川崎重工業株式会社

  • カーボンニュートラル

業種:メーカー/輸送用機器 本社:兵庫県

1878年創業。その長く着実な歩みとともに、事業分野も造船、鉄道車両システム、航空機、各種産業用機械、モーターサイクル、エネルギー環境プラントと、時代の変化に応じて幅広く拡大を続けています。

サステナビリティ活動の事例

activity 01

川崎重工が進める「カーボンニュートラル」。
事業プロセスにおけるCO2 FREEの取り組み

鉄道車両、航空機、エネルギー・環境製品、産業機器、モーターサイクルなど幅広いフィールドで事業を展開する川崎重工グループ。その環境経営は、1994年の第1次環境経営活動基本計画の策定から始まりました。1999年には基本理念および行動指針である環境憲章を定め、重工業界で初めて環境報告書を発行。
そして、地球温暖化の抑制に向けて発効されたパリ協定や、国連により採択された持続可能な開発目標(SDGs)など、世界的に地球温暖化対策の必要性が高まるなか、より高いハードルを課した「Kawasaki地球環境ビジョン2050」を策定。CO2 FREE(低炭素社会の実現)、Waste FREE(循環型社会の実現)、Harm FREE(自然共生社会の実現)につなげる重点施策を設定し、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」というグループミッションの実現に向けて、さらなる環境経営を進めています。

出典:川崎重工コーポレートサイト「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」

activity 02

世界初の「液化水素運搬船」は安全輸送の国際ルールづくりにも貢献

水素エネルギーを実用化するためには、大量の水素を、効率よく、安全に輸送する技術が求められます。1981年に日本で初めてLNG(液化天然ガス)運搬船を建造した川崎重工は、海上輸送における極低温技術をリードしてきました。長年培ってきた造船技術と極低温技術を結集し、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を製造。水素を-253度に冷却し液体化することで体積を800分の1にし、大量輸送を目指します。運搬船は全長116m、総トン数は約8,000トン。一度に運べる液化水素は1,250m3で、水素を使う燃料電池車(FCV)1.5万台の燃料に相当する量だといいます。
液化水素運搬船はすでに完工されており、荷役システムに関する実証実験を2021年12月~2022年2月にかけて実施しました。実証試験は川崎重工が神戸空港島に建設した世界初の液化水素貯蔵荷役実証ターミナル「Hytouch神戸」で行われました。

世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」 提供:HySTRA

サステナビリティ活動におけるビジョン

川崎重工グループは「その技を通じて国家社会に奉仕する」との創業者・川崎正蔵の意志を受け継ぎ、120年以上にわたって常に最先端技術に挑み、先進的な製品を通じて社会の発展に貢献してきました。今日、川崎重工グループは、創業の精神から発展したグループミッション「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」を掲げ、水素エネルギーへの転換やロボット技術を活用した新たな働き方の提唱など、未来に向けたソリューションと新たな仕組みづくりに取り組んでいます。
本方針は、グループミッションの達成に向けて、将来にわたり世界が直面する様々な社会・環境課題に対して革新的な解決策をつくり出すことにより、持続可能な社会と川崎重工グループの継続的な企業価値向上をともに実現するための経営の長期的なあり方を示すものです。それを踏まえ、時代ごとの社会・環境の変化を捉えてマテリアリティを特定し、成長シナリオとして経営計画を策定します。また、コーポレートガバナンスを強化し、ステークホルダーの皆様との対話と協働を通じて新たな経済・社会・環境価値を創造します。

経営におけるサステナビリティの位置付け

サステナビリティな人

産業プラント総括部
産業・水素プラント部 水素技術課
佐藤 裕人

エネルギーソリューション&マリンカンパニー

ロケットの燃料である液化水素(LH2)を種子島宇宙センター内で貯蔵・供給する設備、LHS(液化水素貯蔵供給所:Liquid Hydrogen Storage)。
その中にある液化水素タンクは、国内最大規模の大きさを誇っています。ロケット打上げの数週間前にコンテナ(タンクローリー)へ積み込まれ、陸路と海路を経由し輸送されてきた液化水素は、ロケットに充填される打上げの数時間前まで、このタンク内で貯蔵されます。しかし、液化水素を蒸発させずに液体の状態で長期間貯蔵するのは至難の技です。打上げに必要となる膨大な量の液化水素を、蒸発を抑えて貯蔵する技術、そこには川崎重工業ならではの技術力が活かされています。
この液化水素タンクは1987年に建造されてからずっと運用されていますが、断熱保冷性能は未だに全く劣化していません。この大きさでこの能力。しかも何十年にも渡って性能を維持できるというのは世界トップレベルの技術だと思います。そうした高い技術を先人から受け継ぎつつ、これからは自分が新しい技術を生み出していくのが目標です。そして、いつまでもお客様に喜んでもらえる製品を作り続けていきたいと思っています。

※本ページ内の掲載内容は2022年6月1日時点のものです。

川崎重工業株式会社

  • カーボンニュートラル

業種:メーカー/輸送用機器 本社:兵庫県

1878年創業。その長く着実な歩みとともに、事業分野も造船、鉄道車両システム、航空機、各種産業用機械、モーターサイクル、エネルギー環境プラントと、時代の変化に応じて幅広く拡大を続けています。