「就活の優先順位がわからない!」「この時期やるべきことは?」就活のプロがお答えします!【あんしん相談Q&A第3回】
就活ノウハウ公開日:2024.04.03
就活を進めていくと、「何から始めて良いかわからない…」「この時期は何をするの?」などといった就活の進め方や優先順位に関する悩みを持つ学生さんが多いかと思います。
本記事では、企業の人事担当者やキャリアコンサルタントといった「就活のプロ」たちが、就活生・就活準備生の相談に回答する「キャリタス就活あんしん相談」の中から、「就活の進め方」についての相談をピックアップしました。ぜひ参考にしてくださいね!
お悩みその1:就活、何もできてないけど挽回できるの?
【質問】全く就活ができていません。今から就活をする場合何をすればよいのでしょうか?
回答:
今から始めてもまだ間に合いますので、安心してくださいね。
とはいえ何事もそうですが、早くからアクティブに活動している方が有利ではありますので、今から巻き返していきましょう!
巻き返していくうえで重要なのは、全体スケジュールを把握する・自分なりのアクションプランを作成して実行することです。まずは「見える化」することをお勧めします。スケジュールができ上がったら、具体的なアクションに落とし込んでいきましょう。
例えばいつまでに自己分析を終えるかが決まったら、自己分析の進め方を具体化します。その時期に実施している自己分析セミナーを探して受講するとか、自己分析の本を買って実践してみるとか、具体的な方法とそれを実行する期間を決めていきましょう。
やっていきたいことはさまざまありますが、例に挙げた自己分析と併せて、キャリタス就活を使って(業界・企業・職種)研究をしっかり行って、やりたい仕事や自分に合いそうな仕事、そして働くうえで大切にしたい価値観(働き方や環境など)を明確にすることに力を入れるとよいでしょう。
進む方向性が定まってほかのアクションもしやすくなり、先々がスムーズになると思います。合同企業イベントや企業単独のセミナーも活用して、得た情報を深められるとなおよいですね。
ただすべてのアクションを一気に進める必要はありません。スケジュール通りに進めていくにあたってやるべきことを優先的に具体化して、実行に移していきましょう。
スケジュール通りに物事が進まなかったり想定外のことが起きるかもしれません。その時でも慌てず、スケジュールを引き直して軌道修正していきましょう。
先を見通しながら就職活動を進めていけば確実に前進できますし、不測の事態もきっと乗り越えられるはずです。このような物事の進め方は社会人になって仕事をする上で必ず役に立ちますから、今取り組んだことが後々自分を助ける力になると信じてぜひチャレンジしてみてくださいね。
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お悩みその2:就活の優先事項って何ですか?
【質問】現在大学2年生なのですが、そろそろ就活について真面目に考えないと行けないと思っています。けれど、どこから手をつけていいかわからないです。最初は自分の行きたい企業を探すことが大事ですか?
回答:
「どこから手をつけるべきか」についてですが、自身を振り返り、知る「自己分析」から始めてみてはいかがでしょうか。まずは就職活動の起点とも言われている自己分析から始めることで、ほかのアクションにもつなげることができますよ!
自己分析の具体的な方法を下記にまとめましたので参考にしてみてください。
1.自分の過去や経験を振り返る「自己評価」
2.他者からみた自分の印象などをフィードバックしてもらう「他己評価」
3.診断テストなどから得る「客観評価」
自己評価:
好きなことや興味があること、逆に嫌なこと/避けたいこと、どんな風に仕事したいか、なりたい自分はどんな自分なのかを考える・明確にするため、これまでの経験や過去をとにかく具体的に振り返りながら書き出して言語化します。
振り返る際にはなぜそれをしたのか(あるいはそう感じたのか)はもちろん、どんな工夫したのか、経験の過程や結果から得たこと(学び・成長・その後どう生かすか)まで詳細に書き出しましょう。「なぜ?なぜ?」と理由を細かいことまで振り返ってアウトプットすると、自分の個性(強みや魅力、価値観)がわかってきます。
他己評価:
家族やあなたをよく知る友人などに「あなたはどのようなタイプの人間か・強みや弱みが何か・どのようなことに興味を示していたか・一生懸命取り組んでいたか」等を聞き、他者の意見をもとに自分を知る方法です。自己評価では気づかないあなたらしさや能力の発見に役立ちます。意識していなかった部分や意外な視点から自分に対する理解が進むこともありますので、信頼できる人に聞いてみるとよいでしょう。
客観評価:
主に診断テストから自分を知る方法です。「キャリタスクエスト」や「キャリタス自分研究&適職診断」を受検すると思いもよらない強みや適性がきっと見つかります。新たな発見から興味を持ったとか目指したいことが明確になったということも珍しいことではありません。こうした手段から始めてみることも一つの手ですよ。
3つの評価をバランスよく組み合わせて、いろんな面から自分に迫っていきましょう。あわせて就活成功ガイドの「自己分析」のカテゴリ記事を読むこともおすすめします!
上記の方法である程度自己分析が進んだら、やりたいことや強みが活かせること、価値観が近いなど、自分に合う仕事を見つけるべく業界・企業研究にも目を向けていけたらいいですね。業界団体のホームページ・業界本・業界紙(誌)を活用して「具体的にどんなことをしている業界なのか」「実際どんな仕事なのか」「属する代表的な企業の特徴」を中心に、もし自分が働くとしたらと想像しながら調べてみたり、キャリタス就活が開催する合同企業説明会やインターンシップ・キャリアへの参加も、直接話を聞けるというメリットがあります。企業への理解を深める手段としてとても有効ですので、大学2年生から参加できるプログラムに、ご自身の目的に合わせて参加してみるのもよいかもしれません。
目的が【会社や仕事を知りたい】といったことであれば「オープン・カンパニー」のプログラムに、【自分のキャリア形成に向き合いたい】ということであれば「キャリア教育」のプログラムに参加するのがおすすめです。
さらに参加後に情報を整理して「どう感じたか」を振り返ることで自己分析がより深まりますし、新たに働きたい業界・企業が見えてくることもあります。広く・詳しく知ることでアリかナシか判断することができるようになりますので、表面的な情報収集にとどまらず、「動く」ことを意識して様々な企業との出会いに臨んでみてくださいね!
\「自己分析」に関する記事はこちらをチェック!/
お悩みその3:就活の進め方がわかりません
【質問】行きたい業界や就活の軸が決まらず、手当たり次第インターンシップに参加しているような状態で焦っています。私は子どもについて学んでいるので、子ども関係の仕事も良いなと思うのですが、調べると大部分が塾の講師で、私としては間接的に子どもに関わるような遊具のメーカーや教育商材を扱う企業が気になっています。しかし、どこも営業職の募集が多く、自分としては管理系や総務、事務系が希望なのでどのように企業を絞っていけば良いかわかりません。「1.業界の絞り方」「2.就活の軸の決め方」「3.職種の考え方」についてアドバイスをいただきたいです。
回答:
質問を拝見すると、やりたい仕事の方向性はある程度見えているように感じますので、いただいた3つの質問についてアドバイスさせていただきます。
1.業界の絞り方
子どもに関わる仕事に関心があるものの、塾講師のように直接子どもに関わる仕事ではなく、遊具メーカーや教育商材を扱う企業など、間接的に子どもに関わる仕事が気になっているんですね。現段階で、ここまでイメージが持てているのは素晴らしいことです。
まずは、間接的に子どもに関わる仕事を洗い出してみてはいかがでしょうか。子ども服のアパレルメーカー、玩具メーカー、子ども向け商品の小売店、絵本の出版社、文具メーカーなど、探せばいろいろありそうです。
あなたの場合、特定の業界に関心があるのではなく、「間接的に子どもに関わる仕事」であれば業界は問わない状況なので、この軸でさまざまな業界を見ることができると、視野を広げるうえでもとても良いと思います。大学のキャリアセンターの力なども借りながら、探してみてください。
2.就活の軸の決め方
ところで、なぜ塾のように直接的ではなく、間接的に子どもに関わる仕事が気になるのでしょうか。また、営業職ではなく、管理系の仕事が良いのはなぜでしょうか。ここに、あなたの仕事の軸が見え隠れしているように思います。自己分析はやりましたか?まだであれば、ぜひトライしてください。おすすめの方法は、「モチベーショングラフ」を書くことです。これは、WEB上でやり方がたくさん紹介されていますので、そちらを参考にやってみてください。
簡単に説明すると、小学生ぐらいまでさかのぼって、どんな時にモチベーションが上がったか、あるいは下がったかを、グラフ化していきます。これによって、自分がどんな時にモチベーションが上がるかを客観的に捉えることができますので、自分なりに読み解いてみましょう。それが終わったら、ご家族や仲の良い友人にそのグラフを見せてコメントをもらってください。自分では気づかなかった意外な一面を知ることができますよ。
これらの作業を通じて、あなたがどんなことにやりがいを感じるのかを明確にしましょう。
3.職種の考え方
あなたは、営業職ではなく管理系の仕事を希望されていますが、気になる企業は営業職の募集ばかりという点に悩まれているんですね。たいていの企業は、管理系よりも営業職の社員を多く抱えているので、募集も営業職に偏りがちです。また、最初に営業職を経験し、自社の製品やお客様に対する理解を深めてから、本人の希望や適性を見て、そのまま営業職で活躍してもらうか、開発系の仕事、管理系の仕事などに異動してもらうかを決める会社も多くあります。
どの会社にも必ず管理系の業務はありますが、一般的に新卒の方は、その会社の製品やサービスに惹かれて会社を決めることが多いので、管理系を希望する人は必ずしも多くありません。また、営業職で入社しても、あなたの希望が受け入れられて、数年後に管理系の部署に異動できるケースも十分あり得ます。このような人材配置の考え方は、企業によって異なるので、気になる企業があれば、会社説明会で質問したり、OB・OGの方に話を伺ったりしてみましょう。OB・OGへのアクセスは、キャリアセンターでサポートしていただけると思いますので、相談してみてくださいね。
\ワークシートやラインチャートを使って「理想の自分」や「自己分析」を掘り下げてみよう!/
お悩みその4:大学1年生から準備できることってあるの?
【質問】現在大学1年生なのですが、今からでも就活に向けてできることはありますか?
回答:
大学1年生からできる就活準備としては、就職活動の軸となる「自己分析」と「業界・企業研究」に取り組むことをおすすめします。
まず「自己分析」です。
自分の興味・好み・特徴や性質を書き出して言語化する「自己分析」は、業界や企業選択にもかかわる就職活動の根幹をなすものです。興味があることや好きなことをきっかけに自分の強み・弱みは何か、どんな風に仕事したいか、なりたい自分はどんな人物かなど、「自分」とはどんな人間なのだろうかということにスコープを広げて、日々自分と向き合いながら具体的な言葉にしていきましょう。
同時に、あなたが就職するにあたり大切にしたいものや絶対に譲れないものは何かを考えていってください。これは後々、具体的に仕事選びをするときとても重要な基準となります。大切にしたいことは人それぞれですし正解はありませんから、素直な想いを言葉にしてみてください。
自己分析は人によっては変化していくものでもありますので、柔軟にとらえていくと良いです。今後の学生生活でさまざまな経験をして、影響を受けて、どんどん変化していくと思います。変わらないもの・変わっていくものを整理しながら自分理解を進めていきましょう。
次に「業界・企業研究」です。
自己分析を進めると、働くうえでの希望や就職後のイメージ・キーワードなどがおぼろげながら見えてくると思います。そうした材料をもとにどんな業界や会社に興味があるのか、どんな業界や会社であれば強みを活かすことができそうかを考えていくとよいでしょう。
取っ掛かりとして業界地図を手に取って気になる業界をいくつかピックアップしてみて、業界団体のホームページ、業界本、業界紙(誌)も活用しながら「何をしている業界なのか」「どんな仕事なのか」「属する代表的な企業の特徴」を中心に、自己分析結果に照らして「もし働くとしたら」と想像しながら調べてみてください。業界のピックアップにあたっては、イメージが沸きやすい「好きな商品やサービスを取り扱う企業が属する業界」から注目してみてもいいですね。
そして就活準備も大切ですが、学生の間にしかできないことにも力を入れてくださいね。
多様な人との出会いや目的をもって何かに取り組む/挑戦することで将来に活かせる大きな成果が得られます。友人との関わり合いも例外ではありません。これから起こりうるさまざまな経験とそれを振り返ることで自己分析はさらに深まりますし、働きたい業界・企業が見えてくることもあるでしょう。また就職活動に関係なさそうなことでも、学びや成長につながったことが企業から評価されることは多々あり、ふとしたきっかけから一気に目指す方向が定まることもあります。
いろんな刺激を積極的に受ける姿勢で日々を過ごして、また一つ一つの経験を大切に、これからの学生生活へ精一杯臨んでほしいと思います。
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まとめ
就活は諦めたらそこで終了です。もう間に合わないということはありません。就活の進め方や優先順位に悩む方はまず自己分析を始め、業界研究に取り組むことで、自分に合った道が見つかります。インターンシップへ等の参加や、イベントを通じて情報収集をするのも活路を開く鍵です。
スケジュール管理と計画的なアクションで、一歩一歩確実に就職活動を進めましょう。不安や遅れを感じることがあっても、それぞれの経験が自分を成長させ、望む未来へと導く力になることを信じて、前向きに取り組んでください!
PROFILE
鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。