面接で「最後に一言ありますか?」と聞かれた際の最適解は?【例文あり】

就活ノウハウ

公開日:2024.07.24

就職活動の面接では、終盤に「最後に一言ありますか?」と尋ねられることがあります。この質問、実は自分をアピールするための最後のチャンスでもあります。適切な返答をすることで、面接官に強い印象を残し、ほかの就活生との差別化を図ることができます。本記事では、「最後に一言」の背後にある面接官の意図と具体的な例文を示しながら、その攻略法を解説していきます。

「最後に一言」、何か言った方がいいの?

面接官に「最後に一言ありますか?」と問いかけられて、「面接中に十分アピールしちゃったから、これ以上言いたいことが思いつかない」、「何を言ったら正解なのかわからない」と困惑する就活生も多いと思います。

だからといって、決して「いえ、特にありません!」などと答えてはいけません。なぜなら、ここでの返答があなたの合否に大きく影響する可能性があるからです。

突然ですが「親近効果」という言葉をご存じですか? これは「最後に起きたこと(最後の印象)が記憶に残り、その後の印象や全体の判断に影響を与える」という心理効果のことです。

面接の場面に当てはめてみると、面接の最後にあなたが口にする言葉や行動によって、あなたに対する面接官の印象や評価が変わる可能性がある、ということです。

つまり、「最後に一言」をうまく使うことで面接官に好印象を残し、選考結果にポジティブな影響を与えることができます。そのため最後に一言を求められた際は必ず何か言うようにしましょう。

面接官が就活生に「最後に一言」を聞いてくる意図とは?

そもそも、なぜ面接官は就活生に「最後に一言ありますか?」と質問するのでしょうか?

その質問には、以下のような意図があります。

・就活生についてより深く知るため
面接中、多くの就活生は緊張し、事前に準備してきた答えを思い出しながら一生懸命発言しようとします。面接官はこのような状況の就活生に向き合うと、「緊張のあまり思ったことを十分に言えていないな」「あらかじめ準備してきた答えの奥に隠れている、この人の本当の気持ちを知りたいな」と思うものです。

そこで面接の最後に「一言ありますか?」という抽象度の高い(ある意味アドリブで答える必要のある)質問をして、面接中には出てこなかった本音や就活生の素の姿などを引き出し、理解しようとするのです。

・自社に対する志望度を測るため
面接官はこの質問に対する答えから、就活生の自社に対する情熱や本気度を汲み取ろうとします。「最後に一言=入社の強い意志をアピールする最後のチャンス」ともいえますのできちんと準備しておくことが重要です。

・コミュニケーション能力を測るため
「一言で」、すなわち端的にわかりやすく話せるかを見たい、という意図もあります。「一言ありますか?」という問いかけを受けて、就活生は「それまでの面接でのやりとりを踏まえて、最後に何をアピールするか」をその場で決め、短い時間の中で論理的に話すことが求められるといえるでしょう。

以上のような質問の意図をしっかりと把握した上で、企業に対してどのように最後のアピールをしていきたいか考え、準備を進めていきましょう。もちろん、簡潔に自信をもって話すことが重要であることはいうまでもありません。

「最後に一言」のポイントと例文

「最後に一言ありますか?」と尋ねられたとき、どのように答えるかで面接官に与える印象は大きく変わります。ずばり効果的な「最後に一言」のポイントは、志望企業に対する思い入れや入社意志の強さをアピールすることです。

内容を考える上で押さえておきたいポイントと具体的な例文を紹介していきます。

■「最後に一言」で伝えたい回答例文4選

1.強い志望動機を伝える
例文:
御社の技術開発における中長期計画について詳しく伺うことができ、入社後の業務イメージが明確になると同時に、どうしても御社に入社して仕事がしたい!という思いが高まりました。

大学で専攻している機械学習の知識や研究で学んだ技術を生かし、AIを活用した製造業DX支援ソリューションの開発で最先端を走る御社の発展に貢献していきたいと考えております。常に最新技術に触れられる恵まれた環境の御社で、技術者としてどこまで成長できるか挑戦します。よろしくお願いいたします。

2.具体的な貢献イメージを伝える
例文:
大学時代は、100人以上のメンバーを束ねるイベントサークルの代表を務めておりました。この経験で、私は大勢の人をひとつの目標に向けて牽引する力を身につけることができた、と自負しています。

この力は300名を超える介護スタッフを擁する御社においても、必ずお役に立てると確信しています。まずは中期的な目標として施設運営の担当責任者を目指し、一人ひとりのスタッフと対話し、力と意欲を最大限に引き出していく所存です。そして「目の前の利用者様のために何ができるか」を常に考える職場づくりに尽力します。

3.情熱のアピール
例文:
私は長期の留学経験と語学力を仕事に生かしたいと考えています。若手のうちからグローバルに活躍できるチャンスがある御社に魅力を感じておりましたが、改めて本日の面接で入社2年目の社員の方が海外拠点の営業最前線で活躍しているというお話を伺い、私もぜひ挑戦してみたいと思いました。持ち前のチャレンジ精神を生かしてがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

4.エピソードトークで自身の秘めた思いを吐露
例文:
私は御社の○○という技術に大変興味をもっております。本日の面接の中で〇〇の具体的なお話を伺うことができ、社員としてこの技術に携わってみたいという思いが高まりました。

小学校高学年の頃から自動車のエンジニアに憧れ、その目標を叶えるために大学も機械工学科を選びました。御社の技術者の一員となり、大学で学んだ知識と技術を活用して、日本のモビリティを変えていく一翼を担いたいと強く願っております。

■内容を考える上で押さえておきたいポイント

・端的にまとめる
「最後に『一言』」ですので、長々とした説明はNGです。端的に伝えたいことをまとめて話しましょう。面接官に刺さるキーワードを意識的に入れると効果的です。

・感謝の意を伝える
「本日は面接の機会をいただき、ありがとうございました」など、面接官に対する感謝の言葉を添えましょう。気配りやマナーが身についたあなたの姿を印象づけることができるでしょう。

・面接で話した内容と一貫性をもたせる
これまで話題にのぼっていない話題やエピソードを新たに話すことは避けましょう。話が長くなってしまうばかりか、面接で話した内容との矛盾が出る危険性もあります。面接で話した内容と関連づけて、最後のひと押しをしていきましょう。

・態度からも熱意を伝える
志望企業に対する熱意を伝えるためには、話す際の態度や非言語コミュニケーションも大切。あなたの思いがしっかりと届くように、声を張って、笑顔ではきはきと、自信をもって話しましょう。

■混同しやすい面接官の「最後に一言ありますか?」と「何か質問ありますか?」の違い

「最後に一言」は、自分自身をアピールする最後の機会です。例文でもおわかりのように、自己PRや志望動機を再度強調します。

一方、「何か質問ありますか?」はいわゆる逆質問です。主に、企業理解を深める質問をしましょう。具体的には、志望企業の事業や今後の展望、携わりたい職種の具体的な仕事内容、自分のキャリアプランの実現可能性などについて尋ねます。両者の違いを理解し、混同しないようにしましょう。

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面接での逆質問の良い例30選!新卒就活での効果的な使い方と注意点

まとめ

面接のクロージング場面での「最後に一言ありますか?」という質問は、最後の一押しとして就活生の皆さんが自身をアピールする絶好の機会です。この質問に対してしっかりと準備し、前向きで具体的なメッセージを伝えていきたいですね。

企業に対する強い意思表示や志望動機に秘めた思いを語ることで、面接官に強い印象を残し、面接を締めくくるようにしましょう。

PROFILE

濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。

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