大学のキャリアセンターを上手に使って、就活準備をスムーズに進めていこう!
就活ノウハウ公開日:2023.08.29
こんにちは!キャリアコンサルタント・公認心理師の濱野です。現在多くの皆さんは、さまざまな情報ソースを駆使して就活準備を進めている最中かと思います。その中で、意外にも皆さんが十分に活用しきれていないのが大学のキャリアセンターではないでしょうか。キャリアセンターは、皆さんの就職活動を成功に導くために、さまざまなサポートをしてくれます。この記事では、キャリアセンターを最大限に活用して就活準備を有利に進める方法について、詳しく掘り下げていきます。
キャリアセンターってどんなところ?
皆さんは、ご自分が所属している大学のキャリアセンターに行ってみたことはありますか?「キャリアセンターで何ができるのか、よくわからないんだよね」…こんな思いの方もいらっしゃるかもしれませんね。
キャリアセンターとは、大学で就職支援や進路支援業務を行う専門の部署のことです。大学によっては「キャリア支援センター」、「就職課」などと呼ばれたりすることもあります。
学生の皆さんが自分ひとりの力で進路を決めたり、就活準備を進めたりすることはなかなか難しいですよね。抱える悩みも、「卒業後にどんな仕事に就きたいかがわからない」、「業界や職種の情報をどうやって得たらいいかわからない」、「企業の情報が欲しいが探すのが難しい」、「応募書類の書き方がわからない」、「面接に苦手意識がある」など、人それぞれです。
キャリアセンターでは、そんな皆さんの個別のニーズに応え、一人ひとりに合ったサポートを提供してくれるのです。そう、キャリアセンターは皆さんの就職活動の強い味方!使わない手はありませんよ。
キャリアセンターで提供しているサービスには、一般には以下のようなものがあります。
・就職ガイダンスや業界セミナー、模擬面接などの就活準備支援施策
・個別の就職相談(キャリアカウンセリング)
・インターンシップ等の情報提供
・大学に届いた求人情報の公開
・その他、外部機関のイベントやウェブサイトなどの情報提供
特に注目したいのは、「個別の就職相談(キャリアカウンセリング)」。キャリア相談の資格を持つ専門家(キャリアカウンセラー)が学生さん一人ひとりと向き合い、個別に就活を支援してくれます。
自分では見つけにくい求人情報もゲットできる!
実際に就活準備を進めている方は、普段どのようにしてインターンシップ等の情報や求人情報を得ていますか?多くの方は、就職情報サイトなどWEB上の情報ソースを活用して情報を得ようとされるのではないでしょうか。
もちろんその方法もよいのですが、キャリアセンターを活用することもお忘れなく!一般には公開されていない優良なインターンシップ等の情報や求人情報を、キャリアセンターでゲットすることができるのです。その理由をご説明しましょう。
ほとんどの大学では、キャリアセンターの職員が特定の企業を訪問したり手紙を送ったりして、求人情報の提供を働きかける活動をしています。また逆に、企業によってはその企業が求める特定のスキルや資質を持った学生さんを効率的に募集するために、特定の大学(学部・学科)に向けて求人情報を送付してくることもよくあります。
このような大学と企業とのつながりによって、あなたの大学のキャリアセンターには他大学には公開されない優良な求人情報が集まってくるのです。
そもそも、企業がキャリアセンターに求人情報を提供してくるということ自体「この大学の学生を採用したい!」という意思の表れですから、キャリアセンターに届いた求人に応募するということは学生さんにとって非常に有利なことなのです。
企業から届いた求人情報は、随時キャリアセンターのWEBサイトに掲載されたり、紙の場合はファイルされてキャリアセンター内の書架に設置されたりすることが多いです。あなたの大学ではどのような運用になっているか、チェックしてみてくださいね。
さらにもうひとつ。ぜひキャリアセンターの常連になって、職員やキャリアカウンセラーに自分が希望する企業の条件などを伝えておくことをおすすめします。それにより、キャリアセンターにあなたの条件に該当しそうな求人情報が届いた時、「〇〇さんに合いそうな求人が来たよ」と、他の方に先駆けて情報を提供してもらいやすくなるかもしれません。
なお、企業から送られてくる求人情報は、「求人票」と呼ばれる書類にまとめられています。「求人票」とは、社員の採用を予定している企業が募集概要や労働条件を記載し、求人を申し込む際に提出する書類のこと。職業安定法にもとづいて、以下の6項目を明示することが定められています。
・労働者が従事する業務内容
・労働契約期間
・就業場所
・始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日
・賃金額
・健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用に関する情報
上記はいずれも、働く上で非常に重要な内容です。応募先の「求人票」の見方がわからない、あるいは書いてある内容に疑問がある場合、キャリアセンターに相談してみましょう。
また、あなたの大学宛に求人票が配信されているかどうかは、キャリタス就活でも確認ができることがあります。会員登録・ログインすると検索が可能ですので、キャリアセンターと合わせて使ってみるのもおすすめです!
現役スタッフに聞く、上手なキャリアセンター活用法
学生の皆さんからよく聞く「キャリアセンター活用に関する疑問」について、都内の私立大学で働くキャリアセンターの現役スタッフに答えていただきました!
Q:キャリアセンターっていつ活用したらいいんですか?
A:就職活動について考えたいのでしたら、まずは3年生に進級した頃(4~5月)に来てもらうのがいいですね。この時期から夏のインターンシップ等を見据えて、自己分析をして自分の価値観や職業観の確認をしていくのがベストなのですが、ひとりでやるとどうしても行き詰まりがちです。キャリアセンターでスタッフと一緒に考えていくとスムーズにできると思いますよ。また、大学に来たインターンシップ等の情報も入手することができます。その後、夏のインターンシップ等の応募の準備、参加後の振り返り、秋冬のインターンシップ等の応募の相談・準備、そして本選考の準備へと、必要なタイミングで活用していただけたらと思います。
Q:エントリーシートや履歴書の添削もしてもらえますか?
A:もちろんです。どんなことを書きたいのかまとまらない場合は、お話を伺いながら、一緒に整理をすることからスタートすることもできますよ。
Q:模擬面接をしてもらえますか?
A:もちろん大丈夫です。本番直前だと練習できる回数が少なくなってしまいますので、できれば面接の予定が決まっていない段階から早めに来ていただけると万全ですね。
Q:将来やりたいことがわからないんです。こんな相談にも乗ってもらえますか?
A:はい。こうしたお悩みに効果的なのが「キャリアカウンセリング」です。キャリアカウンセラーと一緒に、あなたの職業への興味や価値観、能力、目指す働き方などについて、じっくり整理していきましょう。話すうちに少しずつ、あなたの将来像が見えてくるはずですよ。
Q:就活の準備、時期ごとにどんなことをしたらいいかわからなくて…。
A:キャリアセンターでは、皆さんの就活が順調に進むよう、必要な時期に効果的な施策やイベントを実施していきますので、ぜひこの流れに乗って就活準備を進めてください。具体的には、「自己分析セミナー」、「インターンシップ等のガイダンス」、「業界研究セミナー」、「SPI対策講座」、「エントリーシート対策講座」、「面接・グループディスカッション講座」、「マナー講座」などがあげられます。
また、企業セミナーや合同企業説明会など、企業さんとの接点となる施策も開催していきますので、こちらにもぜひ参加してくださいね。
キャリアセンターは就活準備生の強い味方!気軽に訪ねてみよう!
これまで多くの先輩が活用し、貴重な情報をゲットしたり悩みを解決したりしてきたキャリアセンター。「就活に関して学生の皆さんがどんな悩みを抱えがちなのか」、「どのような支援をすればその解消につながるのか」といった情報・ノウハウが蓄積されているキャリアセンターは、あなたにとっても強い味方になってくれるはずです。
また、キャリアセンターで働くスタッフの中には、企業の人事と太いパイプを持っている方や、企業での社員研修を担当している方などがいらっしゃる場合もあります。こうした企業の採用活動に関する知識が豊富な方々とお話ができることも、とても有意義ですよね。
就職情報サイトやエージェントサービスとともにキャリアセンターも大いに活用して、就活の幅を広げていきましょう。
最後に…。
キャリアセンターは単なる情報提供の場だけではなく、皆さんの心の支えになる場所でもあります。就活準備の過程でストレスを感じたり、なかなか結果が出なくて気持ちが落ち込んだり、方向性に迷いが出たりしたとき、キャリアセンターに行ってお話をしてみてくださいね。
就活というマラソンの伴走者としてあなたをずっと応援してくれる。キャリアセンターはそんな存在なのです。
PROFILE
濱野 裕貴子
キャリアコンサルタント・公認心理師・ワークショップデザイナー
大学卒業後、教育系出版社に入社。通信教育の先生方のマネジメントを中心に、キャリアインタビューや機関誌の編集などに携わる。業務を通じて感じた「同じ仕事をしているにも関わらず働く理由や価値観の違いが出るのはなぜか」という問題意識から、「キャリア」に興味を持つように。14年間の勤務後独立し、以後、大学ではキャリアカウンセラーや非常勤講師、企業では研修講師として、学生や若手社会人のキャリア支援に当たってきた。演劇や落語、お笑いなどのパフォーミングアーツに触れることが大好きで、身体表現を使った自己理解のワークショップなども手掛けている。筑波大学人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコース博士前期課程修了(カウンセリング修士)。