【テンプレートつき】自分史の書き方・作り方!就活に生かす方法もご紹介
自己分析公開日:2025.05.28

就活で使われる「自分史」は自己分析の手法の1つで、自分の歴史を振り返り、深掘りするものです。この記事では、「自分史の書き方がわからない」「どのように活用すればよいのか悩んでいる」といった方に向けて、書き方のステップや活用方法をわかりやすく解説します。テンプレートもご用意しているので、自分史を作成する際にぜひご活用ください。
自分史とは?
自分史とは、自分の人生を振り返り、過去の出来事を年表のように整理して書き出す自己分析の方法です。子どものころから現在に至るまでの印象深い経験を洗い出すことで、自分自身の考え方や価値観を客観的に見つめ直せます。
就活の自己分析において自分史を作ることで、自己理解が深まり企業選びやESの作成、面接準備にも役立ちます。以下で、自分史を作成するメリットを具体的に解説していきます。
就活で自分史を作成する3つのメリット
自分史が就活にどのように役立つのか、イメージできていない方もいるのではないでしょうか。ここでは、就活における自分史作成の3つのメリットを紹介します。
■過去の出来事を思い出しエピソードを整理できる
自分史を作成する際、過去の出来事を具体的に思い出して整理します。子どものころから現在に至るまでの出来事を時系列で書き出すことで、これまでの経験がどのように自分を形成してきたかを客観的に考えられるでしょう。
ぼんやりとした記憶も書き出すことで鮮明になり、出来事を整理できます。自分の経験を言語化しておけば、面接などで話すエピソードに説得力をもたせることが可能です。
■自分のことをより深く理解できる
自分史を作成することで、自分自身をより深く理解できます。過去の出来事や経験を振り返る過程で、自分がどのような価値観をもち、どんなときに力を発揮するのかといった特徴が見えてきます。
特に強み・弱み・価値観などを言語化できれば、企業選びの軸も明確になり、入社後のミスマッチ防止にもつながるでしょう。
■就活の軸が定まり就活が効率的に行える
自分史を作成することで自分の価値観や目指す方向性が明確になり、就活の軸を定めることができます。軸がはっきりすることで、志望する業界・職種・企業を効率よく絞り込めるようになり、それ以降の自己分析と企業研究の精度も高まります。その結果、エントリーシート(ES)の作成や面接対策もスムーズに進められ、就活全体がより効果的に進行するでしょう。

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自分史の書き方の5ステップ
1.テンプレートを準備する
2.人生で印象的だった出来事などを時系列に沿って書く
3.その出来事を選んだ理由やそのときの感情を書く
4.出来事から学んだことを書く
5.過去の経験から共通点を見つけ、自分の特徴を見つける
自分史のメリットが理解できたところで、実際に自分史をどのように書けばよいか確認していきましょう。ここでは、初めての方でも取り組みやすいように自分史の書き方を5つのステップに分けて紹介します。
■1.テンプレートを準備する
自分史を作成する際は、テンプレートを活用すると効率よく進められます。まずは幼児期、小学校、中学校、高校、大学といったように時期ごとに区切り、それぞれの期間にあった出来事や印象的な体験を書いていくための欄を作成します。時系列で整理することで、人生の流れや成長の過程が見えやすいでしょう。
『キャリタス就活』が用意している自分史のテンプレートは以下です。ぜひご活用ください。

このテンプレートは自分史作成のたたき台として活用しつつ、必要に応じて項目を追加してみましょう。たとえば「出来事から学んだこと」や「各時期の自分にタイトルをつける」といった欄を設けることで、より深い自己理解につながります。
■2.人生で印象的だった出来事などを時系列に沿って書く
次に、作成したテンプレートの項目に沿って、幼少期から現在までを記入していきましょう。過去の経験を時系列順に整理することで、自分の成長や価値観の変化が見えてきます。以下に自分史の記入例を紹介しますので参考にしてください。

出来事を書き出す際は、学業、部活動、アルバイト、インターンシップなどさまざまな場面での経験を洗い出すことがポイントです。すべての時期を均等に埋める必要はなく、思い出せる範囲で、できるだけ多く書き出しましょう。
自分史で書き出す出来事等の例
・幼いころの家族との思い出
・小学校の学校行事や習い事
・中学・高校の部活動での役割や成果
・アルバイトやボランティア活動の経験
・努力や挫折した経験
■3.その出来事を選んだ理由やそのときの感情を書く
次に、書き出した出来事について、選んだ理由や当時の感情を詳しく書きましょう。なぜその出来事が記憶に残っているのか、どんな感情を抱いたのかを振り返ることで、自分の価値観や考え方を見つけやすくなります。達成感や喜び、挫折感、悔しさなど、具体的な感情に注目して書くことが大切です。

出来事を選んだ理由やそのときの感情の例
・小学校の運動会でリレー選手に選ばれて、初めて責任感を感じた
・中学生のとき生徒会長に立候補した、自分自身への期待と不安が入り混じっていた
・高校の文化祭で出し物の企画を行い、チームで目標を達成する素晴らしさを実感した
・ボランティア活動で地域貢献を行い、感謝される喜びと成長を感じた
・大学受験で第一志望に合格できず、悲しみと精一杯取り組めなかった後悔を感じた
■4.出来事から学んだことを書く
次に、その出来事から何を学びどう成長したのかを具体的に書きましょう。体験から得た自信や、失敗から学んだ教訓を整理することで、自己成長のための行動指針を見つけられます。自身の行動指針を明確にできていれば、説得力のある自己PRを作成する際にも役立つでしょう。
出来事から学んだことの例
・小学生のリレー選手に選ばれ、責任感をもって行動することの大切さを学んだ
・中学校のとき生徒会長に立候補し、勇気をもって挑戦することで自己成長につながることを実感した
・高校の文化祭の出し物を企画することで、1人ではできないことも協力すれば達成できることを学んだ
・ボランティア活動を通して、他者のために行動することで得られる充実感と社会貢献の大切さを学んだ
・大学受験に失敗して、努力の重要性と計画的な取り組みの大切さを実感した
■5.過去の経験から共通点を見つけ、自分の特徴を見つける
最後に自分史を見直し、過去の経験に共通するテーマや行動パターンを見つけることで、自分の特徴(強みや価値観など)を把握していきましょう。そこから導き出される特徴を整理すれば、自己PRや志望動機でも一貫性のあるアピールが可能です。
特徴は別の紙やフォルダにまとめておくと整理しやすくなるためおすすめです。
過去の経験から共通点を見つけ、自分の特徴を見つけることの例
・高校の部活動では副部長を、大学のサークルでは副代表を務めてやりがいを感じられた経験から、自分はリーダーの補佐をすることに向いていると実感した
・大学時代ボランティア活動で活動領域を広げる提案をしたり、アルバイトで売上を上げるために業務の改善を提案した経験から、自分には自発性があると実感した
・高校の部活動をいろんな部に体験入部をして決めたり、志望大学をたくさんの大学のオープンキャンパスに行って決めた経験から、自分は慎重な性格であると実感した
・大学時代に、世界情勢に興味をもっていろんな国を回ったり、アルバイトもカフェや塾講師、コンビニなどさまざまな分野を経験したことから、自分は好奇心旺盛であると実感した
・高校時代の学園祭で出し物をしたり、大学時代に趣味のバンド活動でさまざまなライブに出演した経験から、人前に立つことが好きであると実感した

キャリアアドバイザーからの一言
自分史を整理する際は、「ラインチャート(モチベーショングラフ)」と呼ばれる、年齢を横軸・モチベーションの高低を縦軸に示したグラフを作成するのもおすすめです。自分のモチベーションの変化を視覚的に捉えて分析することができ、自分の価値観を客観的に理解しやすくなるでしょう。
自分史の作り方のポイント

自分自身をしっかりと深掘りするためには、いくつかのポイントがあります。以下で、就活に効果的な自分史を作るためのポイントを5つご紹介します。
■飾らずに事実をそのまま書く
自分史を作成する際は、飾らずに事実をそのまま書くことが大切です。過去の出来事を美化したり誇張したりせずありのままの自分を見つめることで、失敗から得た学びにも気づくことができます。結果として自分の強みや弱みを客観的に把握でき、より正確に自分を理解することが可能です。
■思い出せる限りなるべく多く書く
自分史を作成する際は、思い出せる限り多くの出来事を書き出すことがポイントです。些細なことでも詳細に振り返れば、人生の中で重要な瞬間や影響を受けた出来事だったと気づく場合があります。書く前に内容を選別せず、まずは頭に浮かんだことをすべて書き出してみましょう。
■なぜはじめたか、やめたかを振り返る
自分史を作成する際は、自分の活動を「なぜはじめたか」「なぜやめたか」を振り返ることが大切です。また、終わった活動だけでなく、続けている活動がある場合も同様に「なぜ続けているのか」を考えてみましょう。はじめた動機ややめた理由、続けられている要因を思い返すことで自分の価値観や目的意識が明確になります。
たとえば、部活動をやめた場合には、「学業との両立が難しくなった」「人間関係の中で自分に合わないと感じた」など、そのときにどのような選択をしたのか、具体的な理由を書き出してみましょう。
このように、自分がどのような基準で行動を選んでいるのかを可視化することで、企業選びや将来のビジョンにも一貫性をもたせやすくなります。
■自分史を書くこと自体よりも、分析に重きを置く
自分史を書く際は、完成させることよりも内容を分析することに重きを置くのが大切です。自分史の目的は、過去の出来事から自分の価値観や強み、成長のきっかけを見つけ、就活に生かせる自己理解を深めることにあります。
出来事を書き出すだけで満足せず、「なぜそう感じたのか」「何を学んだのか」などを掘り下げて考えることが重要です。自分史を分析して、自己理解を深めることが目的であることを意識して作成しましょう。
■自分史を書いたら周りの人にも意見を聞いてみる
自分史を書き終えたら、家族や友人など信頼できる人に読んでもらうとよいでしょう。自分では気づけなかった視点や改善点が見つかり、より客観的な自己分析につながります。特に就活に生かす場合は、自分史に他者の意見を取り入れることで、自分の言葉に説得力が増し、面接やESで魅力をより効果的に伝えやすくなります。
ただし、他者の意見はあくまで1つの視点であり、自分自身の考えや感じたことを大切にすることも忘れないようにしましょう。
就活で自分史を生かす方法

作成した自分史は、どのように就活に生かせばよいのでしょうか。ここでは、自分史の効果的な活用方法について紹介します。
■就活の軸を決めるのに生かす
自分史を活用することで、就活の軸を明確にできます。過去の経験を振り返ると、自分がどのような環境で力を発揮できるのかが見えてきます。また、自分のモチベーションが変化した要因を把握できれば、自分が何をやりがいと感じるかを理解できるでしょう。
たとえば、他人と協力しながら成果を上げた経験が多ければ、チームワークを重視する企業との相性がよい可能性があります。こうした視点を基に企業を選ぶことで、入社後のミスマッチを防ぎ、自分らしく活躍できる職場を見つけやすくなるでしょう。

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■自己PRの作成に生かす
自分史は、自己PRを作成する際にも非常に役立ちます。自分史を通じて過去の経験を振り返ることで、面接やESでは強みを裏付けるエピソードを盛り込めるようになり、自己PRの具体性が増して説得力が高まります。
たとえば、成功体験を振り返り身につけたスキルや価値観を整理することで、仕事でどのように生かすか具体的にアピールができるようになるでしょう。
■志望動機の作成に生かす
自分史は、志望動機を作成する際にも有効です。自分史を通じて過去の経験を振り返ることで、企業の理念や企業が求める人物像と自分の価値観を結びつけた志望動機を作成できます。
たとえば、自分がどのような環境で成長できたか、どのような課題に対して情熱をもって取り組んできたかなどの具体的なエピソードは、魅力的な志望動機を作成するために不可欠です。
このように、自分史を企業に対する熱意やマッチ度の高さをアピールするのに有効活用しましょう。

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■面接準備に生かす
自分史を通じて自身の経験を整理しておくことで、面接準備にも活用できます。前述した自己PRや志望動機はもちろん、そのほか面接でよく聞かれる質問にも具体的に答えられるようになります。
たとえば、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を質問されたときでも、自分史を基にエピソードを整理していれば、説得力のある回答が可能です。
これから面接に臨む方はもちろん、一次面接でうまく答えられなかったという方も、具体的なエピソードを用意しておくことで自信をもって受け答えできるようになるでしょう。
自分史に関するよくある質問
■Q.自分史に書くエピソードの選び方は?
A.自分史に書くエピソードは、感情の動きや価値観に影響を与えた体験を基準に選びましょう。「やりがいを感じた」「挫折を味わった」など、心の変化を感じた出来事を選ぶと、より自分らしい自分史が作れます。
■Q.昔の出来事が思い出せない場合は自分史に何を書けばよい?
A.昔の出来事が思い出せない場合は、部活や行事などのテーマごとに振り返ってみましょう。マインドマップのようにテーマを設定して連想すると、記憶がよみがえることがあります。思い出せないときは家族や友人に聞いてみるのもおすすめです。
■Q.自分史は就活のいつの段階でするのがいい?
A.自分史を使った自己分析は、就活の事前準備として行うのが理想的です。具体的には、3年生の夏のインターンシップ・キャリア選考に間に合うように、3年生の春までを目安にはじめておくと就活をスムーズに進められます。
■Q.自分史にはいやな思い出も書くべき?
A.自分史を作成する際、いやな思い出も含めることで自己理解が深まります。過去のネガティブな経験を振り返ることで、どうやって乗り越えたのか、何を学んだのかが明確になるケースがあります。そうした振り返りは、単なる失敗談ではなく、困難を乗り越えたエピソードとして自分の強みを伝える材料になります。
深掘りした自分史を作成し、就活に有効活用しよう!
自分史の作成は、就活をスムーズに進めるために有効な自己分析の方法です。自分史を作成する際に重要なのは、過去の事実を書き出して終わるのではなく、書き出した出来事をしっかり分析し、自身がどのように形成されたかを振り返ることです。自分史を活用して自分自身を徹底的に深掘りすることで、就活のあらゆる場面で生かすことができます。ぜひ実践してみてください。
『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。

PROFILE
キャリタス就活編集部
『本音をきく、本気でこたえる。』をテーマに、就職活動・就活準備をがんばる皆さんに向け、インターンシップ・キャリア情報やES・面接対策など、さまざまなシーンに役立つ情報をお届けしています。「面接がうまくいかない」、「そもそも就活って何からはじめるべき」など、皆さんの本音に寄り添った記事を配信しておりますので、ぜひこの機会にご活用ください。