薬学生のための職種を知ろう|治験(CRA/CRC)

業界・職種・企業研究

公開日:2023.04.03

治験(CRA/CRC)とは、薬事法上の承認を得るために必要な臨床試験に関わる仕事です。

一般に新薬開発には10年以上という長い期間を必要としますが、そのなかでも特に時間を費やさなければならないのが治験です。近年、製薬会社ではこの業務をアウトソーシングする動きが進んでおり、その新薬開発の過程で治験のサポートをする専門企業のことを、CRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)とSMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)です。CROは製薬会社の医薬品開発にかかる治験業務(臨床開発)を受託・代行する企業、SMOは医療機関において適正で円滑な治験が実施できるよう、治験業務の支援を行う役割をする企業です。

CROでモニタリングを業務を行う担当者は、CRA(Clinical Research Associate:臨床開発モニター)と呼ばれています。具体的な業務は企画から、治験を依頼した医療機関の進行状況調査と確認をするモニタリング、データの集計と解析、さらには承認申請資料の作成、市販後調査のフォローまでを担当します。特に治験責任医師・分担医師・CRC(Clinical Research Coordinator:治験コーディネーター)・治験事務局員などの医療関係者と、依頼者である製薬企業の間に立つことから、コミュニケーション能力が求められます。

一方、SMOで治験をコーディネートする担当者は、CRCと呼ばれ、医療機関において、医学的判断を伴わない業務や、治験に関わる事務的業務、業務を行うチーム内の調整、治験に参加する患者の来院・検査のスケジュール管理など、治験業務全般をサポートします。CRAとの大きな違いは、被験者や医師と密にコミュニケーションをとる必要があること。被験者の立場に立って対話し、体調の変化を見逃さないこともCRCの重要な役目となります。近年では多岐にわたる業務と、大規模なプロジェクトになることが多いため、チームを組んで担当することが増えてきています。

この記事のタグ

最新記事

編集部のおすすめ記事

公式アカウントで最新情報を配信中!