内定辞退の伝え方のマナーは?電話・メールの例文や注意点をご紹介
就活ノウハウ公開日:2025.04.23

就活を進める中で応募企業から内定をもらったが「ほかの選考との兼ね合いで内定を辞退したい」という状況になる場合もあります。このとき、内定辞退はどのようにすればいいのか?どんなマナーがあるのか?など悩む方も多いでしょう。本記事では内定辞退の流れや電話・メールでの具体的な伝え方を解説します。内定辞退の際に重要な注意点やマナーもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
内定辞退とは?内定承諾後辞退との違い
内定辞退 |
・内定に承諾せずに辞退を伝える (内定承諾書を返送する前) |
---|---|
内定承諾後辞退 |
・内定に承諾した後に辞退を伝える (内定承諾書を返送した後) |
内定辞退(※)と内定承諾後辞退はどちらも内定を辞退することですが、そのタイミングが異なります。
内定辞退は企業からの内定通知を承諾する前に辞退することです。
一方で、内定承諾後辞退は内定通知を一度承諾した後に辞退することを意味します。
内定承諾後辞退は企業と内定の約束を交わしたあとの辞退となるため、内定辞退よりも企業への影響が大きいです。企業は内定者の入社を前提に採用活動を進めているため、いずれも誠意のある対応が必要になります。
※この記事では内々定辞退を含めて内定辞退と呼びます。

内定辞退の流れ | 誰に、いつまでに、何を伝える?
誰に伝える? | 採用担当者 |
---|---|
いつまでに伝える? |
回答期限がある場合は期限内 ※回答に迷う場合は期限延長の相談が可能 期限がない場合は内定通知を受け取ってから1週間以内が理想 |
何を伝える? |
内定のお礼 内定辞退の旨 内定辞退の理由 お詫びの言葉 |
電話?メール? |
基本は電話連絡 不在の場合はメールで連絡 ※電話連絡後、形に残すためにメールを送るとよりよい |
了承のメールに返信する? |
企業側からの了承メールに返信する必要はない ※詳細な辞退理由などを求められた場合は対応する |
内定辞退をする場合は、速やかに採用担当者に電話連絡をすることが基本です。回答期限がある場合は期限内に、ない場合は内定通知を受け取ってから1週間を目安に伝えましょう。電話がつながらない場合はメールで伝えます。
また、電話で連絡をした後、形として残るようにメールでも改めて辞退の意向を伝えると丁寧です。気まずさから連絡を避けるのはNGですが、どうしても電話が難しい場合は誠意を込めたメールで伝えましょう。
伝える内容は、電話とメールいずれも「内定のお礼」「辞退の旨」「辞退の理由」「お詫び」の4点です。辞退の理由は以下のような例が挙げられます。
内定辞退の理由の例
・他社からの内定を承諾したため
・改めて自身のキャリアを見直すことにしたため
・卒業見込みが立たなくなったため

キャリアアドバイザーからの一言
内定辞退の際は具体的な理由を述べる必要はありません。個人的な事情を詳しく述べることや、企業への批判は避け簡潔に伝えましょう。
もしも理由を深掘りされた場合は、答えられる範囲で丁寧に対応すれば問題ありません。
内定辞退するか迷っている場合はどうする?
内定を承諾するか辞退するか迷っている場合や、より志望度の高い他社の選考結果が期限内に出ない場合は、採用担当者に理由を伝え、回答期限を延ばしていただくようお願いしてみましょう。その際、「○日まで考えたい」と具体的な日にちを伝えてください。その連絡をする場合も回答期限ギリギリではなく早めに伝えることが大切です。
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内定辞退の電話の例文とポイント
内定辞退を電話で伝える際にはいくつかポイントがあります。紹介するポイントをおさえた上で例文を参考にし、伝える内容を整理しましょう。
電話をする際のポイント
・企業の営業時間内に連絡する
・伝える内容をメモ書きしておく
・内定をもらったお礼をまず伝える
・内定辞退の旨をしっかり示す
内定辞退の電話は企業の営業日の日中にかけましょう。その際、始業前や始業直後、昼休憩は避け、相手の業務に支障をきたさない時間帯を選ぶことが大切です。話す内容は事前にメモをしておき、電話の際はできるだけ簡潔に要点を伝えます。電話の最後には、対応してくれた担当者へお礼も丁寧に伝えましょう。
電話で内定辞退を伝える例文
お世話になっております。先日、内定の通知をいただきました〇〇大学の〇〇(苗字+名前)と申します。採用担当の◆◆さんはご在席でしょうか?

―担当者にかわったら―
お世話になっております。先日頂戴した内定通知について、ご連絡させていただきました。今お時間いただけますでしょうか?


はい、大丈夫です。
この度は、内定のご連絡をいただきまして誠にありがとうございました。
大変申し上げにくいのですが、検討させていただいた結果、御社から頂戴した内定を辞退させていただきたく思います。


そうですか。もし差し支えなければ辞退の理由を伺ってもよろしいでしょうか?
就職活動を進める中で、他社からも内定をいただきました。最後まで悩みましたが、今後のキャリアと自分の適性を考え、そちらの会社に入社することを決意しました。


なるほど。残念ですが承知いたしました。他社でのご活躍を心より期待しています。もし仕事上で関わる機会があればよろしくお願いします。
本来ならば直接お詫びに伺うべきでしたが、電話でのご連絡となり申し訳ございません。また、選考では貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような形となってしまい大変申し訳ございませんでした。
本日はお忙しいところご丁寧な対応をしていただきありがとうございました。
それでは失礼いたします。


キャリアアドバイザーからの一言
内定辞退の電話をするのが怖いと思う方も多いと思います。しかし、マナーを守って丁寧に伝えれば問題ありません。焦らずにはっきりと内定辞退の意思を伝えましょう。中途半端な伝え方は、かえって相手への印象が悪くなるためNGです。
内定辞退のメールの例文とポイント
内定辞退のメールでは何を書けばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。メールをするときのポイントを紹介しますので、しっかり理解した上で例文を参考にメールを書いてみましょう。
メールを送るときのポイント
・件名は簡潔に明記する
・連絡がメールのみの場合はそのお詫びの言葉を添える
・選考の対応をしてくださったお礼を伝える
・内定辞退の趣旨と理由を簡単に伝える
・文末では会社の発展をお祈りする
内定辞退のメールを送る際は件名を簡潔にし、採用担当者がすぐに内容を理解できるようにしましょう。たとえば「内定辞退のご連絡/大学名 苗字+名前」などが適切です。電話で伝えるのが基本ですが、形に残すためにメールも送ることは問題ありません。もし電話がつながらないなどメールのみで連絡する場合には、その旨のお詫びを一言添えると丁寧な印象になります。
メールのみで内定辞退を伝えるときの例文
件名:内定辞退のご連絡 / 大学名 苗字+名前
株式会社◯◯◯◯
人事部 ◆◆ ◆◆様
お世話になっております。○○大学の〇〇(苗字+名前)と申します。
先ほどお電話させていただきましたが、ご多忙のようでしたのでメールにて失礼します。
この度は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。
このようなうれしいお知らせをいただきながら誠に恐縮なのですが、今回の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
今後のキャリアや自分の適性について検討した結果、他社とのご縁を感じそちらへの入社を決意しました。
お忙しい中、選考に貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり大変申し訳ございません。
本来であれば貴社へお伺いし直接お詫びするべきではございますが、メールでのご連絡となりましたこと何卒ご容赦いただきたくお願い申し上げます。
面接をご担当いただいた◆◆様をはじめ、採用に関わってくださった皆様には心より感謝いたします。
最後になりますが、貴社のますますの発展を心よりお祈り申し上げます。
—————————————————
大学名 学部 学科
苗字+名前(ふりがな)
携帯番号:090-××××-××××
メール:〇〇〇〇@××××.co .jp
—————————————————
電話で内定辞退を伝えたあとに改めてメールを送るときの例文
件名:内定辞退のご連絡 / 大学名 苗字+名前
株式会社◯◯◯◯
人事部 ◆◆ ◆◆様
お世話になっております。○○大学の〇〇(苗字+名前)と申します。
先ほどはお忙しいところご丁寧に対応いただきありがとうございました。
お電話でもお伝えした通り、誠に恐縮ですが内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、ご期待に添えず大変申し訳ございません。
面接をご担当いただいた◆◆様をはじめ、採用に関わってくださった皆様には心より感謝申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますの発展を心よりお祈り申し上げます。
—————————————————
大学名 学部 学科
苗字+名前(ふりがな)
携帯番号:090-××××-××××
メール:〇〇〇〇@××××.co .jp
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内定辞退の連絡をする際のマナーや注意点

内定辞退を連絡する際にもマナーは大切です。今後仕事で再び関わる可能性もあるため、企業に悪い印象を与えてしまうと今後のキャリアにも影響します。内定辞退において注意すべきポイントを解説するのでぜひ参考にしてください。
■内定辞退はなるべく早く伝える
内定辞退を決めたら、1日でも早く企業に伝えましょう。回答期限を設けている企業もありますが、一般的には、内定が出てから1週間以内に連絡するのが理想とされています。遅れるほど伝えにくくなる上、企業の採用計画にも影響を与えます。連絡は基本的に営業時間内に電話で行い、日中どうしても都合がつかない場合はその旨とお詫びを添えてメールで連絡しましょう。
内定辞退の連絡を戸惑う方もいますが、無断で辞退するのは絶対にNGです。社会人としてのマナーを守ることが重要です。

キャリアアドバイザーからの一言
企業によっては回答期限を伸ばすことも可能です。回答期限の延長をお願いする際は、採用担当者に理由と回答する期日を自分で決めて相手に伝えましょう。1週間程度の延長が認められる場合が多いです。
■内定辞退の理由は正直に伝える
内定辞退の理由は正直に伝えることが大切です。具体的に説明する必要はありませんが、うそをつくのはNGです。万が一うそがバレた場合、今後社会人として関わりをもった際に悪い印象をもたれる可能性があります。同じような業界で就職する際には意外なつながりが生まれる場合もあります。
お世話になったという事実を含め、社会人として誠実に対応しましょう。
■誠意をもって感謝とお詫びを伝える
内定辞退を伝える際は、選考にかけてくれた時間や労力に対して誠意をもって感謝を伝えることが重要です。その上で、せっかくいただいた内定を辞退することへのお詫びも忘れずに伝えましょう。電話・メールに関わらず、相手に対して真摯な姿勢で対応することが大切です。丁寧な対応を心がけることで、企業に対する印象もよくなります。
■入社予定の企業名は伝えなくても問題ない
内定辞退の理由が他社の内定を承諾したためであっても、具体的な企業名は伝えなくても問題ありません。企業同士に直接の関係がなくても、採用担当者間に意外なつながりがある可能性もあります。トラブルや行き違いを防ぐためにも、内定承諾先の企業名を伝えるかどうかは慎重に検討しましょう。
■内定辞退の撤回は基本的にはできない
一度伝えた内定辞退の取り消しは基本的に認められません。そのため内定辞退を決める際は慎重に判断し、納得がいくまでしっかり考えることが重要です。
もし辞退を伝えた後にどうしても入社したい場合は、速やかに採用担当者に連絡し正直な気持ちを伝えましょう。しかし、企業によっては受け入れられない可能性もあるため、内定辞退には慎重な決断が必要です。
内定辞退に関するよくある質問
■Q.内定辞退はマナー違反?
A.内定辞退は企業側も想定しているものであり、マナー違反ではありません。しかし、内定の連絡を受けてから何も返事をしないことはマナー違反です。内定辞退の意思が固まった段階で速やかに企業に伝えるようにしましょう。
■Q.内定辞退の連絡が遅れてしまったら?
A.内定辞退の連絡が遅れてしまった場合は、すぐに採用担当に連絡しましょう。企業側も受け入れの準備などがあるため、時間が経過するほど迷惑がかかります。連絡する際は遅れてしまったことを真摯に謝罪し、内定辞退の旨をしっかり伝えることが大切です。
■Q.内定辞退のメールに返信がこないときどうする?
A.内定辞退のメールに返信がこない場合は直接採用担当に電話をして確認しましょう。返信がこない理由として、採用担当に内定辞退のメールが届いていなかったり、内定辞退に対する対応を考えていたりする可能性があります。実際にはどのような状況であるのかわからないため、直接確認することが大切です。
■Q.採用、内々定、内定の違いは?
A.採用、内々定、内定には明確な違いがあります。
採用は応募者が内定承諾を表明した上で雇用契約を取り交わし、実際に業務を開始することを意味します。
内々定(※)は内定の前段階で採用の意思を示すことを指し、正式な労働契約ではありません。
内定は企業が就活生に対して正式に採用の意思を通知することです。
※正式には内定の前段階で採用の意思を示すことを「内々定」といいますが、この記事では「内々定」を含めて「内定」という表記を使用しています。
※また、政府主導の就職活動ルールでは大学4年生の10月以降を正式な内定日と定められていますが、それ以前に企業が正式に採用の意思を通知することも含めて「内定」と表記しています。
内定をもらった企業だからこそ、誠実に対応しよう!
内定辞退は慎重に判断し、意思が固まった時点で企業に速やかに伝えることが大切です。将来的に仕事上で関わる可能性もあるので、マナーを守って対応しましょう。企業はあなたを評価して内定を出したのですから、感謝の気持ちを伝えることも忘れてはいけません。この記事で紹介したメール・電話の方法を参考に、社会人として誠意をもって意思を伝えましょう。
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