ずばり人事の本音を聞いてみた「企業研究で他の人と差をつける方法を教えてください!」──第5回:日本放送協会(NHK)
体験談・インタビュー公開日:2024.02.28
就職活動をしていく上で気になるけれどもなかなか説明会などでは聞けない就活生の悩みを人事の方にずばり聞いてみました。今回のテーマは「企業研究」についてです。就職活動の中でも難しいと感じる方が多い企業研究。ここまで調べておけば完璧、という目安がない中で試行錯誤しながら行っているのではないでしょうか。
本記事では企業研究で他の人と差をつけるポイントについて、日本放送協会(NHK)人事局の松宮(まつみや)氏にお話をお聞きしました。
事業内容や採用状況について
──御社の事業内容について教えてください。
NHKは視聴者の皆様の受信料で成り立っている公共放送(メディア)です。総合テレビ・ Eテレ・NHKBS・ BSプレミアム4K・ BS8K・ ラジオ第1 ・ラジオ第2 ・FMを通じて、ニュースやドラマ、エンターテインメントなどを含めたコンテンツを届けています。
──松宮さんから見て、最近の応募者に傾向や特徴はありますか?
最近の応募者の方々はすごくまじめで、勉強熱心な方が増えた印象です。インターンシップ等にもとても熱心に参加されています。NHKに入りたいと強く思っている方もいれば、自分に合うのかな、と見極めようとしている方、また社会のために役に立つ仕事ができるかという点を重視している方もいらっしゃいます。以前より自分が仕事をすることによってどのような社会貢献ができるか、考えている方が増えたような気がします。
求める人材は「チーム力」と「粘り強さ」
──NHKではどんな人材を求めているのでしょうか?
誰かの役に立ちたい、世の中を明るくしたい、そんな気持ちをもって、プロフェッショナルとして仕事を突き詰めていける人です。自分の得意なことや好きなことがNHKの仕事に合うのであればそこをどんどん伸ばしていってほしいと思っています。
──そのような人材をどう見極めようとしているのですか?
取り組むテーマは簡単じゃないことが多いです。周囲としっかりコミュニケーションをとってうまく巻き込む「チーム力」、簡単にはあきらめない「粘り強さ」を持っている人に仲間になってほしいですね。失敗を恐れず挑戦していくことで、よりプロフェッショナルな人材になっていくのではと感じています。
企業研究で差がつくのは、企業の今と未来のシナリオを想像して共に歩んでいける人
──企業研究で、他の人と差をつける方法はありますか?
NHKは多種多様なコンテンツをたくさん作っています、「○○を見ました」「△△が好きです」と言ってもらえるのは、とても嬉しいです。でも、NHKオタクに集まって欲しいわけではありません。どの職種であっても、学生時代に映画や演劇、ライブ、本、さまざまなコンテンツに触れてください。そうしたものとの比較の中で、NHKを捉えなおすとより理解が深まると思います。
また、スマホ、SNS全盛時代、メディアのあり方が大きく変わっています。一歩踏み込んで「こういうものが世の中に求められていると思う」と、公共メディアのあるべき姿、未来図を一緒に考え、挑戦しようという姿勢を共有してもらえるととても嬉しいですね。ただ批判するだけではなく、「こうすればもっとよくなる」という理想を考え、周囲に伝え、それで共感を得られたら満点ですよね。とっても難しいですが。
──他に、選考で評価に繋がるポイントはありますか?
NHKは「作ってしっかり届ける」までが仕事です。面接やエントリーシート上の最後の最後まで粘り強く自分のことを届けようという意欲が感じられたり、細かく気を遣って伝えようとしていることがわかるとポイントは高いと思います。
就活生へのアドバイス
──この業界に関わりたい学生はどのような視点を持っていると良いと思いますか?
NHKのコンテンツ・サービスをご利用いただくお客様はとても幅広い層です。どの年代の方に対しても“優しさ”を持って届ける気持ちがあると良いと思います。優しさがないとサービスは考えられないからですね。多くの人に喜んでいただけるにはどうしたら良いだろうという想像力も必要だと思います。
自分が表現したいことももちろんあると思いますが、「誰かのために届ける」という視点は大事にしてほしいポイントです。
──最後に就活生へのアドバイスをお願いします。
就職活動では、背伸びをしてほしいわけではありません。自分のありのままを伝えてほしいですね。自分の得意なことだけでなく、失敗したこと、挫折したことの中にあなたの本質が隠れていることも多いです。ありのままを素直に表現してほしいです。それがメディアとして、視聴者にどう「届けるか」にも通じると思います。
PROFILE
中尾 あずさ
大学卒業後、新卒で旅行会社にて営業・海外添乗員を経験後、大手人材会社へ転職。営業・人材育成・研修講師を行う。その間、アルバイト→契約社員→正社員→時短勤務と様々な勤務形態を経験。在籍中に3人の子供の出産・育児休暇を経て仕事と子育てを両立。2011年にキャリアカウンセラー(CDA)資格を取得。副業にてトータル3500人の相談業務に従事し独立。高校、大学でエントリーシートの添削や面接対策、進路相談など就職活動支援や就業中の方へのキャリアコンサルティングを実施。
【主な資格】
・キャリアカウンセラー CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
・国家資格キャリアコンサルタント
・青山学院大学社会情報学部ワークショップデザイナー
・育休後アドバイザー