就活生必見!!「企業が求める人物像」を知り、面接対策を万全にしよう

ES・選考対策

公開日:2024.07.03

就活生にとって、企業が求める人物像を理解することは面接対策の第一歩です。この記事では、企業がどのように理想の人物像を設定し、選考で何を重視するかを解説します。あなたの就職活動を成功させるための具体的なアドバイスとポイントをお届けします。

企業が設定する「求める人物像」とは?またなぜ設定するのか

■求める人物像とは

企業が求める人物像とは、その企業が理想とする従業員の能力、価値観、行動特性などの総合的なイメージを指します。これは、企業が自社のビジョンや目標を達成するために必要な人物像を定義し、それに基づいて採用活動を行うための基準となります。

■なぜ企業は求める人物像を設定するのか

企業が求める人物像を設定する理由は、多くの学生の中から適切な人材を抽出し、企業のビジョンや価値観に合致した強いチームを形成するためです。また企業と学生のミスマッチを未然に防ぐことは、将来的に社員になった際の定着率や満足度の向上に繋がります。社員が長期的なキャリアを築いていく上でも、企業が求める人物像を設定することは大きな役割を果たします。

企業の求める人物像ができるプロセス

では、具体的にどのようにして企業は求める人物像を設定していくのでしょうか。

■企業の求める人物像ができるプロセスの一例

①人事部にて協議
└過去の採用活動の資料などをもとに求められている人物像を抽出

②現場で活躍する社員やリーダーに話を聞く
└実際に働くメンバーがどのような働き方をしているか、仕事内容などを確認したり、現場で求められる能力・価値観等に関するアンケートやヒアリングを実施

③役員へのヒアリング
└企業のビジョンや今後の経営方針等をふまえて、どのような人材が必要かヒアリング

■各企業の求める人物像はどこをみればわかる?

志望企業の求める人物像を知るためには、以下のようなものから情報を確認していくとよいでしょう。

・企業の公式ウェブサイト:
採用ページや会社紹介ページに掲載されていることが多いです。

・就職情報サイト:
就職情報サイトの各企業の採用情報欄にも記載されていることがあります。

・会社説明会:
企業が主催する説明会やセミナーで、人事担当者が直接求める人物像について説明することがよくあります。また説明会などで配布される入社案内や採用パンフレットに、求める人物像が記載されていることがあります。

・インタビュー記事:
社長や実際に働く社員へのインタビュー記事に、企業が求める人物像のヒントが隠されていることがあります。

■「求める人物像」と「採用条件」の違い

企業が設定するものとして「求める人物像」のほかに「採用条件(採用基準)」があります。混同されがちですので、しっかりと違いを理解することが重要です。

・求める人物像とは:
その企業が理想とする従業員の能力、価値観、行動特性等の基準。企業と学生のマッチング度を測るために設定されています。

・採用条件:
卒年や学部、資格や語学力など人材を採用する際の採用基準。合否の基準を統一することにより企業は採用活動をスムーズに進めることができます。なお、仕事によっては応募する際に、採用条件に記載されている条件を満たしてることが求められる場合もあります。

企業の求める人物像から一つでも欠けると不採用?

新卒採用の選考プロセスは、多くの場合、総合的な観点から候補者を評価します。

では、企業が求める人物像に自分が一つでも当てはまっていなかったら不採用となってしまうのでしょうか?その答えはNOです。ただし、求める人物像に合致するかどうかは、候補者の採用において重要な要素の一つです。そのため、何か自身に欠けている部分があった場合に、その点をカバーできるほかの特出した能力がないか探すことが大切です。

能力の参考例として、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」があります。

これは、職場や地域社会において多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力であり、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されます。実はこの社会人基礎力は、多くの企業における「求める人物像」と一致するものが多数あります。以下の表の中で自分の強みとなりうる能力がある場合は、それを自己PRの際に具体的なエピソードを交えて話せるとポイントとしては高いでしょう。

社会人基礎力

分類能力要素内容
前に踏み出す力(アクション)
実社会の仕事において、答えは1つに決まっておらず、試行錯誤しながら、失敗を恐れず、自ら、一歩前に踏み出す行動が求められる。失敗しても、他者と協力しながら、粘り強く取り組むことが求められる。
主体性物事に進んで取り組む力
例)指示を待つのではなく、自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む。
働きかけ力他人に働きかけ巻き込む力
例)「やろうじゃないか」と呼びかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく。
実行力目的を設定し確実に行動する力
例)言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組む。
考え抜く力(シンキング)
物事を改善していくためには、常に問題意識を持ち課題を発見することが求められる。その上で、その課題を解決するための方法やプロセスについて十分に納得いくまで考え抜くことが必要である。
課題発見力現状を分析し目的や課題を明らかにする力
例)目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。
計画力課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
例)課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものは何か」を検討し、それに向けた準備をする。
創造力新しい価値を生み出す力
例)既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考える。
チームで働く力(チームワーク)
職場や地域社会等では、仕事の専門化や細分化が進展しており、個人として、また組織としての付加価値をつくり出すためには、多様な人との協働が求められる。自分の意見を的確に伝え、意見や立場の異なるメンバーも尊重した上で、目標に向けともに協力することが必要である。
発信力自分の意見を分かりやすく伝える力
例)自分の意見を分かりやすく整理した上で、相手に理解してもらうように的確に伝える。
傾聴力相手の意見を丁寧に聴く力
例)相手が話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問するなど相手の意見を引き出す。
柔軟性意見の違いや立場の違いを理解する力
例)自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する。
情況把握力自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
例)チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する。
規律性社会のルールや人との約束を守る力
例)状況に応じて、社会のルールに則って自らの発言や行動を適切に律する。
ストレスコン
トロール力
ストレスの発生源に対応する力
例)ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブにとらえて肩の力を抜いて対応する。
参照元:経済産業省HP「人生100年時代の社会人基礎力」

企業の求める人物像の表現は、しばしば社会人基礎力の中に出てくる表現に似ています。それは、今の企業の求める人物像が、行動特性を中心に検討されている(=自社において優れた成果を上げる人に共通する行動特性をもつ人を求めている)ことにほかなりません。

企業の採用活動で一般的に、意欲が高い、まじめといったことよりも、行動特性に重きが置かれる傾向があるのは、「個人がもつ行動原理やその背景となる考え方が成果の創出に直結する」といった経営学上の研究が浸透しているからです。よく面接の際に「学生生活で力を入れたこと(ガクチカ)」を質問されると聞いたことがあるかもしれません。企業は「学生生活においてどういう行動をとってきたか」を確認したいのです。その理由がこれで理解できるでしょう。

企業が求める人物像を理解した上での面接対策のポイント

企業が求める人物像を設定する理由には、応募者の絞り込みや企業とのマッチング度を測る目的があります。ではそれを理解した上で、どのような点を意識して面接に臨めば面接の突破率をあげられるのでしょうか。以下のポイントを押さえて対策しましょう。

①企業研究の徹底:
企業が求める人物像を理解したら、その上で会社が目指すビジョンや理念などの深掘りを行い、入社後に自身がどのようなことに挑戦していきたいかを言葉にしましょう。具体的に言語化することで、入社意欲の高さをアピールすることができます。たとえば、企業が「リーダーシップを発揮できる人材」を求めている場合、その具体的な意味や背景を理解することが重要です。

②求める人物像に基づく自己分析:
企業が求める人物像と自身の強みや経験が、どのように一致するか確認してみましょう。また前述した「社会人基礎力」に記載されている内容は多くの企業が求める力でもあります。自己PRの際は「企業が求める人物像」と「社会人基礎力」に合致する自身の強みは何か分析してみましょう。

③今後目指していきたいビジョンを描く:
企業側にとっても学生の将来のビジョンを知ることは、選考を進める上で大きなポイントとなります。その理由として、応募者と企業のマッチング度を測ったり、企業で長期的な活躍が期待できるかを確認したりすることが挙げられます。どれだけ志高く「グローバルで活躍する人材になる」と学生が考えていても、その企業が国内事業の拡大をビジョンに掲げている場合はマッチング度が低いということになります。企業の求める人物像を理解し、自分の目標やビジョンとマッチしているかを確認しましょう。

④具体的なエピソードに落とし込む:
企業と自分について深掘りをした後は、合致する内容に具体的なエピソードがないか考えてみましょう。たとえば企業が「問題解決力」を求めるのであれば「〇〇の問題を解決するのにがんばった」のような抽象的な言葉でまとめず、学生生活や課外活動においてどんな課題に対しどのようなアプローチで解決していったのか、またその経験は今後どのように生かしていけそうかなど、企業が求める人物像と一致する点について具体的に話せるようにしましょう。

より具体的なイメージを持つため、以下のような企業を志望する際にどのような文章に落とし込めばよいのか一例を紹介します。

▼例:〇〇社を志望するAさんの自己PR
企業側:グローバルな事業発展を行うIT企業〇〇社

企業が求める人物像:主体的に学び、チームを大切にできる人材

学生側:大学時代に国際交流団体にて活動していたAさん

Aさんのビジョン:グローバルに活躍できる人材になりたい

▼例:〇〇社を志望するAさんの自己PR
私は国際交流団体に所属しておりました。国際交流イベントを企画する際に、異なる文化やバックグラウンドをもつメンバーとの考えや文化の違いから意見がまとまらないことがありました。このような課題に対し、私は定期的なミーティングを提案し、メンバー全員が参加しやすい環境を整えました。また、意見が食い違う時もメンバー全員の意志を尊重しながら議論を進めることを意識しました。その結果、全員が満足する形でイベントを開催し、前年より参加者を120%増加させることができました。私はこの経験からチームワーク力と主体性を学びました。今後はこのスキルをさらに磨き、将来は〇〇社において、グローバルな環境でチームをリードし、リーダーシップを発揮できるような人材になりたいと考えております。

※こちらは参考例です。志望する会社や自身にあてはめて考えてみましょう。



■企業が求める人物像と自分の強みが合致しない場合

もし志望先の企業の求める人物像に自身の強みが合致しない場合は、インターンシップ・キャリアへの参加がおすすめです。インターンシップ・キャリアは実際の職業体験や教育プログラムを通じて、業界・企業分析や自分に合う仕事などに関する理解を深めることができます。企業が設定する求める人物像の真意を読み解くと、入社前に備わっていてほしい力であることがわかります。そのため志望企業の求める人物像に近づくために、インターンシップ・キャリアに参加し、そのプログラムから強みを得ることも就活においては有効です。数日から半日のプログラムも多くありますので、ぜひ参加してみましょう。

またキャリタスのインターンシップ・キャリアのプログラム詳細画面から参加することで身につく力を知ることができますのでこの部分もぜひ参考にしてみましょう。

まとめ

企業が求める人物像を理解することは、新卒の面接を突破するための重要なステップです。本記事で紹介したように企業研究や自己分析を行い、自分の強みや経験をどのようにその企業で生かしていきたいか、具体的なエピソードで示すことが大切です。企業が求める人物像に一つでも当てはまらないと不採用になるといったことはありませんが、過去の経験から本当に自身に当てはまらないのかを考えてみることで、知らなかった自分が見つかるかもしれません。

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