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注目記事2021.03.24

スマホで給与を受け取る時代へ

新社会人になって最初にすることの一つが銀行口座を開設することです。

言うまでもなく給与を振り込んでもらうためです。多くの場合、この口座が自分にとってのメインバンクとなるでしょう。

ところが、こうした事情が少し変わっていきそうな気配が…。「給与のデジタル払い」が現実のものになりそうなのです。

デジタルでの給与払いが解禁の方向へ

「給与のデジタル払い」とは、読んで字のごとく給与を電子マネーで受け取ることです。

ペイ払いなど、普段からキャッシュレス決済を利用している人にとっては、銀行に振り込まれた給与から決済アプリにお金を移動する手間が省けることになるでしょう。銀行口座の開設が難しい外国人労働者が、働いた報酬を受け取る手段としても利用できます。利便性は高いといえるでしょう。

昭和の頃は、現金を「給料袋」と呼ばれる袋に入れて手渡されていましたが、現在ではほとんどの企業が銀行振り込みとなっています。

そもそも給与の支払い方については、労働基準法によって「通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならない」と定められています。つまり銀行に給与が振り込まれるのは法律に基づいてのことなのです。

しかし電子マネーが広く使われ、キャッシュレス決済が一般化するようになって「現金をほとんど使わない」という人も増えてきました。こうした変化から、給与も銀行振り込みではなく、電子マネーで支払ってもいいのでは、という声が聞かれるようになりました。

それを受けて政府でも検討を続けてきましたが、どうやらデジタル給与払いが解禁されそうな雲行きとなってきたのです。そしてそのインパクトは非常に大きいのではないかとみられています。

銀行振り込みの戦略的メリットとは

仮定の話ですが、もし給与のデジタル払いが解禁されると、どうなるでしょうか。キャッシュレス生活にすっかりなじんでしまった人は、給与の振込先を銀行口座ではなく、電子マネーのアカウントに変更するでしょう。

おそらく、そうした人の割合はさほど高くないと思われます。給与をまるごと電子マネーに入れてしまうことに抵抗や不安を感じる人も少なくないでしょう。

しかしいったん給与のデジタル払いが解禁されると、銀行振り込みを利用しない人の割合は徐々に増えていくでしょう。それによって銀行が受ける打撃は少なくありません。

これまでほとんどの人はメインバンクに給与を振り込んでもらい、そこから家賃や光熱費などが引き落とされ貯金も行っていました。口座を見ればその人の経済状況が手に取るように分かるので、銀行にとっては住宅ローンの提案などに結びつけられる貴重なデータベースとなっています。

給与のデジタル払いが普及すれば、こうしたビジネスモデルが根幹から崩れることになります。銀行が警戒しているのも当然のことでしょう。

「疑似預金」が与える大きな影響

さらに給与のデジタル払いによって懸念されるのが、スマホの決済アプリにたまるお金が増えていくことです。現在でも皆さんが利用している決済アプリには数千円程度のお金が残留していることでしょう。

少なくなったらこまめにチャージする人、常に限度一杯チャージしておかないと不安な人などさまざまだと思いますが、誰の決済アプリにもお金は残っています。

これを日本経済新聞では「疑似預金」と呼んでいますが、確かに見方によっては預金と同じといえます。

預金と貯金の違いについては、「キャリタスFINANCE」でも以前、注目記事として取り上げました(https://job.career-tasu.jp/finance/articles/022/) が、預金が業務として許可されているのは銀行や信用金庫などだけです。なぜかというと、簡単にいえば銀行や信用金庫などの金融機関は信用があり、お金を預けていて安心だからです。

だからこそ給与が全額銀行に振り込まれても、私たちは安心して預けることができ、必要に応じて引き出せるのです。

ところが今後「疑似預金」が増えていくと、「預金・為替(送金)・貸出」という銀行の3大業務の一つが揺らぐことになりかねません。すでに送金や貸出についてフィンテック企業に浸食されている銀行にとっては、預金まで浸食されることは避けたいところです。

しかし給与のデジタル払いが解禁されれば、この流れも止めることができず、銀行の存在意義そのものが問われることにもなりかねません。

キャッシュレス決済の波はさらに一段と大きな影響をもたらそうとしています。

まとめ

スマホ決済を手がけるあるベンチャー企業が昨年12月にアプリへのチャージ残高に年利1%のポイントを上乗せする「残高利息」サービスを始めようとしましたが、混乱が想定されるとのことで中止となりました。

預金に利息をつけることは金融機関以外には認められておらず、法律に抵触する恐れがあったのではとみられています。こうした混乱も過渡期ならではのものと言えるでしょう。

皆さんが社会人として活躍する頃には、給与をスマホの決済アプリに振り込んでもらうのは普通のことになっているかもしれません。ひょっとしたら銀行員でさえも…。

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