面接の自己PRで好印象を残すコツとは?例文8選や伝え方のコツも解説
就活ノウハウ公開日:2025.11.05
この記事でわかること
- 自己PRとは、単なる自己紹介とは異なり、企業に対し自分の強みをアピールするもの
- 面接官は自己PRで、応募者の人物像やスキル、熱意などを見ている
- 企業が求める人物像を把握した上で、客観的な事実をアピールポイントに盛り込むことが重要
面接における自己PRは自身の強みを伝える絶好のチャンスです。しかし、どうすれば面接官に好印象を与えられるかと悩む就活生も多いのではないでしょうか。この記事では、相手に伝わる基本構成や、より魅力的な自己PRにするポイント、例文8選を紹介します。自己PRで自分を最大限アピールするために、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも自己PRとは?
自己PRとは、就活において自分の強みやスキルを企業にアピールすることです。単なる自己紹介とは異なり、過去の経験や実績を基に、能力を具体的に説明することが求められます。課題にどのように取り組んだのか、行動によってどのような成果につながったのかを具体的に示すことで、内容に説得力が生まれます。
加えて、自分らしさを軸に、企業が求める人物像とのマッチ度を伝えることが重要です。面接官は、過去の経験や実績から、学生さんが入社後に自社で活躍できそうかを判断しているため、自身の価値観や強みが志望企業で生かせることをアピールしましょう。
■自己PRと自己紹介の違い
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 自己PR | 自分の強みやスキルを具体的に伝える |
| 自己紹介 | 自分の基本情報(名前・学歴など)を簡潔に伝える |
自己PRと自己紹介は、面接で混同されがちですが、目的が大きく異なります。自己PRは、自分の強みやスキルを企業にアピールすることを目的とし、過去の経験や成果をふまえて説得力をもたせることが重要です。
一方、自己紹介は、面接の導入として名前や学歴、趣味などの基本情報を簡潔に伝える場です。
■自己PRと強みの違い
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 自己PR | 自分の経験や実績など具体的な裏付けを基に企業にアピールする |
| 強み | 自分の能力・性格・スキルの中で、強みや得意な点を伝える |
自己PRと強みは、似ているようで意味合いが異なります。自己PRは、自分の強みを具体的な経験やエピソードと結びつけて語り、企業にどのように貢献できるかをアピールするものです。
一方、強みでは「私は〇〇が得意です」「〇〇が強みです」といった自分の特性や能力を経験など具体例も交えながら端的に伝えます。
面接官が自己PRで見ていること
面接官は応募者の自己PRに対して何を重視しているのでしょうか。面接官が自己PRでチェックしているポイントについて紹介します。
■応募者の人物像・価値観
面接官は、自己PRを通じて応募者の人物像や価値観を理解しようとしています。スキルや経験だけでなく、課題に対しての具体的な行動とその結果から何を学んだのかを見ることで、組織の文化やチームにどのように溶け込めるかを重視しているためです。
企業は面接を通して、応募者が自社の文化やビジョンにどれだけマッチしているかを確認します。そのため、自分のキャリアビジョンと企業の方向性が一致していることを明確に伝えることが、面接官に好印象を与えるポイントです。
■応募者のスキル・能力
面接官は、応募者のスキルや能力が企業の求めるものと一致しているかを見極めています。特に、論理的思考力やコミュニケーション能力、課題解決力は、業務を円滑に進めるために欠かせません。企業は、これらの力を応募者の経験や具体的な行動から判断します。
さらに、自身の能力を業務で生かせるかも評価のポイントです。そのため、自分のスキルを具体的なエピソードとともに示し、企業への貢献につながることを伝えるとよいでしょう。
■応募者の入社意欲・自社とのマッチ度
面接官は自己PRの内容から応募者の入社意欲や自社とのマッチ度を評価します。また、これまでの経験やエピソードを通じて入社後にどのように貢献できるかも判断します。そのため企業で何を実現したいのか、どのようなことで貢献できるのか、目的意識を明確に語ることで、入社意欲やマッチ度が伝わる自己PRにしましょう。
面接の自己PRの基本構成
面接で自己PRをする際は、順序立ててわかりやすく伝えることが重要です。ここでは、面接官に伝わる自己PRの基本構成について解説します。
■結論:自分の強み
自己PRでは、冒頭に自分の強みを端的に伝えることが大切です。「行動力」のような抽象的な表現ではなく、「周囲を巻き込みながら物事を前に進める力」といった具体的な表現にすると、面接官に印象づけられます。強みを明確に伝えられると、次のエピソードへの理解が深まるでしょう。
■具体:強みを裏付けるエピソード
冒頭で強みを伝えたあとに、それを裏付ける具体的なエピソードを示しましょう。状況や課題に対してどのような行動を取り、どのような結果につながったかを簡潔に説明することで説得力が増します。
エピソードは、可能であれば大学時代の取り組みを中心に話しましょう。大学での経験など直近の経験は、より社会に近い環境で得た力として評価されやすいためです。また、グループでの取り組みであれば、自分の役割も伝えることで主体性を示せます。
大学で、自己PRとしてアピールできる特別な成果がない場合は?
大学で特別な成果がなくても、自己PRで話せる材料は十分にあります。
面接官が重視しているのは「結果」よりも「どう取り組んだか」「何を学んだか」です。たとえば、ゼミやアルバイトで困難に直面した際の工夫や、失敗から何を得たかを具体的に語ることが強みのアピールになります。
■展望:入社後のビジョンや意気込み
自己PRの最後に、自分の強みや特性が応募先の企業でどのように生かせるかを明確に伝えましょう。企業の事業内容や価値観に結びつけて語ることで、熱意や企業とのマッチ度をより具体的にアピールできます。
さらに、企業ごとに表現を変えることで、応募先とのマッチ度を示しやすくなるため、選考での印象をより高められるでしょう。
より魅力的な自己PRにするためのポイント
面接での自己PRをより魅力的にするためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。面接官に好印象を与える自己PRにするための具体的なポイントを紹介します。
■企業が求める人物像を把握する
面接官が魅力的に感じる自己PRを作るには、まず企業が求める人物像や職種に必要なスキルの理解が不可欠です。これらに合致する点を強調することで、マッチ度を効果的に示せます。
無理に企業に合わせる必要はありませんが、自己分析を徹底した上で業界研究・職種研究・企業研究を行い、自分の強みや特性と重なる部分を探すことが重要です。
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■客観的な数字や成果を盛り込む
自己PRでは、抽象的な内容や裏付けのないエピソードは、説得力に欠けます。客観的な数字や成果を盛り込むことで、自身のアピールに対する信頼性を高められます。たとえば「スコアを50点向上させた」や「学会で3回発表した」といった数値化された実績を用いれば、単なる自己評価ではなく客観性が加わり、さらにオリジナリティも出せます。
大事なのはプロセスや学びのため、成果の大きさにとらわれることなく、なるべく具体的に事実を伝えましょう。
■アピールポイントは1つに絞る
自己PRでは、アピールポイントを1つに絞ることも重要です。複数の強みを並べると、焦点がぼやけ、説得力が弱まります。たとえば「粘り強さ」と「協調性」の両方を同時に伝えようとすると、どちらの印象も薄くなりがちです。
限られた面接時間の中では「自分の価値がもっとも伝わるポイント」に集中して話すことで、面接官に強く印象を残すことができるでしょう。
【例文4選】強み別の自己PRの例文
自己PRで自分の強みをどう表現すればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。代表的な強み別の自己PRの例文を4つ紹介します。
■【自己PR例文①】協調性
協調性とは、自分の意見を主張するだけでなく、相手の考えを尊重しながら円滑に物事を進める力を指します。企業ではチームでの業務遂行や部署間の連携、顧客とのやり取りなど多くの場面で必要とされる重要な資質です。
私の強みは、チームで協力しながら成果を出す「協調性」です。
大学では、サークルのイベント運営を担当する中で、チームメンバーと密に連携を取りながら、効率的に役割分担を行いました。限られた予算と時間の中で、それぞれの強みを生かせる役割分担を意識し、メンバー同士が互いに支え合える環境を作り上げました。
その結果、イベント当日は参加者から高評価を得ることができ、目標達成に向けてチーム全体で協力することの重要性を実感しました。
御社は他部署と連携して業務を進めることが多く、チームワークを大切にしていると伺いました。入社後は、協調性を生かしながら、多様な人々と協働する中で調整力や問題解決力を磨き、組織の成果向上に貢献できる人材へと成長したいと考えています。
■【自己PR例文②】主体性
主体性とは、指示を待つのではなく自ら考えて行動し、物事を前に進める力を指します。企業においては課題提起や改善提案、プロジェクト推進などで必要とされ、成果を出すための重要な要素として高く評価されやすい強みです。
私の強みは、自ら考え行動する「主体性」です。
大学のゼミ活動では、地域活性化をテーマにしたプロジェクトで、誰もが手をつけていなかった調査パートのリーダーを自ら志願しました。現地でのヒアリングや資料収集を自主的に行い、得た情報を基に分析を行いました。
大学の発表会ではデータ分析の的確さが高評価を得て、2位を獲得することができました。この経験から、自ら課題を見つけて行動する姿勢の大切さを学びました。
御社に入社後は、この主体性を生かして市場調査やデータ分析を通じて新たな課題を見つけ、改善策や新企画を提案することに挑戦したいです。また主体的に行動することで、新しい価値を生み出し事業成長に貢献したいと考えています。
■【自己PR例文③】コミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは、相手の意図を正しく理解して自分の考えをわかりやすく伝える力です。企業ではチーム連携や顧客対応、社内外での信頼関係の構築に欠かせない要素として重視されるため、強みとして効果的にアピールできます。
私の強みは、相手の立場に立って考え信頼関係を築く「コミュニケーション能力」です。
私は大学時代に、地域の高齢者支援を目的としたボランティア活動に2年間参加し、買い物や通院の付き添い、会話相手などを担当しました。もともと身近に一人暮らしをしている祖父母がいたことから年配の方との関わりに興味をもち、安心して過ごしてもらいたいという気持ちからこの活動をはじめました。
活動当初はなかなか打ち解けられませんでしたが、相手の話にじっくり耳を傾けることを意識し、共通点や関心ごとを見つけて会話を重ねた結果、次第に心を開いていただけるようになりました。
最終的には「あなたが来てくれるのが一番うれしい」と言っていただけたことが何よりのやりがいでした。
御社の営業においては、利益追求以上にお客様との信頼構築を重視していると伺っています。御社でも強みを生かし、お客様のニーズを正確にとらえて長期的な信頼関係を築く営業担当として貢献したいと考えています。
■【自己PR例文④】継続力
継続力とは、目標や課題に向かって途中で投げ出さずに地道に努力を積み重ねる力を指します。この力はスキルの習得や成果創出の維持に直結するため、多くの企業で高く評価される重要な資質です。
私の強みは「継続して努力を積み重ねる力」です。
私は大学1年から英語の勉強を毎日続け、TOEICスコアを2年間で550点から850点まで伸ばしました。最初は文法やリスニングに苦手意識がありましたが、通学時間に英語音声を聞いたり、毎朝の単語学習を日課にしたりするなどの継続的な学習を徹底しました。
途中で成果が出ず挫けそうになることもありましたが、記録をつけて進捗を可視化することでモチベーションを維持して地道に取り組み続けました。この経験を通じて、目に見える成果はすぐには出なくても、日々の努力の積み重ねがやがて大きな成長につながると実感しました。
御社の掲げる「一人ひとりの挑戦と成長を継続的に支援する」という理念に強く共感しています。私もこの継続力を生かし、任された業務に粘り強く取り組むことで、自らの成長を促すとともに、長期的に御社の事業やサービスの信頼性向上に貢献したいと考えています。
下記の記事ではESでの自己PRについて詳しく紹介しています。ほかの強みで自己PRを考える際にぜひ参考にしてください。
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■【自己PR例文⑤】ゼミ
ゼミを題材にする場合は、専門分野の研究を通じて得た論理的思考力や分析力を明確に示すとよいでしょう。その上で、課題解決に向けてどう取り組んだかを具体例で補強します。
私の強みは、原因と結果のつながりを整理し、納得できる結論に導く「論理的思考力」です。
大学のゼミで新素材の実験を担当した際は、まず「何が結果に効いているのか」をはっきりさせるために、比べ方を工夫しました。具体的には、比較が必要な実験では一度に変える条件を1つだけにし、それ以外は同じにそろえました。
測定温度・濃度・時間・試料量などを同一にし、「基準となる条件(比べるための土台)」を用意するほか、同じ条件で繰り返し測って再現性を確認し、偶然のブレを排除することも意識しました。
こうした進め方により、関係のない要因を先に除外でき、「だからこの差が出た」と明確に説明できました。その結果、ゼミの発表会では「差が生じた理由を、根拠を基に説明できている」と評価され、1位を獲得することができました。
御社に入社後も論理的思考を生かして、結論は根拠とセットで用意し、チームの意思決定を前に進めていきたいです。チームが予定どおり研究や開発を進められるよう支え、御社の技術力向上に貢献していきたいと考えています。
■【自己PR例文⑥】サークル活動
サークル活動を題材にする場合は、活動を通じて培った企画力や協調性を強みとして打ち出せます。メンバーと連携し、目標達成に向けて行動した経験があれば、それに関する具体的な内容を盛り込みましょう。
私の強みは、課題から逆算して実行可能な計画に落とし込む「企画力」です。
大学ではテニスサークルに所属していました。活動初期は大会で1回戦負けが続いていました。当時から一生懸命練習はしていましたが、個人で練習量を増やすだけでは限界があると考えました。そこで練習後に短時間の振り返りミーティングを企画し、課題の共有と役割分担(配球役・観察役・撮影役)を行いました。さらに、動画を共有してよかった点と改善点を全員でコメントし、フォームの癖やポジショニングの乱れを客観視できる仕組みをつくりました。これにより練習時の取り組みの質がアップした結果、少しずつ勝率が上がり、最終的に個人の勝率は60%、団体戦では地方大会ベスト8に進出できました。
御社に入社後も、この企画力を生かして、課題に対する有効な解決策をチームに共有していきたいです。周りを巻き込みながら切磋琢磨し、御社の「チーム一丸となって社会問題に立ち向かう」を体現できる人材になり、プロジェクトの円滑な進行に貢献したいと考えています。
■【自己PR例文⑦】留学
留学では慣れない環境への挑戦や、家族など頼りになる存在がない中、自分自身で生活基盤を築くといった、「行動力」をアピールしやすい題材といえます。海外での学びや挑戦した具体的なエピソードを盛り込むと独自性が高まり、印象に残りやすくなります。
私の強みは、目的に向けて自ら動く「行動力」です。
私は幼い時から英語を使ってグローバルに活躍したいという夢をもっており、大学2年次に英語力を高めるため1年間アメリカへ留学しました。当初は英語力の低さから、授業での発言や現地の学生との交流に苦労しました。状況を打破するには自らの行動を変えるべきと考え、毎日30語の語彙ノートを作って翌日の授業で必ず使う、討論を録音して言葉に詰まった箇所を見直す、授業後はクラスメイトに話しかけてアウトプットの場を増やす、といった行動を半年間やり切りました。
徐々に英語力をアップさせたことで、英語での発言に自信がもてるようになり、授業でのディスカッションに積極的に参加できるようになりました。留学が終わるころにはグループディスカッションのリーダー役を任され、議論をまとめたり意見を引き出す存在として活躍できるまでになりました。この経験を通じて、困難な環境でも課題に向き合い自ら行動すれば自己成長につながることを実感しました。
御社に入社後も、留学で培った語学力と行動力で、御社の海外事業の第一線で活躍できる人材となり、グローバルな事業展開に貢献したいと考えています。
■【自己PR例文⑧】アルバイト
アルバイトを題材にする場合は、仕事を通じて培った責任感や対人スキルをアピールすると効果的です。忙しい時間帯やトラブル対応など、状況に応じて柔軟に行動した具体例を加えるのもよいでしょう。
私の強みは「責任感をもって周囲を支える力」です。
大学時代、3年間飲食店で調理場のアルバイトをしており、新人スタッフの教育も任されています。休日のランチタイムなど忙しい時に新人の方が混乱してしまい、小さなミスや料理の提供が遅れてしまうことがありました。この問題を解決するために、店舗には新人用のマニュアルがなかったこととから、写真付きの調理手順をまとめたマニュアルを作成し、それを基に一緒に調理のポイントを確認するロールプレイングを導入しました。また忙しい時でもすぐに質問できる環境を作ることで、新人の方が安心してスムーズに働ける仕組みを整えました。
その結果、新人の方のミスは少なくなり、調理場全体の料理の提供も平均5分から3分に短縮できただけではなく、チームの雰囲気も改善され、働きやすい環境作りになりました。
この経験を生かし、御社に入社後は任された業務に責任をもって取り組むだけでなく、周囲の成長やチーム全体の効率化にも関わることで、組織全体の目標達成に寄与できる人材として貢献したいと考えています。
下記の記事では、インターンシップ選考での自己PRについて、詳しく紹介しています。書き方に迷った際や、もっと魅力的な自己PRにする際にぜひ参考にしてください。
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せっかく自己PRを準備しても、内容によっては面接官にマイナスな印象を与えてしまう可能性もあります。ここでは、自己PRの際に気をつけたいポイントを紹介するので、作成した自己PRが当てはまっていないか確認してみましょう。
■話を誇張している
自己PRでは自分をよく見せたいあまりに話を誇張してしまうことがあります。しかし、事実以上の表現をしてしまうと、面接で深掘りされても答えられず、信頼を損なうリスクがあります。
そのため、話の誇張は避けてありのままの経験を伝えましょう。具体的な数字や事例、第三者の意見などを交えて説得力をもたせることが大切です。
■エントリーシートのほかの内容と一貫性がない
自己PRの内容に一貫性がないと採用担当者に違和感を与え、信頼を損なう恐れがあります。ここでいう一貫性とは、志望動機やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などほかの記載内容との整合性のことを指します。
たとえば、志望動機では「人と関わる仕事がしたい」と述べているのに、自己PRでは「黙々と作業に集中できること」が強みとされている場合、真実味が薄れて評価が下がる可能性があります。ES全体の内容を意識し、説得力のある自己PRにしましょう。
■志望動機と混合している
自己PRに志望動機を混ぜるとあなたの強みや経験がぼやけてしまい、面接官は応募者の強みを評価しづらくなってしまいます。自己PRは強みと過去の実績、志望動機はその企業を選んだ理由と貢献の展望を伝える場です。
両者を明確に区別し、同じ経験を使う場合も「これまでの実績=自己PR」「これからの目標=志望動機」と整理して話すことで、アピールしたい内容が明確に伝わりやすくなります。
■性格ばかりにフォーカスしている
性格ばかりを強調する自己PRは、抽象的で説得力に欠けるでしょう。性格を述べる際は、その性格がどのような行動につながったか、その結果どのような成果を得たかをアピールすることが重要です。
たとえば、単に「責任感があります」と述べるだけなく、「ゼミのプロジェクトでトラブルが発生した際、率先して作業を分担・調整し、期限内に資料を完成させた」という具体的な行動と成果を示すことで、性格の強みが仕事にどう生かせるかをイメージしてもらいやすくなります。
面接で好印象を残すための自己PRの伝え方のコツ
自己PRは内容だけでなく、面接官に好印象をもってもらえるような伝え方を意識することも重要です。ここでは、自己PRの伝え方のポイントを紹介します。
■明るくハキハキと伝える
明るくハキハキとした話し方は、面接で好印象を残す自己PRの基本です。声の大きさや笑顔を意識することで親しみやい印象を与えられます。さらに、適度にジェスチャーを交えるとより自然な会話につながるでしょう。
目線はしっかり相手を見て、姿勢も背筋を立てて座ることで誠実さや自信を伝えられます。
■簡潔にわかりやすく話す
面接では、簡潔に自己PRを話すことが大切です。自己PRの基本構成を意識していても、長々と話してしまうと要点がぼやけ、伝えたい強みが薄れてしまいます。その結果、面接官への応募者の印象が弱まることもあるでしょう。限られた時間の中で要点をおさえて話すことで、より効果的に面接官にインパクトを与えられます。
なお、面接では要点をまとめる力を評価するため、自己PRの時間を指定されることもあります。以下に、時間ごとの想定文字数と伝え方のポイント、例文をまとめているので参考にしてみてください。
■30秒(150字程度):結論とエピソードを簡潔に伝える
私の強みは「信頼関係を築くコミュニケーション能力」です。
大学時代に、地域の高齢者支援を目的としたボランティア活動に参加しました。相手の話にじっくり耳を傾けることを意識し会話を重ねた結果、最終的には「あなたが来てくれるのが一番うれしい」と言っていただけました。
御社でも強みを生かし、お客様のニーズを正確にとらえて長期的な信頼関係を築く営業担当として貢献したいと考えています。
■1分(300字程度):結論とエピソードを簡潔に伝え、成果と入社後の展望をしっかり伝える
私の強みは「相手の立場に立って考え、信頼関係を築くコミュニケーション能力」です。
私は大学時代に、地域の高齢者支援を目的としたボランティア活動に2年間参加し、買い物や通院の付き添い、会話相手など高齢者の方のサポート活動を行いました。活動当初はなかなか打ち解けられませんでしたが、相手の話にじっくり耳を傾けることを意識し、共通点や関心ごとを見つけて会話を重ねた結果、最終的には「あなたが来てくれるのが一番うれしい」と言っていただけました。
御社の営業においては、利益追求以上にお客様との信頼構築を重視していると伺っています。御社でも強みを生かし、お客様のニーズを正確にとらえて長期的な信頼関係を築く営業担当として貢献したいと考えています。
■1分30秒(450字程度):結論、エピソード、今後の展望をバランスよく伝える
私の強みは「相手の立場に立って考え、信頼関係を築くコミュニケーション能力」です。
私は大学時代に、地域の高齢者支援を目的としたボランティア活動に2年間参加し、買い物や通院の付き添い、会話相手など高齢者の方のサポート活動を行いました。もともと身近に一人暮らしをしている祖父母がいたことから年配の方との関わりに興味をもち、安心して過ごしてもらいたいという気持ちからこの活動をはじめました。
活動当初はなかなか打ち解けられませんでしたが、相手の話にじっくり耳を傾けることを意識し、共通点や関心ごとを見つけて会話を重ねた結果、次第に心を開いていただけるようになりました。
最終的には「あなたが来てくれるのが一番うれしい」と言っていただけたことが何よりのやりがいでした。
御社の営業においては、利益追求以上にお客様との信頼構築を重視していると伺っています。御社でも強みを生かし、お客様のニーズを正確にとらえて長期的な信頼関係を築く営業担当として貢献したいと考えています。
面接の自己PRは何分くらいが一般的?
面接の自己PRは、1分程度に収められる長さが理想的です。
自己PRに限らず、ほかの質問への回答も1分程度を基準にすると、スムーズなやり取りができます。ただし、企業によっては1分以外の時間を指定される場合があります。上の例文を参考に、情報量を変えつつ焦らずに対応しましょう。
■応募書類の自己PRに厚みをもたせる
面接で効果的な自己PRをするには、応募書類に書いた内容を基に経験などをつけ足し、厚みをもたせることが有効です。たとえば、書類では簡潔に触れた強みに、面接では背景や詳細な具体例を肉付けして伝えることで新鮮な印象を与えられます。
ただし、書類の自己PRと面接で話す内容の関連性が低いと信ぴょう性を疑われるため、一貫性を保ちながら補足や具体化を意識することがポイントです。
面接本番でうまく自己PRを話すための練習方法
面接本番で自己PRをうまく話せるか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。前提として、文字で読んで満足するのではなく、声に出して練習することが大切です。本番で自信をもって自己PRを話せるようになるための練習方法を紹介します。
■録音・録画をする
自己PRの練習では、録音や録画を活用することが効果的です。録音を聞くことで声の速さや抑揚を客観的に確認でき、改善点が明確になります。自分では気づかなかった早口や声の単調さなどが修正可能です。
さらに、録画すれば表情や姿勢までチェックでき、面接官に与える印象を改善する手助けになります。
■ロールプレイングを行う
実際の面接に近い環境で緊張感を体験できるため、大学のキャリアセンターで模擬面接をしたり、友人や家族とロールプレイングを行う方法も有効です。予想外の質問にも柔軟に答える訓練ができ、相手からフィードバックを受け取ることで改善点も明確になります。
この方法で実践力を高めることで、本番での自己PRでも自信をもって話せるでしょう。
■時間を意識しながら行う
面接本番では、時間指定がある場合は自己PRを時間内に収めることが求められます。タイマーを使って練習し、制限時間を意識するとよいでしょう。
実際に時間を測りながら話すと、要点を整理して短時間で伝える力が鍛えられます。さらに、何を優先して伝えるかを明確にして構成を組み立てれば、本番でも焦らず、簡潔でわかりやすい自己PRを話せるようになります。
アピールポイントがない!自己PRで使える強みを見つける方法
自己PRで話すアピールポイントに迷うこともあるでしょう。ここでは、面接で伝える自分の強みを見つけるための具体的な方法を紹介します。
■自己分析をする
自己分析は、自身の強みを見つけるための第一歩です。過去の経験や価値観、スキルを整理することで、自分自身を深く理解できます。まずは、達成や失敗の体験を振り返り、成長につながった要素を考えてみましょう。「自分史」や「マインドマップ」などを活用して自分の経験を棚卸しすれば、強みを洗い出しやすくなります。
自己分析の具体的な方法は下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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■診断ツールを使う
自己PRで使える強みを見つけるには、診断ツールの活用も効果的です。質問に答えるだけで性格や強みを客観的に分析でき、自分では気づかなかった一面を発見できます。複数のツールを試せば多角的に自分自身への理解が深まるでしょう。ただし、結果をすべてうのみにせず、自分の実感と照らし合わせて整理することが大切です。
数多くある診断ツールの中でも『キャリタス就活』の「自分研究&適職診断」が特におすすめです。質問に答えるだけで、あなたの価値観と能力(強み)を分析でき、自己PR作成の大きなヒントになります。診断結果を基に自分の経験を振り返れば、説得力のある自己PRにつなげられます。
■家族や友人など親しい人に聞く
客観的な視点から自分のよさを教えてもらうために、家族や友人に意見を求めることも効果的です。たとえば「いつ、どのような状況で強みが発揮されたか」という具体的なエピソードを挙げてもらえば、自己分析だけでは気づけない強みを発見できます。
親しい人の言葉を引用して「周囲からはこう見られています」と伝えることで、客観性をもたせたアピールが可能になります。
■弱みを言い換える
自己PRで使える強みが見つからない場合は、弱みを言い換える方法もよいでしょう。弱みの裏には、ポジティブな側面が隠れています。たとえば「慎重すぎる」という弱みは「注意深い」と強みに変換できます。このように弱みを強みに言い換えることで、自分の特性をポジティブにとらえてみましょう。
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面接の自己PRでよくある質問
自分の強みが複数ある場合、すべて話すべき?
強みが複数ある場合でも、すべてを伝える必要はありません。
大切なのは企業が求める人物像や職種に関連性の高い強みを選ぶことです。たとえば、チームでの業務が多い企業なら「コミュニケーション能力」を強調すると効果的でしょう。汎用性よりも適合性を意識し、企業が求める人物像や業務内容に直結する強みを伝えることが成功のカギとなります。
面接中に自己PRの内容が途中で飛んでしまったらどうする?
面接中に自己PRの内容が途中で飛んでしまったら、慌てて内容を埋めようとするのではなく、一度落ち着き、頭の中で伝えたい強みやエピソードの順番を整理しましょう。
それでも内容を思い出せない場合は、無理に完璧に話そうとせず、思い出せる部分だけ簡潔に伝えます。その際は「今の部分を整理して、もう一度お話ししてもよいでしょうか」など一言添えて仕切り直すのがおすすめです。誠実な姿勢を見せつつ、焦らず冷静に自分のペースで話を進めてください。
自己PRのエピソードでは、チーム・個人どちらの経験が評価される?
チームと個人どちらの経験も自己PRには使えますが、企業は選考において応募者の協調性やコミュニケーション能力も見ているケースが多いため、「チーム経験」のほうが評価される可能性があります。
しかし、個人での成果も、そこから学んだことやスキルを明確に述べれば、自己PRのエピソードとしては有効です。
自己PRは自分と企業のマッチ度を意識しよう
自己PRは、面接官に伝わってこそ好印象につながります。そのため、基本構造に沿って自分の強みと裏付けのエピソードを端的に話すことが重要です。強みを効果的にアピールするには自己理解が欠かせないため、自己分析や診断ツールを活用してしっかり言語化することが求められます。この記事を参考に魅力的な自己PRを作成し、本番で自信をもって伝えましょう。
『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。
PROFILE
キャリタス就活編集部
『本音をきく、本気でこたえる。』をテーマに、就職活動・就活準備をがんばる皆さんに向け、インターンシップ・キャリア情報やES・面接対策など、さまざまなシーンに役立つ情報をお届けしています。
「面接がうまくいかない」、「そもそも就活って何からはじめるべき」など、皆さんの本音に寄り添った記事を配信しておりますので、ぜひこの機会にご活用ください。



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