内容の濃いアピールが可能になります!

■企業研究の進め方

1:代表的な業界を知ることから始める
まずはさまざまな業界を「知る」ことからはじめましょう。
キャリタス就活では主要業界について解説している「業界MAP」というコンテツがあります。大企業から中堅・中小企業まで、33業界約1,000社を、ひと目でわかる地図形式で掲載していて、製品やサービスの国内シェアも紹介しているので業界の「今」を知るにはオススメです。

2:興味を持った業界を詳しく調べる
業界を知ったら「好きな商品・サービスを取り扱う」、「理由は漠然としているが興味が湧いている」企業などが属する業界を軸に進めていきましょう。

3:ビジネスモデルを調べる
「誰に、何を、どのように提供しているのか?」

を調べることにより、業界の特徴が見えてきます。また業界団体のサイトや、業界本などを活用していくと、業界の動向と展望、課題も詳細にわかってきます。

上記の流れで1つの業界を行ったら、次はその業界と関連する業界へと研究対象を広げていくと、業界同士の関係性、社会構造をより深く知ることができるでしょう。
興味・関心がない業界でも調べてみると、意外と自分の働く価値観と、専攻分野が深く結びついている場合もあります。

「企業比較」は「あなた」の優先度を大事に

■「企業比較」とは

「企業比較」は複数の企業を比較することで、各企業の特徴やメリット・デメリットを把握し、自身にとって最適な選択肢を見つける作業のことです。

・キャリアパスや成長機会
・給与水準、福利厚生
・職場環境

など、重要な要素を総合的に考慮し、将来的なキャリアの展望や満足度を高める企業を選ぶことが重要です。

■企業比較の重要ポイント5つ

1:偏りのない情報収集
就活情報サイトや企業の採用ホームページだけではなく、報道記事、業界レポートなど複数の情報源を活用しましょう。企業のSNSアカウントやYouTubeなども含め、普段からこまめにチェックしましょう!

2:自身の優先順位の設定
自身の優先順位やキャリアの目標を明確にし、比較する要素に対して重要度をつけましょう。
(例:成長機会、福利厚生、ワークライフバランスなどの優先度を決めておく)

3:将来の展望の考慮
企業の成長性や業界のトレンド
を考慮しながら、自身のキャリアパスについても考えて中・長期的な視野で比較することも大事です!

4:リアルな声を集めよう
積極的に就活イベントに参加して、先輩社員や業界の人たちと、対話できる場を活用しましょう。同じ悩みを持つ、先輩就活生のクチコミなども参考にするのもオススメです。公平性のある情報収集を重ね、客観的な視点を持つことで、冷静に自分の「就活軸」に合わせて判断できる力がついてきます

5:社員の成長を促す制度があるか確かめよう!
企業側も社員の成長を促すさまざまなプログラム・制度を用意しています。自身の成長意欲やキャリアプランを実現できる企業を選ぶことが重要です。

例えば、

教育・研修プログラム
新入社員向けの基礎研修から始まり、専門スキル研修、リーダーシップ研修、マネージメント研修などを提供する。また、自己啓発を支援するためにオンライン学習プラットフォームへのアクセスを提供する場合もある。

【キャリア開発プログラム】
定期的なキャリアカウンセリングやパフォーマンスレビュー(※)を実施し、社員が自分のキャリアパスを明確にし、その達成に向けた具体的なステップを計画する手助けをする。
※パフォーマンスレビュー:従業員の業務に関する能力、行動、結果を定期的に評価し、その成果を形式的にレビューすること。従業員が自身の強みと弱みを理解し、将来の目標を設定するために利用されることが多い。

メンターシッププログラム
経験豊富な社員や上級者がメンター(※)となり、新入社員や若手社員の成長をサポートする。一対一の指導やアドバイスが直接的なスキル向上につながる。
※メンター:新入社員、若手社員が職場への適応と、仕事における成功をサポートすること。年齢の近い年上の先輩社員や、社歴が近い先輩社員が新入社員や若手社員をサポートすることがある。

【ジョブローテーション制度】
社員がさまざまな部署やプロジェクトで経験を積むことを促す。これにより、多角的な視野を持つことができ、また自分に合ったキャリアパスを見つける機会にもなる。

上記のような制度は、自身の成長機会、成長スピードといった面で非常に有効な制度ですので、そういった制度を利用しつつ、中・長期的なキャリアプランを検討するのも良いでしょう。

「気になる」企業と競合他社を比較すると見えてくる企業理解と新たな価値観

作ってみよう!「企業比較シート」

企業比較シート」は、

・情報整理や客観的な比較
・総合的な考慮
・視覚的な整理
・意思決定のサポート
・面接や選考段階での活用

など、就活準備においてとても重要なツールです。

「企業比較シート」を作成することで、複数の企業の情報を整理し、客観的な比較が可能になります。企業ごとに重要な要素やポイントをまとめ、一覧性のあるシートにまとめることで、見落としがなくなり、的確な比較ができ、とても便利です。下記の記事で企業比較シートの使い方・サンプルを紹介しています。シートを活用して各企業をスコアリング(点数などで評価)する方法もおすすめです。

■業界を絞らず、いろいろ見ている方

まだ、業界を絞らず、いろいろ見ている方も多い就活準備生の皆さん。実際に「説明会やインターンシップ等に参加してみたら意外とよかった」と、その後の選考に進む先輩も多いので、ぜひ今のうちに「企業比較シート」を活用して整理することをおすすめします!

たくさん参加するうち、「客観的なデータ」が溜まっていきます。ある程度溜まってきたら、それらをメーカー・コンサルなど業界ごとにグルーピングして、自分の興味関心や企業とのマッチング度合いなど傾向を見ていきましょう。

また、対面の選考会場では、パソコンやスマホのデータを見ることができないことが多いので、「専用ノート」を作成しておくと安心感に繋がります。

まとめ

「客観的」=偏りのない意見、幅広く様々な情報収集

「主観的」=自分の「就活軸」を明確に。働く上での優先順位を決めよう

「企業研究」も「企業比較」においても、客観的・主観的どちらにも偏らないようにするのがポイントです。自分のキャリアプランと、企業の「求める人材像」や「企業理念」とのマッチングを確認しましょう。また、自分だけでまとめた分析結果だけではなく、クチコミや就活イベントなどの情報共有の場を活用して整理しましょう。キャリタス就活では様々な検索項目で、自分に合った企業を見つけられます。

PROFILE

桜川りえ
国家資格キャリアコンサルタント
短大卒業後、10回転職を経験。ライフステージに合わせた“柔軟な働き方”をいち早く実践。コンプレックスだった転職回数の多さを「強み」に変えてキャリア支援の道へ。2019年より都内私立大学にてキャリアカウンセラーとして従事し、現在はオンラインによるキャリア相談を実施。学生・女性支援を専門領域として活動中。正規・非正規雇用、業務委託などあらゆる働き方を経て、2021年5月個人事業主となる。同年11月、「HSP×転職」をテーマにKindle書籍を出版し好評を得る。2023年3月オンラインコミュニティ「就活サードプレイス」開設。「就活×保護者」をテーマにセミナー開催。「就活」を切り口に親子関係の問題に取り組んでいる。現役就活生の母。オンラインコミュニティ「就活サードプレイス」運営

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