将来どんな仕事をしてみたい?ワークシートで5年後・10年後の「理想の自分」をデザインしてみよう!

自己分析

公開日:2023.12.12

こんにちは。キャリアコンサルタント・公認心理師の濱野です。就職活動は、学生の皆さんが社会人としてのキャリアを考えるファーストステップですよね。社会に出て満足のいくキャリアを紡いでいくためにも、各自が「将来どんな職業人になりたいか」というビジョンを持って就活を進めることがとても大切です。

この記事では、3つのワークシートを使って、皆さん自身に将来どんな仕事に就いてみたいかを考えていただきながら、卒業後も使える「キャリアデザイン」の方法を伝授します!

「キャリアデザイン」ってどんなこと?

キャリアに関する話題でよく目にする「キャリアデザイン」、「キャリアビジョン」、「キャリアプラン」という言葉。「それぞれがどんな意味なのか、よくわからないなあ…」と感じている学生さん、意外と多いのではないでしょうか。

この記事ではこれら3つの言葉がキーワードになりますので、最初にそれぞれの言葉について説明しておきますね。

まず、「キャリアデザイン」について。

「キャリアデザイン」とは、「一人ひとりが、自らのキャリア(職業人生)を主体的に描くこと」です。「キャリアデザイン」の大きなポイントは、「一回やっておしまいではなく、生涯を通して何度もやる必要がある」という点。

個人を取り巻く環境や自身の思いは刻々と変化していきます。現代は、変動的で今後何が起こるか予測困難なVUCA時代とも称されますから、私たちは環境や自身の変化に応じて、「キャリアデザイン」を繰り返し行う必要があるのです。

就活というこのタイミングで「キャリアデザイン」の方法を身につけておくことは、就活で納得のいく成果を得るために役立つことはもちろん、今後のキャリアにとっても大変有益です。なぜならば、社会に出た後もここで修得した方法を活用すれば、自らのキャリアを何度でもデザインし直すことが可能になるからです。この機会に、ぜひ身につけてくださいね。

次に、「キャリアビジョン」と「キャリアプラン」について。

「キャリアビジョン(の立案)」と「キャリアプラン(の策定)」は、「キャリアデザイン」のプロセスで実際に取り組む作業です。言い換えれば、「キャリアビジョン」と「キャリアプラン」抜きでは「キャリアデザイン」を語ることはできない、ということになります。

■「キャリアデザイン」のプロセス

ステップ1:「キャリアビジョン」の策定
「○年後にどんな職業人になりたいか」という目標・理想像を描く。

ステップ2:「キャリアビジョン」と現状とのギャップ分析
ビジョンを実現するために、現状の自分には何が不足しているか、どんな準備や学習が必要かなどを考える。

ステップ3:「キャリアプラン」の立案
ステップ2を踏まえ、キャリアビジョンを実現させるための具体的な行動計画を立てる。

ではあなたのキャリアをデザインするために、具体的な方法を紹介します。

5年後、10年後の理想の自分をイメージした「キャリアビジョン」を考えよう

キャリアデザインをする上で、「××年後にどんな仕事をしたいか」目標や理想を描くことが重要です。今回は5年後と10年後の「キャリアビジョン」を考えてみます。

ちなみに、「入社後のキャリアビジョン」は就活の面接でも聞かれることが多いので、その対策にも活用できます。

■ワーク:理想の5年後・10年後の私

「キャリアビジョン」を考えるにあたって、まず理想の5年後と10年後を自由にイメージすることから始めましょう。ご自身のキャリアビジョンをイメージするためにワーク用の資料をダウンロードしてみましょう。

雛形がダウンロードできたら、ワークシート①「5年後・10年後の『理想の私』をイメージしてみよう」の設問に従って、5年後、10年後の理想の私の姿(仕事とプライベート)を思いつくままに書いてみてください。このワークをすることで、意識化されていなかった将来の目標などが徐々に見えてくると思います。

なお、ワークに取り組む際には「実現できないかもしれないから書かないでおこう」などと制限をかけないでください。また、正解はありません。思うままに想像を広げて書いてみることが重要です。

作成した「キャリアビジョン」と現在の自分とのギャップを分析しよう

■ワーク:キャリアビジョン策定

ワークシート①を書き終えたら、続けてワークシート②の上半分、「キャリアビジョン策定」に取り組んでください。ワークシート①でイメージした5年後、10年後の理想像を、改めて自分の言葉で言語化してみます。

できることならば、志望業界の動向や将来性、職種に求められるスキルなども考慮しながら、「キャリアビジョン」を考えることができると、さらによいですね。

日頃から目指す業界のニュースをチェックしたりセミナーに参加したりして、新しい知識や技術、トレンド、身につけるべきスキルなどを知る努力をしましょう。このような活動を通して視野が広がることで、「キャリアビジョン」がより充実したものとなるでしょう。

■ワーク:現状とのギャップ分析

ワークシート②の上半分を書き終えたら、ワークシート②の下半分、「現状とのギャップ分析」に取り組んでください。

5年後、10年後の「キャリアビジョン」と現在の自分とを照らして、足りないもの・ことはどんなことかを洗い出します。不足していると思われる経験、知識・スキル、人脈などについて、できるだけ具体的な言葉で書き出してみましょう。

ワークシート②

「キャリアプラン」を考えよう

■ワーク:キャリアプラン立案

ワークシート②「キャリアビジョンとギャップ」をすべて書き終えたら、ワークシート③「キャリアプラン立案」に進みましょう。ワークシート②のギャップ分析で明らかになった「足りないもの・こと」を手に入れるために、これから何を、どのように、いつまでに行うか考えていきます。

自分の市場価値を上げるための学習(その職種に必要な専門スキルの習得、語学習得、社会的ニーズの高い資格取得など)も重要なポイントになります。

この時意識したいのが、「SMART」の法則。「Specific(具体性)」、「Measurable(測定可能)」、「Achievable(達成可能)」、「Relevant(関連性)」、「Time-bound(期限)」の頭文字を取ってこう呼ばれています。

このフレームワークは、仕事上の目標や計画を立てる際に具体性を持たせることで目標達成の精度向上に非常に役に立ちますので、これを機にぜひ活用できるようになってくださいね。

なお「キャリアプラン」には、社会人になってから取り組めることや達成に時間がかかるような長期的な目標だけでなく、学生時代に達成しておきたい短期的な目標も積極的に盛り込むことをおすすめします。

短期目標の達成を積み重ねることで「自分ならできるんだ」といった自己効力感がアップし、さらに高い目標にチャレンジしようという意欲を高めることができるからです。

ワークシート③

「キャリアプラン」は、実行しなければ宝の持ち腐れです。プランを作ったら期限を決め、実行に移し、定期的に目標達成状況の進捗を確認して、必要に応じて調整することを忘れないようにしましょう。

「キャリアデザイン」をして自分らしいキャリアを歩み続けよう

自分の理想を描く「キャリアデザイン」に必要な「キャリアビジョン」「キャリアプラン」の作り方について、ワークを交えながらご説明してきましたがいかがだったでしょうか。

社会に出ると、思いもよらない出来事が発生し、シビアな判断を迫られる場面に遭遇することがあります。そんな時、自分のキャリアを主体的に考え、軸を持って進むためのスキルを身につけておけば、先の見えないVUCA(目まぐるしく変動し、予測困難な状況)の時代においても自分らしいキャリアを紡ぐことが可能となります。

なお、「キャリアデザイン」をより充実したものにするためには、今回ご紹介したこと以外にも、自分の価値観や信念を明確にしておくこと「自己分析」も重要です。

自身のキャリアデザインができた方は、合わせてキャリタス就活に掲載されている自分研究・適職診断も自己分析の一貫として利用してみてください。

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あなたの個性や能力を生かせる仕事=「適職」を発見しましょう!

PROFILE

濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。

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