「自慢できる経験がない」「やりたいことがわからない」就活のプロがお答えします!【あんしん相談Q&A第2回】

就活ノウハウ

公開日:2023.12.26

就活は一生に一度の大切な経験であり、予期せぬ壁にぶつかることもあります。「アルバイト経験の有無は影響するの?」「そもそもやりたいことが見つからない…」「自己分析が苦手」など他人に話しづらい悩みがさまざまありますよね。キャリタス就活の「あんしん相談」では、人事やキャリアコンサルティングといった就活のプロたちが、就活生・就活準備生の相談に丁寧に回答しています。

お悩みその1:アルバイト経験がないけど、大丈夫?

【質問】
アルバイトをした経験がないのですが、なぜやっていなかったのかを聞かれたり、不利であったりしますか?

回答:
相手に与える印象は気になりますよね。不安に思う気持ちよくわかります。例えばESの自己PRやガクチカでアルバイトをエピソードとして使っていない場合に、面接などであなたのことを良く知るために「他に何かエピソードがありますか」という表現で聞かれる可能性はありますが、経験の有無で評価されることは少ないでしょう。企業はアルバイト経験があるかないかではなく、アルバイトを通じてどのような経験を積むことができたかを重視するからです。

もう少し踏み込んだ話をすると、アルバイトをする中で周囲との人間関係を構築するためにどのような働きかけをしたか、また業務方法をより良くするために自分で考え工夫した点は何かなど、主体的に活動した結果どうなったかがポイントになります。

アルバイト経験を通じてどのようなことを学んだのか、また志望企業でどのように活かせそうかということの方が重要なので、経験の有無で不利になることはありません。

逆に言えば、アルバイト以外のことでも企業が重視するポイントを押さえて取り組んだことをしっかり伝えれば、きちんと評価されます。

サークルなら「周囲との人間関係を構築するために働きかけたこと」、ゼミなら「共同研究を成功させるために考え工夫したこと」、資格なら「今後のマーケットとして注目の●●で活躍できるように●●語検定をとった」など、主体的な姿はどんな活動でも示すことができますよ!

お悩みその2:教えてください!「就活マナー」

【質問】
ある企業からインターンシップ(講座)の勧誘の電話がかかってきます。その企業への関心が低いのに対し、お誘いをなかなか断ることができません。「参加意欲はない」とハッキリと意思表現をできれば良いのですが、性格上、難しいところがあります。どのよう伝えれば良いでしょうか?
具体的には、
1.お電話をいただいた時の対応の方法(なんと言ってお断りすれば良いのか)
2.一度断りきれなかった企業に対して、やはりお断りをいれる際の対応
を知りたいです。

回答:
お断りするのってドキドキしますよね。でも、ちゃんと誠意を持って対応すれば、きっと理解いただけるはずですので安心してください。

1.については、企業があなたに興味を持ってくれたことは事実ですので、まずはそこに対して感謝をお伝えしつつ、シンプルに断りましょう。例えば下記のように伝えるのはいかがでしょうか。

「この度はお声がけいただききありがとうございます。申し訳ございませんが、今回は都合がつかないため参加を見送らせていただければと思います。」

またもし本当に興味がない企業であれば無理に次回のことを言及する必要はありませんが、少しでも可能性があるのであれば

「今回は難しいのですが、今後の機会にお声がけいただけるようでしたらぜひお願いします。」

と付け加えるのもよいかと思います。
なぜ都合がつかないのかと聞かれた場合にうまくかわせなさそうでしたら、

「履修している科目の復習のため、先生に頼み込んで何とか都合をつけてもらった日程なのでどうしても外せないんです。」

などと伝えてみてください。

2.については、こちらも1と同様の対応で問題ありません。

「参加を検討いたしましたが、都合がつかないため参加することができません。この度はお声がけいただき誠にありがとうございました。」

と伝えるのがよいでしょう。大切なのは、丁寧な対応をしつつしっかりとこちらの意志をお伝えすることです。

万が一、お断りしてもしつこく連絡がある場合は大学のキャリアセンターに相談すると適切な対応をしてくれるでしょう。今回いくつか例文を挙げましたが、文字通りあくまでも例です。どうかあなたの意志をあなたの言葉で伝えていってくださいね。

お悩みその3:自分のやりたいことがわからない…

【質問】
自分のやりたいことがわかりません。インターンシップ先はどのようにして決めたら良いですか。

回答:
やりたいことを見つけていくために、前向きな気持ちで自分が何に興味を持っていてなぜ興味があるのか、働くとしたらどんな強みが発揮できそうか・大切にしたい/避けたいことは何かについて少し時間を作って考えてみてください。

ある程度「こうかな?」というものが明確になってきたら、それがどんな仕事(業界・職種)として存在しているのか、価値観に合う企業とはどんなものかを考えていきましょう。気になる業界をいくつかピックアップして、キャリタス就活で業界や企業情報を見てみる・合同企業イベントに参加するといったところから手をつけていくのがおすすめです。

業界のピックアップにあたっては、好きな商品やサービスを取り扱う企業が属する業界に注目するとイメージが沸きやすいでしょう。ピックアップした業界や属する企業がどんなビジネスモデルで事業を展開しているのか、今後どのようなビジネス展開が考えられるか、過去・現在・未来の観点で調べると理解が深まりますよ。

このように詳しく調べていくと、より深く知りたいと思う仕事(業界・企業)が出てきます。その時役立つのがインターンシップ等のプログラムです。各社が行うプログラムには短期や長期・就業体験ができるもの・情報収集に役立つものなどざまざまなものがありますが、参加して何を得たいか(参加目的)という意識を持つことが大切です。

また「得たい」だけでなく、得たことを何にどう活かすかという視点も持って参加すると得られる情報や経験の質が大きく変わりますよ。やりたいことを見つけるため・詳しく知るために、「なぜ・何のために・得られたことをどう活かすか」までじっくり考えて応募先を選んでいきましょう。ちなみにキャリタス就活では福利厚生や企業の特徴・社風から探したり、先輩が参加したプログラム内容の評価からも探すことができます。よければ活用してみてくださいね。

お悩みその4:自己分析でマイナスイメージしか浮かびません

【質問】
自己分析を行う際に「ライフラインチャート」の作成をしているのですが、人生を振り返るにあたってプラスな出来事はほとんど思いつかず、マイナスな出来事ばかり思い出してしまいます。マイナスなことは企業にとって印象が悪いですか?また、書くことができる内容がない場合は嘘を書いてもいいのでしょうか?

回答:
社会に出て仕事を始めると、上手くいかないことや落ち込むことはたくさんあります。学生時代に落ち込んだ経験を積んでいる人は、仕事で落ち込んでもそこから立ち直る術を身に着けている可能性が高いため、安心して採用できると私は考えています。

一方、落ち込んだ経験がない人は、仕事で壁にぶつかった時にそれを乗り越える力があるか不安に感じてしまいます。「ポジティブな性格なので、今まで落ち込んだ経験はありません」と言われると、逆に心配になってしまいます。あなたのように、マイナスの出来事をたくさん経験していることは、印象が悪いどころか、むしろ安心して採用できる材料を持っていると言えます。

とはいえ、大事なのはマイナスの経験をどのように語れるかです。ポイントは3つあります。

1. なぜマイナスな感情になったのか、その理由を客観的に説明できること。

2. マイナスな状況から脱する時に何をしたかを説明できること。

3. その経験を、その後どう活かしたかを説明できること。

マイナス幅が大きい経験は、この3つの観点で振り返り、説明できるようにしておくと良いでしょう。

一方、プラスの感情になった経験は、あなたのやりがいやモチベーションの源泉をつかむ上で有効です。楽しいと思った時、充実した気持ちになった時は、どんな時でしたか?

「大会で優勝した」「〇〇に選ばれた」というような輝かしい経験である必要は全くありません。「あの時は楽しかったなぁ」「あれをやっている時は充実していた」など、プラスの感情になった時のことで思い出せることなら、どんな些細なことでも構いません。

それらを並べて俯瞰してみてください。何か共通項があるんじゃないでしょうか。それがあなたのやりがいやモチベーションの源泉のヒントになるはずです。もし共通項が見つからない場合は、親御さんや仲の良い友人にライフラインチャートを見せてコメントをいただくのもお勧めです。自分では気づいていない視点でフィードバックをもらえることが良くあります。ぜひ試してみてください。

ここまでお読みいただいて、ライフラインチャートに「嘘を書く」必要を感じたでしょうか?

そんな必要は一切ありませんし、素のあなたとしっかり向き合うことが何よりも大切です。そこから逃げても何も得られませんし、下手をすれば失うものすらあります。

まとめ

就活は、時に人には言いづらい悩みや不安がつきものです。そのような時、本記事で紹介した学生たちのようにひとりで抱え込まず、キャリタス就活の「あんしん相談」に気軽にご相談ください。個々の悩みに合わせて、さまざまなプロフェッショナルが丁寧にアドバイスを提供いたします。経験豊かな就活アドバイザーの知恵やノウハウが、あなたの疑問や不安の解消に役立つでしょう。

PROFILE

鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。

この記事のタグ

関連記事

最新記事

編集部のおすすめ記事

公式アカウントで最新情報を配信中!