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金融機関と中小企業の仲立ちをする信用保証協会

中小企業が金融機関から融資を受ける際、「公的な保証人」となってくれるのが信用保証協会。目立つ存在ではありませんが、企業の成長を金融の側面から支えることで日本経済の発展に貢献しています。

「信用」で金融機関と企業の間を取り持つ

社会人として最も大切なのが「信用」。友人からお金を借りようと思っても、「あの人は信用できない」と思われていれば、貸してくれる人はなかなか見つからないでしょう。

企業も同じことです。

銀行から融資を受けようと思っても、それに見合う信用がなければ難しいのが現実。特に創業間もないベンチャーや、不動産などの資産に乏しい中小企業にとっては、目に見える形での信用を示すのは非常に困難です。

そこで重要な役割を果たすのが、信用保証協会です。

信用保証協会とは、その名の通り中小企業が金融機関から事業資金を調達しようとする際に、その信用を保証してくれる存在。個人に例えると、「あの人は信用できるからお金を貸しても大丈夫」とサポートしてくれる第三者です。この仕組みのことを「信用保証制度」といいます。

信用保証協会と信用保証制度のおかげで、ベンチャーや信用力が十分でない中小企業など金融機関から融資を受けづらい事業者も借り入れがしやすい環境になるのです。



ポイントは、信用保証協会そのものが融資をするのではないということ。融資を行うのはあくまで金融機関です。信用保証協会は、「信用」をベースに金融機関と企業の間を取り持つ組織です。裏方のような存在ともいえますが、非常に重要な役割を果たしているのです。

もし貸したお金が返ってこなかったら?

信用保証協会は、信用保証協会法によって設立された認可法人です。

47都道府県と4市(横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市)にあり、その数は全国に51。東京には「東京信用保証協会」、大阪には「大阪信用保証協会」と、それぞれの地域の名前が冠せられています。

「融資が受けやすくなるのはわかったけれど、もし返済できなくなったら?」

そんなシンプルな疑問をもつ方も多いでしょう。

信用保証協会の保証が付いた融資の場合、借りた企業が返済できなくなったら、信用保証協会が代わりに金融機関に弁済するすことになります。これを「代位弁済」といいます。これによって金融機関は信用保証協会からお金を立て替えてもらって、今度は信用保証協会が中小企業に対して再生計画等に基づき債権回収を行うわけです。

逆にいえば、この「代位弁済」の機能があるからこそ、金融機関は回収リスクを低減し融資することができるのです。中小企業にとっても金融機関にとっても非常に心強い存在といえるでしょう。

多方面から企業経営をサポート

中小企業経営者にとって資金繰りは大きな悩みですが、それ以外にも頭の痛い問題は多々あります。経営者に寄り添うことを使命とする信用保証協会にとっては、それらの問題解決につながるような支援も重要なテーマです。

例えば東京信用保証協会では、後継者不足に悩む経営者のために事業承継支援を展開。そのほかにも外部の専門家の派遣によるサポートや経営改善に向けた情報提供などを行っています。

さらには新型コロナウイルス感染症で大きな打撃を受けた中小企業・小規模事業者のために資金繰りに関する相談を受けるなど、逆風下の経営者を力強く支えています。

まとめ

いかがですか。企業と金融機関の仲立ちをする存在の信用保証協会。縁の下の力持ち的な存在のため、皆さんにとってはその存在を目にする機会は少ないかもしれません。しかしその果たす役割は大きく、やりがいも十分。中小企業支援を通し、社会貢献をしたいと考えている方は、ぜひ心に留めておいてください。


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