【例文付き】面接で「気になる最近のニュース」を聞かれたときの答え方
就活ノウハウ公開日:2024.12.04
面接では、なぜ「気になる最近のニュース」を聞かれるのでしょうか。この記事では、面接官が質問する意図に加えて、取り上げるニュースの選び方や避けるべき話題も紹介しています。業界ごとに回答の例文も用意しているので、これらを参考に面接を有利に進めていきましょう。
面接で「気になる最近のニュース」を聞かれるのはなぜ?
面接では、最近のニュースについて質問されることがあります。面接官にはどのような意図があるのか、疑問に思う人もいるでしょう。以下、面接官がこの質問をする4つの理由を解説します。
■情報収集力を確認するため
面接官が「最近の気になるニュース」について質問する理由の1つは、応募者の情報収集力を確認するためです。応募者がどのように情報を収集し、活用しているのかを知りたいという意図があります。
これは、就職後は業界や職種に関する情報を迅速に把握し、対応する力が求められているためです。必要な情報にアクセスでき、真偽を見抜く情報感度をもっているかも重要なポイントとなります。
■理解力や言語化能力を確認するため
2つ目の理由は、応募者の理解力や言語化能力を確認するためです。
円滑に仕事を進める上で、物事の要点を理解し、上司や取引先企業にわかりやすく伝える能力が必要です。そのため、情報収集(インプット)して終わりではなく、相手に説明(アウトプット)できなければなりません。
ニュース内容を正確に理解し、自分なりの解釈を加え、自分の言葉で話せるかどうかを質問の回答から判断されます。
■考え方や感性を知るため
3つ目の理由は、応募者の考え方や感性を知るためです。
どのようなニュースを選択するのか、どういった意見をもつかを知ることで、応募者の価値観を見極めます。これは、企業文化や職場環境に応募者がマッチするか判断するためです。
つまり、この質問から応募者の視点や物事の捉え方を知り、企業が求める人物像であるかチェックしているといえます。
■社会問題に対する意識の高さを見るため
4つ目の理由は、社会問題に対する意識の高さを見るためです。
企業にとって、自社の経営だけでなく、社会全体に対する責任を果たすのも大切な取り組みの1つです。そのため、応募者の社会問題に対する意識のレベルを知りたいという意図があります。
面接官は質問の答えから、企業の一員として社会にどう貢献してくれるかを見極めます。
面接で話す「気になる最近のニュース」の選び方
続いて、面接で話す際のニュースの選び方について解説します。ニュースは日々更新されるため、選択肢が多く迷いやすい題材です。効果的にアピールするためのニュース選びのポイントを見ていきましょう。
■1年以内のニュースを選ぶ
まずは、1年以内に起きた新しいニュースを選ぶことを意識しましょう。
最新のニュースであるほど面接官に対してアンテナを張っていることをアピールできます。一方で古い情報を選択してしまうと、最新情報の収集ができない人材と判断される可能性があります。
ニュースの題材に迷った際は、タイムリーであるかを基準にするのがよいでしょう。
■信頼できる情報源からのニュースを選ぶ
次に、信頼できる情報源からのニュースを選ぶことが大切です。情報には常に正しい情報・誤った情報が混ざっている場合があります。
特にインターネット上の情報に対しては、真偽を見抜く力が必要です。誤った情報を選ばないためにも、政府機関や大手メディア・専門家などが発信している「一次情報」から選ぶようにしてください。
また、自分の意見を考える際に、二次情報を参考にするのは問題ありません。
〇一次情報とは?
・専門家による研究結果や公式な統計データ、現場からの直接の報告など
・専門家の意見や、観察・経験に基づく情報(レビュー)も含まれる
→信頼性が高い!
〇二次情報とは?
・一次情報を基に第三者がまとめた情報
・第三者が書いた記事や報告書、書籍から得られる情報、ニュースなど
→広範な視点を提供してくれるため、情報を整理する際に役立つ!
■志望する業界や企業に関係があるニュースを選ぶ
志望する業界や企業に関係があるニュースを選ぶのもおすすめです。
自分が入社したいと考える熱量や興味関心を面接官にアピールできます。さらに、業界の最新情報を把握しておくことで、別の質問に回答するための準備にもなります。
以下、業界と関連のあるニュース分野の例です。
業界 | ニュース分野の例 |
---|---|
不動産 | 住宅ローン金利など |
飲食 | ファストフード市場など |
IT | DX・AIなど |
■自分なりの意見をもてるニュースを選ぶ
最後に、自分なりの意見をもてるニュースを選ぶようにしましょう。質問に回答する際は、情報を羅列するだけでなく、自分の意見を含めることが大切です。
ニュースから何を考え、どのように感じたのかを具体的に伝えることで、説得力のある回答になります。まずは、自分が興味をもてるニュースを選びましょう。
面接で避けるべきニュースの話題
面接において、避けるべきニュースの話題もあります。誤って選択しないためにも、以下を読み理解しておきましょう。
■芸能のニュース
芸能ニュースは特別な理由がない限り、面接の場では避けるべき話題です。
芸能界の話題は一般的な会話であれば共通項になりやすいですが、面接においては場の雰囲気に合いません。また、面接官に対して入社したい熱意を伝えるのが困難な内容でもあります。
面接では、より社会的意義のあるニュースを選択するようにしてください。
■宗教や政治のニュース
宗教や政治のニュースも避けるのが無難です。宗教や政治は人によって考え方が大きく異なります。繊細な話題であり、面接官が不快感を抱く可能性があるため注意が必要です。
また、面接では面接官が宗教や政治について質問をした場合、採用差別にあたる可能性もあります。
面接では応募者の能力・適性を評価するための対話が求められるため、社会的に広く受け入れられる話題を選びましょう。
■個人的なニュース
個人的なニュースも面接ではふさわしくありません。自分にとって話しやすい話題かもしれませんが、面接の場でプライベートな情報を過度に開示すると、面接官の印象を悪くする可能性があります。
面接官は限られた時間の中で、応募者の価値観や職業的な能力を見極めたいと考えています。そのため、プライベートのできごとを取り上げるのは避けましょう。
面接で「気になる最近のニュース」を聞かれたときの答え方
面接で質問に回答する際は、結論から話すようにしてください。その後に選択した理由や補足説明をします。以下、例を用いながら流れを解説するので参考にしてください。
①ニュースにタイトルをつけて述べる
例:「私が気になっているニュースは、マイナンバーと健康保険証が一体化するニュースです。」
②ニュースの概要を述べる
例:「2024年12月2日から新規の健康保険証の発行を廃止し、マイナンバーと健康保険証を一体化したマイナ保険証を基本とすることが決定しました。」
③ニュースに対する自分の意見や感想を述べる
例:「私は一体化できる技術に注目しました。IoTやDXがどんどん発展する現在では、医療機関で情報がスムーズに共有でき、必要な情報がいつでも取り出せる仕組み作りは必要だと感じています。」
④ニュースを受けて入社後に努力・貢献していくことを述べる
例:「入社した際は人々の生活をより便利に、より豊かにできるシステム作りに挑戦していきたいです。」
面接で「気になる最近のニュース」を聞かれたときの回答の例文
・国内問題に関するニュースの回答例
・国際問題に関するニュースの回答例
・経済に関するニュースの回答例
・志望する業界に関係のあるニュースの回答例
・リアルタイムなニュース(2024年10月)の回答例
避けるべき話題や回答のポイントを理解したものの、実際にどういった文章で答えるか迷う就活生も多いでしょう。ここでは回答の例文を解説していきます。
■国内問題に関するニュースの回答例
「闇バイト」について(警備職を目指す人の例)
私は日本で多発している闇バイト関連の強盗事件に関心があります。
事件について調べると金銭に困って犯罪に手を染める人がほとんどでした。特に20代の若者が加害者になる事例が多くあります。SNSを入口とし、高額報酬をエサに犯罪に巻き込む手口に憤りを覚えています。
さらに自分の利益を追求するために他人の命や財産を強引に奪うことは許されることではありません。加害者にも何らかの事情があることは理解できますが、同世代の人間として悲しい気持ちになりました。
御社が展開するセキュリティー事業は24時間365日対応しており、多くの方の安心と安全を守っています。私が入社できた際には、お客様が不安な気持ちを少しでも払拭できるように警備業務に携わりたいと考えています。
■国際問題に関するニュースの回答例
「人身売買」について(記者を目指す人の例)
私は、国際刑事警察機構が実施した過去最大規模の人身売買取り締まりについて関心があります。この取り締まりは、世界116の国と地域が協力して行い、2500人以上の容疑者が逮捕され、3000人以上の被害に遭った可能性のある人が救出されました。
このニュースは、人身売買という深刻な問題に対する国際的な取り組みの重要性を再認識させられるものであり、私自身も社会的な課題解決に関わりたいという思いを強くしました。
私が御社に入社した際には、国内外のさまざまな問題に関心をもち、話題になりにくい問題も発信し続けたいと考えています。そして、社会に伝えるべき情報を多くの人に届ける記者になれるように努めます。
■経済に関するニュースの回答例
「物価高」について(テレビ番組制作スタッフを目指す人の例)
私は物価高について関心があります。特に最近では野菜やお米の値段が高騰しており、多くの家計を圧迫している状況です。私も自炊することが多いため、値段の上昇は日々実感しています。
物価高の原因を調べたところ、夏の猛暑が原因の一つでした。暑すぎるあまりに野菜やお米の成長を妨げ、生産量が下がったことが物価高に影響を与えたそうです。さらに2024年は大きな地震が多発しており、備蓄用に多くの方が買いだめしたことも高騰の原因になります。
日ごろから災害に備えておくことは大切です。しかし、焦って買いだめをすると必要な人に行き渡らない可能性があります。御社に入社した際は、偏った情報を視聴者にお伝えしないためにも丁寧に情報収集し、公正な番組作りに注力したいです。
■志望する業界に関係のあるニュースの回答例
「円安」について(金融業界を目指す人の例)
私は円安がもたらす日本経済への影響に興味があります。今年に入り新NISAを始めたことがきっかけで興味をもつようになりました。
ニュース番組では連日、円安が続いていることを報道しています。番組では限られた時間の中で放送されるため詳しい内容が理解できませんでした。そこで自ら調べたところ、日本とアメリカの金利差や世界情勢、自然災害などの外的要因も大きく影響していることがわかりました。自身を守る上でもこうした金融や経済に関する情報を毎日収集し、正しく理解していきたいと考えております。
入社後は、情報収集の習慣を生かし、金融に必要な知識を日々勉強していく予定です。1日の学習量は少ないとしても1年、2年と継続することで多くの知識を習得できると考えています。また証券外務員の資格を取得し、金融商品や経済の知識でお客様の役に立つことで御社に貢献したいです。
「国内旅行者の減少」について(ホテル・旅行業界を目指す人の例)
私は2023年から日本国内を旅行する日本人が減少していることに関心があります。学生時代に自転車で日本を一周した経験があるため、私はこのニュースにとても驚きました。
物価高による宿泊費の高騰や海外からの旅行客が増加したことで予約が取れないことが原因とされています。特に人気の観光地である東京や大阪では、キャリーバックを持った外国人旅行客を多く見かけるようになりました。
日本に旅行に来てくれる人が増えれば日本経済に好影響です。しかし、日本に住んでいる日本人の生活が苦しいままで、観光できないのは悲しい現実だと思います。
私が御社に入社した際は、SNSなどを活用して日本各地の魅力を発信し日本のよさを再確認してもらい、日本人が気軽に旅行できるプランをたくさん作って、国内旅行者の増加に貢献していきたいと考えています。
「自動車メーカーの不正行為」について(メーカー業界を目指す人の例)
私は学生時代にアルバイトで貯めたお金でマイカーを購入した経験から、日本の大手自動車メーカーの不正行為について関心をもちました。
国土交通省の調査により、5社が国の定める基準を一部満たしておらず、型式指定申請で不正を行っていたことが明らかになりました。これを受けて、国土交通省による立入検査が行われました。
現在では基準をクリアしていることが確認できたため出荷が再開されています。ただ一部の会社の不正行為により現在、自動車業界全体の信頼性が揺らいでいると感じております。
私が入社した際には、一人でも多くの方の信頼を取り戻すため、お客様に対して誠実に営業できるように努め、ただ商品を購入していただくのではなく安心と安全を提供できるようにしたいです。
「携帯料金を据え置きのまま通信量を増量」について(ソフトウェア・通信業界を目指す人の例)
私は、携帯大手各社が料金をそのままにした状態で、使用できるデータ量を増量させたことに興味があります。携帯電話は生活に欠かせないアイテムです。生活に大きく関わる話題のため注目しています。
2024年10月1日から料金を2,970円に据え置いたままで利用できるデータ量が20GBから30GBに拡大しました。20GBでは足りず顧客満足度が低下していることが原因とされています。携帯会社間での競争が活発になると、各社が打ち出すプランの選択肢が増え、より自分に合ったサービスを適正な価格で利用できると考えております。
私が入社した際にはまずは営業としてお客様が求めるものを理解していき、将来は企画職としてその時々にあったユーザーニーズをくみ取った最適なプランを提供し、業界や顧客満足度の向上に貢献したいです。
「2024年問題」について(建築・不動産業界を目指す人の例)
私は2024年問題について興味があります。
建物を建てるには多くの資材が必要になります。しかし、輸送してくれるドライバーの人手不足により1人あたりの勤務時間が長くなる傾向にありました。そこで労働時間の上限が規制されることになりました。
私は、一部の人にしわ寄せがいく仕組みは長続きしないと考えています。関係者全員で負担を分散させることで持続可能な建築ができます。
私が入社した際には、建築に関わる人が働きやすい環境をつくれるような施策を考え、実現したいです。具体的には、適切な工期設定の設定やIoT・ICTの導入を検討しております。もちろん、自分1人だけでは実現できないため周りの同僚や先輩の力を借りながら実現に向けて行動していきたいです。
■リアルタイムなニュース(2024年10月)の回答例
「渋谷駅周辺での飲酒制限」について(総務を目指す人の例)
私は、渋谷駅周辺での飲酒制限に関心があります。2024年10月から午後6時から翌朝の5時まで路上での飲酒を禁止する条例が施行されました。私自身、渋谷でよく買い物をしたり、友達とご飯を食べたりするので驚きました。確かにハロウィーンや海外からの旅行者が増加したことにより渋谷の治安に関するニュースを見る機会が増えました。
一部の人が大勢の人に迷惑をかけるのはあってはならないため、仕方ない条例だと考えています。誰が利用しても過ごしやすい渋谷駅になることを願っています。
私はこのニュースからすべての人が過ごしやすい、働きやすい環境を整備することが大切だと感じました。御社の介護サービス施設を見学した際に、社員の皆様の仕事に取り組む姿勢を見て、誇りをもって仕事ができる御社の一員となって働きたいと思いました。
特に従業員数が拡大している御社では、既存の仕組みでは対応できない事案もあると考えています。総務部の一員として新しいシステムの導入やマニュアル作りに貢献したいです。
「最近のニュース」選びにおすすめの媒体
面接で話せるニュースはどこで手に入るのか知りたいですよね。本章では情報収集に最適な媒体を紹介します。1つのサービスだけではなく複数のサービスを使うことでより精度の高い情報が手に入るでしょう。
■ニュースサイト
ニュースサイトは、さまざまなニュースの情報を集めやすい媒体です。サイトごとに特徴があるため、以下おすすめサイトの特徴を一つひとつ確認していきましょう。
■NewsPicks
1つ目のおすすめは、NewsPicksです。NewsPicksは、経済ニュースに特化したソーシャルメディアプラットフォームです。各業界の専門家や経営者がニュースに対してコメントを寄せているため、多角的な意見が手に入ります。
業界別にニュースをピックアップできるため、志望する業界の情報を効率よく集めたい学生の皆さんにおすすめです。
■日本経済新聞電子版
2つ目のサービスは、日本経済新聞電子版です。経済に関する最新情報を収集できます。企業や市場の動向をすぐに把握できるため、トレンドを把握するのに便利です。
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■日経ビジネスオンライン
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■NHK就活応援ニュースゼミ
就活生目線で情報発信しているのはNHK就活応援ニュースゼミです。就活生向けに時事問題や幅広い業界のニュースを提供しています。
内容は噛み砕いた表現に修正してくれるので理解しやすく、自分の意見や考えを作るのに最適です。ニュースのほかにも、就活に関するさまざまな情報を発信しています。情報収集と面接対策が同時にできるでしょう。
■マスメディア
新聞やテレビ、雑誌など、マスメディアも利用していきましょう。日常生活で手に入りやすい媒体のため、情報収集の入口として便利です。
日テレNEWS24やNHKプラスなどのインターネット配信しているものもあるため、忙しい方にもおすすめです。マスメディアで手に入れた情報をきっかけに詳しく調べることで、より深い情報が手に入るでしょう。
■SNS
最近のニュースを知るにはSNSも選択肢に入るでしょう。スマートフォンやパソコンを使い、リアルタイムで話題に挙がっている情報を簡単に収集できます。また、新聞や雑誌と違い料金がかからない点もおすすめです。
ただし、正確な情報と偽情報が混在するため情報元は必ず確認してください。また自身で情報を発信している場合、企業も応募者のSNSをウォッチしている可能性があるため発信内容には注意しましょう。
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