生成AI技術が引き起こす新たな採用トレンドとは?就活生が知るべき生成AIとの共存意識
就活ノウハウ公開日:2024.01.24
生成AIの進化によって、私たちの生活はとても便利になってきています。個人の好みや行動パターンを学習し、カスタマイズされたニュース、音楽プレイリストなどさまざまな情報を提供することが可能となりました。その便利な生成AIの技術が今、採用市場にも導入され始め、大きな変化が起こっています。
本記事では、生成AIの基礎知識から、企業の採用現場における活用事例、生成AIツールとの向き合い方について解説します。生成AIを理解することは、就活生にとって一時的なトレンドを知ることではなく、将来のキャリア形成において重要な役割を果たします。この記事を通じて生成AIをどのように活用していくのか参考にしてください!
生成AIの基礎知識
生成AI(Generative AI)は、深層学習(Deep Learning)※を基盤としており、機械が膨大なデータからパターンを学び、それを基に新たな情報やコンテンツをリアルタイムで生成する革新的な技術です。
また、生成AIは継続的にアルゴリズムの進化を遂げており、その精度は日々向上しています。ビジネスやエンターテイメント、教育などさまざまな分野での応用が期待され、生成AIによる創造性は、無限の可能性へとつながるようになりました。
※深層学習(Deep Learning):コンピューターが人間の脳のように学習する方法。「ニューラルネットワーク」と呼ばれるシステムを使い、大量のデータからパターンを学習。例えば、たくさんの犬の写真を見せると、コンピューターは「犬とはどういうものか」を理解し始める。これにより写真の認識や言語の理解など、人間のように複雑なタスクを行えるようになる学習技術のこと。
■生成AI=ChatGPTだけじゃない
生成AIは、画像や音楽の生成、自動翻訳、レコメンドシステムなど、多岐にわたる技術・サービスを含みます。チャットボット、画像生成、音声認識など、さまざまな種類の生成AIが存在し、ChatGPTは生成AIを使用したサービスの一例にすぎません。
企業における生成AIの活用例
生成AIは、多くの業界で活用されており、その応用範囲は広がり続けています。以下に、いくつかの企業における生成AIの活用例を紹介します。
トヨタ自動車:
製造プロセスの効率化や自動運転技術の開発に生成AIを使用して車両の性能を分析し、将来のモデルの改善に役立てています。
Amazon:
商品推薦エンジンや倉庫管理に生成AIを活用しています。また音声認識AIアシスタント「Alexa」は、消費者の行動を学習し、カスタマイズされたレスポンスを提供しています。
Google:
検索アルゴリズム、自然言語処理、画像認識などに生成AIを使用しています。また人工知能を研究するイギリスの企業「DeepMind」を買収・子会社化して、生成AIの研究を推進しています。
三菱UFJ銀行:
顧客の問い合わせに対応するチャットボットの開発や、ローンの承認プロセスの自動化を進めています。
ファーストリテイリング:
ユニクロ、ジーユーなど複数のブランドを世界中で展開する企業です。在庫管理や顧客の購買傾向分析に生成AIを用いています。
ヤマト運輸:
AIアルゴリズムを用いて膨大な配送データから最適なルートを算出し、配送効率を大幅に向上させています。
進化が止まらない!採用市場における生成AIの活用事例とは?
皆さんの暮らしや、さまざまな企業の業務オペレーションに広く浸透した生成AIの技術は、現在、採用市場においても重要な役割を果たしています。
特に採用選考の生成AIの活用は、効率性と公平性の向上に寄与しています。応募者から送られてくる膨大な書類のチェックや、従来の人的資源だけでは難しい客観的な評価基準の提供が可能になりました。
■選考や採用における生成AIの活用事例
1.履歴書分析:応募者の経歴やスキルを分析し、適性を評価。
2.自動面接スケジューリング:応募者と面接官の予定を調整し、面接日程を決定。
3.仮想面接官:仮想面接官として質問をし、応募者の応答を分析。
4.能力試験の作成・採点:能力試験の問題を作成し、採点を自動化。
企業が生成AIを利用する一方で、就活生が生成AIを上手に活用している例も多々あります。例えば「ChatGPT」を利用して、履歴書や職務経歴書のテキストを最適化したり、自己PRの作成やブラッシュアップにも活用可能です。またチャットボットを利用した模擬面接で、実践的な面接練習を行い、回答スキルを高めることも可能です。
さらに、情報収集・集約ツールとしても利用されており、業界研究や企業研究をインターネット上から情報を集約してくれたり、業界トレンドやニュースを分析して要約もしてくれます。
■生成AIに頼り過ぎもNG!
ただし、就活準備において生成AIを過度に信用することはリスクが伴います。例えば、いくつかの箇条書きを集約するように「ChatGPT」に指示して生成された自己PR文は、一見すると完成された文章になっていますが、一番アピールしたい内容が薄かったり、文章構成がちぐはぐになってしまう場合もあります。
また、模擬面接に生成AIを使用する際にも、フィードバックはあくまでも参考であり、実際の面接官の反応や質問は異なる場合が多いので注意が必要です。
さらに生成AIは、時に誤った情報や偏見を反映することもあり、これを鵜呑みにすると誤った判断を下す恐れがあります。あくまでサポートツールとして利用し、最終的な判断は自分自身で行い、自身の思考や独自性を大切にし、バランス良く活用することが重要です。
生成AI時代のこれからのキャリア形成について
生成AIが生み出すさまざまなサービスは、選考や採用市場における活用だけではなく、入社後の中長期的なキャリア形成にも大きく影響することを知っておく必要があります。生成AIとの向き合い方について以下のポイントを参考にしてみてください。
1.生涯学習の重要性:
生成AIやテクノロジーの進歩により、職種や必要なスキルが急速に変化しています。そのため、一度学んだ知識や技能だけに頼ることはできなくなり、常に新しい情報を吸収し続ける必要があります。SNSでAI専門家や関連企業をフォローし、彼らの最新の研究やプロジェクトについてチェックしておくと良いでしょう。さらに、AI関連のフォーラムやオンラインコミュニティに参加し、他の利用者や専門家と情報交換を行うのも良い方法です。
2.キャリアパスの多様化と柔軟性:
かつては1つの企業や職種に長く留まることが一般的でしたが、これからの時代はキャリアの選択肢が大幅に増え、多様化しています。異なる業界や職種への転職も一般的になり、キャリアパスは柔軟に変化することが求められます。この変化に対応するためには、生成AIをはじめとする最新技術への関心や利用は柔軟な思考と新たなことに対する適応能力向上につながります。
3.創造的な利用:
既に「単純作業」「定型作業」は生成AIによって活用される場面が増えています。今後は新しいアイディアやマーケティング、デザイン、執筆などの分野でAIをクリエイティブな支援ツールとして活用することが重要になってきます。生成AIを駆使して創造的な作業を行うためにも、日常的にAIとの対話を取り入れ、問題解決や意思決定のプロセスにどんどんAIを活用していきましょう。
4.倫理とプライバシーの理解:
AI技術を使用する際は倫理的な側面とプライバシーの保護を考慮することも忘れてはいけません。データの取り扱いや人工知能の影響についての理解を深め、責任ある使い方を学んでいきましょう。
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まとめ
生成AIは、私たちの日常生活をより便利にし、企業の仕事の効率化や採用活動の改善に大きく貢献しています。この技術は今後、さらに多様な分野で活用されることが期待されています。この革新的な技術は、皆さんのキャリアに多大な影響を与え、新しい機会を提供してくれるはずです。
気をつけたいのは、生成AIツールを「知っている・使える」ではなく、それを駆使して「何を創造できるか?どんな新しい価値を提供できるか?」という考えを持ちながら使っていくようにしましょう。
新しい知識と技術への好奇心は、皆さんのキャリアを豊かにし、予測困難な時代を生き抜くための重要な資産となるでしょう!
PROFILE
鳥羽山 康一郎(とばやま こういちろう)
静岡県生まれ。広告制作会社、外資系広告代理店にてコピーライター、クリエイティブディレクター、プランナーとして勤務後、2006年よりフリーランスとして独立。外資系マーケティング理論の知見を活かし、広告・Webライティング等を中心に執筆活動を展開中。地方取材、インタビューも得意とする。