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改めて気になる、“財閥系”って何だろう

看板から「三井」が消える

大手生命保険会社の「三井生命保険」が、2019年4月に「大樹生命保険」へと社名変更しました。「大樹」は「たいじゅ」と読み、同社の主力商品の名前にちなんだものです。

1927年発足の三井生命は、2015年に経営難から日本生命に買収され、日本生命の子会社となりました。長い歴史の「三井」のブランドは圧倒的な信頼を持ち、社名から「三井」が消えた際には惜しむ声も多く聞かれました。日本生命に買収されたといっても三井系の資本も残るため、広い意味では三井生命はこれからも「三井グループ」の一員と扱われることがあります。しかし、三井グループには「グループ外から資本を支配された企業は三井ではない」との認識があります。そのため社名から「三井」が消えることになったのです。

三井グループには、三井の商号・商標を管理する「三井商号商標保全会」という組織があります。1956年に設立されたこの組織は「三井」のブランドを守るために活動しており、三井生命に対して「三井」の冠を使うことは認めないと判断したと伝えられています。

財閥のブランド力

「三井商号商標保全会」と同様の組織は、三菱グループにもあります。それが「三菱社名商標委員会」です。この委員会は三菱グループのシンボルである“スリーダイヤ”の価値と信頼を守るために活動しています。

2018年春「三菱東京UFJ銀行」が行名変更し「三菱UFJ銀行」となりました。当時は「MUFG銀行」という名前が有力候補に挙がったものの、「三菱」の文字が消えることに強い反発があったことから、最終的に「三菱UFJ銀行」に落ち着いたと伝えられています。

同様の出来事はもう一つの有力財閥系である住友グループでも起きており、金融業界ではありませんが「住友金属工業」と「新日本製鐵」の経営統合では「新日鐵住金」という社名が誕生し、「住友」の二文字が消えたと話題になりました。
※同社は2019年、さらに「日本製鉄」へと社名を変更

それぞれに独自のカラー

このように、財閥由来のブランド力は現在も圧倒的な影響力を持っています。

では、あらためて財閥系とは何か、整理してみましょう。

財閥とは戦前に独占的に事業を展開していた一族のこと、あるいはその経営形態を指します。財閥は戦後、解体されましたが現在でも資本のつながりなどによって、それぞれに企業グループを形成しています。一般的には三井・三菱・住友の企業グループを財閥系と呼び、これに安田グループを加えて四大財閥と呼ぶこともあります。

三井住友銀行や三菱UFJ銀行は社名から推測しやすい一方、旧安田財閥系はみずほ銀行や明治安田生命などが該当し、一見すると分かりにくい面もあります。

財閥系にはそれぞれ「組織の三菱」「人の三井」「結束の住友」と称されるような独自の企業風土やカラーが引き継がれています。

財閥系イコール安泰?

財閥系企業は、現在も就職市場で高い人気を誇ります。

まず、有名企業・大企業が一つのグループとして連携していることで、経営の安定性が高いという魅力があります。それに伴って待遇面でも充実している傾向にあります。

また、「〇〇グループ」というブランド自体が強い社会的信用を持つため、営業活動や事業展開上も有利になるという強みもあります。これは就活という側面でも「いい会社に勤めている」という、個人の評価につながります。こうした点は、就職先を考える上で、ぜひ考慮に入れたいところです。

もちろん一方で、「財閥系だから一生安泰だ」という安易な考えは禁物です。就職人気が高いということはそれだけ入社後の競争も厳しいということで、単なる安定志向だけで選ぶことはオススメできません。また、冒頭に紹介した大樹生命(旧三井生命)のように将来的にグループの一員から外されてしまう可能性もあるわけで、個人の努力だけではどうしようもないリスクも含んでいるという覚悟も必要でしょう。

まとめ

三井・三菱・住友・安田などの財閥系グループは安定性や信頼度、事業スケールなど大きな魅力を持っています。その看板の力は確かな財産といえるでしょう。

しかし、だからといって入社してしまえば安泰という考えはあまりに安易です。グループの一員から外れてしまうリスクさえあることも自覚して、どんなときでも自分の力で道を拓いていける力を身につけるよう、入社後も自分磨きを怠らないようにしたいものです。

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