エントリーシートの手書きは時代遅れ?メリット・デメリットや書き方を解説
ES・選考対策公開日:2025.07.09

エントリーシートは手書きとパソコン、どちらが適しているのか迷うこともあるでしょう。本記事では、手書きのメリット・デメリットを詳しく解説し、企業が評価するポイントについても紹介します。応募先に合わせた最適な形式を選び、効果的なエントリーシートを作成しましょう。
エントリーシート(ES)はパソコンと手書き、どちらがいい?
エントリーシートの作成方法には、主にWEB形式と手書き形式の2種類があります。WEB形式のエントリーシートは、作成から提出までをすべてオンラインで完結できるため、手軽に作成・修正が可能であり、近年多くの業界や企業で採用されています。
手書き形式は1枚ずつ時間をかけて作成する手間がある一方で、応募者の熱意や誠意を伝えやすいという特徴があり、伝統的な企業では今も手書きを求める場合があります。
一般的には企業がエントリーシートの形式を指定することが基本ですが、指定がなく応募者が自由に選べるケースもあります。その場合、応募する企業の文化や求める人物像に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
たとえば、IT企業や外資系企業などデータ管理が重要視される企業ではWEB形式が好まれ傾向にありますが、地域密着型の企業やアナログなコミュニケーションを重視する企業では手書きのほうが好まれることがあります。下記項目で傾向を確認してみましょう。
このように、WEB形式と手書きのどちらか迷う場合は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、企業文化や雰囲気も確認した上でどちらの形式が適しているか検討することが大切です。

キャリアアドバイザーからの一言
エントリーシートは、手書きやパソコンで作成したものをPDF化し、データとして提出する方法もあります。
PDF化する際は、余白やフォントのバランスを調整し、読みやすさを意識することが重要になります。メールで送付する際は、「大学名_名前_日付」といったファイル名にすることで、採用担当者が識別しやすくなり、スムーズに確認できるでしょう。
手書きのエントリーシート(ES)のメリット
手書きのエントリーシートには、志望度や熱意を伝えやすい、個性を反映できるといったメリットがあります。これらの要素をうまく活用することで、採用担当者に印象を残しやすくなるでしょう。以下でメリットを具体的に紹介します。
■志望度の高さや熱意がより伝えられる
手書きのエントリーシートは、作成に時間と労力を要する分、応募者の熱意や誠意をより強く伝えることができます。文字の丁寧さや書き方からは、その人の人柄や真剣な姿勢がにじみ出るため、採用担当者に「本気でこの企業に入りたい」という強い意志を印象づけられるでしょう。
■個性を伝えられる
手書きのエントリーシートは、文字にその人の性格や特徴が表れやすい点がメリットです。たとえば、字の大きさや形、筆圧、書き方の癖などには個性が出ます。手書きだからこそ生まれる文字の個性は、採用担当者にとって印象に残りやすく、自分らしさを自然にアピールできます。
■見やすさの工夫ができる
手書きのエントリーシートは、見やすさの工夫がしやすいというメリットがあります。段落分けや文頭を揃えることで、読みやすさをコントロールできます。
WEB形式では決まった枠内に入力するケースもあり自由度が限られますが、手書きの場合、手書きならではの余白の使い方や行間の工夫によって、読み手への配慮をアピールすることが可能です。
大量のエントリーシートを確認する採用担当者にとって、読みやすいエントリーシートは評価につながりやすくなります。ちょっとした気遣いや工夫を通じて丁寧さや細やかな注意力をアピールしましょう。
手書きのエントリーシート(ES)のデメリット
手書きのエントリーシートは、熱意を伝えやすいというメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。以下に、具体的な注意点を紹介します。
■手間と時間がかかる
手書きのエントリーシートは、パソコン作成と比べて時間と労力がかかります。考えた内容を一度用紙に下書きし、その後清書する工程があるため、慎重に進めなければなりません。
特に、誤字や脱字が発生すると修正が難しく、書き直しになる点は注意しましょう。急いで書くとミスを招くため、一文字ずつ丁寧に仕上げる必要があります。
そのため、エントリーシートを手書きする前にパソコンで情報をまとめておくとよいでしょう。事前に構成を調整したり、文字数を確認したりできるため、手書きの際もスムーズに進めることができます。整理された内容を参考にすることで、誤字や脱字も減らせます。
さらに、郵送による提出の場合は配達日数を考慮し、締め切りに間に合うよう余裕をもって準備する必要があるでしょう。
これに対し、パソコン作成のエントリーシートは、時間や手間がかかりにくい点がメリットです。
パソコン作成のエントリーシートのメリット
・簡単に修正や加筆ができる
・誤字・脱字をチェックしやすい
・文字数の確認・調整がしやすい
・コピー&ペーストで効率的に作成できる
・インターネット上で提出できる
■字の上手さで印象が左右されやすい
手書きの文字は、読みやすさが評価に影響を与えるため、字が乱れていると印象を損ねる可能性があります。字を書くのが苦手な場合、見た目が評価の対象になることもあるため、慎重に丁寧に書くことが求められます。
手書きのエントリーシート(ES)が評価される傾向にある企業

手書きのエントリーシートが評価される傾向にある企業には、伝統を重んじる企業や地域密着型の企業が挙げられます。これらの企業は、応募者の熱意や誠意を直接感じ取るために、手書きのエントリーシートを好むケースがあります。
手書きエントリーシートを評価する企業例
・伝統を重んじる企業
・地域密着型の企業
・社風としてアナログなコミュニケーションを大切にしている企業
・人と人との関係を重視している企業
・社員の平均年齢が高い企業
特に、長い歴史をもつ企業では、書類を手書きで作成する文化が根付いており、応募者にもその価値観に沿った対応を求めることがあります。また、対人関係を重視する企業では、手書きの文字から応募者の人物像を読み取る傾向があり、コミュニケーションを重視する企業では誠実さを評価する目的で手書きが好まれやすいです。
一方、業務の効率性を優先する企業やデジタル化が進む業界(IT企業、ベンチャー企業、外資系企業など)では、パソコンで作成されたエントリーシートが好まれることが多いです。企業側のデータ管理の利便性や応募者のデジタルスキルを評価する目的も含まれているでしょう。
このように、手書きのエントリーシートが評価されるかは企業の方針によるため、必ず採用情報でエントリーシートの形式を確認しましょう。『キャリタス就活』の「ES・選考対策を探す」では、実際の選考体験談や各企業のエントリーシートの傾向を知れます。
気になる企業の文化や評価基準を把握し、自分に適した形式で準備を進めましょう。
企業が手書きのエントリーシート(ES)の提出を求める理由は?
企業によっては、書きのエントリーシートを指定する場合がありますが、それにはどのような理由があるのでしょうか。
企業が手書きのエントリーシートを求める場合、本当に志望度が高い応募者を選別したいと考えています。手書きは作成に時間がかかるため、意欲が高い人ほど労力を惜しまず丁寧に仕上げることが多く、その熱意を採用に反映させやすくなります。
つまり、手書きを求めることで入社意欲や熱意のある応募者を集めるのが狙いです。志望度の低い応募者を振るいにかけるための手段として、あえて手書きを指定しているケースもあります。
手書きのエントリーシートを指定された場合は、企業が何を評価しようとしているのかを理解した上で、丁寧に書き上げましょう。ここからは、手書きのエントリーシートの作成方法について具体的に解説していきます。
手書きのエントリーシート(ES)を作成する5ステップ

手書きのエントリーシートを作成する際は、見やすさや丁寧さを意識することが重要です。ここでは、手書きのエントリーシートを完成させるための5つのステップを紹介します。
■1.パソコンで内容を整理する
エントリーシートのフォーマットに手書きする前に、まずはパソコンを使って内容を整理しましょう。文章の構成や文字数の調整をパソコン上で済ませることで、手書きの際の修正作業を減らせます。
また、清書前に誤字・脱字のチェックもでき効率的な準備が可能です。
■2.定規と鉛筆を使って薄く罫線を入れる
手書きでも美しく仕上げるには、エントリーシートのフォーマットに定規と鉛筆で薄く罫線を引くことがポイントです。手書きに慣れていない人がまっすぐ字を書くために大切なステップといえます。文字を均等に配置しやすくなるため読みやすさが向上します。
鉛筆で罫線を入れることであとから消せるため、清書の際も邪魔にならず、下書きもスムーズに進められます。
■3.用紙に鉛筆で下書きをする
罫線を引いたら、フォーマットに鉛筆で下書きをしていきましょう。下書きが完了したら、その段階で文章の流れやレイアウトを確認し、誤字・脱字のチェックを行います。
下書きを丁寧に行うことで、清書時のミスを防ぐことができ、効率的にエントリーシートを仕上げやすくなります。
■4.鉛筆の上からボールペンで清書する
下書きをし、誤字・脱字のチェックが完成したら、ボールペンで清書を行います。適度な筆圧を意識しながら、ゆっくりと丁寧に書きましょう。
インクがにじまないよう、書く強さやペンの種類にも注意を払うことが大切です。
■5.インクが乾いたら消しゴムで下書きを消す
ボールペンで清書した後は、インクが完全に乾くのを待ちます。軽く指で触れ、乾いたことを確認したら、消しゴムを使って鉛筆の下書きを優しく消しましょう。
強くこすると紙が破れる恐れがあるため、丁寧に作業することが大切です。消しカスが残らないよう注意しながら、仕上げの段階で全体をきれいに整えます。
最後に、誤字や脱字がないかを最終確認し、問題がなければ完成となります。
手書きのエントリーシート(ES)を作成する際におさえたいポイント
手書きのエントリーシートを作成する際は、細かなルールをおさえておくこと重要です。ビジネス文書としての信頼性を意識し、適切な書き方を心がけましょう。
■とめ・はね・はらいを丁寧に書く
手書きのエントリーシートでは、文字の「とめ・はね・はらい」に気を配ることが大切です。これを意識することで、文字の美しさが格段に向上し、採用担当者に好印象を与えられます。
特に、誠実さや丁寧な姿勢を伝えるためには、筆使いを慎重に整えることが重要です。書類の見栄えがよくなるだけでなく、読みやすさにもつながります。
■文字の大きさ・文頭を揃える
手書きのエントリーシートでは、文字の大きさや文頭を揃えることで、見やすさが向上します。不揃いな文字は読みにくく、印象を悪くする可能性があるでしょう。
段落のはじまりは1マス下げるなど、統一感をもたせることで、整理された印象を与えられます。適切なレイアウトを考慮しながら、見栄えのよいエントリーシートを作成しましょう。
■消せるボールペンを使わない
手書きのエントリーシートでは、消せるボールペンは使わないようにしましょう。その理由としては、温度変化で文字が消えてしまう可能性があり、企業に提出する重要な書類では、消えない通常のボールペンを使うことが推奨されます。
正式な書類としての信頼性を保つため、通常のボールペンを使用しましょう。
■修正液や二重線を使わない
手書きのエントリーシートでは、修正液や二重線を使わないことが基本です。修正した部分が目立つと、書類全体の印象が悪くなるだけでなく、企業に対して不誠実な印象を与えることもあります。
誤字や脱字が発生した場合は、新しい用紙に書き直します。時間と手間はかかりますが、整った書類を提出することで、応募への真剣さや丁寧な姿勢を伝えられます。
■内容をコピーやデータで保存するのを忘れない
手書きのエントリーシートでは、提出前に内容のコピーやデータ保存を忘れずに行いましょう。企業への提出後、面接でエントリーシートの内容について質問されることがあります。データを保存しておけば、エントリーシートと矛盾する発言を避けられ、面接対策にも役立ちます。
さらに、次回以降のエントリーシート作成時に参考にできるため、効率的な準備が可能です。

キャリアアドバイザーからの一言
ほかにも、エントリーシートでは適度に改行を入れ、読みやすさを意識することも大
切です。長い文章が続くと、採用担当者が読みづらく感じることがあります。ただし、余白が多すぎると意欲が低く見られてしまうことがあるので、文字数は8割以上を目安に記入するとよいでしょう。
また、誤字や脱字は評価を左右する要素になるため注意が必要です。パソコンで整理した情報は校閲機能を活用し、誤りがないかチェックしましょう。清書後も最後に見直しを行うことで、正確な情報を企業に届けられます。
エントリーシートの書き方については、下記の記事でより詳しく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。

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エントリーシート(ES)を提出する前に確認したいこと
・封筒の書き方は正しいか
・送付状の書き方は正しいか
・普通郵便による提出にしているか
エントリーシートを提出する際は、書類の準備と送付方法を丁寧に確認することが重要です。封筒の宛名や差出人の記載方法を誤らないように注意し、企業の指定がある場合はそれに従いましょう。
封筒の宛名には「株式会社◯◯ 人事部 採用ご担当者様」と書きます。封筒裏面の差出人には、自分の住所と氏名、大学名、学部名、学科名を書きます。さらに、封筒裏面の左上に投函した日付を忘れずに書きましょう。
また、送付状を添えることで、正式な応募書類としての印象を強められます。送付状の差出人には、氏名や大学名、学部名、学科名、住所、電話番号、メールアドレスを明記します。
提出方法に関しては、特別な指定がない限り、一般的に普通郵便で送りましょう。ただし、普通郵便では期限までに届かない可能性がある場合は、速達を利用しても問題ありません。締め切りに間に合うよう余裕をもって発送し、確実に応募書類が届くように準備しましょう。
エントリーシートなど選考書類を送る際の封筒のポイントやチェックリストは、以下の記事で紹介しているので参考にご覧ください。

【テンプレートあり】選考書類を送る際の封筒のポイントやチェックリストを見てみよう
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手書きのエントリーシート(ES)に関するよくある質問
■Q.手書きのエントリーシート(ES)の提出方法は?
A.企業の指定によって異なりますが、一般的な提出方法には郵送、メール添付(PDF)、直接持参などがあります。企業がフォーム入力を推奨している場合は、それに従いましょう。
特に企業から提出方法に指定がなく、調べてどうしてもわからない場合は企業に問い合わせても問題ありません。
急ぎの場合を除き、問い合わせは基本的にメールで行うようにしましょう。連絡に関しても直前になって慌てないように余裕をもって行動することが大切です。
■Q.手書きのエントリーシート(ES)は時代遅れ?
A.手書きを求める企業は減少傾向にありますが、一部の企業では応募者の熱意を伝える手段として評価されることがあります。企業の方針を確認した上で、適切な形式を選択しましょう。
■Q.字が汚いが手書きのエントリーシート(ES)を求められた。きれいに書くコツは?
A.字が汚くても罫線を引いて文字を整えたり、「とめ・はね・はらい」を意識することで、読みやすさを向上できます。また、ゆっくり丁寧に書くことで文字の形を安定させられるでしょう。さらに、文頭を揃えることで、より見やすくなります。
書き直しができるように、まずは鉛筆で下書きをしてから清書すると安心です。文字に自信がない場合でも、丁寧な姿勢は担当者に伝わります。
手書きのエントリーシート(ES)は丁寧に作成しよう
手書きのエントリーシートは、応募者の熱意や個性を伝える手段として今も評価されることがあります。一方で、パソコン作成のエントリーシートは効率的で修正しやすく、デジタル化が進む企業では主流となっています。どちらの形式が適しているかは、応募先の企業文化や評価基準によるため事前に確認しましょう。
手書きの場合は、丁寧に書くことが何よりも大切です。文字のバランスや「とめ・はね・はらい」にも気を配り、読みやすさと誠実さが伝わるよう心がけましょう。
『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。

PROFILE
キャリタス就活編集部
『本音をきく、本気でこたえる。』をテーマに、就職活動・就活準備をがんばる皆さんに向け、インターンシップ・キャリア情報やES・面接対策など、さまざまなシーンに役立つ情報をお届けしています。「面接がうまくいかない」、「そもそも就活って何からはじめるべき」など、皆さんの本音に寄り添った記事を配信しておりますので、ぜひこの機会にご活用ください。