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現状に甘んじることなく新しい時代も挑戦を

変わらないことは退化だと言われるビジネス界。それは100年の歴史を有し、業界で確たる地位を築いた巨人にとっても同じであるようだ。今後、変化を求めチャレンジを重ねていくにあたって、寄る辺となるパーパスを策定した野村證券。これからは人材を鍵にますますグローバルな舞台で活躍していくだろう。

人材マネジメント戦略
新たな付加価値に挑み続けるプロフェッショナル集団

提供:野村グループ(野村證券株式会社)

新しい100年に向け、社員の想いをくみ上げたパーパスを策定

2025年12月。野村グループは創立100周年を迎える。それにあたり、去る2024年4月には創業の精神や企業理念を受け継ぎつつ、次の100年につながるグループ経営の基礎となるパーパスが策定されている。

パーパス:金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する

このパーパス、そして野村證券のこれからの挑戦・人材育成について野村ホールディングス株式会社グループ人材開発部長土居展陽氏が話す。

「2021年から約3年、部門やグループを超え、国内外の役員と社員1万人以上が対話に参加して策定されました。パーパスの文言そのものももちろん大切ですが、より重要なのは策定に至るまでの、そしてこれから浸透させていくプロセスです。パーパスにまとめられた大きな方向を共に見据えながら、一人ひとりが『金融資本市場の力とは?』『世界と共にとは?』『豊かな社会とは?』を問い続け、気軽にディスカッションを行い、グループ内でのエンゲージメントを強化していく。そういったことが大切だと考えています」

これから、今まで以上に複雑化するお客様のニーズに応えていくために、既存のものを大事にしつつ新しいビジネスにも果敢にチャレンジしていく。そんな野村證券の決意がここに込められている。

新しい時代にさらなる成長を目指し「挑戦」を重視

パーパスのもと、新たな100年に臨んでいく野村證券にとって、成長の大きな鍵となるのは「挑戦」だ。国内に強固な事業基盤を有し金融資本市場をけん引している同社ではあるが、社会構造が大きく変化する情勢を見据えれば、まだまだなすべきことは多くあるという。インドなど発展著しい国でのプレゼンス向上、海外富裕層との結びつき強化など、グローバルを見据えた取り組みや今後の社会に不可欠なものとなっていくデジタル・アセット領域のビジネスなど、すでに注力している事業領域は数多くあるが、サステナブル関連ビジネスの強化やプライベート領域(未上場・非公開企業の資本市場、私募による資本調達など、パブリックマーケットを経由しない投資機会)への事業拡大なども大きな「挑戦」となる。

サステナブル分野でのファイナンスでは、2022年3月期から2026年3月期の5年間で1,250億ドルというファイナンス目標額を掲げるが、ここまで計画通りに数字を伸ばし順調な進捗を見せ、パブリック市場での事業拡大についても、積極的に新しい商品・サービス開発に挑み、顧客のニーズに応え続ける姿勢は、新しい時代もけん引していくのだという強い意志を感じさせる。特にグループのウェルス・マネジメント部門のみならず、個人投資家や機関投資家向けのビジネスを行うインベストメント・マネジメント部門などが一体となって新しい仕組みづくりに挑んでいく姿は、高い総合力を持つ野村證券ならではの姿勢だと言えるだろう。

社員が自らを客観的に捉え、学習し、 成長する環境を整備

こうした新しい挑戦の数々を支えていくのが、人材だ。「当社では現在、プロフェッショナル人材、リーダーシップ人材をキーワードに人材の採用や育成に努めています」(土居氏)。パーパスを念頭に置きながら、高い水準で付加価値を最大限に生み出していくプロフェッショナル集団をつくり上げるために中でも力を注ぐのが「育成」だ。

プロフェッショナル人材、リーダーシップ人材の育成を促進するため、階層別研修、自己研鑽プログラム、そして部門別研修の3つの分野に注力している。階層別研修はこれまで行ってきた新入社員向け導入研修やマネージャー研修といったものであり、それとは別に社員が自らの知見を高め、高度な専門性を養っていく自己研鑽プログラムでは、語学や資格取得に加え、コミュニケーション力など、個々の社員が自ら伸ばしていきたいと考える分野を選択し、学びを重ねていく。部門別研修では各部門に特化した知識を身につけていく。

その他、経営リーダー候補の戦略的育成を目的とした選抜研修プログラムも実施しており、「野村経営塾」がそのフラッグシップ・プログラムとなっている。

デジタル分野の教育にも注力。自律した人材の育成を目指す

また、デジタル領域においても人材の育成に力を注ぐ。研修「Digital IQ University」では受講者のタイプとして12のデジタルペルソナを設定。例えばデータ・サイエンティスト、テクノロジー実務担当、デジタル・ストラテジストなどのペルソナがあり、社員が自分のキャリア計画や業務上の必要性に合わせた形でペルソナを選択。IT業務に携わる社員に限らず、多くの社員の生産性や専門性の向上によって、グループの競争力向上を図っている。

野村ホールディングス株式会社人材開発部採用グループの松本直子氏は話す。「DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を重視し、自分らしく働ける組織であることが強みです。社内公募制度も拡充しており、当社には自らの能力を社会に役立てたいと思う社員を後押しする環境があります。一人ひとりが自律し、リーダーシップを発揮することで組織として挑戦を積み重ねていくことができます」

意義あるパーパスを掲げ、人材の育成・活用に注力し、新しい100年を見据える野村證券。その挑戦はこれからも続いていく。

記者の目 WEB限定

野村證券は、金融の世界において巨人とも評されることのある巨大グループである。しかし取材を進めてみると、社内には現状に甘んじることなく、さらに上を目指そう、もっと社会に貢献しようという意気込みを強く感じることができる。その姿勢がもっとも強く感じられるのは「挑戦」というワードだろう。

奥田健太郎社長は常々「成功の反対は失敗ではない」と話すという。「成功の反対は失敗ではなく、何もしないことである」と。野村證券ほどの巨人であれば、はたから見ていれば何もしないとは言わないまでも、これまでのビジネスを粛々と継続していけば、そのスケールがものをいってビジネスは安泰であり続けるようにも見えるのだが、「成功の反対は何もしないこと」という意志が浸透する同社には現状維持を良しとしない空気が満ちている。

コロナ禍が明けグローバルビジネスは当時の停滞を取り戻すかのように活況を見せ、デジタル領域では生成AIの発展が新しい時代の到来を予感させる。そうした激変する社会情勢の中で、新しい100年を見据えて挑戦を重ねていく野村證券、その社員の皆さんの活躍には、世界の金融資本市場をけん引する存在として大きな期待を寄せていきたい。

野村グループ(野村證券株式会社)

事業内容 野村グループは、グローバル金融サービス・グループとして、世界約30の国や地域にネットワークを有し、
ウェルス・マネジメント、インベストメント・マネジメント、ホールセールという3つの部門が横断的に連携して、
国内外のお客様に付加価値の高い商品・サービスを提供している
資本金 5,944億9,300万円
売上高 1兆5,620億円(2024年3月期)
従業員数 26,850名

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