実際の仕事が見えてくる!職種解説|金融系の仕事

業界・職種・企業研究

公開日:2024.06.26

金融業界には、多種多様な職種が存在し、それぞれの役割が異なります。本記事では、金融業界を志望する方や興味を持ちはじめた方に向けて、金融業界にどのような職種があるのかについて詳しくご紹介しますので、ぜひご覧ください!

金融系の仕事とは?

お客さまの資産を守り、育てる仕事

銀行や証券会社をはじめ、保険会社やカード会社、消費者金融などでお金を動かす仕事です。さまざまな顧客の相談にのり、融資の可否や返済プランなどを判断していく必要があるため、金融に関する高い専門知識が求められます。また、顧客のニーズをくみ取るコミュニケーション能力や新商品を生み出す創造力も必要とされます。近年では、IT技術を活用した金融サービス・FinTech(フィンテック)の成長に伴い、ITエンジニアも重要な役割を担っています。

金融業界にはどんな業種がある?

金融業界と一口に言っても、その範囲は広大です。代表的なものとしては、銀行業が挙げられますが、投資銀行や商業銀行など、サービスの種類によって分かれています。金融業界の職種を理解する前に、まずは業界全体の理解を深めましょう。

■主な業種について

銀行:

銀行は金融機関の中核として、「預金業務」「貸出業務」「為替業務」を行います。顧客が預けた資金をもとに、個人や企業への貸出しを行い、その利息から収益を得ます。また、振込や支払いといった決済業務を通じて日々の経済活動を支え、外国為替取引や投資商品の販売も手がけます。近年ではデジタル化の進展に伴い、インターネットバンキングサービスの提供も重要な業務となっています。さらに、資産運用の相談や保険商品の販売など、幅広い金融サービスを通じて顧客の多様なニーズに応えています

証券会社:

証券会社は、株式や債券などの有価証券の売買仲介などを行う金融機関です。投資家に対して情報提供や助言をし、取引を迅速に成立させる役割を担います。顧客からの注文を金融商品取引所などに出し、それにより生じる手数料などを収入源とします。また、株式や債券の引受業務、資産運用のアドバイスも提供することがあります。証券会社は個人投資家から機関投資家、企業まで幅広い顧客層にサービスを提供しています。

クレジット会社・信販(しんぱん)会社:

クレジット会社・信販会社は、クレジットカードの発行やショッピングクレジット、キャッシングなどの金融サービスを提供し、消費者の購買活動や企業の販売促進をサポートします。消費者の購入代金の立て替え等で発生する手数料を徴収し、収益を得ています。金融業界の中で、顧客の消費行動に密接にかかわることで、経済活動の活性化に貢献しています。

生命保険会社:

生命保険会社は、個人や家族の将来に起こりうるリスク(死亡、疾病、怪我など)に備えるための保険商品を提供する企業です。契約者から保険料を受け取り、保険契約に基づいて発生したリスク(保険金の支払い対象となる事象)が実際に起きた際には保険金を支払います。保険商品の販売とあわせて、顧客から集めた保険料を運用することで資産を増やし収益を得ています。生命保険会社は、保険契約を通じて社会の安全網を提供しています。

損害保険会社:

損害保険会社は、火災、自動車事故、自然災害など、個人や企業が遭遇するさまざまなリスクから財産や生活を守るための保険商品を提供します。顧客から集めた保険料をもとに、予期せぬ事故や災害が発生した際には、その損害を補償する保険金を支払います。支払った保険金と経費等を差し引いた金額が収益になります。損害保険会社は顧客のリスクを軽減し、社会の安全と安心に貢献する重要な役割を担っています。

リース会社:

企業や個人に対し、機械や設備、車両などの資産を一定期間貸し出すサービスを提供します。顧客がリース料を支払うことで大きな初期投資をせずに最新の設備を利用できる仕組みは、循環型社会の実現やSDGsの観点から貢献しています。

■都市銀行とは

都市銀行とは、大都市に本店を構え、全国規模で展開する銀行のことです。このうち、規模が極めて大きい銀行は「メガバンク」とも呼ばれています。金融庁の分類で都市銀行に指定されているのは、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の4行です。

■銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫は何が違うの?

信用金庫、信用組合、労働金庫は、地域密着型の金融機関であり、一般的な銀行業務と同じく、預金の受け入れ、融資の提供、さらには振込みや公共料金の口座振替といった決済業務を行っています。

銀行が株式会社として運営されるのに対し、信用金庫、信用組合、労働金庫は会員や組合員制の共同組織という形態を採っており、出資者である会員、組合員の利益を最優先に考え、地域社会の発展をいちばんの目的として運営されています。

信用金庫は信用金庫法に基づき、主に地域の中小企業や個人に対する金融サービスを提供し、活動エリアが一定の地域に限定されています。

信用組合は中小企業等協同組合法により設立され、組合員の業種や職種に応じたサービスを地域または特定の職域で提供しており、労働金庫は労働金庫法に基づいて設立され、労働組合や生活協同組合などの団体が主な会員となっています。

職種はどんなものがあるの?

金融業界全体の理解を深めた上で、多様な職種について詳しく見ていきましょう。主な職種の役割や「求められる資質」をおさえて、自分に向いている仕事をイメージしましょう。

■金融業界の主な職種

1. 営業

仕事内容

仕事内容:金融商品の販売や顧客のニーズに合わせた提案を行う仕事です。新規顧客の開拓や既存顧客のフォローを通じて、売上目標を達成します。そのため、コミュニケーション能力と提案力が求められ、顧客満足度の向上が重要です。ホールセール(大企業、中堅企業向け)とリテール(個人向け)に分かれており、新規顧客の開拓や既存顧客のフォローアップも重要な業務です。

身につくスキル

  • ・コミュニケーション能力、プレゼンテーションスキル、営業戦略の立案力

2.保険外交員

仕事内容

個人や企業に対して生命保険や自動車保険などの保険商品を提案・販売する仕事です。顧客のライフスタイルやニーズに応じた保険プランを設計し、リスクマネジメントのサポートを行います。契約後のアフターフォローや見直し提案も重要で、信頼関係を築くことが成功の鍵となります。顧客一人ひとりのライフイベントに合わせたプランを提供し、長期的な視点でのフォローが求められます。

身につくスキル

  • ・コンサルティング能力、リスクマネジメント知識、顧客管理スキル、法務・税務知識

3.プライベートバンカー

仕事内容

富裕層等の顧客に対して資産管理や投資のアドバイスを行います。個別の財務ニーズに応じた最適なソリューションを提供し、長期的な信頼関係を築くことが求められます。税務や法律の知識も必要で、顧客の資産保全と増加をサポートします。

身につくスキル

  • ・法律・税務知識、財務分析能力、投資知識、ネットワーキング能力

4.ディーラー

仕事内容

金融市場で自社の資金を運用し利益を追求する仕事です。株式や債券、為替などの取引を行い、市場の動向を予測して迅速な判断を下します。高い分析力と瞬時の決断力が求められ、プレッシャーの中で冷静に行動できることが重要です。市場の変動に対するリスク管理と、取引戦略の立案・実行力が鍵となります。

身につくスキル

  • ・市場分析力、リスク管理能力、意思決定力、ストレス管理能力

5.トレーダー

仕事内容

顧客の注文に基づき、株式、債券、商品先物などの金融商品の売買等を行います。市場の動きを分析し、顧客に最適な取引を提供します。リアルタイムの情報収集と分析が重要で、高いリスク管理能力と迅速な判断力が求められます。トレーダーは、仲介・サポートの役割を担っているため、顧客との信頼構築が重要になります。

身につくスキル

  • ・リアルタイム分析能力、リスク管理能力、情報収集力

6.エコノミスト

仕事内容

証券会社などの金融機関や官公庁・シンクタンク・大学などで、経済動向の分析と予測を行います。企業や投資家に対して経済戦略の助言をしたり、企業や政府に経済見通しを提供し、投資戦略や政策立案に役立てられたりします。マクロ経済や金融市場の知識が求められ、データ分析やリサーチ能力が重要です。経済状況の変化に敏感であり、タイムリーな分析と報告が求められます。

身につくスキル

  • ・マクロ経済の知識、データ分析力、プレゼンテーションスキル

7.証券アナリスト

仕事内容

企業の財務状況や市場の動向を分析し、投資家に向けたリサーチレポートを作成し投資判断をサポートします。また「銘柄分析」として、個別の企業や業界を対象とし、その企業の株式が投資に適しているかどうかを検討します。業界や企業の動向に精通し、詳細なデータ分析と鋭い洞察力が求められ、リサーチ結果をもとにした戦略提案が重要です。

身につくスキル

  • ・財務分析能力、投資判断力、市場分析力、業界知識

8.ファンドマネージャー

仕事内容

投資信託の運用を指揮する専門家です。運用会社に所属し、アナリストやエコノミスト、ディーラーとチームを組み、投資先の選定、売買、管理を行います。ポートフォリオの構築とリスク管理が重要で、投資戦略の柔軟な調整が必要です。保有資産の組み合わせを管理するため、ポートフォリオマネージャーとも呼ばれます。

身につくスキル

  • ・ポートフォリオ管理能力、市場動向の分析力、投資分析力

9.金融事務

仕事内容

口座開設や各種申し込みといった窓口業務と、預金管理や取引の処理などの対応を行うバックオフィス業務があり、日々の金融取引を円滑に進めるサポートを行います。金融事務は正確なデータ入力と迅速な対応が求められ、細やかな気配りが重要です。証券外務員やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得し、金融商品の取り扱いや相談業務を担当することもあります。

身につくスキル

  • ・データ管理能力、正確性と注意力、事務処理能力

10.ファイナンシャルプランナー(FP)

仕事内容

個人や法人の資産運用やライフプランニングをサポートし、最適な投資戦略を提案します。財務分析や税務の知識が求められ、長期的な視点でのサポートが求められます。顧客の目標に応じた最適な資産運用や保険プランを提案し、人生設計全体をサポートします。

身につくスキル

  • ・プランニング能力、コミュニケーション能力、法律・税務知識

11.融資

仕事内容

自社が保有する資金を法人や個人に融資します。個人の場合は住宅ローンなど、法人では工場建設に必要なお金などの事業資金を貸し付けます。返済能力などを鑑みながら、融資額や返済計画などを決定します。

身につくスキル

  • ・金融商品についての専門知識 ・情報収集能力や分析力 ・経営コンサルタント的な視点

12.アクチュアリー

仕事内容

各種保険を設計するスペシャリスト。高度な数理学・統計学的知識に基づき、過去のデータを分析。自社の利益を保ちつつ、加入者にとって適正な掛け金と支払い保険料が設定されるように算出します。

身につくスキル

  • ・数理学・統計学の専門知識・スキル ・高度な情報分析力

■金融系エンジニアの需要拡大

近年、金融業界ではIT技術の導入が進み、デジタルバンキングやオンライン証券取引、モバイルペイメント、ブロックチェーン技術などの新しいサービスが登場しています。金融系エンジニアは、これらの技術を駆使して安全かつ効率的な金融サービスを提供するために、システムの開発やインフラの構築、セキュリティ対策を行います。具体的な業務内容としては、以下のようなものがあります。

・金融システムの設計・開発・保守
・顧客向けのウェブアプリケーションやモバイルアプリの開発
・セキュリティ対策の実施と脅威の監視
・ブロックチェーン技術などの導入

身につくスキル

  • ・プログラミングスキル、データ解析能力、ブロックチェーン技術、セキュリティ知識

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