あなたの可能性が広がる!?今注目の「デザイン思考テスト」開発会社社長にインタビュー

体験談・インタビュー

公開日:2023.05.09

ここ最近、「デザイン思考」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。何となく新しい概念だということはわかるけれど、実際は何だろうと思っていませんか。実はこの考え方は社会を、人間を、劇的に変えてくれる可能性を持っている思考方法なのです。そしてデザイン思考力を測定できる「デザイン思考テスト」が多くの企業の選考に導入され始めています。その対策として、キャリタス就活でもトライアル受検が可能となっています。デザイン思考とは?なぜ今求められるの?仕事や社会をどう変えるの?デザイン思考テストを開発したVISITSTechnologiesの代表松本勝氏にうかがいました。

Profile
松本 勝(まつもと まさる)
東京大学大学院工学系研究科修了後、ゴールドマン・サックスに入社。株式トレーダー、金利デリバティブトレーダー等を経て人工知能を用いた投資ファンドを設立したのち、2014年VISITS Technologies設立。AI時代にこそ人間にとって重要な「創造力」にいち早く着目し、不可能と言われていた意見やアイデアの価値を数値化する合意形成アルゴリズム「CI(コンセンサス・インテリジェンス)技術」を開発し、日米で特許を取得。意思決定をDXする「VISITS forms」、創造力測定・育成ツール「DXクラウド(デザイン思考テスト)」などを展開し、企業や行政、教育機関のイノベーション・DX支援を行っている。

デザイナーの考え方をビジネスに応用

──はじめに、そもそも「デザイン思考」とは何でしょう?

松本:文字通り、デザイナーの考え方をビジネスに活用した思考法です。デザイナーの考え方とは、まず理想の状態とは何かを先にイメージして、それを実現するためのデザインを創り出していく思考方法です。

よく創造的問題解決の方法と言われますが、デザイン思考は“理想からの逆算”ということがポイントです。通常の問題解決は先に困り事や課題があって、それを解決するソリューションがメインですが、デザイン思考では潜在的な課題やニーズをベースにしています。

例えば、Apple社のiPhone。いわゆるガラケーをみんなが使っていた時代、スティーブ・ジョブズは「パソコンのような機能が付いた大画面の電話があればもっと生活が変わるよ」とイメージしてiPhoneを生み出しました。当時はスマートフォンがなくても、誰も困らなかった。でも、隠れている欲求やニーズを掘り起こして、それに気付かせてくれたのです。「こういうのがあったらいいよね」というイメージができたのがジョブズだったんですね。

──もともとアメリカで生まれた考え方なのですね。

松本:デザイン思考そのものは昔からありましたが、これをビジネスに転用したのがスタンフォード大学のデビッド・ケリーで、デザインコンサルタント会社「IDEO」を設立した人でもあります。同じくスタンフォード大学の「dスクール」が提唱している、5つのプロセス(共感・問題定義・創造・プロトタイプ・テスト)を経てデザイン思考を実践するという考え方です。

なぜ共感から始めるかというと、顧客自身が課題を言語化できないので、聞いても出てこないからです。なので、顧客の立場になって、自分ならこういうものがほしいと、問題を定義すること。そのためには顧客に「憑依」して徹底的になりきって考えます。日本でもよく「顧客志向」と言われますが、それとは深さが全く違います。

その人の背景とか気持ちの変化まで掘り下げていって、徹底的に理解して、こういうニーズが隠れているのではと考えます。第三者へのインタビューの他、自分で体験してみてもいいでしょう。例えば新しい車いすを作ろうと思ったとき、実際に車いすで1週間生活してみれば、深い気付きが得られますよね。

顧客の潜在課題を「可視化」して探すために

──「デザイン思考テスト」で日米の特許を取っています。そもそもどのようなテストで、開発の背景は何でしょう。

松本:今、ChatGPT*などAIの存在が大きくクローズアップされています。AIに問いかければソリューションはほとんどできてしまう時代になりました。ただ、AIは問題提議が苦手ですし、人間が持っている欲求を持っていない。Facebookで「いいね!」をもらうと嬉しいということが理解できないのです。創造性がありませんから、そういった面は人間が補わなければなりません。

であれば、その創造性を測ることはできないかと思いました。デザイン思考が問題を発見してそれを解決していく力を指すのなら、割と定式化しやすいわけです。出てきたアイデアを表して、出した人の創造性を評価して算定する数式を開発し、日米で特許を取りました。それがデザイン思考テストです。現在、月間受検者数は20,000名を超え、大手コンサル、総合商社など300社以上に導入されています。

*ChatGPT:OpenAIが2022年11月に公開した人工知能のチャットシステム。人間のように自然な会話ができ、オリジナルのテキストを生成する。

──創造性は、どうやって評価されるものなのですか。

松本:Aというものがあり、通常それにはBというものを付けることになっているとします。バイアスがかかっていると、それ以外の要素を付けようとは思いません。しかし、それにCというものを付けてみたら全く違うものができちゃった。これが創造性なんです。

なので、そこにかかっているバイアスに気付き、パターンを外して別の物を結合させる。いろいろな要素を結合していくと「新結合」が生まれます。創造性というのは、パターンを外す力なのです。

そして、創造性は後天的な場合がほとんどです。本を読むとか旅行するとかして様々な価値観や考え方に触れることで、新しい発見や気付きをインプットする。それらを結合させる能力を鍛えることで創造力はより強くなります。そしてその成果を測りスコア化するのがデザイン思考テストに他なりません。

大学のキャリアセンターが着目している理由

──大学との関わりも増えていますね。

松本:IDEOのデザイン思考モデルに、我々独自のプログラムを加えて開発したモデルを使って、いろいろな大学で講義を開いています。

早稲田大学とはかなり以前から関わっています。2022年9月には、早稲田大学と慶應義塾大学合同のワークショップを開き、デザイン思考人材の育成プログラムを提供しました。

各大学のキャリアセンターで講演させていただくことも増え、教授から授業で使いたいというお問い合せも多くなっています。実際、デザイン思考のプログラムはいろいろな大学の授業に取り入れられているようですね。

──デザイン思考という考えが浸透してきたのはなぜでしょう。

松本:日本では従来「ロジカルシンキング」という、因果関係を解き明かして正しい解を導き出す考え方が主流でした。でも海外ではもともとデザイン思考をベースにしてきたんです。GAFA*では社員研修にデザイン思考が入っています。日本企業がロジカルシンキングで例えば社内会議用資料を完璧に作るのを目指すのに対し、デザイン思考はそんなものメモ書きで済ませて、顧客が何を考えているかに目を向け、ニーズ掘り起こしに時間と労力を割きます。日本企業が大きく差が付いてしまったのは、こういうところからだと思います。

市場が生まれるのは人々が利用するから。なぜ利用するかというと、人の心が動くから。そのサービスの世界観や利便性に感動するからです。デザイン思考はこういう考えで作られています。日本では5年くらい前から経営陣がそれに気付いています。でも、その頃の人事部はイノベーションを起こす人材よりイエスマンの方を好んでいました。ようやく転換してきたようですね。

*GAFA:アメリカの大手IT企業「Google」「Apple」「Facebook」(現Meta)「Amazon」の頭文字を取ったもの。情報はじめ生活基盤にまで大きな影響力を与えている。

学業、仕事、そして個人の魅力まで高める可能性

──デザイン思考が大学や企業に浸透するとどんなことが起こると思いますか。

松本:先ほども言ったように、人の気持ちをデザインすると人の動きと市場が生まれます。そうなると、コンサルファームなどがSWOT分析*などで業界の位置付けをしてくれるようになります。ロジカルシンキングではない方向性の市場ですね。

日本人は、2から3へ持っていくのは得意なのですが、0から1をなかなか生み出せずに来ました。デザイン思考では、既存の要素と組み合わせる場合もありますが、思ってもみなかったものと結合することで新しいものを創り出すことが可能です。DX*のXはトランスフォーメーションで、リデザインすること。つまりユーザー体験を通じて新しい価値を提供できます。Xにはデザイン思考がもともと含まれているわけです。

また、SDGsにもデザイン思考が非常に重要です。17の目標つまり問題があり、問題定義を経て創造に結び付けていく。イノベーションも合わせ、こういった概念にはデザイン思考という共通項があります。

*SWOT(スウォット)分析:企業の現状分析に使うフレームワーク。強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字を取ったもので、この4要素を使って分析を行う。
*DX:デジタルトランスフォーメーションの略。デジタル技術でビジネスプロセスや人々の暮らしをより良いものに変革すること。

──仕事や日常生活での変化は起きるでしょうか。

松本:深く観察して、その人の求めているものを提供するわけですから、「この人はいつも私の気持ちをわかってくれる」と喜ばれますよね。つまり、モテる(笑)。会社の中でも、上司が困っているのであればそのボールを拾うように「これこっちでやっておきますから」とフォローすれば相当出世しますよ。部下でも友人でも家族でも、気付いて先回りしてソリューションを提示する力は、とても重要です。

最近はSNSで自分を「盛って」共感を稼ごうとする人が増えてきましたが、一貫したビジョンが示せなければすぐにめっきが剥がれます。ブレたり取り繕ったりしても見ている人はちゃんと気づくものです。企業であればビジョン、ミッション、バリューをきちんと策定して、その世界観への共感を図るべきでしょうね。

また、多数決で決めたアイデアはたいてい凡庸で面白くありません。多くの人が達成できなかった真実を見つけに行くことがイノベーションです。実はそれをデザイン思考テストでどう評価するかが、だいぶ苦労したところです。

「デザイン思考テスト」は就活での価値観を変える

──企業が採用やインターンシップ等でデザイン思考を評価項目に入れることはありますか。

松本:数年前から、DXやSDGsに取り組む姿勢を中期経営計画やIR*などの資料に載せている企業が増えています。つまり、それに適したデザイン思考を備えた人材を採用しなければなりません。基本的に偏差値の高い人というのは、ロジカルシンキングが得意です。それを偏重してきたのが日本の凋落につながりました。

ところが、デザイン思考と偏差値や学歴には相関関係がありません。偏差値が高くない人でも、すごく頭の回転が速くて相手のニーズをすぐにわかるということもありますよね。地頭がいいわけですね、たまたま入試が苦手だっただけで。

私たちは企業にデザイン思考に即した質問を提案しているケースもありますが、面接官が目利きであることが前提で、そういった人は多くありません。だからエントリーシートに「デザイン思考テストのスコアが上位1%」「SSランク」とあれば、客観的な判断になるし、会ってみようということになりますよね。一発逆転になるかもしれない。ある意味、評価軸が変わります。

*IR:「Investor Relations」の略。企業が株主や投資家に対し、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供していく活動全般を指す。

──デザイン思考、デザイン思考テストはさらに浸透していくでしょうか。

松本:デザイン思考テストを開発し始めた10年ほど前、「創造性が必要」と言ったって誰も聞いてくれませんでした。でも3年くらい前から潮目が変わり、やっと世間の認知が追いついたなと思います。人に求められる価値がパラダイムシフトしていて、デザイン思考力を持っている人を採用したり育てていったりして、その重要性に気付いていただく。中小企業ではまだそこまで浸透していないかもしれませんが、逆に学生がデザイン思考テストのスコアを見せたりしてアピールしていくと「そうなのか」と知ってもらえるでしょう。

AIはめざましく進化していますが、デザイン思考はAIの苦手な創造力を補完していくものです。ソリューションの最終部分は膨大な事例をベースにしたAIが、その上流である問題定義などの思考力はデザイン思考を鍛えた人間が受け持つことになっていくのだと思います。街へ出て、観察して憑依するようになりきって、コミュニケーションを取って、仮説を立ててください。答え合わせを繰り返して、人の気持ちやニーズを創造する癖を付けていけば、デザイン思考はどんどん鍛えられます。

いかがでしたか?「デザイン思考」。振り返ると、それに沿った考え方をしている時もありますよね。数値化することで、意識的にデザイン思考を伸ばすことができます。キャリタス就活では「デザイン思考テスト 1万人トライアルキャンペーン」を実施中。就活で新たな自己PRにもなるデザイン思考テストが無料で受けられるチャンスです。

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PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

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