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プロの視点

柏木 理佳NPO法人キャリアカウンセラー協会理事・桜美林大学北東アジア総合研究所客員研究員

“適性”を見つけて金融業界で輝く!キャリアデザイン指南

<第7回>2017.2.15
外資系企業を志望する人が準備しておきたい「心構え」

人生は過去の経験や出会いがきっかけとなり、予想もしていなかった展開をみせることがあります。18歳でオーストラリアに留学して以来、中国、シンガポールでのキャリアを経て日本に帰国。その後研究員、大学教員、そして、当時日本ではほとんど認知されていなかったキャリアをカウンセリングするというキャリアデベロップメントアドバイザーとしてNPOを立ち上げました。海外で働いたり、東京で外資系企業に働いたことは、大変な苦労で「適職ではないのではないか」と自問自答を繰り返してきました。このような苦労をしないためにも、学生や社会人に対してももっと早くキャリア形成を考えるべき、そのアドバイザーになりたいと思ったのがきっかけです。

今回は、そうした自身の経験から「外資系企業を志望する人が準備しておきたい心構え」「外資系企業が求める人物像」を、ひもといていきたいと思います。

思い描く理想の自分像が描けず、転職を重ねた20代

私の20代を振り返ると、オーストラリアの大学留学を経て、米メガバンクで派遣業務を数カ月、米国の貿易会社に約1年勤務した後に、香港にて外資系航空会社で客室乗務員を3年経験。そして北京首都師範大学へ留学し、シンガポールで合弁企業の設立に携わりました。

このように20代のほとんどを海外で過ごしていた私は、少なくとも延べ15カ国以上の外国人と一緒に働いてきました。

20代で培った経験は、今日の私を形成する財産となっていますが、当時の私は自分の可能性や適職を見出すため、めげることなく前に向かって突き進む毎日を送っていました。そうした経験を交え、今回は外資系企業で働くことについてお伝えします。

外資系企業を志望する若者に伝えたいこと

最もきつかったのは、東京に拠点を置く米国の貿易会社に勤めた新入社員の時でした。

英語力が買われて採用が決まったのですが、入社初日から電話対応の仕方もコピーの取り方も教えてもらえない社風に面食らいます。もちろん、新人研修なんて気の利いたものもありません。さらに、お客様との打ち合わせの時にお客様も含め社員全員にお茶を出したら、男性の上司が私にこう言ったのです。「女性にお茶くみをさせているみたいで、僕が上司に怒られるから今後はもう気を遣わなくていいよ」と。そして、なんとか仕事を覚え始めた1カ月後には10年先輩と同じ仕事をさせられ、ライバルと目されるようになったのです。

外資系企業はよく「実力主義」「男女平等」という形容に喩えられますが、初めて勤めた貿易会社で真の意味での「実力主義」を目の当たりにすることになります。こうした話を聞くと、外資系企業を志望する人のなかには「日本企業と違ってチャンスが多そう」「早く出世できそう」と思う人も多いことでしょう。実力をいかんなく発揮したいというやる気に満ちた人にとっては活躍しがいのある舞台といえますね。でも、新入社員研修のない外資系企業は多く、自分でセミナーに通い学ばなければなりません。

貿易会社の経験から、適職を分析

貿易会社の業務は時差の関係から昼夜を問いません。しかも切迫した時間と状況のなかで、国外との熾烈な交渉が続き、思い通りにいかない場面では上司が電話先の相手や社内の人間に大声で暴言を吐くことも日常茶飯事。そのため円形脱毛症や心の病に罹った先輩もいたほどで、1年ほど働いた私もストレスが鬱積し、入院する憂き目に遭ってしまいます。このとき私は病床で「いったい私は何がしたいのか」と思い耽るうち、いつしか自然と自己分析を始めていたのです。

その方法は「キャリア・プランニング法」として<第6回>でもご紹介しましたが、このとき「テニス部だったから個人プレーの仕事が適している」など様々な方向から自己分析し、貿易の仕事をするには、短期間で多くの国で為替や物価などをみてまわる必要であると結論付け退職しました。

自己分析としては、貿易に必要な「交渉力」はまだ不足しており、それよりも「世界中の人に親切にしたい」「世界を舞台に活躍したい」という気持ちが強いということがわかり、当時から数年間で世界を訪問することができ、多くの外国人と働くことができる航空会社の客室乗務員に転職したのです。

3年間でほぼ世界中に行くことができるという夢は実現しましたが、思い描いていたイメージとは違いました。何より飛んでいる時間のほうが圧倒的に長いし、仕事そのものは過酷な肉体労働でした。それでも貿易会社を1年で退職した挫折体験があったため、3年間ただ乗務するだけではなく、多くの国のことを学び、次の仕事につなぎたいと各国の文化、需要と供給、物価、為替の推移などを必死で勉強したものです。

理想と異なる現実の中で、着々と積み重ねていった自己分析

香港を基点に世界を訪問して3年目を迎えましたが、まだ「次の仕事は何ができるのか」は確定できず、具体的な就職活動をすることができませんでした。しかし、ちょうど香港が中国に返還される前だったこともあり、「これからは中国の時代がくる」ということだけは実感できました。消費という意味で次は中国が世界を制覇するかもしれない。と判断し、中国の北京首都師範大学に留学しました。慣れない中国での生活に慣れた頃、日本からの知人たちから「希望通りの企業に就職でき、仕事を任せられるようになった」と、手紙がとどきました。私も友人たちに後れを取るまいと中国企業に100通もの履歴書を提出し、面接で有効な「企業が自分を採用したらどんなメリットがあるのか」が即効的に伝わる自己アピール法を編み出していきました。結果、中国で働く場合の「したたかさ」が足りないことを自覚し、20代後半でシンガポールに拠点を移し、会社の設立に携わりました。

今では、過去の自分を客観視したとき、これらの経験は遠まわりでも無駄でもなく、すべてひとつの線でつながった貴重な経験だったと認識しています。

過去の自分と未来の自分を照らし合わせると、真の適性が見えてくる

社会人になると「指示されたことだけをこなせばいいのではなく、自発的に考えて動く」という心構えが求められます。特に外資系企業の場合は「教えてくれないから」「頑張ったけど成果が出なかった」では通用しない世界であることを理解しておきましょう。

そして、厳しい世界であるからこそ学生のうちからミスマッチが生じないよう、しっかり自己分析をしておくことが重要です。

まず、業界・企業研究をする段階になったら、自分が就きたい職業をいくつか書き出してみましょう。

では具体的に、ある就活生が「サッカー好き」だと仮定します。

A:「部活動ではキャプテンとしてチームを束ねることに喜びを得ていた」
B:「敵のチームを研究し試合の攻略法を考えることが得意だった」
C:「部活動はよく休んだけどテレビ観戦を通して海外サッカーのメンバーなどの事情に精通していた」

このように、単に「サッカー好き」といっても、喜びを感じる部分は人それぞれですね。

大雑把に言うと、例えば、Aの人なら相対的に物事をみることができることから、インフラ構築など大規模プロジェクトを動かす外資系企業にも活躍の場があり、Bの人なら外資の金融機関などでライバル企業を調査し、戦略を考えながら競い合うことに喜びを感じるかもしれません。Cの人であればデータや情報をもとに企業に対して政策提言、経営分析を扱うシンクタンクが適しているかもしれません。

次に、その職業ごとにどのような仕事(タスク)があるのかをOB訪問などにより具体的に30ほどの項目を書き出して下さい。例えば、「クライアントと◯◯の打ち合わせに行く」「社内の◯◯職の人と◯◯の打ち合わせ」「取引先に◯◯を交渉・依頼」「社内の◯◯部署と◯◯について打ち合わせ」「社内で◯◯作業」「地方の◯◯生産地、または工場へ◯◯のために行く」etc.……、このように日々の業務を具体的に明らかにすることで、イメージとのギャップをうめることができます。

不思議なもので、「将来、仕事をしている自分のイメージ」と、「小中高時代の自分の行動や志向」を照らしあわせると、自分の適性や実力を発揮しやすい舞台がおのずと見えてくるはずです。ぜひ、憧れのみで就職を決めてしまうのではなく、自分の適性や実力と照らし合わせて、自分に合った就職先を見つけてください。

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Profile

柏木 理佳
Rika Kashiwagi

神奈川県横浜市生まれ。豪州の大学へ進学後、香港に居住。1994年に北京首都師範大学(漢語科)へ留学後、シンガポールで会社設立などに携わる。その後、豪州ボンド大学院経営学にて修士号取得(MBA)、2007年に嘉悦大学准教授に就任。2015年には育児をしながら桜美林大学院国際学研究科「中国民営企業における独立取締役の監査・監督機能-日中比較及び研修機関の役割の-考察」にて博士号取得。現在は、NPO法人キャリアカウンセラー協会理事。桜美林大学北東アジア総合研究所客員研究員。主な著書に「30分間で天職が見つかる本」(PHP研究所)、「TOEIC400点だった私が 国際舞台で“デキる女”になれた理由」(日本経済新聞出版社)など。