【回答例つき】圧迫面接とは?なぜ厳しい質問をされる?乗り切るための対処法を紹介
就活ノウハウ公開日:2025.11.19
この記事でわかること
- 面接中の厳しい質問や面接官の態度を就活生が威圧的と受け取ってしまう場合がある
- 面接官の質問には「本音を引き出したい」「思考力をみたい」などの意図がある
- 事前の準備とイメージトレーニングで、自信をもって面接に挑めるようにしよう
就活をしていると、「圧迫面接」という言葉を耳にする機会もあるでしょう。この記事では、圧迫面接とは何か、企業の厳しい質問の意図や背景を解説します。また、企業からの深掘り質問を乗り切るための具体的な対処法、面接時にやってはいけない行動など、「威圧的」と感じたときに役立つ情報を紹介していきますので、参考にしてみてください。
圧迫面接とは?
圧迫面接とは、面接官の厳しい質問や態度によって就活生が萎縮してしまうような面接を指します。そもそも面接は緊張感があるため、プレッシャーを感じる学生さんも少なくありません。そんな中で厳しい質問を受けたり、威圧的な態度をとられたりすると圧迫感を感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、面接官は厳しい質問をして圧をかけようとしているのではなく、就活生を深く理解するために質問をしていることを理解しておきましょう。また、威圧的な態度は面接官の癖の可能性があります。こうした点を理解しておくことで、過度に緊張や不安に引きずられず、落ち着いて自分らしい姿を見せやすくなります。
通常面接と圧迫面接の違いは?
通常の面接は、就活生の適性や能力を確認するために、比較的穏やかな対話で進められます。
一方で、圧迫面接は、就活生が厳しいと感じる質問や些細な面接官の態度、面接官の数の多さなどにより、企業の意思に反して就活生が圧迫感を感じてしまう面接のことです。
企業側に圧迫する意図がなくとも、さまざまな要因により「圧迫」と感じることがあります。そのため、就活生の主観的要素に左右される実情があるでしょう。
圧迫面接の特徴は?就活生が威圧的に感じるケース
面接で緊張していると面接官の何気ない一言や普通の反応でさえ、圧力をかけられているように感じてしまうことがあるでしょう。ここでは、学生の皆さんがどのようなケースで圧迫的に感じてしまうのかを解説していきます。
■回答に対して「なぜ?」と何度も繰り返し質問をする
面接では、就活生の回答に対して「なぜ?」を何度も繰り返し質問されることがあります。何度も「なぜ?」と問われることで、自分の考えに自信を失ってしまうケースもあるでしょう。また、矢継ぎ早に質問される場合も圧迫面接のように感じやすいかもしれません。これは、面接官がもっと就活生のことを知りたいと考えていたり、面接官の進め方の癖であったりする可能性が高いため、そこまで気にする必要はないでしょう。
■否定的な発言が多い
面接官からの否定的な意見が多いと、圧迫感を感じることもあるでしょう。具体的には以下のとおりです。
否定的な発言や質問の例
・「ほかの学生さんも同じように話していますね」
・「お話しいただいた志望動機は、他業種や他社でも生かせる内容かと思います」
・「今後のキャリアについて少しあいまいな印象を受けましたが、どのような成長を目指していますか?」
自分の考えや価値観を伝える面接の場で否定的な反応を受けると、不安になったり、気持ちが揺らいだりする人もいるでしょう。中には、つい反発したくなる人もいるかもしれません。
ただし、このような場合、企業は否定的な発言にも落ち着いて対応する力を見ている場合があるため、感情的にならずに思いをしっかり伝えることが大切です。
■リアクションが少ない
質問に対するリアクションが少なかったり、メモを一切取らないなどの些細な面接官の行動を、「自分に無関心」と感じてしまうケースもあります。そのような場合、自分の回答に対する評価がわからず不安を感じるほか、面接の雰囲気が重くなり圧迫感を抱く就活生も多いでしょう。しかし、無意識で上記のような行動をとる人もいるので、そこまで気にせず自身の思いをしっかり伝えることを意識しましょう。
■威圧的に感じる態度を取られる
面接官の態度を威圧的に感じると緊張や不安が強まり、思考がうまくまとまらなくなることがあります。具体的には以下のとおりです。
威圧的に感じる態度の例
・腕を組んで話を聞いている
・就活生の返答に関して難しい顔をする
・笑顔がなく、無表情で話を聞いている
・姿勢が悪い、貧乏ゆすりをする
このような態度は、無意識に行っている場合がほとんどです。面接官の態度に過度に影響されてしまうと、本来の自分らしさやコミュニケーション力を十分に発揮できなくなってしまいます。深呼吸をして気持ちを整え、萎縮することなく堂々とした態度を意識しましょう。
■1人の就活生に対し、複数の面接官がいる
1人の就活生に対して複数の面接官がいる面接では、視線がいくつも向けられることで圧迫感を抱くことがあります。どの面接官に目線を向ければよいのか迷ったり、複数人から見られたりしているという状況に緊張が高まる場合があるでしょう。
このような面接形式は、企業側が慎重に合否を判断したい場合や応募者の対応力を見極めたい場合などに実施されることがあります。
就活生が圧迫面接のように感じる質問を企業が行う背景
面接官は、限られた時間で応募してきた就活生が自社にマッチするかを判断するために、面接で少し厳しく感じるような質問をするケースがあります。ここでは、企業がどのような意図をもって質問を行っているのかを解説します。
■仕事のストレスに対する対応力を見たい
企業は、職場でのプレッシャーやトラブルに応募者がどう対処できるかを見極めたいと考えています。ビジネスの現場では、予期せぬトラブルや高い負荷がかかる状況も珍しくありません。そのため、面接官は就活生が感情をコントロールし、冷静に対応できる力があるか観察しています。
また、指摘に対して素直に受け止める姿勢があるかといった、実際の業務で必要となる基本的な態度も確認しています。
■コミュニケーション能力・思考力を見たい
ビジネスの場面では、年齢・立場・価値観の異なるさまざまな人と関わる機会があります。そのため、企業は応募者が誰に対しても柔軟に対応し、円滑なコミュニケーションを築けるかを重視しています。
面接では、気難しい顧客や厳しい上司、価値観の異なる同僚など、将来的に関わる可能性があるさまざまな人と適切な関係性を築けるか、質問に対する回答から判断しています。同時に、厳しく難しい質問でも冷静に状況を整理しながら論理的に考えられているかといった思考力も見極めています。
■本音を引き出したい
準備された回答ではなく、就活生の自然な反応を見たいという思いから挑戦的な質問をする場合があります。多くの就活生は万全の対策をして臨むため、表面的な回答なのか心からの回答なのか判断が難しいからです。
予想外の質問を投げかけることで就活生の本音や価値観を探れ、応募者を深く知ることができます。これにより、自社とのマッチ度をより正確に見極められるようになります。
【事前準備】面接で厳しい質問に冷静に回答するため対策
面接の場で厳しい質問をされると緊張したり、動揺したりしてしまうこともあるかもしれません。しかし、事前にしっかりと準備をしておくことで、自分の魅力を最大限に伝えることができるでしょう。ここでは、冷静に対応するためにどのような準備していけばいいのかを紹介していきます。
■厳しい質問をされる前提でイメージトレーニングをしておく
面接での緊張を和らげるためには、イメージトレーニングが有効です。実際に面接官から厳しい質問を受けた場合に、どんな回答を行うのかを準備し、頭の中でシミュレーションをしましょう。そうすることで、心の準備が整い、冷静に対応できる可能性が高まります。具体的には、難しい質問がされる場面や自分の回答を否定される場面を想定し、どう答えるか考えてみましょう。
よくある深掘りや厳しい質問と対策のポイント
質問:「あなたがほかの学生さんより優れている点は何ですか?」
対策のポイント:差別化できる経験・スキル・姿勢を具体的に伝える
回答例:「課題に対して仮説を立て、検証する力です。ゼミでは仮説検証型の調査を通じて、論理的に問題解決する力を磨きました。」
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質問:「もし不採用だったらどうしますか?」
対策のポイント:冷静さと前向きな姿勢を示す。志望度を下げないように注意。
回答例:「もちろん残念ですが、いただいたフィードバックを糧に再挑戦したいです。それほど御社で働きたいという思いがあります。」
■5W1Hを意識して「なぜ?」という質問を回避する
5W1Hとは、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)を指すフレームワークです。このフレームワークを意識して質問への回答を準備しておくと、面接官に対して明確で説得力のある回答ができます。それにより、面接官からの「なぜ」を回避することが可能です。
特に、自己PRや志望動機などの基本的な質問に対しては、5W1Hの各要素を含めて具体的に答えられるような準備をしましょう。面接官にとっても、深掘りする必要がなくなり、双方にとって有意義に時間を使えるメリットがあります。
5W1Hを意識した回答の例
質問:「学生時代にもっとも力を入れたことは何ですか?」
回答例:「大学3年次の4月から1年間(When)、大学の学園祭実行委員会で(Where)、広報責任者として(Who)、来場者数を前年比30%増加させる取り組みを(What)行いました。学園祭の魅力が十分に伝わっていないという課題があったため(Why)、SNSを活用した情報発信と地域企業との連携イベントを企画・実施することで(How)、目標を達成しました。」
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質問:「あなたの強みを教えてください」
回答例:「私の強みは課題を見つけ、具体的な対策を立て実行していく力です。昨年の夏(When)、アルバイト先の飲食店で(Where)、バイトリーダーとして(Who)、注文ミスを削減する仕組みづくりを(What)提案しました。お客様からのクレームが増加していたため(Why)、注文確認のダブルチェック体制と、新人アルバイトの教育を通じて(How)、サービス品質の向上に貢献しました。」
面接では予想外の質問を受けるケースも少なくありません。どんな質問にも対応できるよう、想定される質問に対しできる限り準備しておくことが重要です。下記の記事で面接でよく聞かれる質問を確認し、回答を考えておきましょう。
【質問集付き】面接官から50個の質問!あなたは即答できますか?
就職活動において面接はその中でも特に緊張する場面ではないでしょうか?面接官の質問を通していかに自分という人間を知ってもらうか、企業に入りたいという熱意を伝えられるかが次の選考への鍵を握ります。本記事では、実際によく聞か…
■模擬面接を行う
模擬面接は、実際の面接に近い緊張感に慣れるための効果的な準備方法です。友人や家族に面接官役をお願いするほか、大学のキャリアセンターなどを活用し、実際の面接に近い環境で練習しましょう。
回答をブラッシュアップできるだけでなく、姿勢や表情、声の大きさなど、自分では気づきにくい改善点を客観的にフィードバックしてもらえます。
また、圧迫面接を想定する場合は、「あえて威圧的な態度や口調で質問してもらう」「否定的な反応を返してもらう」など、プレッシャーのかかる状況を再現する工夫を取り入れることで、本番で落ち着いて対応するための訓練になるでしょう。
『キャリタス就活』の「ES・選考対策を探す」では、先輩が実際の面接で聞かれた質問を見ることが可能です。圧迫感を感じる質問だけでなく、よく聞かれる質問を調べることができるため、より臨場感をもった面接練習ができるようになります。また、希望する企業が圧迫感のある面接をするのか調べる際の参考としても活用できます。
【当日】面接本番で厳しい質問を乗り切るための対処法
実際の面接で厳しい質問や深掘りに直面した際、どのように対応すればよいか不安に感じている方もいるでしょう。ここでは、自信をもって面接に臨めるよう、面接で厳しい質問を乗り切るための具体的な対処法を紹介します。
■面接官は重要な判断を下すための役割を任されていると考える
面接で挑戦的な質問を投げかけられた際は、面接官も与えられた役割を果たすためにあえて質問をしていると理解することが大切です。応募してきた就活生と真剣に向き合っているからこそだと理解しましょう。
面接官は、応募者が企業の求める人物像にマッチしているかを判断するという重要な責任を担っています。厳しい質問も、採用という重要な判断を下すために必要なプロセスの一部だととらえることで、冷静に対応できるようになるでしょう。
■否定的だと感じたらポジティブに変換する
企業は「否定的な発言にも落ち着いて答える力」を見るために、否定的に感じる質問をすることがあります。こうした質問を受けると、つい表情が曇ったり、緊張が顔に出てしまったりすることがあるかもしれません。しかし多くの場合、面接官はこうした些細な反応も含めて、応募者の対応の仕方を見ています。
否定的に聞こえる質問も「自分をより深く知ってもらうチャンス」とポジティブに変換し、自信をもって回答しましょう。
ポジティブに変換する例
質問:「当社に向いているポイントが少し見えづらいです」
変換:志望理由を深く伝えられるチャンス!
回答例:「ご指摘ありがとうございます。確かに、これまでの話だけでは十分に伝えきれていない部分があったかもしれません。あらためて申し上げると、御社の〇〇という事業領域に対して、私は△△の経験や関心をもっており、特に□□のような場面では自分の強みである◇◇が生かせると考えています。」
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質問:「学生さんと社会人では求められることが大きく異なりますが、ご自身の経験を生かして対応できそうですか?」
変換:成長意欲や学習姿勢を伝えられる絶好の場面!
回答例:「ご指摘ありがとうございます。学生時代は自分の学びが中心でしたが、社会人としては組織の目標達成に貢献し、結果を出すことが求められると理解しています。
これまでの経験で培った〇〇(例:課題解決力・粘り強さ・学習意欲)を生かし、足りない部分は積極的に吸収していく覚悟があります。特に△△のような場面では、自分の強みが御社の業務に貢献できると考えています。このポジションに挑戦することで、自分自身もさらに成長できると確信しています。」
こういったポジティブ思考は、緊張してしまう面接の場でも冷静さを失わず、緊張感を和らげられる要素となるでしょう。
■すぐに答えず、しっかり考えてから答える
厳しい質問を受けた際は、焦って答えるのではなく、一呼吸おいてから回答することが大切です。「少し考えさせてください」と断ってから、頭の中で整理する時間を作りましょう。
回答する際は、PREP法(結論→理由→具体例→結論の再提示)などの型を活用すると、論理的で説得力のある回答ができます。構造化された回答は、面接官にも伝わりやすく、思考力の高さをアピールできるでしょう。
対応方法①:一旦考える時間をもらう
回答例:「整理してからお答えしたいので、少しお時間いただいてもよろしいでしょうか。」
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対応方法②:質問の意図を確認する
回答例:「確認させていただきたいのですが、〇〇という観点での質問でしょうか?」
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対応方法③:関連する経験や考えを部分的に答える
回答例:「明確な答えには至っていませんが、似たような場面で△△のような対応をした経験があります。そこから考えると、□□のような方向性が考えられるかもしれません。」
■明るくハキハキと話す
プレッシャーを感じる場面でも、面接官は表情や反応を細かく観察しています。そのため、冷静さを保ち、明るく前向きな態度を心がけ、ハキハキと話しましょう。笑顔で自信をもって話すことで、自分の中にある不安を自然と払拭しやすくなります。また、面接官にもその自信が伝わり、「プレッシャーのかかる場面でも落ち着いて対応できる人物」として評価される要素にもつながります。
面接本番でこうした自信のある対応をするために、次章で事前の準備・練習のポイントについて確認していきましょう。
面接で面接官の厳しい言葉への回答例
■「受けている企業の中で、当社がもっとも適していると感じる理由は何ですか?」
■「なぜ当社とは異なる業種の企業を受けようと思ったのですか?」
■「その強みはほかの応募者と比べて、どの部分に独自性があると思いますか?」
■「当社では常に成果を求められますが、入社後も続けられそうでしょうか?」
■「当社に向いていると思う理由を3つ教えてください」
実際の面接で厳しい質問をされた際、どのように回答すればいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、面接官の厳しい言葉に対する具体的な回答例をよく聞かれる5つの質問パターンとともに紹介します。
■「受けている企業の中で、当社がもっとも適していると感じる理由は何ですか?」
回答例
他社も魅力的な企業ばかりですが、御社が適していると感じる理由は、私のもっとも大切にしている「チームで成果を出すことにやりがいを感じる」という価値観と、御社の「個人の成長よりもチーム全体の成功を重視する」企業文化が一致している点です。説明会でお聞きした「プロジェクトメンバー全員で課題解決に取り組む風土」は、大学時代にゼミ活動でもっとも充実感を得た経験と重なります。入社後はこの環境を生かし、チームの一員として確実に成果を上げたいと考えています。
「受けている企業の中で、当社がもっとも適していると感じる理由は何ですか?」という質問では、他社との具体的な差別化ポイントを明確に示しましょう。ただし、他社を否定的に評価するのではなく、あくまで面接先の企業の魅力を強調する姿勢を保つことが重要です。企業研究の深さを示す具体的な根拠を述べることで説得力が増します。
■「なぜ当社とは異なる業種の企業を受けようと思ったのですか?」
回答例
「御社と異なる業種の企業を受けているのは、自分の可能性を広げ、最適なキャリアを選択したいと考えているからです。私は『〇〇(あなたの就活の軸)』を軸に就職活動をしていますが、それを実現できる業種は1つに限らないと考えています。
各企業の説明会や選考を通じて、企業文化や具体的な業務内容を深く理解し、自分がもっとも成長でき、長く貢献できる環境を見極めたいと考えております。その中で御社は〇〇という点で特に魅力を感じています。」
「なぜ当社とは異なる業種の企業を受けようと思ったのですか?」という質問では、前向きな理由を述べることがポイントです。「リスク回避」という消極的な理由ではなく「自分に最適な企業を見つけるため」という積極的な姿勢を示しましょう。
就活の軸を明確にした上で、複数の選択肢から最良の選択をしたいという真摯な姿勢をアピールすると好印象です。
■「その強みはほかの応募者と比べて、どの部分に独自性があると思いますか?」
回答例
「私の強みであるコミュニケーション能力の独自性は、『相手の立場や背景を深く理解した上で、最適な伝え方を選択できる』点にあると考えています。大学のゼミで多国籍の留学生とプロジェクトを進めた際、文化的背景の違いから議論が停滞しましたが、各メンバーの価値観や思考パターンを個別に把握し、それぞれに合わせたアプローチで意見を引き出すことで、全員が納得する結論を導きました。単に話すのが得意というだけでなく、相手に応じてコミュニケーションスタイルを柔軟に変えられることが私の独自性だと思います。御社でも多様なお客様や社内メンバーとの関係構築において、この強みを生かしたいと考えています。」
「その強みはほかの応募者と比べて、どの部分に独自性があると思いますか?」という質問では、強みの中でも特に自分らしい特徴を具体例で裏付けることがポイントです。単に「〇〇という点に独自性がある」と伝えるのではなく、その根拠となる具体的なエピソードとともに説明しましょう。
■「当社では常に成果を求められますが、入社後も続けられそうでしょうか?」
回答例
「はい、続けられると確信しています。私は『成果が求められる環境』を『成長できる環境』と前向きにとらえています。実際に、大学時代のインターンシップでは、短期間で設定した売上目標を達成することが求められましたが、明確な目標があることで集中力が高まり、効率的に業務を進められました。この経験から、常に結果を意識する必要がある環境こそが自分を成長させてくれると学びました。
御社の仕事が厳しいということは、それだけ責任ある仕事を任せていただけるということだと理解しています。だからこそ、そのような環境でさらに成長し、御社に貢献していきたいと考えています。」
「当社では常に成果を求められますが、入社後も続けられそうでしょうか?」という質問では、困難を前向きにとらえる姿勢と覚悟を示すことが重要です。「成果を求められる環境」を否定せず、成長の機会としてとらえる視点を示しましょう。過去にプレッシャーを乗り越えた具体的な経験を交えることで説得力が増します。
また、単にがんばることを伝えるだけでなく、厳しい環境で成長して企業に貢献したいという意欲を伝えることがポイントです。
■「当社に向いていると思う理由を3つ教えてください」
回答例
「私が御社に向いていると考える理由は3つあります。
第1に、私の〇〇という強みが、御社の〇〇という業務で直接生かせると考えています。
第2に、御社の企業理念である『〇〇』に深く共感し、同じ価値観をもって働けることです。実際に〇〇の経験を通じて、この価値観の重要性を実感しました。
第3に、御社の〇〇という社風が、私の〇〇という性格と合っていると感じており、チームの一員として貢献できると確信しています。
これらの理由から、御社で長期的に活躍できると考えています。」
「当社に向いていると思う理由を3つ教えてください」という質問では、自己分析と企業研究の深さが問われています。単なる志望動機の繰り返しではなく、自分の特性と企業の特徴がどう合致するかを改めて具体的に説明することがポイントです。
強み、価値観、社風など複数の観点から回答を述べて、企業とのマッチ度の高さをアピールしましょう。
面接での不適切な質問の例
通常、企業は応募者の能力や適性を正しく評価するために面接を行っており、意図的に圧迫するような面接をすることはほとんどありません。しかし、万が一面接で本来聞かれるべきではない不適切な質問に遭遇した際は、どうしたらよいのでしょうか。本来あってはならないことですが、もし面接で不適切な質問をされた場合は、無理に答える必要はありません。そうした質問してきた企業は、自分には合わない企業かもしれないと検討するべきでしょう。
ここでは、面接での不適切な質問の例と、そのような質問をされた際の対処法について紹介します。
出典:就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例|厚生労働省 大阪労働局
■本人の能力やスキルとは直接関係のない質問
本籍地や出生地、住宅状況、家庭環境に関する質問は、就活生の適性や能力とは無関係であり不適切とされています。また、年齢や国籍、家族の職業や収入なども、選考基準とは関係ないため、聞かれるべきではありません。
本人の能力やスキルとは直接関係のない質問の例
・「ご両親の職業は何ですか?お父様の勤務先と役職を教えてください」
・「住んでいる〇〇の地域はどんな環境ですか?実家は持ち家ですか、賃貸ですか?」
・「兄弟は何人いますか?どんな雰囲気の家族ですか?」
■本来自由であるべきことに関する質問
宗教や思想・信条、尊敬する人物、支持政党は憲法で保障されている個人の自由権に属する事柄であり、面接の質問としては不適切です。また購読新聞など、個人の思想につながる質問も避けるべきとされています。
本来自由であるべきことに関する質問の例
・「信仰している宗教はありますか?家族の宗教についても教えてください」
・「最近の政治情勢についてどう思いますか?支持する政党はありますか?」
・「尊敬する人物は誰ですか?その人の思想についてどう考えますか?」
■男女雇用機会均等法に抵触する可能性のある質問
性別に基づく質問は男女雇用機会均等法に抵触する可能性があり不適切です。結婚や出産の予定、性別を理由とした職務適性の判断など、性差別につながる質問は法的に問題となります。また、容姿や性格で就活生を判断するのもNGです。
男女雇用機会均等法に抵触する可能性のある質問の例
・「結婚の予定はありますか?結婚後も仕事を続けるつもりですか?」
・「女性には営業職は大変だと思いますが、体力的に大丈夫ですか?」
・「将来、出産後も仕事を続けるつもりですか?育児と仕事の両立はできそうですか?」
■健康や病歴等に関する質問
健康状態や病歴、障害の有無に関することを、業務遂行に直接必要な範囲を超えて質問することは不適切です。就活生本人のことだけでなく、家族の健康や病歴についても個人情報保護の観点から、面接で質問すべきではないとされています。
健康や病歴等に関する質問の例
・「身体的な制限や障害はありますか?」
・「ご家族に精神的な病気の方はいますか?」
・「過去に大きな病気や手術をしたことはありますか?完治していますか?」
キャリアアドバイザーからの一言
上記の不適切な質問に加えて、過度に圧迫的な質問もNGです。たとえば「〇〇さんみたいな人はうちには向いていない」「その程度の経験で通用すると思っているの?」といった人格を否定するような発言は、適切な選考とはいえません。
あまりにも圧迫がひどく、精神的に耐えがたいと感じた場合は、「わかりません」等で回答から逃げることも選択肢の1つです。まずは面接を乗り切り、そのあとに選考辞退を検討しましょう。また、面接の内容を記録し、その企業の人事部に伝える方法もあります。自分を大切にする判断をしましょう。
圧迫面接のように感じられ、つらくなってしまったら?
就活で圧迫面接と感じる場面に直面することは、大きなストレスがかかるものです。もし面接中につらくなってしまった場合は、一旦深呼吸をして心を落ち着け、その場では無理をせず、できる範囲で対応しましょう。面接終了後にその企業の選考を続けるか冷静に検討してみてください。
そのあとの対応について考える際は、1人で抱え込まず、大学のキャリアセンターや友人、家族に報告・相談することをおすすめします。
また、就活自体が嫌になってしまったら、一度就活から離れてリフレッシュすることも大切です。友人と話したり、趣味の時間を作ったりして、心身のバランスを保ちながら就活を進めていきましょう。
大学のキャリアセンターを上手に使って、就活準備をスムーズに進めていこう!
こんにちは!キャリアコンサルタント・公認心理師の濱野です。現在多くの皆さんは、さまざまな情報ソースを駆使して就活準備を進めている最中かと思います。その中で、意外にも皆さんが十分に活用しきれていないのが大学のキャリアセン…
もっと気軽に誰かに相談したいときは『キャリタス就活』の「あんしん相談」を活用するのもおすすめです。経験豊富な現役キャリアコンサルタントに就活の悩みを無料相談できます。また、弁護士アドバイザーに相談することも可能で、法的な視点からあなたの悩みに回答してくれます。1人で悩まず、プロのサポートを受けながら納得のいく就活を進めていきましょう。
圧迫面接に感じてもやってはいけないNG行動
圧迫面接のように感じられたとき、「つい感情的になってしまいそう」「不適切な対応をしてしまいそう」など、不安に思う人も多いのではないでしょうか。ここでは、面接で厳しい質問を受けたときにやってはいけないNG行動とその理由について紹介します。
■感情的な態度を取る
面接中に感情的な態度を取ってしまうと、ストレス耐性が低い印象を与える可能性があります。厳しい質問を受けると嫌な気持ちが表情や態度に出てしまったり、反論したくなることもありますが、面接の場では冷静さが求められます。
感情的になりそうなときは、深呼吸をして心を落ち着け「なぜこの質問をされているのか」と質問の意図を理解するよう努めましょう。涙が出そうになってしまった場合は「申し訳ありませんが、少しお時間をいただけますでしょうか。」と正直に伝え、心を落ち着ける時間を確保して問題ありません。
■面接会場から無断で退室する
圧迫面接のように感じられると、面接会場から退室したくなるかもしれませんが、無断で退室することは避けましょう。
面接の場では、どんなに不快に感じても冷静さを保ち、社会人としてふさわしい態度を示すことが信頼につながります。実際のビジネスの場でも、困難な状況に直面したときは冷静かつ礼儀正しい対応が求められます。
■黙ってしまう
厳しい質問を受けると、頭が真っ白になって黙り込んでしまうことがあります。しかし、長い沈黙は消極的な印象を与え、コミュニケーション能力に疑問をもたれる可能性があります。
答えに詰まった際は「少し考えさせていただいてもよろしいでしょうか。」と一言断ってから考える時間を作りましょう。完璧な回答でなくても、何か答えようとする姿勢が評価されます。
■うそをつく
厳しい質問に対して、自分をよく見せようとうそをつくことはNGです。面接官は多くの就活生を見てきた経験から、不自然な回答や矛盾に気づくプロといえます。
うそが発覚すると信頼を失うため、知らないことは「勉強不足で申し訳ございません」と正直に答えるようにしましょう。誠実さは評価の重要なポイントであり、正直な対応がよい印象につながります。
圧迫面接に関するよくある質問
面接を受ける前に、その企業が圧迫感のある面接をするかわかる?
企業が圧迫感のある面接をするか事前に調べる方法はありませんが、OBOG訪問や就職情報サイトのクチコミで過去の選考についての情報を調べることで、ある程度の傾向は把握できます。
ただし、面接官個人の言動や応募者の受け取り方によっても印象は変わるため、あくまで参考程度に留めましょう。
『キャリタス就活』の「ES・選考対策を探す」では、実際に選考を受けた先輩の体験談を見ることができるので、事前に面接の雰囲気を知ることができます。ぜひご活用ください。
厳しい質問を受けやすい人の傾向はある?
話の内容が抽象的でわかりづらい人、準備不足で回答があいまいな人は、面接官から深掘り質問を受けやすくなる傾向があります。
ただし、基本的に厳しい質問をする企業は、すべての就活生に対して同様の対応をするケースが多いです。厳しい質問は必ずしもネガティブな評価によるものではなく、応募者の思考力やコミュニケーション能力などを確認するために行われることがほとんどです。
圧迫面接のように感じた場合も合格の可能性はある?
圧迫面接のように感じても合格の可能性は十分あります。
「面接に手応えがなかったのに通過した」という現象も起こりえます。面接では厳しい質問への冷静な対応や、指摘を素直に受け止める姿勢が評価されることが多く、面接官の反応だけで合否を判断することは難しいです。
圧迫面接のように感じて手ごたえは無かったけどなぜか受かった。辞退すべき?
圧迫面接のように感じたからといって必ず辞退する必要はありません。
自分がその企業で働きたいかで判断しましょう。ただし、面接での不快な経験が忘れられない場合は、次のフェーズに進む前に、あらためてOBOG訪問や企業説明会で職場の雰囲気を確認するのも1つの方法です。「面接官1人の印象」だけで判断せず、多角的に情報を集めた上で、自分の価値観と合うかを冷静に判断しましょう。
面接を録音してもいい?
面接の録音自体は違法ではありません。
ただし、録音した内容をSNSなどで公開すると名誉毀損やプライバシー侵害にあたる可能性があります。録音の許可を取ることに就活生側のメリットはあまりなく、企業によってはよい印象をもたない場合も多いでしょう。
録音はあくまで自分の面接を振り返るためだけに使用し、第三者への共有は避けましょう。
厳しい質問も成長のチャンス!前向きな姿勢で内定をつかもう
面接で厳しい質問をされることは、誰にでも起こりえます。企業が圧迫面接をあえてしているわけではなく、さまざまな要因からそう感じてしまうことがあります。重要なのは、厳しい質問も想定した事前準備と当日の冷静な対応です。
面接官の質問の意図を理解した上で、事前の準備とイメージトレーニングを重ねることで、質問に自信をもって答えられるようになります。厳しい質問は自分を成長させるチャンスととらえ、前向きな姿勢で面接に臨みましょう。
『キャリタス就活』では学生の皆さんが安心してキャリア選びに臨めるよう、多数の企業情報やサポートを提供しています。特に就活の悩みを解決する「就活成功ガイド」では業界研究や面接対策など就活に役立つコンテンツを豊富に取り揃えています。あなたの就活にぜひ『キャリタス就活』をご活用ください。
PROFILE
キャリタス就活編集部
『本音をきく、本気でこたえる。』をテーマに、就職活動・就活準備をがんばる皆さんに向け、インターンシップ・キャリア情報やES・面接対策など、さまざまなシーンに役立つ情報をお届けしています。
「面接がうまくいかない」、「そもそも就活って何からはじめるべき」など、皆さんの本音に寄り添った記事を配信しておりますので、ぜひこの機会にご活用ください。



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