短期インターンと長期インターンの違いは?特徴を理解して参加しよう!!
インターンシップ・キャリア公開日:2024.09.11
企業において就業体験ができるインターンシップは、皆さんが卒業後のキャリアを考える際に役立つ多くの情報を得られる重要な機会です。インターンシップには「短期」と「長期」があり、それぞれの目的や特徴を理解した上で参加することで得られる経験や成果違ってきます。本記事では、短期と長期のインターンシップの特徴と効果的な活用方法について解説します。
そもそもインターンシップとは?
学生のキャリア形成支援のひとつに、インターンシップがあります。インターンシップを簡単に説明すると、社会人になる前に実際の仕事体験ができるプログラムです。インターンシップは、「学生がその仕事に就く能力が自分に備わっているかどうかを見極めることを目的に行う就業体験」と定義されています(「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」報告書:2022年4月)。
また、就業体験中に社員が参加学生を指導し、終了後にはフィードバックを行うことも必須となっています。就業体験ができるだけでなく、実際に働いてみて自分がどう感じたか、自分の働きぶりや能力は現場の社員からどのように評価されるのか、自分にとってのさらなる課題は何かなどがわかるという点でも、学生がインターンシップに参加して得られることは非常に大きいといえます。
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短期・長期インターンシップの違い
インターンシップは、参加期間によって短期インターンシップと長期インターンシップの2種類に分けられます。
短期インターンシップは5日間から2週間未満の期間で行われ、企業の業務を短期間で体験することができます。一方、長期インターンシップは2週間以上にわたって実施され、より深く業務にかかわることができることが特徴です。
それでは、短期・長期のインターンシップの違いをみてみましょう。
■短期インターンシップの概要
・期間:5日間〜2週間未満
・特徴:短期間で業務の一部を体験できる
・対象学年:学部3年・4年、修士1年・2年
・内容:各職種や部署の業務体験(例:商談や会議への同席、店舗の運営、システム開発など)、業務体験を踏まえたグループワークなど
◆プログラムの例:総合電機メーカーでの新規開拓営業体験
BtoBの新規開拓営業を体感できる、5日間のインターンシップ
<実施内容>
・1日目:自社の業務内容および主な製品などの説明、ビジネスマナー研修
・2日目:家電営業への同行
・3日目:オフィスIoT提案営業への同行
・4日目:ロボティクス営業への同行
・5日目:体験報告会と個人へのフィードバック、先輩社員との座談会
■長期インターンシップの概要
・期間:2週間以上
・特徴:実際のプロジェクト参加などを通して、業務の全体像を把握できる
・対象学年:学部3年・4年、修士1年・2年
・内容:社員と一緒に実際の業務やプロジェクトに参画、成果物の提出やプレゼンなど
◆プログラムの例:IT企業におけるシステム開発プロジェクトの業務体験
実際の開発業務に携わり成果発表まで行う、2週間のインターンシップ
<実施内容>
・初日:オリエンテーション
会社説明、インターンシップ参加にあたっての注意事項など、PC環境構築、業務で扱う各種技術の紹介
・2日目以降:システム開発演習
エンジニアが日々取り組んでいる実際の開発プロジェクト業務の一部を担当し、納期までに成果物を出すところまで担う。そのほか生成AIを使った業務も体験する。
・最終日:まとめ
成果発表会と参加者個人へのフィードバック
■インターンシップのスケジュール
夏のインターンシップ
・学生の夏休みに合わせ、多くの企業がインターンシップを開催します。
・短期・長期とも多く開催され、学生が実際の業務に深く携わることのできる機会が提供されます。
冬のインターンシップ
・学生の冬休みに合わせ、短期のインターンシップを中心に開催します。
・長期のプログラムは少なめです。
短期インターンシップに参加するメリット・デメリット
短期インターンシップは、「業務体験を通して自分の適性を知りたい」「希望している職種の業務を体験することで自分に本当に合っているのかを確認したい」「自分の強みが生かせる仕事はどんなものなのかを知りたい」などの希望がある方におすすめです。短期インターンシップに参加するメリットとデメリットには次のようなものがあります。
■メリット
・実際に業務の一部を体験できる:
業務体験を通じて、身をもって興味のある業界や職種、企業についての理解を深めることができます。また複数企業の短期インターンシップに参加することで、それぞれの企業の強みや弱み、自分に合っていそうかなどを比較しながら企業研究することもできます。
比較する際に大切なのが、日々の体験の中で気づいたことや社員の方の話のポイントなどをその場で書き留める癖をつけることです。インターンシップ終了後にはメモを見返して、改めて業界・企業研究ノートにまとめ直すとよいですね。
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・学業との両立がしやすい:
原則として長期休暇期間に実施されるので、授業やレポートなどとの兼ね合いをあまり心配することなく参加できます。
・本選考の予行練習になる:
選考のあるインターンシップの場合、ESの提出や適性検査、グループディスカッション、面接といった本選考さながらのステップを早期に体験することになります。インターンシップにおけるESや面接、適性検査の結果を振り返ることで、本選考の際にESをよりブラッシュアップできたり、面接での応答内容の改良ができたり、適性検査の苦手分野対策ができたりと、本選考に向けた準備対策としても活用できます。
■デメリット
・業務の一部しか体験できず、全体像が見えにくい:
短期間の参加となるため、企業の業務のすべてを把握することは難しいです。だからこそ、自分から情報を取りに行く主体的な行動を心がけましょう。たとえば、一日の終わりに質疑応答の時間を設けてもらう、疑問点を文書にまとめて回答してもらうなど、限られた時間の中でも理解を深めるために工夫できることはたくさんあります。
・オンライン参加の場合、職場の雰囲気を味わいにくい:
オンライン(テレワーク)のみで実施されるプログラムの場合、職場の雰囲気を味わいにくいです。もし座談会などの機会があれば積極的に参加して社員の方と交流したり、出社した場合の職場の様子などについて話を伺ってみましょう。
・深い人間関係の構築が難しい:
期間が短いため、社員の方やほかのインターンシップ生と交流する機会や時間が限られており、十分な相互理解や関係構築ができないまま終了、という結果になりかねません。そのため休憩時間や業務開始前、終業後などプログラム時間外も積極的にコミュニケーションをとり、今後につながる関係性を作っていきましょう。ただし、時間外の場合は長時間にならないように注意が必要です。
長期インターンシップに参加するメリット・デメリット
長期インターンシップは、「一つの業務にじっくり腰を据えて取り組み、アウトプットするところまで体験してみたい」「大学で専攻している分野の専門性を、実際の業務の中でどのように生かせるのか試してみたい」などの希望がある方におすすめです。長期インターンシップに参加するメリットとデメリットには次のようなものがあります。
■メリット
・実際のプロジェクトに長期間かかわることで、業務の全体像を把握できる:
社員の方と肩を並べて実際の業務に長期間取り組むため、業務の全体像をつかみやすく、終了後には大きな達成感を味わうこともできます。また、社員の方との交流機会も多いので、社風や企業文化、普段の職場の雰囲気なども把握しやすいです。
・長期間参加することで、自己成長や自己理解につながる:
働く中で発揮した自分の能力や強みを再確認できたり、ほかのインターンシップ生と切磋琢磨する中で自分の成長を感じたりすることができます。また社員の方からのフィードバックによって自信がついたり、今後取り組むべきさらなる課題を見つけたりすることもできます。
・給与が出る場合がある:
実際に業務を行う対価として企業によっては、有給のインターンシップとなる場合もあります。企業やプログラムによって異なりますので、自身が参加予定のプログラムについて確認してみましょう。
■デメリット
・たくさんのインターンシップに参加できない:
ひとつの企業のプログラムに長期間参加することになるため、ほかの企業のインターンシップに参加する機会が限られる可能性があります。そのため、長期インターンシップに参加する際は企業やプログラムを吟味する必要があります。
・ほかの活動に制限が生じる:
長期間インターンシップに参加することで、学業や部活動などとのスケジュール調整が難しくなるケースがあります。またそのほかにもプログラム参加中は合同説明会などの就活イベントに参加したり、ES作成や面接対策をしたりする時間がなかなか取りづらいと感じるかもしれません。しかし、長期インターンシップも原則は学業の負担にならないよう長期休暇期間に開催されるため、就活準備を早めに行うなどして対策していきましょう。
・企業やプログラムとのミスマッチのリスク:
企業やプログラムに対する理解が不十分なまま参加してしまうと、自身がやりたかったことと内容が一致していなかったり、期待と現実に大きなギャップが発生してしまったりと、大事な時間を浪費してしまう可能性があります。長期インターンシップに参加する際はしっかりとした目標設定を行い、ミスマッチがないようにしていきましょう。
短期・長期インターンシップに参加する際のポイントや注意点
ここまで短期・長期インターンシップの特徴や魅力について紹介してきましたが、どちらを選んだらいいかやっぱり迷いますよね。そんな方はまずは以下を参考に、あなたにはどちらが適しているのかをチェックしてみてください!
■こんな人には「短期インターンシップ」がおすすめ!
・希望している職種の業務を体験することで、自分に本当に合っているのかを確認したい
・複数の企業のインターンシップに参加してみたい
・長期休暇は部活動や留学などの課外活動にも力を入れたいため、効率的に就業体験したい
■こんな人には「長期インターンシップ」がおすすめ!
・一つの業務にじっくり腰を据えて取り組み、アウトプットするところまでやってみたい
・専攻している分野の専門性を、実際の業務の中でどのように生かせるのか試してみたい
・長期間にわたって実務に携わり、その企業や希望職種についてより深く理解したい
「自分がどれに該当するのかわからない」と悩むそんな人は以下のポイントをチェックして検討しましょう。
1.自己分析:
自分の強み、能力、スキル、希望する働き方や職種、興味のある業界など、自分自身について改めて振り返ってみましょう。同時に、卒業後のキャリアビジョンも再確認しましょう。
2.目的・目標の明確化:
上記も踏まえて、インターンシップで何を得たいのかを明確にしましょう。目的・目標の達成のためには、短期と長期、どちらのインターンシップに参加することが望ましいか考えてみましょう。
3.スケジュール、時間の制約の確認:
短期インターンシップに複数参加を希望する場合、日程が重ならないか、また長期インターンシップに参加する場合、数週間におよぶ実施期間中に、動かせないほかの予定がないか、学業との両立が可能かなどスケジュール面で問題がないか確認しましょう。
■インターンシップの探し方
キャリタス就活ではたくさんのインターンシップをご紹介しています。自分に合ったものを選択するために、以下のポイントをチェックして、実際に検索してみてください。
・職種や体験できる仕事内容から選ぶ:
「店舗で接客をしてみたい」「プログラミングを体験してみたい」「マーケティングの業務を体験してみたい」など、体験したい仕事内容や職種名をベースに検索してみましょう。
・業界や企業で選ぶ:
興味のある業界や企業が決まっている人は、業界名や企業名をベースに検索してみましょう。もし気になる企業がインターンシップを実施していなかったり、募集人数が少なかったりした場合、その企業のインターンシップ以外のプログラム(オープン・カンパニーなど)に参加したり、同じ業界内での競合企業のインターンシップを受けてみると、業界や企業に対する理解が深まります。
・実施期間やスケジュールで選ぶ:
複数の企業でさまざまな業務を体験したいという方は、プログラム内容とあわせて日数やスケジュールもふまえて検討してみましょう。
・選考の有無で選ぶ:
選考があるとハードルが高い…という方は、プログラム内容とあわせて「先着順」や「選考なし」の条件が付いているインターンシップを探してみるのもいいですね。
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自分に合ったインターンシップを探して積極的に参加しよう!
インターンシップに参加する際は、参加する目的を明確にし、その目的を達成することができるインターンシッププログラムを選ぶことがもっとも重要です。今回の記事を参考に、自分の学業やキャリアプランに合ったインターンシップを探して、参加を検討してみてくださいね。
キャリタス就活のインターンシップ・キャリア検索では、多種多様なインターンシップ等の情報を提供しています。企業や業界別に検索することが可能なだけでなく、実施日数やインターンシップの種別でも検索できますので、ぜひ活用してください。
短期・長期のインターンシップを通じて、実社会での経験を積み、自分のキャリアビジョンを具体化するための第一歩を踏み出しましょう!
PROFILE
濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。