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ずばり人事の本音を聞いてみた「夏のインターンシップ等の選考に落ちました。本採用選考を受けてもまた落ちますか?」──第2回:アイリスオーヤマ株式会社

体験談・インタビュー

公開日:2023.10.03

就活準備を進める上で、大きな要素となっているのが夏のインターンシップ等。これらに参加する際、応募後に選考が設けられている場合もあります。「選考に落ちてしまった場合、本採用選考に応募してもよいのか?」──そんな疑問や心配を持つ方も多いでしょう。そこで今回の「ずばり人事の本音を聞いてみた」では、アイリスオーヤマ株式会社 人事部の岩川弘樹氏に、普段なかなか聞きづらいことや、インターンシップ等から本選考までに準備しておくことなどについてお聞きしました。

インターンシップ等に落ちても本採用はエントリー可能

──はじめに、御社について教えてください。

家庭用品から家電など、生活に密着した商品を製造販売していますが、一言で言い表すと「お客様の困り事を解決する会社」です。B to C分野では、ユーザーの視点で日常生活で発生する不満や不便を解消して、快適な暮らしを提案します。B to B分野では企業様の抱える課題をアイデアで解決するのが使命です。

──ずばりお聞きしたいのですが、夏のインターンシップ等で落選してしまった学生は、その後の本選考にも応募ができるのでしょうか。

インターンシップ等に向けた説明会でも学生の方によく聞かれますが、もちろん可能です。本選考で落ちるとは限りません。インターンシップ等に出てくださった学生の方が、必然的に企業理解の幅も広くなりますから、本選考を通過する確率は上がります。ただ、それが絶対的な条件ではないので、熱意を持ってエントリーしてくださる方は大歓迎です。

──インターンシップ等の選考と採用の選考では、それぞれどんな点を見ていますか。

インターンシップ等は、意欲的に企業研究をしたい方に来ていただきたいので、選考では「前向きで積極的に私たちのことを調べてきてくれたか」を見ていて、多くの方が参加できるようにしています。本選考になると、これまでどんなことをがんばってきたか、今後はどうしていきたいか、そしてアイリスオーヤマという企業に入ることで自身の人柄とどんなシナジー効果が生まれるかを細かく見ています。学生の皆さんも同じで、「自分がやりたいことはこの会社でできるか」ということを考えて選考に臨まれているのだと思います。

就活生の「成長したな」と思えるポイント

──インターンシップ等のエントリーシートをご覧になってどんな感想をお持ちですか。

夏のインターンシップ等の時期はまだ面接やグループワークに慣れていない方も多いと思います。この段階では、自己分析や自己PRはまだ十分にブラッシュアップされていないかもしれません。しかしたとえエントリーシートの文章が練り上げられていなくても、参加したい意思が文面から伝わってくれば高く評価させていただきます。

──夏のインターンシップ等の選考に落ちてしまった方は、秋冬のインターンシップ等に応募はできるでしょうか。

残念ながら夏に落ちた方は、当社では秋冬のインターンシップ等に応募できない決まりとなっています。しかし、キャリタス就活などの会社説明会や当社独自のイベントにはどんどん参加していただけます。そして、私たち人事部はその履歴も閲覧できるので、これまでの参加歴から志望度の高さを感じることもありますね。

──その方にも「気付き」のようなものがあるわけですね。

夏以降にとても努力して、本選考までに企業研究を深め、やりたいことを明確化してきたのを実感する場合も多くあります。インターンシップ等に落ちたことに屈せず、最後までやりきる強さのある方なんだなと、いい意味のギャップを感じます。当初の、就活慣れしておらず何をどうしていいかわからない状態から、自分の強みや苦手分野も把握できるようになってくる。長期間かけて本選考に向けた準備をしてくれたことには、やはり高い評価をさせていただいています。

本選考で有利に働く要素とは

──本選考に臨むのに際し、どんな準備をしたらいいのでしょう。

自分自身が取り組んできたこと1回1回を振り返ることが大事だと考えています。私の学生時代の経験ですと、自信があったのに落ちてしまったのはなぜか、手応えがなかったのに次の選考に進めたのはなぜかを、面接やエントリーシートを選考の結果と比較して振り返って分析していました。本選考に向けての準備期間で、これが一番の糧になるのではないでしょうか。インターンシップ等を経験した方、経験しなかった方に共通することだと思います。

──企業研究についてはいかがでしょうか。

客観的に見ることがとても大事です。その企業だけではなく、業界全体はどうか。業界の中で見たときの位置付けはどうか。どんな強みがあるか、逆に弱みは何か。そういったデメリットやネガティブな点を自分ならどうやって解消するか…。いろいろな角度からその企業を見ていくことが、本選考までに進めておくとよい点です。当社はいろいろな業界で事業を展開していますので、それぞれを比較することが重要です。当社のサイトには企業研究のための1本10分程度のショート動画を何本も掲載していますので、それを視聴するのも有効な対策かと思います。それに加え、入社後に自分の強みをどう発揮できるかを話せる方であれば、なおのこといいのではと思っています。

──過去、インターンシップ等に落ちて本選考で合格したケースについて教えてください。

もともとその方は企業理解はできていたのですが、それを言語化するのが苦手だったようです。まだ慣れていなかったこともあり面接でも極度に緊張して、インターンシップには参加できませんでした。しかしその後、いろいろな企業を見たり自己分析を深めたりしていく中で苦手を克服。当初からできていた企業研究にも磨きがかかっていて、「自分はこんなことがしたい」と堂々と話すことができるようになっていました。本選考の面接で再び会ったときは、まるで別人のような印象を受けたものです。

自己分析は毎日やる。だからESも変わっていい

──インターンシップ等の選考と本選考で、ガクチカや自己PR、就活の軸が変わっていても問題はないでしょうか。

そういうことはよくありますし、まったく問題はありません。自己分析は常日ごろから、できれば毎日やっておくべきだと思います。それを実行すると、就活を始めた頃に比べ半年後ではより磨きがかかってきます。自分がどんな人間でどんなことをしたいかということの解像度が高くなってくるので、ガクチカや自己PRは変わって当然です。時間と労力をかけてやってくれた結果変わっていった内容であれば、「こちらがあなたの本当の強みですね」と評価させていただきます。

──自分がやりたいことが変わっていってもいいわけですね。

例えば昨日まではメディア系の仕事をやってみたいと思っていても、今日自己分析してみて、自分はこういう人柄ということがわかったから前に出て営業する方が向いているんじゃないかと。そう判断したのであれば、志望する業界や業態も変わってくると思います。自己分析の繰り返しはしっかりした志望動機や目的につながりますし、自分自身も変わっていきます。夏に行ったインターンシップ等の受入先は、思っていたのと違っていた。では就職先としてはどこに行ってみたいか…そうやって、はじめとは異なる選択肢も出てきて当然だと思います。

アイリスオーヤマが求める3つの人物像とは

──本選考の面接で重視しているポイントは何でしょうか。

当社では求める人物像を3つ掲げています。「主体性」「成長意欲」「目標達成意欲」です。これらの言葉から取れるようにとても前向きな方を求めていて、面接で見るポイントも同様になります。これまで当社は時代と共に変化してきました。特に直近はコロナ禍でも過去最高の売上額を出せています。その背景には積極的なチャレンジという会社の姿勢があります。そこにマッチする、もしくは会社に入って人としても成長できることが重要なのではと感じています。そして私自身はそれに加え「素直さ」も重視しています。

──岩川さんご自身はどうでしたか?

さっき掲げた3つの人物像すべてに当てはまってはいませんでしたが、目的達成意欲では「こんな目標を達成するためにこんなことをしてきました」とか、成長意欲に関しては「私はこういう人間で、こんな意欲でこうがんばりました」など、自分がどう表現してきたかを伝えるよう意識していました。学生の皆さんも、それぞれに向けてどんなことをしてきたか、していきたいかを言語化できていれば、3つ揃っていなくても問題はないと思います。

──最後に、人事担当者目線のアドバイスはありますか。

就活の段階によってすべきことは異なりますが、業界研究・企業研究はずっと続けるべきだと思います。それから、本選考の面接で当社についてどう思うかの質問をすると、いいところをいろいろと挙げてくださる方もいます。しかし面接官が聞きたいのは、あくまでもその方の本音です。特に同じ業界に数ある企業の中でなぜ当社を選んだか、他社と比較してどうなのか、その確固たる理由を話せるようになっていることが大切だと感じますね。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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